新築で安い火災保険を比較・選ぶ9つの方法
この10年ほどの間に火災保険の改定が続き、いずれも全国平均では保険料が引き上げられ、負担が続いている状況です。
■この記事で学べること
【1】火災保険を安く加入する方法①~⑨
【2】火災保険のランキング、比較の見方
新築でなるべく安い火災保険料で済ますための、火災保険の選び方9つの方法を紹介します。
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この記事のもくじ
- 1 安い火災保険を選ぶ方法① 火災保険の契約金額の設定
- 2 安い火災保険を選ぶ方法② 火災保険の補償内容を変える
- 3 安い火災保険を選ぶ方法③ 何に火災保険をつけるか決める(対象)
- 4 安い火災保険を選ぶ方法④ 免責(自己負担)設定を検討する
- 5 安い火災保険を選ぶ方法⑤ 費用保険金を選択する
- 6 安い火災保険を選ぶ方法⑥ 共済も比較する
- 7 安い火災保険を選ぶ方法⑦ 契約期間を長期にする
- 8 安い火災保険を選ぶ方法⑧ 保険料(掛金)の払込み方法を変える
- 9 安い火災保険を選ぶ方法⑨ 割引や加入先をチェック
- 10 マンションや一戸建て構造による違い
- 11 安い火災保険のランキングのおすすめや比較の見方
- 12 まとめ
- 13 関連記事
安い火災保険を選ぶ方法① 火災保険の契約金額の設定
新築などで持ち家の場合、建物に火災保険を長期間つけるため保険料が高くなりがちです。最初の一歩は契約金額の設定です。
火災保険では、「保険金額」という言葉を使いますが、契約金額のことです。
もう少しイメージしやすいいい方なら、補償額のことと考えてください。
新築で建物の建築費が分かる場合
新築で建築費が分かる場合には、その金額を評価額として契約金額とします。
建築後、一定期間経過して建築費が分かる場合(年次別指数法)
新築の場合には、この方法で契約金額を算出するのが一般的です。新築の場合には建物の購入費や建築費が正確に分かるためです。
建築費×年次別指数=契約金額 ※損保会社で年次ごとの指数があります。
例えば、建築費が2,000万円なら2,000万円×1=2,000万円(契約金額)
指数というのは、建築年次ごとに年数が経過すると物価調整などが必要になりますから、それを調整する指数と考えてください。
新築であれば、調整する必要がありませんから、係数は「1」ということです。
つまりは建築費をそのまま当てはめればいいわけです。
建築費が分からない場合(新築費単価法)
新築に限らず親から相続した家なので、いくらで建築した・購入したか不明なことはよくあります。建築費が分からない場合に使います。
所在地(都道府県)や建物の構造などで平米あたりの単価が決められていますので、それを元に契約金額を計算します。
平米単価×平米数=契約金額
(例)平米単価20万円 100平米の戸建て
20万円×100(㎡)=2,000万円(契約金額)
但しこの平米単価は、プラスマイナスの調整が可能です。単価と広さだけでは、個別の建物の事情まで反映できないからです。
具体的には、平米単価を±30%程度は各社調整することができます。上記の例だと14万円(-30%)~26万円(+30%)です。
1,400万円~2,600万円までが、おおよその契約金額の幅ということです。
かなり幅がある印象を持つでしょうが、車のハンドルの遊びのように、ある程度ゆるみがないと支払いのときに柔軟に対応するのが難しくなります。
この方法が使えるなら契約金額の調整はかなりききます。
本来の購入額・建築費で設定するのが大切ですが、調整できないくはないのです。
いずれにしても火災保険の設計をする際、こうした方法があるということを覚えておいてください。
安い火災保険を選ぶ方法② 火災保険の補償内容を変える
損保各社の火災保険は、それぞれ独自の火災保険で各社異なります。
昔の火災保険と違いますので、ある程度補償を選びづけしたり、必要な補償をプランごとに選択したり、不要な補償を削除したりできます。
火災保険の主な補償は下記のとおりです。
- 火災、落雷、破裂・爆発
- 風災・ひょう災・雪災
- 水災
- 物体の飛来・落下・衝突、水濡れ、労働争議等
- 盗難
- 不測かつ突発的な事故(破損・汚損)
- その他 費用保険金
- 別枠で地震保険
損害保険会社によって、組み方やプランはばらばらです。火災、落雷、破裂・爆発はどこでも基本補償なのでこれを外せる設計はありません。
