年末調整の還付金はいつ戻る(2023年分)?~還付金の仕組みとは
年末調整といえば還付金・返金ですが、いつごろ戻るのか(振込されるのか)、いくらくらいもらえるのか気になる人も多いでしょう。
■この記事で学べること
【1】還付金が年末調整でいつ戻るのか、もらえるのか?
【2】年末調整の還付金とは?
【3】年末調整で還付金が発生する具体的なケース
【4】還付金が少ない、もらえないとき
年末調整の還付金2023年(令和5年)がいつ戻るのか、また還付金のポイントについてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
年末調整の還付金はいつ戻る、いつもらえる?
年末調整は一律でいつ戻ると決まっているものではなく、会社ごとの締め支払い、事務の進捗や手続きによるので、その点は考慮してください。
【結論】
一般的には「12月もしくは1月の給料などと一緒にもしくは別に還付金を支払う(返金する)」ケースが多いようです。
勤務先の事務手続きを考えると給料と一緒に処理することが多いでしょう。
後はその勤務先の締めや給料日などの関係になります。
具体的な還付金額については給与明細などに記載さいれていますので、チェックしてみてください。
参考までに会社側の年末調整の手続き上の締め切りがどうなっているかというと次の通りです。
- 源泉所得税の納付期限 翌年1月10日
- 年末調整の書類提出期限 翌年1月31日
ここから逆算して従業員に書類を提出してもらうため、年末調整の還付金は12月もしくは1月になるケースが多いようです。
続けて還付金とは何か、その仕組みや還付金が少ない、戻らないケースなどを解説します。
年末調整の還付金とは?わかりやすく説明すると、
年末調整の還付金とは?
最初に年末調整とは何かを簡潔に説明すると、会社員や公務員などの勤務先が本人に代わってする簡単な確定申告みたいなものです。
本人が提出する確定申告書があれば、税務署としてはこれが最終的なものになります。
お勤めの人は勤務先の会社などからお給料をもらいますが、これは源泉徴収義務があるので税金が源泉徴収されています。
つまり税金は源泉徴収されることで支払っているのですが、これは税金の「前払い」です。
給料は勤務先で把握できますが、その他の個別の税金に関係する事情までは把握できないので、源泉徴収での前払いの税金に反映させることができません。
例えば生命保険に新たに加入したら、生命保険料控除によって一定額を所得から差し引く(控除)することができます。
しかし毎月の源泉徴収に個別のことをタイムリーに反映するのは無理です。
本来差し引く(控除)ことができるものを精算(年末調整)することで、「払い過ぎていた税金」が還付金として戻るというわけです。
この税金の精算が年末調整の還付金です。
もちろん払いすぎていた税金がなければ還付金もありません。
年末調整の還付金は得をしているわけではない
還付金がたくさんあると確かにちょっとうれしいというのはあるでしょう。
しかし本来毎月の給与から多く税金を取っていた(個別の事情が反映できないから)というだけのことです。
普段あてにしていないところから還付金がでてくるので助かる部分があるでしょうが、年末調整の還付金とはこういうものだということを理解しておきましょう。
後で解説しますが、人によっては還付ではなく徴収になってしまうようなこともあります。
年末調整で還付金がもらえる可能性の高い人
年末調整をすることで還付金がある人はどのような人か確認してみましょう。
具体的には勤務先で把握しきれない控除やそれに関わる変更がある人です。
具体的に項目を挙げていきます。関連記事があるものはそちらも参考にしてください。
- 生命保険、医療保険、がん保険、学資保険、個人年金保険などに新たに加入
掛金の一定金額を生命保険料控除(一般、介護医療、個人年金の3種類のいずれか)の適用とすることができます。
- 地震保険に新たに加入
地震保険料控除を適用することができます。
- 個人型の確定拠出年金(iDeCo・イデコ)に新たに加入
掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になります。
- 扶養する家族が増えた。
結婚で配偶者が扶養に入った、出産で子供が生まれたなどのケースです。
- 配偶者と離婚や死別した
扶養する子供などがいる場合、寡婦控除(または寡夫控除)の対象になることがあります。
- 給与天引きではなく社会保険料控除を自分で支払った
学生の子供の社会保険料(国民年金など)を支払った場合、社会保険料控除の対象です。
- 家族に障害者がいる
