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専有部分と共用部分があるマンションに地震保険が必要なのは建物?家財?

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全国各地で地震災害が発生する中で、地震保険の加入も毎年増えています。2015年度の地震保険の加入率は29.5%。全国で最も高いのは宮城県で51.5%です。

保険料負担や保険金の支払われ方から加入に躊躇する人も多いようですが、マンションの地震保険をどうするか判断に迷うケースもあります。

国土交通省の調査によるとマンション管理組合で地震保険に加入している割合は43.2%(2013年度)。一戸建てとは異なる課題を抱えるマンションの地震保険事情について解説します。

マンションにおける地震保険は特徴と問題は?

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加入における特徴

マンションを購入した際、その購入金額全額に火災保険あるいは地震保険が付帯できるわけではありません。

一戸建てと同じように土地の金額は差し引く必要がありますし、マンションの場合には管理組合で加入する「共用部分」と所有者自身が加入する「専有部分」に分かれるためです。

さらに地震保険は、火災保険の保険金額の30~50%の間で設定しますから、購入金額からすると金額が低い感じがするはずです。

専有部分と共用部分

専有部分はともかく共用部分には、必要性はともかく自分だけの意思は反映されません。共用部分は話し合いで決められるためです。

マンションの地震保険の契約の仕方

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契約金額と上限

地震保険は火災保険の契約金額の30~50%の間で決めます。また建物5,000万円、家財1,000万円という上限が決められています。

マンションの契約金額の上限は?

地震保険の加入限度額は上記の通りですが、ではマンション全体で建物の限度額5,000万円までしか加入できないのかと言えばそうではありません。

各所有者の持分についてまで、その上限額でみますので、共用部分なら地震保険の契約金額が億単位にもなります。

上塗基準・壁芯基準

専有部分のマンションの契約金額を決める評価をする際に、基準が2つあります。専有部分の壁の内側からみる「上塗基準」と隣の部屋との壁の中心線からみる「壁芯基準」です。

壁芯基準で計算すると専有部分の免責が広くなるので、評価額が高くなり契約金額も大きくなります。

国土交通省標準管理規約では、上塗基準を採用しており、一般的にはほとんどのマンションでも上塗基準を使っています。

自分のマンションがどうなっているかはマンション管理規約での確認が必要です。

マンションにおける地震保険の必要性

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耐震性・免震性が高ければマンションに地震保険は不要か?

新しいマンションほど耐震設計あるいは免震設計になっており、地震の揺れに強い構造になっています。

しかし免震などでも建物が大丈夫でも、揺れはあるため家財の破損が大きいことがあります。また出火した場合や津波や液状化など揺れとは違う損害がでることも想定されます。

出火などではマンションの高層階などまで消防がすぐに対応できるか分からないケースもあります。

こうしたことはマンション個々の周辺環境の事情も関係します。まずは自分のマンションの個別の周辺環境やリスクについてチェックしてください。

保険金で必ず修理、再築しなければならないわけではない(地震保険の本質)

火災保険と一緒に加入するので、誤解している人も多いのですが、火災保険は損害を受けた際に保険金を使って建物などの修理あるいは再築をするものです。

これに対して地震保険は、被災後の生活再建を目的にしています。

地震災害そのものが加入者相互に助け合うという保険の考え方に馴染まないためです(皆が被害に遭うから)。

だから火災保険の30~50%で付帯するという制限があります。地震保険では、マンションを再築するのに保険金ではもともと足りないのです。

地震保険金は、そのお金で必ず修理や再築などをしなければならないわけではありません。マンションを新たに建て直すかどうかは別にしても、日々の生活は続き、お金はかかります。

被災したときに保険金としてでてくるお金の価値を、日常生活を普通に過ごせているいまとは違う視点で考えてみてください。

マンションの地震保険の査定方法

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地震保険の査定方法については、このテーマで1本記事があります。この記事の最後にリンクがありますので、深いところを知りたい人はそちらを見てください。

主要構造部(外壁や基礎など)の損害をみて査定していくのは変わりません。

地震保険の支払いは(全損・半損・一部損)になっており、2017年1月から(全損・大半損・小半損・一部損)となります。

マンションの建物の査定

マンションの建物の査定は、共用部分と専有部分に分かれているところがややっこしいのところです。

仮に建物の自分の専有部分が一部損認定であったとしても、共用部分が半損の認定をされた場合、専有部分も半損となります。ここがマンションの地震保険の建物査定のポイントです。

マンション家財の査定

家財については一戸建てなどの場合と特に違いはありません。個々に破損した家財がいくらしたというのではなく、種類別に破損があったかどうかをみてポイントを積算していきます。

ポイント単価の高い家電や家具などが4~5点くらい損害があると、一部損に基準にはかかりやすいと考えてください。

マンションの場合状況にもよりますが、家財の方が認定を受けやすいことはあります。

罹災証明と地震保険

念のためですが、民間の損害保険会社と行政役所の地震災害における被害判定基準は全く異なります。

罹災証明にかかる部分と地震保険の査定基準・支払い方法は全く別なものと考えておいてください。

ちなみに損害保険会社の地震保険と共済についても、基準は違いますので混同しないようにしましょう。

マンションの地震保険付帯でやっておくべきこと、考えておきたいこと

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マンションで地震被害があった場合、所有者自身が避難するためにその地域から離れてしまうことがあります。

地震保険で保険金がでることになっても、仮に建て直ししないと住むことができないとなると建替えの決議なども必要で時間がかかります。こうしたことを前提に考えておく必要があるのです。

共用部分で考えておくこと

被災して仮に建替えしないで保険金をわける場合、単純に戸数で割るのか、面積などによる持分で分けるのか意外とトラブルになるところです。

できれば平時に規約に定めるなり、なんらかの取り決めはできておいた方がいいでしょう。

専有部分で考えておくこと

共用部分については、このように方向性を決めるのに時間がかかります。

それでも日常の生活は進んでいきます。住宅ローンなどは猶予措置などがでるでしょうが、返済は必要ですし、子供の学校があれば教育費も同じです。

仕事がなくなる状況であれば、毎月の収入がストップします。

専有部分に地震保険(建物・家財)に入っておくことで、当面の生活の方向性と資金の目処をつけることができます。

共用部分とは関係ありませんから、一度考えておきましょう。

地震保険が一番役に立つときとは?

地震保険が一番役に立つのはどういうときかというと、被害が大きければ大きいほど貢献度は高いです。その意味では住宅ローンの残債が多い人、被災することで収入がストップする可能性の高い人ほど必要性も高いといえます。

まとめ

マンションの地震保険について、いかがでしたか。多くの人の利害が関係するマンションは、一戸建てとは異なる課題があり、これを理解しておく必要があります。

マンションは木造の建物より保険料が割安です。最も保険料が高い、東京都・神奈川県・静岡県などは保険金額1,000万円あたり木造なら年間36,300円のところ、マンションは22,500円です。

(2017年1月以降の保険料)

マンションは保険金額1,000万円あたり、熊本県なら年間6,800円、宮城県なら9,500円、大阪府13,200円、高知県は13,500円です。生命保険の保険料と比較すれば特にマンションは安いのでこの機会に考えてみてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
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