火災保険・地震保険の請求方法のコツと時効期限!追加・修理後請求できる!?
地震や台風など自然災害の増加で、火災保険や地震保険の保険金請求をする場面が増えています。保険金の請求方法など分からないことが多いでしょう。
火災保険や地震保険の請求や保険金請求代行を謳ったトラブルもあり、消費者庁など関係期間が注意喚起をだしています。
■この記事で学べること
【1】保険金請求方法と申請の流れ
【2】保険金請求が時効となる期限はいつまで
【3】後から追加請求できる?保険金請求のコツ
火災保険や地震保険金を請求するコツについてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
火災保険・地震保険の保険金請求方法と申請の流れ
はじめに火災保険や地震保険の保険金請求方法とその流れについて確認してきましょう。
火災保険・地震保険の保険金請求方法と申請の流れ
一般的に火災保険や地震保険の主な申請の流れは次のようになります。
- 契約先の損保への災害や事故の報告
- 損保会社から保険金請求の案内や必要書類の手配
- 被害状況や契約内容等の確認、損害物に対しての立会調査・損害鑑定
- 保険金請求書類の提出
- 損害保険金の支払い
自然災害などの際、自宅が全壊したなどすると保険証券なども無くなってしまうことがあるため、契約先の損保が分からないなどのことがあるでしょう。
大規模災害の場合、その災害ごとに日本損害保険協会に契約照会センターなどの問い合わせ先が掲載されます(問い合わせ先後術)。
保険金請求する際には損害調査などが入ることがありますが、軽微な損害では通常は写真見積もりで対応します。
業者から修理見積を取り、被害箇所の写真を撮って保険金請求書類と一緒に返送します。
保険代理店などを経由している場合には、書類を持参してくれたり写真を撮っていってくれることもあります。
最近は相次ぐ災害に対応するようにスマホなどを使って遠隔鑑定などこれまでは違う鑑定も実施されています。
ちなみに請求の流れの3番目に契約内容の確認というのがあります。
例えば契約金額が適正であるかとか、所有者が実際の所有者と相違ないか、入金に問題はないかなどです。
保険料を月払いにしている場合、連続して保険料の引落しが不能になっていると保険金が支払われないことがあるので注意してください。
何より実態に即した契約内容にしておくことが大切です。
所有者の名義などの相違があると保険金の支払いに時間がかかることなどがあります。
災害で被災して困っているときに早く何とかしろ、と言っても何ともならないこともあります。自分の「契約」ですから、実態の内容に間違いがないか必ず確認しておくようにしてください。
もしものときに保険金の支払いがスムーズになり、自分や家族の負担を減らすことに繋がります。
保険金請求書の書き方
保険金の請求は、一般的に契約者か被保険者(火災保険や地震保険の場合は所有者)が行います。
書式は損保ごとに違いはありますが、通常記載を求められるのは以下の内容です。
- 住所氏名、押印(認印で可)、電話番号等の連絡先
- 証券番号(保険会社に事故の連絡をするときに聞いておく)
- 事故日・事故状況
- 被害物の内容
事故日や事故状況で書き方が分からないケースもあるでしょう。
大きな災害や火災などがあれば事故日が分からないことはないでしょうが、建物の破損などでいつ発生したか不明な点があるケースも珍しくありません。
その場合は損害に気がついた日でも構いませんが、念のため契約先の損保にその旨を伝えて、確認の上記入してください。
事故状況は、例えば台風●号によって、の屋根が破損したとか、落雷で家電製品が壊れたものとか(具体的に壊れたものを記載)、地震で家財が破損したなどです。
「いつ」「何によって」「どんなことが起きて」「どのような被害があって」「どうなったか」記載しておくようにイメージしてください。
保険金請求の時効期限はいつまで?
火災保険・地震保険とも大きな損害があれば、誰でもできるだけ早く保険金の請求をします。
しかし居住に問題がないようなケースで、損害に気づかないこともあるでしょう。
例えば、地震保険では一番軽微な認定基準は一部損になりますが、ぎりぎり一部損に認定されるくらいなら損害が軽微なので気づかないことも珍しくありません。
台風などで屋根の破損があっても水が漏れたりしてこなければ、屋根に上って確認する人は少ないでしょう。
災害や事故からかなり時間が経過すると損害調査や確認が難しくなります。
そのため保険会社の保険金請求における支払義務は、「3年を経過した時点で時効消滅」するとされています。
但し、災害によっては3年以上前の被害についても補償が受けられる特例措置を取る場合もあります。まずは契約先の損保に確認の連絡をしてみてください。
火災保険・地震保険は後から追加請求や修理後請求できる?
