火災保険/地震保険のおすすめの相談窓口4つの選び方と3つのNG
火災保険はどこで加入しても同じ内容ではないため、火災保険や地震保険の相談をどこの窓口でするか重要性が増しています。
■この記事で学べること
【1】火災保険・地震保険選びの9ステップ
【2】持ち家・賃貸などタイプ別の相談の特徴
【3】相談窓口の失敗しない選び方、やってはいけない選び方
業者の言いなりにならずに損をしない火災保険・地震保険の相談窓口の選び方についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
火災保険・地震保険選びの9ステップ
地震保険は単独で加入できないため、必ず火災保険に付帯して契約します。
地震保険に加入するかどうかは別にして、火災保険と地震保険の相談はセットだと考えてください。
相談窓口をどこにするか考える前に、火災保険や地震保険を比較検討するための9つの流れをお話しておきましょう。
一般的に火災保険や地震保険は、次の流れで詳細を詰めていきます。
個別に聞きたいことや質問などがあるでしょうが、次の流れの中にある項目は必ず確認されます。
- 建物の構造級別と用途
- 保険の目的はどうするか?
- ハザードマップなどで住まいのリスク
- 保険金額(契約金額)はいくらか?
- 火災保険の補償範囲、免責金額を比較
- 保険期間(契約期間)を比較
- 掛金の払込方法をどうするか?
- 地震保険も加入の有無を決める
- 予算との擦り合わせ
自分で確認できることと相談しないと判断ができないことがあるでしょうが、火災保険の比較や契約に必要なことです。
構造については以下のように区分けします。
- 専用住宅(住宅物件):M構造(マンション)、T構造(耐火)、H構造(非耐火)
- 店舗や事務所、店舗併用住宅(一般物件):1級、2級、3級
すでに火災保険契約がある人は火災保険証券、はじめて住宅を購入した人は、建築確認申請書の第4面の写しがあれば間違いない構造の確認ができます。
物件の用途も専用住宅なのか、事務所なのかによって同じ物件でも掛金が変わってきます。
これらは自分で決めることではなく、実際にどうなっているかです。
物件の構造や平米数もしくは建物の建築金額が分かれば保険金額が決ります。家財の場合には年齢や家族構成を元に決めます。
ハザードマップや地震なら地盤など自分で確認できることはしておいてください。火災保険にどのような補償が必要かはどのようなリスクがあるかによって変わってくるからです。
3つめの項目以降は各火災保険の比較にかかる部分ですから、相談しながら方向性を決めていきましょう。
持ち家・賃貸、マンション管理組合などタイプ別の相談の特徴
火災保険・地震保険の相談と言っても、持ち家と賃貸では状況が違います。
相談先まで探すとなると持ち家の人がほとんどでしょうが、実態に合わせてこのあたりのことも考えてください。
他人もマンションの場合には、専有部分と共用部分があります。特にマンション管理組合で加入する共用部分の保険は、築年数が古いほど掛金が上昇傾向です。
持ち家の火災保険相談
火災保険や地震保険の相談をしたいという人は、持ち家のケースがほとんどでしょう。
住宅ローンを利用してはじめて火災保険に加入する場合は、何かあったときのローンの返済やその後の生活をどうするかしっかり吟味してください。
特に住宅ローンの返済の初期に何かあるとその後の生活の立て直しが大変です。
特に地震災害の場合は地震保険だけでは完全にカバーできません。
どのような方法でリスクを回避するかよく考えておきましょう。
すでに火災保険契約がある人が、保険の見直しなどで契約をし直す場合、火災保険や地震保険の改定動向や補償内容の違いなどに注意してください。
昔の各社の業界共通商品である住宅火災保険や住宅総合保険といまの火災保険はかなり基準が違います。
幾度かの改正で火災保険の掛金は全国平均では上昇傾向です。2015年9月まで最長36年可能だった契約も現在では最長10年です(2022年度中に5年に改定見込み)。
古い火災保険ほど掛金は割安な傾向です。
一方で新しい火災保険ほど補償が充実している傾向がありますが、既存の契約を解約して新たな火災保険に契約し直す場合はこうしたことにも注意してください。
賃貸
賃貸物件に入居している人が火災保険に加入する場合、その多くが不動産業者を通じて賃貸物件用のセットプランの火災保険に加入します。
物件の賃貸借契約をする際に火災保険の加入を条件にしていることが多いためです。
しかし加入することだけならともかく加入先まで強制されるものではありません。
セットプランではなく自分に必要な補償だけにしたい、あるいはネットの火災保険に加入したいなどの希望があるときには交渉してみてください。
専門家に相談するほどではないかもしれませんが、ネットなどで情報を収集して対処しましょう。
マンション管理組合の共用部分の火災保険・地震保険
