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はじめての遺産相続、知っておきたい手続きの期間と期限・書類のポイント 

 2016/11/04 遺す
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遺産相続は多くの人が経験することですが、はじめてのときはその手続きに戸惑います。なにより手続きが複雑で書類が多く、決められた期間の間に手続きをして期限までに終わらせる必要があるからです。

2015年1月1日以降、発生の相続分から基礎控除などが改定されたことを受けて遺産相続に関心の高い人が増えてきました。相続の手続きはできれば、大よその流れは覚えておきたいことです。

はじめての遺産相続で知っておきたい手続きの流れと期間・期限について紹介します。

遺産相続が発生したら必ず最初に必要な3つのこと

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遺産相続が開始したとき、専門家に依頼するあるいは自分で相続の手続きを行うことになります。この相続開始の初期段階で必ずしなければならない3つのことを覚えておきましょう。

自分で相続手続きをするかどうかはともかく、最初の入口でここを疎かにすると後々進めてきた相続手続きそのものがリセットされてしまう可能性があるからです。

具体的にみていきましょう。

相続人の調査・確認

第一に誰が相続人であるかということです。相続は配偶者がいれば配偶者は常に相続人となります。他に血族相続人がいて、第一順位が子供、第二順位が親、第三順位が兄弟姉妹です。

仮に子供がいれば親や兄弟姉妹は相続人にはなりません。

婚姻外で認知した子供がいたり、片親が異なる兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)が存在していた、実は養子がいたなど相続が発生してはじめてわかることもあります。

相続人の数が変われば遺産分割の仕方も税務上の計算も変わります。何よりもこれまで全く見知らぬ人が相続人としてでてくるケースだと、遺産分割の手続きがスムーズに行われないこともありえます。

誰が相続人がきちんと確認しないまま遺産相続の手続きを進めてしまうと、根本的なところが変わってしまいますから、後になって手続きをやり直さなければならなくなることもありえます。

相続財産の調査・確認

次に必要なことは相続財産がどのようなものがどれだけあるかを調べることです。相続財産があると思っていたら実は借金だらけだったということもあります。

財産があるなら単純に相続するということになるでしょうが、借金があると限定承認あるいは相続放棄の手続きが必要になります。

相続財産あるいは負債の有無によって遺産相続の手続きは全く変わってくるのです。

遺言書の存在の有無

遺言書は故人の最後の想いを家族に伝える意思表示です。相続人間の争いやトラブルを防ぐためには欠かせません。

なぜ遺言書の存在を確認する必要があるかというと、遺言書内容が法律で定められた相続割合よりも優先されるためです。

つまり相続人間の遺産分割よりも優先事項となるので、相続人は遺産分割協議をせずに相続手続きを進められます。

一般的に遺言書は自筆証書遺言か公正証書遺言が実務的に使われます。仮に自筆証書遺言であれば、家庭裁判所での検認の手続きが必要ですので、勝手に開封するわけにはいきません。

本人が遺言の存在を生前に明示していないことも珍しくありませんから、遺言が存在する可能性も頭に入れておきましょう。

遺産相続に手続きが関係する期間と期限

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相続が開始されてから必要な手続きが順次でてきます。手続きである以上、それに応じた期間と期限が定められています。

相続するあるいは放棄する、遺産分割する、相続税を納税するなど法律上、税務上さまざまなことがでてきます。まずは全体の流れを押さえておきましょう。

相続開始から相続税の納税までの流れは次のようになります。

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細かいことは色々ありますが、まずは相続発生から、3ケ月・4ヶ月・10ヶ月という期限を頭に入れておいてください。

遺産相続開始から7日以内

相続開始の手続きの第一歩は、被相続人の死亡を知らせることから始まります。

死亡届の提出期限は届出者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときはその事実を知った日から3か月以内)に死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市役所、区役所又は町村役場に提出します。

手続き対象となる人
親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人

次の書類が必要になります。

  • 死亡届出書
  • 死亡診断書又は死体検案書

書類の記載例 法務省

遺産相続開始から3ケ月以内

遺産相続開始を知ったときから3ケ月以内に相続人は次の3つの選択をしなければなりません。

  • 単純承認(相続人が死亡者の財産の権利及び借金等の義務をすべて受け継ぐ)
  • 限定承認(相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ)
  • 相続放棄(相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない)

単純承認

特に何の手続きをしなければ、「単純承認」したことになります。相続財産があるならいいのですが、借金の方が多いような場合には限定承認もしくは相続放棄の手続きをしなければなりません。

限定承認

借金があるなら相続放棄と考えがちですが、事情があって引き継がなければならない財産があるなら限定承認も視野に入れる必要があります。

例えば借金はあるが、昔から住んでいる自宅は手放したくない、会社の持株は確保しなければならないなど単純に放棄できないケースもあるわけです。

限定承認は相続人が単独ではできません。相続人全員で限定承認の手続きが必要です。

裁判所 相続の限定承認の申述書

相続放棄

相続放棄の場合、民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、被相続人(死亡者)の最後の住所地の家庭裁判所にて申述の手続きをします。

財産どころか借金だらけだった、実家近くに住んでいる姉妹が親の面倒をみてくれたから自分は相続財産はいらない、など事情はさまざまでしょうが相続を放棄することができます。

なお、本人の生前に相続放棄をすることはできません。

相続放棄に必要な書類については裁判所のHPを参考にしてください

裁判所 相続放棄の申述

遺産相続開始から4ヶ月以内

年の途中で亡くなった人は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と税額を計算して納税する必要があります(準確定申告と言います)。

相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。申告書の提出先は亡くなった人の住所地にある税務署になります。

確定申告の用紙にも種類がありますが、給与所得者や年金受給者などは「申告書A様式」、不動産事業や個人事業などであれば「申告書B様式」を使います。

国税庁 申告書用紙

他に準確定申告書では、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付します。

付表

遺産相続開始から10ヶ月以内

相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。例えば2/15に死亡したら、相続税の納税期限は同じ年の12/15になります。

仮にこの期限が土曜日、日曜日、祝日などのケースでは翌日が期限です。

仮に申告期限までに申告をしなかった場合には、本来の相続にかかる税金のほかに加算税や延滞税がかかるケースがあります。

他の期限も同様ですが、この決まった期間内に相続の手続きを完了して期限までに納税や選択、手続きなどをしなければなりません。

まとめ

はじめての遺産相続における知っておきたい手続き、期間と期限いかがでしたか。相続の手続きは自分でやることもできます。

親の相続などで実家と離れて暮らしているようなケースでは諸々の手続きがかなり手間です。相続人が海外在住ならなお更です。

また相続手続きにおける期限は原則必須です。この決められた期間内に手続きをしておかないと却って面倒な事態になったり、余計な費用を支払うことにもなりかねません。

相続が発生後、喪に服すことになりますが、多少落ち着いた段階でこうした動きをはじめてください。気持ちの切り替えがなかなかできないケースもあると思います。

相続開始から状況をみて、早期に専門家に依頼するのも選択肢の一つであることを覚えておいてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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