事故や災害で損害が発生、火災保険や地震保険の保険金を受け取った後で別な損害に気がつくこともあるでしょう。
後から追加請求などができるかというと、できないことはないというのが回答です。
但し、追加で必ず保険金が支払われるわけではありません。
なかには火災保険や地震保険の保険金請求をしたら、その後は請求できなくなるのではないかと考える人もいるようです。
火災保険と地震保険に分けて確認してみましょう。
火災保険の追加請求
保険金の請求や支払いの基本的な考え方として、重複して保険金は支払われないということです。
例えば保険金の請求をした後に、別な箇所の損害もあったということであれば請求は可能でしょう。
また損害箇所の修理後に別な件で同じ個所に損害が発生した場合、通常は別な事故での損害になるので請求は可能です。
地震保険の2回目の追加請求
基本的な考え方は火災保険と同様ですが、地震災害の場合、火災保険と状況が少々異なることがあります。
それは連続して地震が発生する可能性があるからです。
地震などの場合、72時間以内に生じた2以上の地震等はこれらを⼀括して1回とみなして保険金が支払われます。
また地震保険は火災保険と違ってその主旨は生活再建です。
建物の場合には主要構造部の3%以上の損害などが遭ったときに支払い対象になります。
窓ガラスが割れていた、門兵が壊れているのに後から気づいた(主要構造部ではない)ことがあっても保険金は追加で支払われることはありません。
地震保険では一定の基準を満たさない(最低でも一部損の基準に認定されないと)保険金の支払いはゼロです。
ちなみに「地震等が発生した日の翌日から10日経過後に生じた損害は対象外」となりますので覚えておきましょう。
地震保険は火災保険と一緒に契約しますが、保険としての主旨や保険金の支払われ方が違う点には注意してください。
損害鑑定に不服があるようなら、改めて損害鑑定を依頼することも可能です。
紛争などの解決には、「そんぽADRセンター」というところもあるので必要に応じて利用してください。
火災保険・地震保険の保険金請求のコツ
ここまでのことを踏まえて、事故や災害などで住まいや家財に損害が遭って保険金請求する場合のコツについてご紹介します。
事故報告は早めにしておく
火災保険や地震保険の契約がある際、損害があったら(もしくはありそうなら)、契約先の損保に一報入れておくようにしてください。
特に自然災害の場合、保険金請求が殺到します。
いくら保険金が支払われるのか、いつ保険金は支払われるのかを早く確定したいのは誰でも一緒です。
生命保険などの場合、契約に基づいて決められた金額を支払います。
病気で死亡したら死亡保険金を支払いますが、今回は半分だけ支払うなどということはありません。
払えるか払えないかだけです。損保の場合、損害額がいくらか、認定がいくらか確定しないといくらになるかはっきり分かりません。
焦る必要はありませんが早く事故報告をして、なるべく早く損害鑑定や損害確認をしてもらうことが必要です。
自然災害で契約先が分からないときは調べることができる
災害で被災したとき、保険証券がない、保険契約をしていた配偶者が他界してどこに連絡していいか分からない場合、調べることが可能です。
一般社団法人日本損害保険協会に、「自然災害等損保契約照会センター」が設置されています。
火災保険や地震保険の請求代行に注意
自然災害の増加とともに増えているのが、火災保険や地震保険の保険金を請求代行する業者です。
詐欺被害やトラブルなどが増えており、消費者庁や国民生活センター、損保協会などが注意喚起を行っています。
しっかりビジネスをしている業者もいるようですが、本来自分がもらえる保険金から、手数料を中抜きするビジネスモデルです。
単なる劣化消耗(火災保険等の支払い対象外)を災害で壊れたことにして請求する詐欺的なケースもあるようです。
嘘の報告では単なる保険金詐欺になってしまうので、安易に契約を結ばないように注意してください。
分からないことは契約先損保や保険代理店に聞く
何かあったときにこんなこと聞いていいのかなどと気にする人もいるでしょう。
保険料を支払って契約しているわけですから、分からないことがあれば気にせずどんどん聞いてください。
保険代理店などを経由しているなら、顔が見える相手でしょうからそこを経由して動いてもらうのもいいでしょう。
まとめ
火災保険・地震保険の請求方法のコツと時効期限!追加・修理後請求できる!?、についていかがでしたか。
豪雨による水害や土砂崩れ、地震、台風、雪害、雹災、竜巻、落雷など以前よりも自然災害による被害が増加傾向です。
いまの日本では、誰もが何らかの災害や事故で被災する可能性はあります。
火災保険や地震保険の保険金請求は人生の中で何度も経験することではありません。住まいに損害があるとなかなか冷静になれないものです。
どんなことが必要か平時からイメージしておき、もしものときに困らないようにしておきましょう。
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