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【費用保険金】火災保険の臨時費用・地震火災費用保険金等の必要性とは?

【費用保険金】火災保険の臨時費用・地震火災費用保険金等の必要性とは?
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火災保険の保険金には、「損害保険金」と「費用保険金」の2つがあります。

意外と知られていませんが、臨時費用保険金、残存物取片付け費用保険金、地震火災費用保険金、水道管修理費用保険金などいくつか種類があります。

■この記事で学べること

【1】火災保険の補償は損害保険金と費用保険金の2つ

【2】火災保険の費用保険金の種類

【3】旧タイプの火災保険(住宅火災保険・住宅総合保険等)の費用保険金は一律

【3】現在の火災保険では多様化する費用保険金

【4】費用保険金は必要?

火災保険の補償の一つである費用保険金についてその種類や内容、必要性などについてファイナンシャルプランナーが解説します。

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火災保険の補償は損害保険金と費用保険金の2本立て

火災保険の補償は損害保険金と費用保険金の2本立て

はじめにお話したように火災保険の補償から支払われる保険金は、は大きく分けると「損害保険金」と「費用保険金」の2つがあります。

損害保険金は建物などの再築費用や修理費用を直接支払うものですが、費用保険金はそこから発生する間接的なもろもろの費用をカバーするものです。

ほとんどの人が火災保険の補償について損害保険金をイメージしていることが多いのですが、実はそれだけでは不足することもあるのです。

費用保険金とは?損害保険金と費用保険金の違い

火災保険の補償である損害保険金と費用保険金の主な違いは次のとおりです。

損害保険金

火災保険の対象である建物や家財などに直接生じた損害に対して支払う保険金

費用保険金

自然災害や火災などで対象となる建物や家財に生じた損害から発生する間接的な費用を支払う保険金

例えば火災によって建物が全焼したり、一部焼失したとします。

損害保険金では全焼であれば保険金額(契約金額)を上限に再購入・再築費用が支払われます。

例えば、現在の火災保険で建物に保険金額(契約金額)2,000万円で加入していて全焼すれば、損害保険金として2,000万円が支払われます。

また修理可能で一部消失ならその修復費用の実額となります。しかし建物が全焼した場合、再築費用だけが支払われても損害は完全にカバーされません。

全焼した建物の残存物があるのでその撤去が必要になり、それには当然費用が必要です。

このように主に発生した損害から関節的に発生する費用などをカバーするものが費用保険金です(最近では直接的な損害を支払う費用保険金の補償もあります)。

費用保険金の保険金の支払い方

火災保険の保険金額(契約金額)は、例えば建物2,000万円、家財1,000万円などのように契約します。

費用保険金の保険金額はどのようになっているのかというと、多くの場合で次のように設定されています。

  • 損害保険金の〇%、〇万円限度

例えば損害保険金の10%、300万円限度などです。〇%、〇万円は商品によって違いますし、火災保険によっていまは割合や金額を選べるケースもあります。

他には単純に〇万円限度に支払いというような場合もあります。

火災保険の費用保険金の主な種類

火災保険の費用保険金の主な種類

火災保険の商品が各社それぞれ異なる内容になっているのと同様に、損保各社における火災保険の費用保険金も一律の内容でありません。

同じ種類の費用保険金はあるもののカバーされる金額が選べたりさまざまです。

火災保険の商品ごとに付帯されている費用保険金が違ったり、似たような内容の費用保険金でも名称が違う点は考慮してください。

臨時費用保険金

損害保険金が支払われる場合に、損害保険金の所定の割合を臨時費用保険金として支払います。

火災保険によって似た補償で、「事故時諸費用特約」などとしている場合もあります。

火災保険の各補償に付随して支払われるので使いどころの多い費用保険金です。

残存物取片付け費用保険金

災害や火災などで残存物がある場合に、その撤去や取片付け費用を保険金として支払います。

失火見舞い費用保険金

類焼などで第三者の建物などに損害を与えた場合に見舞金などの費用を支払います(被災世帯数×20万円など)。

地震火災保険費用保険金

地震火災費用保険金は地震保険とは別の補償なので間違えないようにしてください。

地震保険は地震・噴火、これらによる津波によって損害を受けた場合に、地震保険から保険金が支払われます。

地震火災保険費用保険金は、火災保険の補償の一部で地震による火災によって損害を受けた場合に限られ補償も多くはありません。

具体的には下記のいずれかの損害が発生した場合に保険金を支払います(保険金額の5%または1敷地内ごとに300万円のいずれか低い額を支払い)。

  • 保険の対象となる建物が火災で半焼以上となったとき
  • 保険の対象となる家財が火災で全焼となったとき

なお、近年この地震火災保険費用保険金の補償を拡大して、5%ではなく30%や50%などまで選択できる商品があります。

これによって地震による火災の損害を地震保険(火災保険の最大50%まで契約可能)と合せて、100%補償することができるのです。

本来火災保険の50%までしか補償をつけられない地震保険の上乗せという位置付けです。

