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年金の繰上げ・繰下げ受給の損得!損益分岐点は何歳?

年金の繰上げ・繰下げ受給の損得!損益分岐点は何歳?
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国民年金や厚生年金を受給する際、「繰上げ受給」や「繰下げ受給」で65歳より前や後に支給することが可能です。

■この記事で学べること

【1】繰上げ・繰下げ受給の損益分岐点の年齢

【2】年金の繰上げ受給・繰下げ受給とは?(国民年金、厚生年金)

【3】繰上げ受給と繰下げ受給のメリット、デメリット

【4】繰上げ・繰下げ受給の請求方法(手続きや必要書類)

【5】繰上げ・繰下げ受給の判断基準

年金の繰上げ受給と繰下げ受給についてポイント6つをまとめます。

※こちらにご登録頂くと「Mylife Money Online」の記事だけでは読めないお得なお金の情報を定期的にお届けいたします。

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点は何歳か?

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点

2020年の簡易生命表(出所:厚生労働省)によると、65歳時点の男女それぞれの平均余命(あと何年生存するか)は以下のとおりです。

  • 65歳男性の平均余命:20.05歳 → 85.05歳
  • 65歳女性の平均余命:24.91歳 → 89.91歳

例えば年金の繰上げ受給をした場合、本来の65歳あるいは繰下げて年金受給した場合の損益分岐点より長く生存できれば収支の上では得ということになります。

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点の年齢

【繰上げ受給の損益分岐年齢の目安】

受給開始年齢 損益分岐年齢の目安
60歳 80歳未満
61歳 81歳未満
62歳 82歳未満
63歳 83歳未満
64歳 84歳未満

【繰上げ受給の損益分岐年齢の目安】

66歳 77歳以上
67歳 78歳以上
68歳 79歳以上
69歳 80歳以上
70歳 81歳以上
71歳 82歳以上
72歳 83歳以上
73歳 84歳以上
74歳 85歳以上
75歳 86歳以上

繰上げ受給の減額率と損益分岐点の計算例

繰上げ受給:0.4%×繰上げた月数年金が減額(2022年4月以降)

  1. 例)65歳→60歳に繰上げ受給
  2. 12ヶ月×5年=60 0.4%×60=24%減額
  3. 国民年金額(2021年度)満額 780,900×(-24%)=593,484円

5年繰上げ受給すると上記の金額になります。

男性でも女性でも平均並みの寿命まで生存する前提であれば、繰上げ受給するメリットは少ないということになります。

統計に見たように年金を新たに受給し始める人が繰上げ受給する割合が減っているのは理にかなっているといえます。

繰下げ受給の増額率と損益分岐点の計算例

繰下げ受給:0.7%×繰下げた月数年金が増額

  1. 例)65歳→70歳に繰上げ受給
  2. 12ヶ月×5年=60 0.7%×60=42%増額
  3. 国民年金額(2021年度)満額 780,900×(+42%)=1,108,878円

実は繰下げ受給すると年金がこれだけ増えます。繰下げ受給しても現在の平均寿命に届く前に収支は逆転します。

2022年4月から75歳まで繰下げ受給をすることを選べるようになります。

増額率は0.7%のままですが75歳まで繰り下げることで最大84%増額されます。

これにより損益分岐点の目安は70歳受給開始なら約81歳以上、75歳受給開始なら約86歳以上です。

仮に繰下げ受給するならそれまで生活費の目処などが雇用延長や自営業の継続で可能なら繰下げ受給もありでしょう。

繰上げ受給とは逆に統計では繰下げ受給までしている人は少ないのですが、今後は増えていくかもしれません。

年金の繰下げ受給は長生きするほど得です。

年金(国民年金・厚生年金)の繰上げ・繰下げ受給とは?

年金(国民年金・厚生年金)の繰上げ・繰下げ受給とは?