マンション管理組合が加入する共用部分の火災保険も持ち家の人の火災保険・地震保険です。
マンション住まいの人はよく覚えておいて欲しいのですが、今後マンション管理は大きな課題になっていきます。
すでに問題がでているマンションもありますが、重要なことは適正な管理ができているかです。
近年マンションの共用部分の火災保険は、築年数が古いものほど上昇傾向です。
これはマンションなどでの水濡れ事故が増加傾向にあることが背景です。
人の健康と一緒でどんなマンションははじめは新築ですが、年数が経過すれば設備は古くなり、水濡れ事故などが増えてきます。
居住者が高齢化するとともに、マンションも高齢化していきます。
火災保険だけでなく、マンション管理に業者に言われるままにやっていたらお金が残せません。マンション住まいの人は面倒かもしれませんが、管理に積極的に関与してください。
それが自分が購入したマンションの資産の維持にも繋がります。
火災保険や地震保険の支払いについての相談・トラブル
一般的に火災保険の相談というと加入のことが多く、火災保険の補償内容や掛金の比較などが多いでしょう。
なかには保険金の支払いで分からないことがある、不満があるなどのケースもあるはずです。
そうしたケースの場合には、損保協会で運営しているそんぽADRセンターがあるので利用してください。
火災保険・地震保険の主な相談窓口と相談のタイミング
火災保険の相談をいうと対面のケースが多いでしょうが、なかにはメールや電話などを希望する人も多いでしょう。
相談したい内容にもよりますが、詳細が分からないと詳細な回答ができないこともあります。
こうしたことを踏まえて、火災保険にはどのような相談窓口があるかみていきましょう。
相談には有料相談と無料相談がある
はじめに相談先の特性を2つに分けると、火災保険の相談は有料相談と無料相談がありますが、その多くは無料相談です。
無料の理由は簡単ですが、相談窓口が保険代理店をしていて火災保険・地震保険を販売することで事業を成立させているためです。
有料相談でも火災保険を販売しているケースがありますが、保険販売に全く関与していないケースもあります。
どちらがいいかは単純な好みでしょうが、保険販売が関係する場合には都合のいい商品を販売される可能性は排除できません。
有料の場合には時間当たりの金額になっていることが一般的です。
お金がかかるのでそこまでしたくないという人もいるでしょう。
住まいを保有していれば火災保険や地震保険には加入するでしょうから、長くお金を支払いものに損を減らすためのコストとして考えられるかどうかがポイントです。
主な相談窓口
有料相談と無料相談があることを前提にして(多くは無料相談)、火災保険・地震保険の相談窓口にどのようなところがあるか確認していきましょう。
来店型の保険ショップ
駅の近くや商業施設などに出店している来店型の保険ショップです。複数の損害保険会社の代理店をして事業をしています。
多くの損保の取り扱いがあるのが強みです。細かい規定が各社違うため、窓口担当の人のスキルによる部分はあるでしょう。
銀行の金融機関等
銀行でも投資商品と同様に損害保険の取り扱いをしているので相談することは可能です。
古くは関連会社に子会社の保険代理店を持ち、住宅ローンの案件にかかるものを出していましたが今は銀行本体が保険を取り扱っています。
銀行は生保や投資商品の取り扱いもしています。
その意味では色々な相談ができると言えますが、かなり幅広い知識が必要になるので担当者によって左右される面も大きいでしょう。
保険代理店
いわゆる損害保険のプロ代理店と呼ばれるところです。
個人事業でやっている人や法人化しているケースもありますが、そのほとんどが中小零細規模です。
前出の来店型保険ショップや金融機関も代理店ですから、広義の意味ではここに入ります。
損害保険の場合、保険会社の営業マン・社員が相談・保険を販売するケースはほとんどありません。基本は代理店販売になります。
1社専属の代理店もあれば、何社か損保を取り扱いしているケースもあります。
保険を専業に仕事しているので一般的に保険の知識レベルは高いと考えてください。
ある程度数字の規模を求められるため、来店型保険ショップのような大きな規模にならないとほとんどの損保を取り扱うということは少ないでしょう。
一方で取り扱い商品について深い知識があったり、会社の事務方や保険金支払い担当とも繋がりが強くうまく交渉してくれるケースもあります。
損保の主な保険代理店は、損保会社のWEB上でも検索することができますので利用してみてください。
WEB・インターネット
火災保険の一部でインターネットで契約が完結する損保がでてきています。
相談というよりは照会・問い合わせなどに近いでしょうが、対面ではなく電話やメールでやりとりしたい人には向いています。
他にはネットで相談を受け付けたり、匿名でも相談に乗ってくれるケースもあります。