地震保険の上乗せ補償は、他にもあるので興味のある人は探してみてください。

水道管凍結修理費用保険金

建物の水道管が冬場の凍結によって、損壊して修理したときの費用について保険金を支払います。1事故あたり10万円など。

この他にも現在は多様な費用保険金が各社あります。

補償が一律ではないので比較が難しいのですが、どこも同じと考えずに色々比べてみてください。

火災保険の商品によって費用保険金は他にもあります。加入する際には費用保険についてもよく確認するようにしてください。

旧タイプの火災保険(住宅火災保険・住宅総合保険等)の費用保険金は一律

旧タイプの火災保険(住宅火災保険・住宅総合保険等)の費用保険金は一律

98年以降の保険の自由化から損保各社は独自の火災保険を販売しています。

しかし以前は専用住宅の場合は住宅火災保険や住宅総合保険など各社一律の火災保険を取り扱っていました。

旧タイプの火災保険は、保険期間は最長36年間契約できたため、現在でもこれらの火災保険の契約中の人もいます。

住宅火災保険・住宅総合保険の費用保険金

これら旧タイプの火災保険に付帯している費用保険金は次の通りです。

  • 臨時費用保険金
  • 残存物取片付け費用保険金
  • 失火見舞い費用保険金
  • 地震火災保険費用保険金
  • 損害防止費用
  • 特別費用保険金

なお、住宅火災保険や住宅総合保険といったタイプの補償はいまの火災保険のように選び付けすることはできません。

同じようにこれらの費用保険金もあれは必要、これは不要というようなこともできません。

一部の特約を除くと費用保険金も含めてすべてセットになっています。

現在の火災保険では多様化している費用保険金

現在の火災保険では多様化する費用保険金

以前は各社似たような費用保険金が自動セットされていましたが、いまは非常に多様化しています。

旧タイプのものは自動セットとお話しましたが、現在は自動セットのものに加えて特約扱いのものあります。例えば次のような名称です。

  • 臨時費用補償特約
  • 地震火災費用特約

先ほどの費用保険金の場合でいうと上記のように特約にしているケースもあります。

費用保険金については、各社補償内容や自動付帯・特約など多様化していると考えてください。

火災保険に費用保険金は必要?

火災保険に費用保険金は必要?

火災保険の保険料率の引き上げが続く中で、少しでも安く不要な補償は減らしたいという人も多いでしょう。

費用保険金も例外ではないでしょう。

例えば、火災保険に臨時費用保険金や残存物取片付け費用保険金、地震火災保険費用などの費用保険金は必要なのかというと費用保険金の内容にもよりますが低くはありません。

はじめにお話しておくと火災保険の費用保険金は一部が特約扱いになっていたり、自分で選び付けできるものもでてきています。

しかし多くは自動付帯しているものが多いため、必要か不要かを検討して選択できるものは少ないのです。

臨時費用保険金は必要?

火災保険によっては似た補償で事故時諸費用特約というものもあると言いました。

この費用保険金の特徴は損害保険金が支払われる場合の多くで支払いが発生することです。

火災保険で損害が発生しても、修理見積の中で支払の対象外になるケースもあります。

そのような場合にこの臨時費用保険金があることで少なからず補償されない分の穴を埋めることができます。

例えば漏水などの調査費用。マンションなどは管理組合などで加入する火災保険に漏水事故の調査費用があります。

一戸建てや持ちビルなどの場合こうした費用の補償がないことも少なくありません。

その場合、修理見積の中に原因調査に関する項目は損害保険金でカバーできないこともあります。

すべてではありませんが、臨時費用保険金があることでカバーすることができます。

必要か不要かについては加入する保険で、損害保険金が支払われないケースはどのようなものがあるか、臨時費用保険金でカバーできるかなかなどチェックしてみてください。

地震火災保険費用金は必要?

地震による火災には地震保険が必要です。すでに解説したように地震火災費用保険金はこのような場合にプラスアルファで保険金を支払います。

なかには地震保険の上乗せ補償(地震による火災のみ)までカバーする損保もあります(保険料はそれなりにします)。

地震火災保険費用を選べる前提であれば、火災に強い住宅か(木造家屋など)、住宅が密集している地域かなど個別のリスクを考えて決めてください。

残存物取片付け費用保険金は必要?

残存物取片付け費用保険金は選べるケースが少ないでしょうが、すでにお話したように火災や自然災害などで残存物がある場合にその撤去費用を支払います。

損害保険金をここに充当すると同じ建物を再築するのに不足することも考えられます。必要性は高いと考えてください。

火災保険のどの費用保険金も選ぶことができるのか、個別の住まいのリスクをよく検証して必要性が高いかどうかを検討しましょう。

まとめ

自然災害が多発しているいま被災した際に保険金がしっかり支払われるのは重要なことです。

目立ちませんが費用保険金も貢献する役割は大きなものがあります。

ネットの火災保険だと費用保険金を自分で選択できるケースもありますが、保険料を安くすることだけに目を奪われないようにしてください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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