風災・ひょう災・雪災も比較的除外できないケースが多いです。
補償として必要・不要がはっきりしていて、且つ補償を外した場合に、保険料(掛金)が安くなるのが「水災」です。
いわゆる床上浸水などの水害と考えてください。
安い火災保険を選ぶ方法③ 何に火災保険をつけるか決める(対象)
火災保険は、契約するときに何に対して保険を付帯するかのその対象を決めます。持ち家なら、「建物」が中心です。
住宅で火災保険の契約をするなら建物と家財
住宅であれば、家財にも火災保険を付帯することができます。さらに建物・家財それぞれに地震保険を付帯することもできます。
住宅なら下記のようになります。
- 建物(+地震)
- 家財(+地震)
ここまで契約すればフルに火災保険がついていることになります。
尚、店舗や事務所などの火災保険は、保険の対象に、商品や設備什器などを入れることができます。
実態に合わせて必要なものに火災保険を付帯するようにしてください。
当然多くするほど保険料(掛金)は高くなります。また1個の金額などが30万円等を超えるような宝石や美術品などがある場合は別途付帯が必要です。
安い火災保険を選ぶ方法④ 免責(自己負担)設定を検討する
最近の火災保険は免責金額(自己負担、損害の一部を自腹で負担)の設定を選べるものがでてきています。
例えばすべての補償に対して、免責金額0円、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円などです。
この金額が大きくなるほど自費の割合が増えるので、火災保険料は安くなります。
損害保険会社ごとに設定できる免責金額のパターンは異なります。
昔の火災保険は、風災・ひょう災・雪災の補償に損害が20万円以上になったら、保険金を支払う(自腹なしで)契約が主流でした。
もちろん今でもあります。例えばマンションなどの場合には、上記の災害に比較的強いのでこうした設定をするもの、安い火災保険を選ぶ方法です。
安い火災保険を選ぶ方法⑤ 費用保険金を選択する
「安い火災保険を選ぶ方法② 火災保険の補償内容」のところで火災保険の補償についてお話しました。
これらのことが原因で損害が発生した場合、保険金が支払われますが、この直接的な損害に対して支払われるものを、「損害保険金」といいます。
要は修理代や全焼・全壊などした場合の再築費用などが補償されます。
しかし火災や自然災害などのときに直接的な損害だけでなく、間接的な損害で別途費用がかかることがあります。
火災で焼け残ったものを撤去するのに、別にお金がかかったりするなどです。
こうしたものをプラスアルファで補償するのが費用保険金です。
どんな損害でも気がつかない費用がもろもろ掛かります。この部分は各社かなり違いがあると認識してください。
割合と限度額が決められているケースが一般的です。
例えば損害保険金の20%、100万円限度などです。損害保険金が1,000万円なら20%で200万円、100万円限度なので100万円というようになります。
この割合(%)と限度額が選べる費用保険金もあります。
安い火災保険を選ぶ方法⑥ 共済も比較する
掛金の安さを視野に入れると火災保険だけでなく、火災共済も選択肢に入ってきます。割戻金などもあるので、掛金の負担の面では有利なこともあります。
県民共済や全労済などが主なものですが、補償がかなり異なる点に注意してください。
特に県民共済については、火災保険とかなり差があります。専門家などに補償内容の違いをよく聞いて判断してください。
万が一のときの保険金(共済金)の支払われ方も違います。
共済は築年数ごとの保険料率設定の導入をしていないなど損保と違う特徴があります。
長期契約はできませんが、内容をよく確認した上で検討してみるといいでしょう。
安い火災保険を選ぶ方法⑦ 契約期間を長期にする
2022年10月改定で火災保険の契約期間は最長5年に短縮されました。新築の場合は契約期間5年間の自動継続などで住宅ローンの返済期間に合わせるかたちになっています。
そうでない場合でも極力長くした方が保険料(掛金)は安くなります。
1年分の保険料×5年分ではなく、割引がききます。
また長期契約することで今後さらに改定があったときにその影響を避けることができます。
安い火災保険を選ぶ方法⑧ 保険料(掛金)の払込み方法を変える
火災保険に限った話ではありませんが、まとめて掛金を支払うと多少なりとも掛金負担は軽くなります。
