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【火災保険】損害額の査定方法のまとめ(火災発生~保険金の支払いまで)

 2017/01/02 備える
 
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火災保険の選び方などの情報はよく見ますが、実際の火事になった場合のことについての情報は意外とありません。

火災や自然災害は普段の生活基盤の中心である住まいに大きな被害をもたらします。火災で自宅が燃えてしまったら、スマホやパソコンで思うように情報収集もできません。

平時のときこそ知っておきたい、火災が発生して損害を受けた場合の火災保険での建物や家財の損害額の査定方法や保険金支払いまでの流れについて解説します。

火災発生から保険金支払いまでの流れ

損害保険会社の一つの支社で、火災保険の全焼事案など年間で数えるほどしかありません。その反面、火災で全焼する事案がでると被害が大きいのが特徴です。

火災が発生したときに、どのような流れで保険金が支払いになるか確認してみましょう。ここでは2つにわけてみていきます。

損害保険鑑定人がすること

損害保険会社の人が見に来るなどと言いますが、実際に現場を見るのは損害保険鑑定人と言われている人です。

損害保険会社ではなく、鑑定会社というものがありますのでそこの所属になります。火災の場合には、一軒ずつ被害状況の確認をします。

具体的には、現場に行って写真を撮り、図面を引き、被害状況を確認します。これに基づいてレポートの作成をします。それなりに時間が掛かります。

損害保険会社の営業及び事務がすること

鑑定人が損害状況に確認をしているのと同時に営業・事務方では別なことの確認をします。
契約内容の確認、入金確認などを進めます。

例えば契約している建物の評価額は適正か、登記簿謄本上の所有者と契約上の所有者に違いはないか、免責金額の確認、契約上保険金の支払いに問題はないかなどです。

また特に保険料(掛金)が月払いの場合、連続して銀行引落しが不能になると保険金の支払いができないことがあります。

火災が発生した当月の銀行引落しが不能になると保険金が支払いできないなどでは洒落になりません。

実際にこうしたことがあると、保険会社や保険代理店から真っ先にこのことについて連絡があるでしょうが、保険料(掛金)の引落しは大事なことですので覚えておきましょう。

これらが同時並行で進んでいくとイメージしてください。

建物の火災での損害額(保険金)の査定方法

損害額の査定は損害保険鑑定人が行います。最近の火災保険は、新品の金額をベースに契約します。そのため契約金額を上限に実際の損害額を支払うタイプが主流です。

建物の査定方法は、現場をみて図面引いて損害確認をしていきますから、査定方法と言ってもかなり専門的です。

契約者で何かできることはあるかというと、実はほとんどありません。

家財の火災での損害額(保険金)の査定方法

建物に対して家財は損害額の査定方法が異なります。建物は全焼してしまっていても、構造や面積などから評価額などは計算することは可能です。

しかし家財の場合、保険金額(契約金額)は、例えば家財一式、1,000万円などとして契約しています。

仮に全焼して跡形もなかったら、こだわって購入した高級家具があったかどうかは分かりません。

家財については契約者から、あったものなどを申告していきます。家具ならダイニングテーブルと椅子、ソファがこれだけあっていくらしたなどです。

家電でもテレビや冷蔵庫、洗濯機、パソコン、掃除機、洋服ならスーツが何着などです。これらを自分で申告して積算していきます。

家財については、建物の査定に比べると多少アバウトなところはあります。

火災保険から支払われる保険金の種類

火災保険から支払いになる保険金の種類を確認しておきましょう。大きく分けると損害保険金と費用保険金の2種類あります。

損害保険金

損害保険金は保険の目的として契約している建物・家財などが損害を受けた際、その損害に対して支払われる保険金です。

保険金というとほとんどこの損害保険金をイメージする人が多いでしょう。例えば、建物1,000万円、家財500万円の火災保険の契約をしていたとします。

全焼したら、損害保険金として建物1,000万円、家財500万円ということです。名称の通り損害を受けたことによる保険金です。

費用保険金

費用保険金は建物や家財などの直接的な損害以外に、そこから派生する間接的な損害に伴う費用が必要なケースがあります。

こうした費用を損害保険金にプラスアルファで支払うものが費用保険金です。この費用保険金は損保各社の商品ごとにかなりばらばらな内容です。

イメージしにくいと思うので、いくつか例をみてみましょう。

残存物取片づけ費用保険金

火災で焼け残った残存物の撤去にかかる費用の実費を負担する