年金の繰上げ受給・繰下げ受給とは、本来受給する国民年金や厚生年金)を、繰上げて65歳よりも早く、また繰下げて65歳以降の年金受給とすることです。

但し、年金の繰上げ受給をすれば年金は減額、繰下げ受給は増額されます。

いつ繰上げ、繰下げするかで損益分岐点となる年齢は変わります。

自分の寿命が分からない以上、なかなか難しいところもあるのです。

繰上げ受給の言い分、繰下げ受給の言い分

改めてなぜ繰上げ受給、繰下げ受給するのか考えてみましょう。

  • 繰上げ受給:年金をもらわないで死んでしまったら損
  • 繰下げ受給:長生きしてお金がないのは不安

筆者の主観もありますが、これらをやっている人とお話ししていると上記のような返事が返ってくることが多いです。

特に繰上げ受給は年金支払っているのに1円も貰わないと損してしますと考える人も多いようです。

それでは次に年金の「繰上げ受給」「繰下げ受給」のメリット、デメリットと知っておきたい注意点について解説します。

年金繰上げ・繰下げ受給の損得!メリットとデメリット・注意点

年金繰上げ・繰下げ受給の損得!メリットとデメリット・注意点

年金の繰上げ受給、繰下げ受給をする場合、気になるのは通常65歳からもらえる年金が何歳から逆転するかということでしょう。

まずは収支以外に知っておきたい損得、メリットとデメリットについて確認します。

デメリットにはプラス注意点という視点も入れておきます。

年金の繰上げ受給

メリット

  • 年金を早く受給できるため、早く死亡することがあってもゼロはない

デメリット・注意点

  • 早く年金を受取る分、所定の減額率で年金が減額される(一生)
  • 繰上げ受給した後はあとから戻したり、取り消したりすることはできない。
  • 加入期間を満たしていない場合などの任意加入や追納ができない。
  • 繰上げて請求後、事後重症(※1)などによる障害基礎年金の請求は不可
  • 寡婦年金(※2)の支給がなくなる。現在寡婦年金を受給している人はストップする
  • 65歳になるまで遺族厚生年金・遺族共済年金を一緒にもらえることはできない。

※1障害認定日の段階でその症状が障害に該当しないときでも、その後傷病が悪化して障害状態になったときには障害年金を請求することができる制度

※2自営業など第1号被保険者である夫が死亡したとき、所定の要件を満たしている妻に60~65歳までに支給される年金

繰上げ受給をした場合、長生きするほど損になります。

繰り上げ受給についてはデメリットが多いので、経済的に厳しい人以外にはおすすめできません。

年金の繰下げ受給

メリット

  • 繰下げした期間によって年金の受給額が増額される(一生)

デメリット・注意点

  • 繰下げ受給までに死亡したら年金はもらえない(遺族の請求も不可)
  • 国民年金(基礎年金)の受給権が65歳に達した日において発生する際に少なくとも66歳に達した日までの間は繰下げ請求を待機する必要があります。
  • 65歳に達した日から66歳に達した日までの間遺族基礎年金、障害基礎年金、厚生年金保険などの年金を受ける権利があると繰下げ請求そのものができない。
  • 振替加算額については、繰下げ受給を請求しても増額がない。

繰上げ受給も繰下げ受給も細かい要件などがあります。

安易にするしないではなく、金額のシミュレーション計算をして、自分と配偶者の細かい要件をチェックして決めるようにしましょう。

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点は何歳か?

年金の繰上げ受給と繰下げ受給の損益分岐点

2020年の簡易生命表(出所:厚生労働省)によると、65歳時点の男女それぞれの平均余命(あと何年生存するか)は以下のとおりです。

  • 65歳男性の平均余命:20.05歳 → 85.05歳
  • 65歳女性の平均余命:24.91歳 → 89.91歳

例えば年金の繰上げ受給をした場合、本来の65歳あるいは繰下げて年金受給した場合の損益分岐点より長く生存できれば収支の上では得ということになります。

但しこれは現在の数字なので、すでに年金を受給する年齢の人にはそこそこ参考になりますが、もう少し若い世代は違う統計も考慮しておきたいところです。

少し乱暴な言い回しですが医療技術も上がっていますので、病気になってもそう簡単には亡くならないということもあります。

繰上げ受給の減額率と損益分岐点

繰上げ受給:0.4%×繰上げた月数年金が減額(2022年4月以降)

  1. 例)65歳→60歳に繰上げ受給
  2. 12ヶ月×5年=60 0.4%×60=24%減額
  3. 国民年金額(2021年度)満額 780,900×(-24%)=593,484円

5年繰上げ受給すると上記の金額になります。

男性でも女性でも平均並みの寿命まで生存する前提であれば、繰上げ受給するメリットは少ないということになります。

統計に見たように年金を新たに受給し始める人が繰上げ受給する割合が減っているのは理にかなっているといえます。

繰下げ受給の増額率と損益分岐点

繰下げ受給:0.7%×繰下げた月数年金が増額

  1. 例)65歳→70歳に繰上げ受給
  2. 12ヶ月×5年=60 0.7%×60=42%増額
  3. 国民年金額(2021年度)満額 780,900×(+42%)=1,108,878円