できれば長期契約の一括払、予算上難しければ年払、それでも厳しければ月払など分割回数を増やすのは後にするほど安くなります。
安い火災保険を選ぶ方法⑨ 割引や加入先をチェック
以前ほどではありませんが、損保によって色々割引制度を設けています。
損保会社でもオール電化住宅割引、ホームセキュリティ割引(セコムなど)で割引がきくケースもあります。
業界としてはスタンダートではなくなっていますので、そういうところもある程度の認識でいいでしょう。
またネットで加入できる損保もそれなりに増えてきました。
勤務先に団体扱いがあるケースや共済なども含めて、火災保険の加入先をどうするかも安く加入するポイントです。
マンションや一戸建て構造による違い
マンションと一戸建ての違い
例えばマンションの場合、一戸建てとは異なる特性があります。中層階以上なら水災の補償は外しやすくなります。
また契約金額についても、マンション購入価格から土地の部分と共用部分を差し引くと、購入価格と比較してかなり契約金額も低くなりがちです。
建物の構造上、風災・ひょう災・雪災などにも強いので、水災のように可能であれば除外したり、免責金額を設定するのも火災保険料を安くする方法です。
逆にマンションでは漏水・水漏れによるトラブルがあるので水漏れの補償や自分が加害者になった場合の個人賠償責任保険(特約)なども火災保険に付帯する必要があります。
立地や地域による発生災害の違い
一戸建ての場合にはこうしたことはできませんが、構造が駄目なら立地や地域性を考えると言う方法もあります。一戸建てでも高台にあるなら水災などによる床上浸水の可能性は低くなります。
また自然災害などは地域によって発生しやすい、しにくいなどがあるのでこうした視点も補償の設計に組み入れてみるのもいいでしょう。
安い火災保険のランキングのおすすめや比較の見方
火災保険に限った話ではありませんが、保険の比較やランキングなどを見るときに必要なのがまずはある程度条件が合わせてあることが大事です。
ランキングのおすすめや比較の仕方、選び方
① 契約金額、②補償内容、③保険目的、④免責金額(自己負担)、などは極力合わせてください。それでもぴったり同じにはならないことがあります。
そうでないと保険料(掛金)だけをみて、肝心な内容の違いを見落としてしまいます。⑤の費用保険金などは違うのが当たり前です。
これらを理解してランキングをみないと惑わされます。ランキングそのものの根拠も確認しておきましょう。
1位とか人気があるとか言っても、第3者の意見を聞いてそうなっているのか、意見を聞いたならそれがランキングにどう反映しているかチェックしてください。
各損保の火災保険の状況
各損保とも色々な火災保険を出していますが、概ねのパターンは次のようなタイプです。
- 補償内容の違うプランから選ぶ 東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、セコム損保、AIG損保
- 必要な補償内容を選択する セゾン自動車火災保険、SBI損保、JI傷害火災、ソニー損保
- 不要な補償内容を削る 日新火災
主に補償内容異なるプランから選ぶものが主流ですが、補償のいる、いらないはよく吟味してください。セキュリティシステムなどが入っている建物ならセコム損保なども有利です。
2018年からはネットで契約が完結する会社も2社新たに参入してきました。
2にある必要な補償を選択するタイプは、ネット申込みするタイプです(契約までネットで完結するタイプと電話・郵送が必要なところもある)。
まとめ
自分の住まいの周辺環境(海や川、山、崖が近い、住宅が密集している、戸建て、マンションなど)をよく認識して、個別にどのようなリスクが高いか低いか把握することが大切です。
近年火災保険も地震保険も掛金が上昇傾向です。火災保険の地震保険も2014年頃から改定が続いています。
現在の火災保険は、築年数が新しいほど保険料率が安く設定されています。
損保によって違いがありますが、築年数が経過するに従って階段状に保険料率が上がっていく仕組みです。
火災保険も生命保険のように年をとれば(築年数の経過)で保険料が上がっていくと考えてください。
今後の改定動向にも注意して火災保険の設計をしてください。
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