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【子供の教育費の貯め方】貯金や保険だけでなく投資信託・NISAもあり?

【子供の教育費の貯め方】貯金や保険だけでなく投資信託・積立NISAもあり?
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子どもの教育費(教育資金)は、貯金や学資保険だけではまだまだ貯めにくい状況です。

■この記事で学べること

【1】教育費(教育資金)で失敗しないための基礎知識

【2】子どもの教育費の貯め方の具体的な方法

【3】教育費を投資信託などで運用するのはあり?

教育費が不足することないように、また教育費貧乏にならないために子どもの教育費の貯め方について、ファイナンシャルプランナーが解説します。

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教育費(教育資金)で失敗しないための基礎知識

教育費(教育資金)で失敗しないための基礎知識

教育費の貯め方の前に、お金の貯め方で失敗しないための基礎知識についてお話しておきます。

教育費を貯めるために必要なこと

お金の管理は得意な人と苦手な人がいます。

自分でしっかり管理できる人はいいのですが、そうでない人は教育費のためのお金もあるとつい使ってしまったり、積立が続かないことがあります。

まずは教育費を貯めるにあたり、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

  • 目的と目標額を明確にする
  • 教育費の必要な時期を確認、予算を組む
  • 教育費専用の銀行口座は別に作る
  • 教育費の積立は少しでも早くはじめる(早い時期から細く長く継続)
  • 一つの貯め方に拘らず複数利用してもよい
  • 子どもが2人以上いるなら年齢差も意識する

お金を貯めるのにまずは教育費(教育資)という目的を明確にして、目標額を決めます。

最終的には子供の進路によって必要な教育費は変わります。

仮でもいいので例えば高校まで公立、大学は私立(理系)などで具体的な目標額を決めましょう。

生活用のお金と教育費などを貯める口座が一緒だとお金の管理が分からなくなるので別に分けるのが基本です。

この口座のお金は「教育費のため」と意識できるようにしておくことが大切です。

教育費はなるべく早く少しずつでもはじめることがポイントです。

一般的には10歳くらいまでは比較的貯めやすく、その後高校くらいまでの教育費は何とかなっても大学はそうはいきません。

生まれてから積立をはじめれば18年ありますが、中学卒業からはじめたら6年しかありません。

300万円貯める、500万円貯めるなど目標を決めたときに、目標額÷18年÷12か月なのと目標額÷6年÷12か月では月々の負担がまるで違います。

そしてなるべく時間があるほど増やしやすくなります。時間を意識して、時間を味方につけることです。

子どもは生まれた時点で将来の教育費が必要な時期が明確になります。

貯め方についてはこの後お話しますが、一つにこだわる必要はありません。複数の方法なども踏まえて色々検討してみましょう。

また子どもが2人、3人いる場合には(予定含む)年齢差も意識してください。

例えば3歳差までなら下の子どもが大学入学時に上の子どももまだ大学生です。

この時期家計はかなり厳しい状況になります。繰り返しますが、教育費は使う時期がはじめから分かっているものですから、早いうちから意識しておくことが大切です。

教育費の公的支援制度を活用する

教育費の負担を考えると色々お金を使うことを躊躇してしまうこともあるでしょう。知っておきたいことが児童手当などの公的な支援制度です。

【児童手当】 2024年10月からの改正内容

高校生まで(18歳)の児童を養育している方に支給される手当。

  • 0~3歳未満一律15,000円
  • 3歳~小学校修了まで・第1子、第2子:10,000円
  • 中学生一律10,000円
  • 高校生一律10,000円

※第三子以降は30,000円 2024年10月より所得制限撤廃

こうした児童手当はできれば生活費の方に充当せずに、先ほどお話した教育資金を貯める専用口座に児童手当も入れて計画的に貯めといいでしょう。

こうした制度も考慮すると積立も少し楽になります。

お金を貯めて増やすために知っておくこと

資産運用などをしている人には周知のことですが、大事なことなので改めて確認しておいてください。

お金を貯めて増やすのに銀行での預金や保険(学資保険、終身保険など)、投資信託などの金融商品や保険があります。

運用する際には次の3つの特性を理解しておかなければなりません。

  • お金の収益性
  • お金の安全性
  • お金の流動性

これら3つの特性がすべて優れている金融商品はありません。

収益性を求めればどうしてもリスクを伴うため、安全性が疎かになります。そのためこの2つは両立しません。

また使うお金の目的によっては流動性(お金の換金しやすさ)も重要です。使いたいときにお金が使えない(引き出せないなど)ようではそれもリスクです。

その観点から考えると資金を使う時期が明確に決まっていて、目標額を減らすわけにはいかない教育費(教育資金)は、お金の「安全性」「流動性」が重要です。

ようやく金利が上昇する動きがでてきているもののまだ高いという金利ではありません。

教育費も投資信託などを利用しては、という話もちらほら聞かれます。

これを踏まえて次に子ども教育費の貯め方について具体的にみていきましょう。

子供の教育費を貯め方の具体的方法

子供の教育費を貯め方(投資信託、積立NISA、国債、貯金、学資保険)