臨時費用保険金

火災などで損害保険金を支払う場合に所定の割合を臨時費用として支払う。費用保険金の中では支払う対象が最も多い保険金です。

失火見舞費用保険金

火災などで近隣の第三者に損害を与えた場合、見舞金などの費用を支払う

どれも金額の上限が定められています。たいてい損害保険金の「10%~30%程度、100万円~300万円上限」など決められています。

失火見舞費用などは1世帯20万円など本当に見舞金の範疇です。

損害保険金の10%、100万円が限度で、損害保険金が2,000万円なら10%・100万円で100万円が支払われるということです。

火災保険が他社と重複していたら保険金はどうなる?

契約の重複

建物がA社、家財がB社などの場合には特に問題はありません。建物がA社とB社などの場合、建物の評価がきちんと100%ずつ、つまり200%火災保険が重複していたら保険金の支払いはどうなるのかというと、火災保険は基本実損払いです。

つまり実際の損害を補償しますので、被害に遭うことで儲かっちゃったということにはなりません。按分などして支払うかたちになります。

無駄な保険料(掛金)を支払うだけなので、契約をちゃんと整理しておきましょう。

火事で類焼しなくても損害を受けることはある

火災が発生した場合、周囲に類焼することがありますが、火がこなくても被害を受けることがあります。

具体的には消火に伴う放水による被害と火から発生する煙による損害です。煙りと言っても正確には「油煙」です。

建物内部に入りこんでしまうと、拭いたくらいでは落ちませんので、内装クロスの貼り替えなどもでてくることがあります。

マンションの場合は上下左右に近隣住民がいますので、放水と煙の被害は出やすい特徴があります。一戸建てでも風向きなどによって被害が拡大することがあります。

柱1本残っていたら火災保険の保険金は支払われないは本当か?

都市伝説のような話ですが、そんなことはありません。黒焦げになった柱1本(2本でも3本でも)あったところで再利用できるものでなければ関係ありません。

筆者も全焼になった物件について何度かみていますが、柱1本どころかもっと残っていても全焼になった例はあります。

火災のときの保険金の支払いを考慮して平時に必ずしておきたいこと

「一言でいうと実態に合わせて適正な評価額で契約する」ことです。本当は奥さんの所有の建物なのに契約者が夫で所有者も夫のままになっているとスムーズに保険金の支払いに時間がかかります。

家が燃えて大変なんだから早くしろ!と言っても何ともならないこともあるのです。事故(この場合は火災)の前に何か変えるのは単なる変更です。

何の問題もありません。事故の後に契約内容を変更して保険金を支払うのは、言うならば後出しジャンケンです。

損害保険会社内では結構な問題です。いざというときにストレスが溜まらないように、日常の契約について説明をきちんと聞いて正しい内容で契約しておきましょう。

自分の身を守る意味でも重要なことです。

火災の被害を受けた場合の税金(災害減免法と雑損控除)

火災の被害による火災保険の件とは別になりますが、関わりのあるところなので補足しておきます。

具体的には税務上のことです。火災保険の保険金は非課税ですから税金のことは気にしなくて大丈夫です。

保険金の税金ではなく、自分の所得から一定の金額を差し引く(控除できる)ことができるのです。

つまり火災などで被害を受けて大変だろうから、税金の部分も多少考慮するということです。制度として災害減免法と雑損控除があります。

合計所得金額が1,000万円以下の人は、雑損控除と災害減免法のいずれか有利な方を選択適用します。1,000万円を超えると災害減免法は使えないため雑損控除となります。

税金の計算上は全く異なる制度ですので、選択できようできる場合はどちらが有利か確認してから進めてください。

国税庁 災害減免法   国税庁 雑損控除

まとめ

火災保険の損害額の査定方法のまとめについていかがでしたか。実際に火災などが起きてしまうと自分でできることは限られます。

場合によっては近所からの類焼など理不尽な理由で住まいを失うことがでてきます。火元になった人に著しい落ち度(重過失)がなければ、本人に損害賠償を求めることは法律上できません。

だからこそ自分の住まいを守るために火災保険が必要で、スムーズな保険金の支払いのためには、適正は火災保険契約が重要なのです。

保険料(掛金)の引落しの件は説明したとおりですが、引落不能の連絡が火災でスマホや電話連絡ができないと伝わらない可能性も否定できません。引落しはきちんどできるようにしておいてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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