住宅ローンの諸費用/諸費用込みの目安はいくら?比較のポイント
住宅ローン選びで見落しがちなのが「住宅ローンの諸費用」です。なかには住宅ローンの諸費用も借りることができるものもあります。
■この記事で学べること
【1】住宅ローンの諸費用とは?相場や目安はいくら?
【2】諸費用を用意する3つの方法
【3】住宅ローンでかかる諸費用の内訳
【4】住宅ローンを諸費用込みで借りる
【5】借り換えのときの住宅ローン諸費用
住宅ローン諸費用の相場や目安、諸費用込みでの住宅ローンの考え方、そして諸費用の比較ポイントまでをまとめて解説します。
※こちらにご登録頂くと「Mylife Money Online」の記事だけでは読めないお得なお金の情報を定期的にお届けいたします。
この記事のもくじ
住宅ローンの諸費用とは?相場や目安はいくら?
住宅ローンの諸費用とは?
住宅ローンの諸費用とは、物件価格とは別に必要な各種の費用のことです。
具体的に諸費用とは、税金や保証料、各種手数料、保険料(生命保険・火災保険)などです。
住宅購入時に頭金とは別にこうした諸費用が必要であることを知らないと、比較的大きな金額になるのでびっくりすることがあります。
住宅ローン諸費用の相場や目安はいくら?
住宅ローンの諸費用は、ある程度の相場や目安があります。新築と中古で目安は違いますので、個別にみてみましょう。
あくまで諸費用の目安ということになりますが、新築・中古物件ごとに物件価格の下記の割合が一般的です。
- 新築物件 物件価格の3 ~7%程度
- 中古物件 物件価格の6%~10%程度
一般的に中古物件では仲介手数料が必要になるので、新築物件よりも諸費用が多くなります。
ただし、新築でも媒介業者がいる場合は仲介手数料などがかかります。
諸費用も住宅ローンに組み込んで、ローンで返済していくことは可能です。
しかし頭金をきちんと用意しておくに越したことはありません。
上記の諸費用の相場や目安などを考慮すると、10%弱くらいの余裕をみて諸費用を用意する目標にしておきましょう。
諸費用を用意する3つの方法(現金・住宅ローン金利に組み込む・諸費用ローン)
諸費用を現金で用意
諸費用は現金で用意する方法が最もポピュラーです。
この分を考慮して頭金の用意や物件選びをするのが自分の身の丈にあった住宅ローン選びに繋がります。
住宅ローンの諸費用も借りる、諸費用ローンを利用
住宅ローンを取り扱う銀行も色々ありますから、住宅ローンに諸費用を組み込むことができるケースや諸費用ローンを用意している銀行もあります。
特にネット系です。
ローンに組み込んだり、諸費用ローンを使うということは、諸費用の後払いという意味でもあるので自己資金(頭金)が少なくても住宅購入が可能ということになります。
一番のメリットはここです。また住宅ローン金利に組み込む場合も諸費用分は別にする場合とそうでない場合があります。
その一方で住宅ローンに組み込んだり、諸費用ローンを使うということは諸費用にまで利息を支払うことになります。
低金利とはいえ負担が増えることに変わりありません。
物件の担保価値を超えた諸費用分までローン込みにするということは審査にも影響があるでしょう。
無理のない身の丈に合った物件と住宅ローンを選ぶことが重要です。
そう考えると諸費用の支払いでおすすめなのは、やはり現金ということになります。
但し、全期間固定金利のフラット35は、頭金が1割未満(融資率9割超)と1割以上(融資率9割以下)では金利が異なります。
フラット35の場合には、頭金ゼロで諸費用込みにせずに頭金を1割は容易した方がいいでしょう。
住宅ローンでかかる諸費用の内訳(税金、保証料、各種手数料・保険料)
単純に住宅ローンの諸費用といっても、かかる費用の内訳は色々あります。
手数料や保険料、保証料の類いのように比較できるものもあれば、税金のように、諸費用の比較ができないものもあります。
だからこそどのようなお金がかかるのか、諸費用の内訳を知っておく必要があるのです。
諸費用といっても売買契約時から、決済・引き渡し、引っ越し後からかかるものまで色々です。