データなどを具体的に出さないと回答が具体的にならない可能性もありますが、ネットも少しずつ普及してきています。
独立系ファイナンシャルプランナー
ここまでの火災保険の相談窓口の中で、一般的に有料相談にしているケースがあるのがここです。
時間当たりいくらで相談を受け付けているケースがほとんどですが、コストを支払うのでそれに見合った内容の相談であれば価値はあるでしょう。
後は火災保険に詳しい人かどうかなどもポイントです。
保険代理店をしているケースとしていないケースがあるので確認してから相談するといいでしょう。
保険の取り扱いだけで良し悪しは判断できませんが、取り扱いをしていない人は保険の勧誘をされる可能性はないので心配な人はそうしたことも基準にしてみてください。
火災保険・地震保険の相談のタイミング
火災保険や地震保険にも相談のタイミングがありますが、どのようなときか考えてみましょう。
- 住宅を購入したとき
- 火災保険(地震保険)が満期となるとき、補償内容の確認がしたいとき
- 火災保険や地震保険が改定されるとき
住宅購入時はいうまでもありませんが、火災保険が満期になるときや災害などのニュースをみて自分の火災保険の補償内容を確認したいときなども該当します。
そして最後が改定されて掛金が値上げされるときです。
直近では火災保険・地震保険ともに2022年度中に改定が見込まれています(改定日は公表されていませんが、秋とも言われています)。
状況にもよりますが、値上げされるなら満期を待たずに火災保険の見直しをした方が特になるケースもあるのです。
保険の相談窓口の失敗しないおすすめの選び方、相談でやってはいけないNG行為
最後に火災保険・地震保険の相談窓口についておすすめの選び方、やってはいけないNGについてお話しておきましょう。
おすすめの保険の相談窓口、比較の4つのポイント
相談先を選ぶ前に相談の要件を絞っておく
火災保険に加入することは決まっているので、自分に合う火災保険の見積もりがほしいのか、個別に深堀して相談したいことがあるかなど色々あるでしょう。
それによって相談窓口を変えた方がいいケースもあります。
火災保険に加入するところまでか相談だけしたいのか
火災保険の加入まで考えている多くの人は相談窓口で加入できれば簡単ですからそれを望む人も多いでしょう。
最終的に火災保険に加入するところまでを望むなら保険の代理店をしているところの方が簡単でしょう。
そうでないケースだともう少し対象を広げて選ぶことができます。
代理店をしている相談窓口では、どこの損保を何社取り扱っているか確認
何でも良い悪いがあるので、取り扱いが少ない方がその火災保険の商品を細かいところまで深く知っている可能性が高いです。
逆に多くの損保の取り扱いをしていれば、色々多くの会社の情報を広く得ることができます。
納得できないことがあれば徹底的に聞く。それでも駄目なら他でも相談
自分に知識のないことは、まあいいかで済ませてしまいがちです。一般の人が専門的なことを知らないのは当たり前です。
納得できるまできちんと確認しましょう。
それでも駄目なら他の相談先にも聞いてみることがおすすめです。
同じテーマで複数の専門家の話を聞くのは自分の勉強にもなります。面倒かもしれませんが、長い目でみれば得なことが多いのでひと手間かけてください。
火災保険の相談でやってはいけない3つのNG
火災保険相談でやってはいけないことをチェックしておきましょう。
- 相談窓口の人にすべて丸投げ・お任せ、言われるがままに契約
- 疑問に思っても質問したり、確認しない
- どこの火災保険も同じだと考える
これらのことは自分で何かいいか考えたり、比べたりすることを放棄しています。
補償内容や掛金も結構違うことがあります(地震保険は各社共通です)。
金額の大きいところだとマンション管理組合の共用部分の火災保険は掛金がだいぶ違うことも珍しくありません。
特に築年数が経過している物件はこうしたことにも気を配ってください。
管理会社が代理店をしているケースがほとんどでしょうが、取り扱いのない損保が安いこともあります。
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まとめ
火災保険/地震保険のおすすめの相談窓口4つの選び方と3つのNG、についていかがでしたか。
自然災害や地震災害、水濡れ事故などの増加を背景に火災保険や地震保険を取り巻く環境は大きく変わってきています。
ネットで問い合わせから契約まで完結する火災保険がでてきたのは2018年からですがこれも大きな変化です。
いまやネット経由で自分で見積もりを作れますから、掛金の目安は知ることができます。
火災保険も保険金の支払い要件が細かいものがあるので、保険金が出ないケースや条件が付くケースなどはしっかり確認してください。
素人が間違えそうな注意点などについても率直に質問しておくといいでしょう。