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【地震保険】建物や家財が被災したときの査定基準・査定方法の7つのツボ

 2016/09/13 備える
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1995年の阪神淡路大震災以降、これまで地震災害が少なかった地域にも大きな地震が頻繁に起きています。地震保険の検討をする人も増えていて、地震保険の加入率・付帯率も年々上昇傾向です。

保険で難しいのは、保険金が支払われるかどうかです。保険ですから何でも保険金を支払ってくれるわけではありません。

地震保険はその独自性から、査定の基準や方法が火災保険などとは基本的なところが違います。もしも地震災害で被災したときに役に立つ、地震保険の査定の7つのポイントを覚えておきましょう。

地震保険の査定基準・査定方法は3区分(2017年1月以降は4区分に改定)

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地震保険は、火災保険と一緒に加入しますが、保険金の支払われ方は全く異なります。最近の火災保険は契約金額を上限に原則、実際の損害を支払います。

しかし地震保険では「全損」「半損」「一部損」の3区分しかありません。また一部損の基準に満たない損害であれば保険金が支払われることはありません。これは火災保険が保険金で被害にあった建物や家財の再築したり、再購入する目的であるのに対して、地震保険は被災後の生活再建をすることが目的であるためです。

なお、2017年1月1日の保険始期の契約より、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に細分化されます。地震保険の保険金の認定基準や実際の支払い割合の改定の詳細は以下の通りです。

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表をみると随分と複雑に感じるかもしれませんが、細かい規定はともかく、建物の場合には主要構造部(柱、外壁、屋根、梁など)の3%以上の損害で一部損、家財は時価の10%以上の損害があれば一部損となります。

壊れたのか、燃えたのかなどによって認定方法は違いますが最低限上記の基準を頭に入れておきましょう。また2017年1月から支払い基準が変わります。被災状況によっては改定の前後で保険金の額が変わってきますから忘れないようにしてください。

地震保険の査定は建物と家財で異なる

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地震保険は「建物」もしくは「家財」を目的に加入します。それぞれ別個のものですからそもそも地震保険での査定方法が全く違います。なお地震保険の場合は原則損害確認があります。例外的に被害の大きい地域について航空写真を使って鑑定したり、2016年の熊本地震からは一部自己申告方式も実施されています。

建物の査定基準・査定方法

建物は主要構造部(基礎、柱、外壁、屋根、梁、軸組みなど)がそれぞれどのくらいの比率で損害を受けているかで査定します。そのため建物の主要構造部は大きな被害はないが、門塀が壊れた、ガラスが割れただけなどの場合には保険金の支払い対象にはなりません。

実際に建物の周囲や内部を目視で細かくみていきます。鑑定人はチェックシートにしたがって建物全体をチェックしていきます。これは一戸建てでもマンションでも同じです。一戸建てでも木造や2×4、鉄骨、コンクリートさまざまありますが、基本的な考え方は同じです。

建物の主要構造部の損害が全体に対してどのくらいの割合であるかをみて鑑定をします。

筆者自身も地震保険の建物や家財の損害鑑定に何度か立ち会ったことがあります。全損あるいは半損認定されるくらいの被害がある場合はともかく数が多い一部損については損害に気づきにくいというのが率直なところです。

建物の場合、決まった基準はありますが、ここで数字を並べても分かりにくいだけだと思います。家財にも同じことが言えますが、まずは保険会社に連絡して鑑定人に見てもらうことが必須です。

家財の査定基準・査定方法

家財の場合には、個別の価格や購入年月などは考慮されません。家財は5~6種類くらいの分類にわけ、それぞれの代表品目に損害があったかどうかだけをみて、ポイントを積算して査定します。

具体的な分類は以下のようになっています。

  • 食器陶器類
  • 電気器具類
  • 家具類
  • その他身の回り品
  • 衣類寝具類     など

これらの分類はそれぞれ代表品目というかたちで細分化されています。例えば電機器具類であれば以下のようになっています。

  • 電子レンジ・オーブン
  • ステレオ
  • パソコン
  • テレビ
  • エアコン
  • 洗濯機
  • 掃除機
  • 冷蔵庫  など

それぞれの代表品目に損害があったかどうかでチェックしていきます。それぞれの品目ごとに積算ポイントが決まっています。例えば電機器具類は2.5%ですから、パソコンとテレビ、電子レンジの損害があれば2.5%×3=7.5%です。

これを積算していって最低でも10%以上になれば一部損というように査定されるわけです。そのため高価は洋食器が10枚割れても1枚割れても変わりません。

ざっくりしたイメージですが、積算ポイントの高い家具や電気器具類のものが4~5点損傷があると一部損にかかりやすいと覚えておきましょう。損害ですから、必ずしも家財が粉々になっていなければいけないわけでもありません。

複数回の地震が発生したら査定基準はどうなる?

72時間以内に発生した2つ以上の地震等は、1回の地震等とみなされます。但し被災地域がまったく重複しない場合は扱いが別になります。

実務的には、最初の地震から被災した建物や家財を鑑定しにくるのは順番になります。一度損害鑑定して保険金の支払いを受けた後、別の地震でさらに被害が大きくなった場合、最初の分は別に考えるということです。

共済の場合の地震保障の査定基準・査定方法は?