積立貯金等

増やすことは期待できませんが、最もオーソドックスな方法です。ネット銀行など預金金利の少しでも高いものでコツコツ積立していきましょう。

お金の管理がきちんとできれば勤務先の財形貯蓄などを利用してもいいでしょう。

学資保険・終身保険

預金と同様に以前よりも魅力が薄れているのが学資保険(終身保険含む)です。

学資保険を利用する場合、満期時などに元本割れすることがないか必ずチェックしてください。

また保険の場合、掛け金の払い込み期間中に解約すると元本割れしますので注意が必要です。

10年や15年、18年などで払い込んだ掛金に対して満期保険金の返戻率が100%超えるものもあります。但しこれは長期間でみた場合の返戻率です。

1年間の年平均利回りでみるとそんなに魅力があるわけではありません。

但し、投資などで教育費を貯めるのは無理だが、保険の方が貯めやすいし増えるという人は検討してみるといいでしょう。

他の生命保険の加入状況によりますが、枠が余っていれば生命保険料控除の対象になります。

年末調整や確定申告で税金がお得になるのが保険の特徴です。

最近は学資保険も外貨建てのものがでています。為替リスクなどがあるので、お金を引き出すタイミングの為替に左右されるので気をつけてください。

同様に早期の解約は元本割れします。これは外貨建てかどうかは関係ありません。こうしたデメリットなどにも注意して検討するようにしましょう。

個人向け国債

個人向け国債も金利が低いのですが、選択方法としてはありです。

変動金利などの利用もデメリットも踏まえた上で検討してみてください。

投資信託・NISA(つみたて投資枠)

最近にわかに声があがっているのが、教育費を投資して増やすという考え方です。

投資の知識のない人はギャンブルなどと同じように考える人もいますが、ここでお話するのはコツコツ続ける積立投資です。

リスク分散して投資をしますが、対象となる商品は投資信託です。

預金も含めて増えた収益部分には税金がかかりますが、いまは増えた収益に対して非課税の商品があるので、やってみるならこれを優先して利用してみましょう。

具体的にみていきましょう。

NISA(つみたて投資枠)

2024年1月から新たなNISA制度が始まっています。NISAの成長投資枠ではなく、つみたて投資枠を利用する方法です。

手数料などは安いものが多いのではじめての人でもはじめやすいでしょう。

利用するなら教育費の全部というより一部を利用するくらいで考えてみてください。

投資商品といってもリスクは幅広いのでその点も考慮しておくのもポイントです。

番外 住宅ローンの借り換えなど

番外と書きましたが、ここまで教育費を貯めるために挙げた方法は家計管理ができている前提です。

家計の固定費に無理がある、チェックしたことがないなど自覚があるならまずはそれが先です。

教育費の積立に無理があっては、教育費貧乏になりかねません。

同様に住宅ローンを利用している人で、現在よりも高い金利水準でローンを利用している人は、状況によっては住宅ローンの借り換えの視野に入れてみてください。

教育費を投資信託などで運用するのはあり?

教育費(教育資金)を投資信託などで運用するのはあり?

教育費を投資信託などで運用するのはあり?

子どもの教育費(教育資金)を投資信託などで貯める方法はありかというと、原則は安全性の高いもので貯めるべきと考えます。

但し、投資についてリスクやポイントについて理解があって、貯める資金の一定割合までならありです。

理由は簡単ですが、教育費を大きく減らすわけにはいかないからです。

また教育費は使う時期が決まっているため市場で暴落している状況が起きると損をした状態でお金の引き出しをしなければならなくなります。

そもそも投資知識があって、教育費を貯めるのに投資の必要性を感じている人は悩まずに自分でやっているはずです。

教育費と別に積立もするでしょうから、可能であれば教育費というよりは別に運用してみましょう。結果的に増えればそれを教育費に回してもいいわけです。

積立の何割までなら投資商品に入れていいか?

記事のはじめ方で必ずしも教育費を貯める商品は一つでなくてよいとお話しました。

例えば教育費を貯めるのにNISAなどを利用する場合すべてそこに資金を入れる必要はありません。

教育費の投資商品を入れる割合は、個人的な意見ではありますが、10~20%程度、どんなに多くても30%くらいまでと考えます。

積立期間が長くなるとお金が積み上がっていきます。

100万円貯まった、200万円貯まったとき、仮に30%くらいが投資商品になっていてそのうち20%下がった、50%下がったときにどう思うか想像してみてください。

ここがあなたの教育費を投資商品で許容できる範囲が見えてくるでしょう。

あまり無理をせず貯金しているよりは、それなりに増やすことができたと思えるくらいのつもりではじめるのがポイントです。

教育費そのものはリスクが少ない、流動性のあるもので備える方が失敗は少ないでしょう。

教育費以外の積み立ての中で投資に振り向ける割合を増やすという考え方もあります。

投資する場合には換金するタイミングに注意する

長期の積立分散投資にも弱点があります。それは換金するタイミングで暴落していると換金しにくいということです。

繰り返しになりますが、教育費は使う時期が決まっています。損しているときに他に使うお金がなければ損切しなければなりません。

だからこそ投資商品に入れる割合に無理をしないこと、少し高めに設定しているなら、使う時期を意識して徐々に割合を下げていることも必要です。

まとめ

教育費(教育資金)なるべく早めにはじめて細く長く継続するのが大原則です。

教育費を投資商品で貯めることについても解説しましたが、色々読んでみて自分には難しいかな、と思ったら無理をする必要はありません。

但し、今後お金を増やすために投資知識は欠かせません。教育費とは別に考えてお金を増やすための知識と経験を身につけるようにしてください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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