障害者控除を適用することができます。
- 住宅購入して住宅ローン控除の適用が可能な人
住宅ローン控除が適用は初年度は確定申告、2年目以降からは年末調整で手続きします。
このようにざっくりとしたイメージとしては、
- 扶養家族に変更があった
- 障害者などがいる
- 生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)
などに加入したなどの場合などがあると覚えておくといいでしょう。
あくまで一例ですが、これらは控除されるものが増えるためその分が還付されるということです。
自分に該当する控除などがないかチェックしてください。
なお、医療費控除と使う、災害で被災して雑損控除を適用するなど確定申告でないと還付されないものもあります。
還付申告といいますが、このような場合には年末調整ではなく確定申告(この場合は還付申告)で還付金を受取ることになります。
年末調整の還付金計算の基本的な考え方
例えば毎月の給料が20万円くらいだと還付金がいくら戻るものかなどということが分かると便利でしょう。
しかし給料が一緒でも年末調整の還付金の目安や平均などは参考になりません。
その年の1月~12月までの収入や扶養親族の有無や数、社会保険料、生命保険などの加入状況によって全く変わるためです。
そのため毎月の給料が同じくらいの人でも年末調整の還付金は違いますし、人によっては還付ではなく徴収になるケースもあります。
自分で手計算したい人がいるかは分かりませんが、下記の国税庁の年末調整のしかたをみると基本的な考え方はわかります。
下記の国税庁のサイトのⅢの3、年税額の計算、4の過不足額の精算・設例あたりをみると参考になるでしょう。
なお、計算ツールの正確性は保証できませんが、「年末調整 還付金 計算 シミュレーション」などで検索してもらうと該当するサイトはいくつもでてきます。
自分で手計算するとなると所得税の計算の複雑な仕組みを全部理解している必要があるので現実的ではありません。
一つの目安として参考程度にはなるので、シミュレーションサイトなどを利用しておおよそイメージしておくといいでしょう。
年末調整が少なかったりもらえないことがある理由
年末調整で還付金が戻されることについて説明してきましたが、中には還付金が少ないあるいは、貰えない人がいるのです。
冒頭の「年末調整の還付金とは」、で説明したように年末調整は払い過ぎていた税金の精算になります。
払い過ぎた税金がなければそれ以上還付金が戻ることはありません。
年末調整が少ない、もらえない具体的なケース
例えば住宅ローン控除。初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整になります。
仮に住宅ローン控除があって還付金よりも多ければ、もう返金される金額はありません。
このケースでは還付金がないのではなく、住宅ローン控除で払い過ぎていた分は戻しきったということです(給与明細などに記載はあるはずです)。
年末調整の還付金が少ない、もらえないというよりは、この場合にはすでに別なかたちで使っているのです。
他にも扶養親族が減ったなどの場合もあるでしょう。
扶養親族だった子どもが独立した、扶養していた親が他界したなどがあります。妻が働き出して扶養から外れたなどもそうです。
このようなケースでは前年よりも扶養控除が減ったので還付金が少ない、あるいはないということはあるでしょう。
生命保険や医療保険などを解約すれば、差し引ける分(控除)が減るので同様に還付金が減るということがでてきます。
また勤務先の計算ミスということもあります。
税金の控除で返金されるから得になると言うことがありますが、自分の払いすぎていた税金以上に還付はされません。
年収や毎月の給料が同じでも還付金は個々に異なる
ちなみに勤務先の同僚などと還付金の多い少ないと比べてもあまり意味はありません。
先ほど解説したように仮に給料が同額でも扶養親族の人数や生命保険の加入など個別に事情が違うからです。
まとめ
給与所得者なら毎年必ず関わる年末調整ですが、年1回のことだったり、勤務先がする手続きが中心ですので、意外とよく分かっていない人も多いようです。
年末調整の還付金とはどういうものかを知って自分の収入にかかる税金についての理解を深めてください。
該当する人は年明けに確定申告をすることで、税制上有利になる人もいます。
会社員や公務員は基本は年末調整で、これでたいていの納税は終了します。ケースによっては確定申告が必要ということも覚えておきましょう。
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