 

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最初に損害保険会社の取扱い地震保険(損保各社共通商品)と各共済(全労済や都道府県民共済、JA共済など)の火災共済の中にある地震の保障は、内容が違います。

そのため地震に関する査定基準や・査定方法も全く異なるものです。多少共通しているのはあまり軽微な損害では共済金(保険金)が支払われないことです。

例えば全労済の場合、新自然災害共済で大型タイプなら全壊・全焼で最高1,800万円の保障があります。

一部壊・一部焼は「損害額100万円超」が必要ですから、損保のポイント積算とは査定方法が違います。

これに満たない場合で損害額20万円以上100万円以下なら3~4.5万円の見舞金が支払われる仕組みです。

被災後に取得する必要な情報が損保と共済では違いますので注意しましょう。

マンションの地震保険での査定基準・査定方法は?

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マンションでは一戸建てと違い、一つの建物に複数の所有者・居住者がいます。また専有部分と共用部分に分かれており、特に専有部分は各所有者が別々の損保で地震保険に加入しています。

マンション一棟で大きな損害があったら、専門の鑑定人が数人で鑑定しなければならないレベルです。

建物については共用部分で認定を受ければ専有部分についても同じ基準で支払いがでます。管理組合がどう動いているか確認しながら進めましょう。

地震保険の査定基準・査定方法に関するの7つのツボ

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地震保険における査定基準・査定方法における7つのツボについて注意点をまとめて列挙しておきます。

地震災害で被災すれば誰もが少しでも多く保険金を貰いたいと考えるでしょう。良くも悪くもこうした制度であることを理解して請求を進めてください。

①建物は主要構造部の損害をみる。

主要構造部ではない門や塀、ガラスだけの破損などは対象になりません。

②家財は個々の価格は関係なく、品目ごとの損害だけをみて積算する。

家財の一部損は思ったよりは、基準にかかりやすいので見て貰いましょう。家財は片づける前・捨てる前に写真撮っておいた方が話は進めやすいでしょう。

③一部損の基準に満たなければ保険金はゼロ

火災保険と違い、一部損の基準に満たなければ、被害があっても保険金がゼロのことがあります。

④行政の被災者生活再建支援制度における「全壊」や「大規模半壊」などとは基準が違う。

被災者生活再建支援制度と根本的に査定基準が違います。あっちの制度でこうなったから同じようにしろと言ってもまず無理です。まずは制度の違いを認識してください。

⑤共済も地震保険とは査定基準が別

各種の共済(都道府県民共済、全労済、JA共済など)にも地震の保障がありますが、損保の地震保険とは制度が違います。どちらが優れているというものではありませんが、どちらが自分のニーズに合うか確認して利用しましょう。

⑥大した被害でないと思っても一部損認定されることがあるので念のため見てもらう。

特に一部損の損害は壊滅的な被害というわけではありません。特に建物は普通に生活できてしまうレベルのものもあります。大きな地震があったら念のためみてもらいましょう。大地震の後1年後に別な外装工事のために業者を呼んだら地震の被害が見つかったこともあります。

⑦よく説明を聞き、納得いかなければその場でサインしない。再鑑定を依頼する。

地震保険の鑑定結果は、原則その日その場ででます。サインすれば直ぐに支払いに手続きに入りますが、どうにも納得がいかないようならすぐにサインする必要はありません。

実際に大地震の被害があれば、その日その日の生活で気持ちに余裕は持てないでしょう。日頃から必要な情報を頭に入れておきましょう。被災後の情報収集もポイントです。

地震保険の査定を受ける前後で覚えておくこと

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火災保険では火事で全焼した場合などは個別の損害を細かくみていきます。これに対して地震保険は査定がかなり簡素化されています。被災者の数が多いため迅速に査定して保険金の支払いをすすめるためです。

建物家財ともにその場で査定を終えて、金額の提示までされますので問題なければ署名して数日中に保険金が振り込まれます。査定に納得いかない場合には再査定してもらうことも考えてください。

特に建物の場合、地震発生の初期段階はかなりバタバタしていますから、細かい亀裂などを目視で見落とすことも考えられるからです。

また自分では大した損害ではないと思っても一部損の査定を受けることもあります。ボールペンで引いたくらいの細い亀裂でも積算していくと一部損の基準にかかることがあるからです。一部損でも損害が軽いほうでしょうが、この場合普通に生活できてしまっているので査定の依頼を失念するケースもありますので注意してください。

実際筆者が損害鑑定に立ち会ったときも、えっ、これ地震の亀裂なのと思う建物の細かいひびがありました。素人目には建物の外観は特に何も感じない状況でしたが、一部損の認定を受けたケースは結構ありました。

家財は粉々の壊れてしまったものは、査定前であれば捨てずに取っておくか写真を撮っておきましょう。日が経過すると忘れがちです。

ちなみに地震災害や自然災害があると、保険金を使えば無料で修理する(保険金がでるか分からない段階で)、申請を代行するなどの詐欺まがいのことも横行しています。

直接保険会社に連絡すれば済む話ですから気をつけてください。

まとめ

地震災害に遭ったらまずは保険会社へ連絡してください。加入先が分からないときは、日本損害保険協会で加入先の照会が可能です。大地震ほど被災者が多いので保険会社もパニック状態です。早目に連絡して来てもらいましょう。査定結果に納得いかなければ再査定できることも忘れないようにしてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引主任者)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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