実は繰下げ受給すると年金がこれだけ増えます。繰下げ受給しても現在の平均寿命に届く前に収支は逆転します。

2022年4月から75歳まで繰下げ受給をすることを選べるようになります。

増額率は0.7%のままですが75歳まで繰り下げることで最大84%増額されます。

これにより損益分岐点の目安は70歳受給開始なら約81歳以上、75歳受給開始なら約86歳以上です。

仮に繰下げ受給するならそれまで生活費の目処などが雇用延長や自営業の継続で可能なら繰下げ受給もありでしょう。

繰上げ受給とは逆に統計では繰下げ受給までしている人は少ないのですが、今後は増えていくかもしれません。

年金の繰下げ受給は長生きするほど得です。

繰上げ受給、繰下げ受給の請求方法、手続きと必要書類

繰上げ受給、繰下げ受給の請求方法、手続きと必要書類

年金受給の繰上げ、繰下げの手続きや書類については下記の電子政府の総合窓口e-GOVから確認できます。

繰上げ受給の手続きや書類

厚生年金保険・国民年金 老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書(国民年金)

厚生年金保険・国民年金 老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書(厚生年金保険)

繰下げ受給の手続きや書類

国民年金・厚生年金保険老齢基礎・厚生年金支給繰下げ請求書(国民年金)

国民年金・厚生年金保険老齢基礎・厚生年金支給繰下げ請求書(厚生年金保険)

年金繰上げ受給、繰下げ受給の判断基準

年金繰上げ受給、繰下げ受給の判断基準

年金繰上げ受給、繰下げ受給の判断基準

繰り上げ受給する、あるいは繰下げ受給する判断については、基本的なところはそれぞれの注意点やデメリットを理解した上で収支をどう考えるかというところになります。

但し考えるのはここだけではありません。

公的年金以外の年金、他の収入も考慮

この記事で繰上げ受給、繰下げ受給という話をしたのはあくまで公的年金(国民年金、厚生年金)の話です。

人によってはさらに上乗せの企業年金に勤務先が加入しているケースがあります。

個人でも確定拠出年金の加入や生命保険会社で個人年金保険に加入するケースもあるでしょう。

今の時代65歳で雇用延長の後定年して一切仕事をしないというわけでもありません。

経済的な理由だけでなく働ければ働きたいという人も多いでしょう。

65歳以降でも公的年金や私的年金、就業収入、不動産収入などもあるでしょう。

これらから税金が引かれて手取りとなります。

繰上げ受給しても他の収入との関係で手取りが変わらないならする繰上げする意味はなくなります。

繰下げするにしてもそこまでの生活費も検討する必要がありますが、今後は雇用の延長なども考えられます。

年代ごとに年金受給の戦略は変わってくると考えてください。

繰上げ、繰下げ受給するのに個別の収支や損益分岐点はもちろん他の収入も含めた状況からシミュレーションすることを考えて判断するようにしてください。

繰下げ受給する場合、それまでの生活をどうするか

特に今後平均寿命が延びていく中で、国が70歳以降の繰下げ受給も検討しだしているのは、老後も就業を促しつつ

実際に65歳程度の雇用延長は増えてきていますし、副業を可にする企業も増えてきています。

自分がいま何歳で老後までに何ができるかはそれぞれでしょうが、老後の生活の柱となる何かを現役時代から準備しておく必要があります。

繰下げ受給の今後の活用

繰下げ受給、今後の改定の方向性(最長75歳)

繰り下げ受給の活用

老後の生活時間が増えている分、生活費も必要です。繰下げ受給することで増額した年金は生涯続きますから検討しない手はありません。

誤解している人が多いようなのでまとめておきます。

  • 繰下げ受給は今後最大で75歳で73歳でも67歳でも可能(1か月単位で自由に選べる)
  • 国民年金と厚生年金は同時に繰下げしなければならないわけではない

繰下げ受給することの課題はそれまで生活が成り立つかということでしょう。

そのために資産の取り崩しでカバーできるのか、働く期間を伸ばすなど個々の状況に応じて工夫が必要です。

老後の収入を取り方と税金と社会保険料も考慮することが必要です。

まとめ

年金の繰上げ・繰下げ受給の損得!損益分岐点は何歳?、についていかがでしたか。

改正によって2022年4月より最大75歳まで繰り下げて年金受給することが選べるようになります(84%増額)。

いまの繰上げ受給のデメリットや何より損益分岐点の収支なども考慮すると、今後は繰上げする人はさらに減ってくると考えます。

自分の寿命が分からない以上、お金の計算はあくまで仮計算です。

平均寿命が延びる中で体と心とお金がそれなりに健康でないと、自分なりに豊かな老後とはなりません。

年金受給者の人ともお話することがありますが、少ないと文句を言いながらもいざ年金を貰う立場になるとうれしいものだそうです。

この感情は年金を受取るときでないと分からないでしょうが、損得だけでなく自分なりにお金を有益につかえる老後を過ごせるように受取り方を考えましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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