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相続放棄の手続きを行うために覚えておきたい方法や書類、注意点

 2016/10/14 遺す
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相続税にかかる基礎控除の改正が、2015年1月1日より施行されたことにより相続税の課税対象者が増えるかたちになりました。

しかし相続では財産だけでなく、借金を多く残す人もいます。そんなときのために「相続放棄」という選択肢があります。

具体的には相続発生から、3ケ月以内に相続放棄の手続きを行う必要があります。そんな相続放棄の手続きについてお話します。

そもそも相続放棄とは?

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相続が開始したときに、妻や子などの相続人には次の3つの選択肢があります。

  • 単純承認(財産・借金など権利と義務をすべて引き継ぐ)
  • 相続放棄(権利義務を一切引き継がない)
  • 限定承認(相続財産の限度で、借金を受け継ぐ)

相続開始後、何もしなければ単純承認になります。相続放棄や限定承認をするためには所定の期日に所定の手続きが必要です。

相続放棄とは、相続人が被相続人(相続財産を渡す側、つまり亡くなった方)から受け継ぐ遺産や借金すべてを放棄することを言いいます。

一般的には財産よりも借金が多い場合などに使われます。他にも家庭内の事情で一人に相続人が財産を継承するケースはあります。

相続放棄の手続き方法

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相続財産・借金(債務)の確認

この記事を読んでいる人はすでにここは把握していることでしょう。しかし相続の基本は相続人は誰か?、相続財産(あるいは債務)はどのだけあるか?をきちんと把握することです。

後から知らない財産や借金がでてきた(相続人も同じ)では相続に関係する手続きは進みません。

相続放棄の期限

相続放棄の期限ですが、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内になります。

長いようで意外と短い期間ですので、相続では非常に重要な選択になる期限です。

相続放棄する家庭裁判所

相続放棄には家庭裁判所のその旨を言う必要があります。これを相続放棄の申述といいます。

家庭裁判所といってもどこでもいいわけではなく、亡くなった方(被相続人)の住民票の届出のある場所を管轄する家庭裁判所に届出を行います。

相続放棄の手続きに必要な書類

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一般的な相続放棄の手続きであれば、自分で行うことも可能です。最初に管轄の家庭裁判所に届出をする必要があります。

必要な書類は主に以下のとおりです。

他に書類ではありませんが収入印紙などが必要です。亡くなった方の謄本関係は結構取得に時間がかかることがあります。書類の取り付け時には、どの程度時間がかかるのか必ず確認するようにしてください。

繰り返しますが、3ケ月というのは意外と短いので、時間の問題などで自分でできそうもなければ専門家への依頼も考えましょう。

相続放棄と各相続人の注意点

相続には優先順位があり、配偶者は常に相続人になります。それから子供、両親、兄弟姉妹の順になります。

配偶者と子供がいれば、配偶者及び子供の人数だけ相続人となります。借金が多いから相続放棄をしたらこれで終わりではありません。

仮に妻と子が相続放棄をしたら、その相続財産(及び借金)は次の相続人にいきます。

つまり故人の両親が健在なら相続財産・借金もそこにいきます。両親が相続放棄すれば、次に兄弟姉妹、とこんな流れになります。

ある程度年を重ねてくると、親兄弟と少し距離がでてくることがあります。相続放棄をした際にその現状をきちんと伝えておかないと次の順位の相続人が迷惑します。

ちょっと疎遠なだけならまだいいですが、仲が悪いとなると面倒なことになりかねません。自分の身内との付き合いも結構大切なのです。

相続放棄の素朴な疑問

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相続放棄の手続きは郵送でできる?

相続放棄の手続きをすることにより、相続放棄申述受理証明書という相続を放棄したことを証明する書類が発行されます。

もっとも家庭裁判所は故人の住民票のあるところが管轄なので、親と住まいが離れているときには物理的にも難しいことがあります。

郵送だからといって届出を受け付けないものではありません。

必要に応じて直接出向くように求められることもないわけではありませんので覚えておいてください。

生前に相続放棄はできる?

相続放棄の条件は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ケ月以内というのが原則です。

被相続人が亡くなる前に、相続開始を知ることはできませんので、生前に相続放棄の手続きはできません。

仮に同じ相続人となる人に口頭で伝えた、紙に書いて渡したとしても法律上、相続放棄の手続きをしたことにはなりません。

相続放棄の撤回や取消はできる?

相続放棄の撤回や取消はできません。知らない財産や借金がどこからともなくでてくることがあります。

そういうことが無いように、生前に相続放棄はできないようになっています。

また相続の開始を知ったときに、まずは相続人が誰で、どのような相続財産(あるいは借金)があるかを調べて確認する必要があるのです。

相続放棄しても生命保険金は受取れる?

契約者と被保険者(保険契約の対象となる人)が同一のケースでは、生命保険会社から支払われる死亡保険金は保険金受取人の固有の財産となります。

つまり相続放棄をした場合であっても実は死亡保険金を受け取ることが可能なのです。

しかし死亡保険金は税制上の取扱いについてみなし相続財産となります。そのため相続税の課税対象になります。

相続放棄の手続き期限である3ケ月が過ぎてしまったら

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繰り返しになりますが、相続開始の手続きの期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ケ月以内というのが原則です。

しかし何らかの事情でこの期限を過ぎてしまうこともないわけではありません。

相続放棄は相当の理由があれば、相続放棄の期限が切れた場合でもを行うことができることがあります。

相当な理由といってもこれなら大丈夫!というものではありません。相当の理由も色々あります。一般的な相続放棄なら書類を整えて自分でやるのもありです。

しかし期限の3ヶ月を経過した後に相続放棄手続きを考えているのであれば、専門家に依頼した方が間違いが少ないでしょう。

絶対駄目ではないが、基本は3ケ月以内に行うものでそれを目処に相続放棄の手続きを進めてください。

まとめ

相続放棄の手続きについていかがでしたか。高齢の方の人口構成比が上がっていくに従い、相続も増えていきます。

さまざま事情で相続放棄を考えるケースがあるでしょうが、まあいいやで後にしていたら借金背負うことになったでは大変です。

人のお金は家族であっても、どこに何があるか意外と分からないものです。相続を知ったら手続きは迅速に行うがキーワードです。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引主任者)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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