時系列で主な諸費用の内訳を確認してみましょう。
住宅購入の売買契約時から決済前までの諸費用
- 印紙税(請負・売買契約締結時、住宅ローン契約時)
- 仲介手数料(中古物件など)
- 適合証明書交付手数料(フラット35などを申し込みする場合)
住宅購入の決済・引渡し時の諸費用
- 登録免許税(登記時)
- 固定資産税
- 司法書士への報酬(登記時)
- 保証料 保証会社から保証してもらう際に支払
- 事務手数料
- 団体生命保険料(団信保険料) 住宅ローンによっては不要ケースもある
- 火災保険料・地震保険料 融資実行時または実行前から一括払い(10年分)
引っ越し後に必要な諸費用
- インテリア・家具、家電などの購入
- 引越し費用
- 不動産取得税
- 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
このように諸費用といっても契約時から引っ越し後までかかるものまで色々あります。
家具や家電などは、既存にあるものを使うか、せっかくの機会だから新しいものを買うか色々悩ましいでしょうが、住宅は購入後の維持費がかかります。
諸費用込みの住宅ローン、保証料や手数料の比較の方法
住宅ローンの諸費用で、特に大きいのが保証料や融資にかかる事務手数料です。
住宅ローンの保証料とは?
住宅ローンではほとんどの場合、融資の条件として「指定の保証会社の保証を受けられること」、になっています。
保証料とは住宅ローンの借入金額、返済期間・方法などで決まり、返済期間が長いと保証料は高くなる傾向です。
保証料の2つの支払方法
支払うパターンは、2つあって、住宅ローンとは別に外枠方式で支払うものと内枠方式で支払うものがあります。
- 外枠方式 当初一括払い
- 内枠方式 住宅ローンの金利に上乗せ(通常0.2%程度)
このように内枠方式などの場合、諸費用の中でもウエイトの高い保証料はローンに組み込むことも可能です。
外枠方式と内枠方式のどちらが得かは、融資条件をみて個別にシミュレーションしてみてください。
外枠方式で一括払いする方が総支払額では得なケースが多くなります。
この辺りは考え方で、手元に置くお金を多くして少しでも住宅ローンを減らすという考え方もあります。
頭金などがいくら用意できているかによっても違うでしょうが、パターンが2つあることを知っておきましょう。
住宅ローン諸費用の保証料は返還・返金される?(借り換え、繰り上げ返済)
当初一括払いをした場合、すでに支払った住宅ローンの保証料が返還・返金されることがあります。
保証料を一括払いしていると、住宅ローンの全期間に対する保証料を先払いしているかたちになります。
つまり住宅ローンを予定より先に返済すれば、先に支払った保証料は返還・返金されるというわけです。
借り換えをする場合や全部繰り上げ返済などをする場合には、保証料の返金はありますが、一部繰り上げ返済の場合だと保証料の返金がない場合もあります。
保証料なし、無料の住宅ローンはあるの?
最近では保証料なし、無料となっている住宅ローンもあります。細かい中身をみて、何がどう違うのかチェックすることが大切です。
保証料がなし・無料でもこの後解説する事務手数料を高くとるケースもあります。
保証料なし・無料といっても、住宅ローンに関係するビジネスですから、どこかで儲けなくては商売になりません。
無料でも構いませんが、そうでない場合との違いはよくみておきましょう。
住宅ローンの事務手数料
保証会社から保証を受ける際には、それに対して事務手数料が必要とされます。
逆に保証料なし、無料となる住宅ローンの場合には、金融機関に支払う事務手数料が必要です。
定額で支払うケースやローンの融資額に所定の率をかけた金額で支払うケースがあります。
借り換えのときの住宅ローン諸費用
住宅ローンを借り換えする場合、当然各種の諸費用がかかります。
特に銀行(金融機関)の手数料や保証料、団体信用生命保険料は差には開きがあるので注意が必要です。
特に借り換え後の融資額に比例して諸費用も大きくなるためこうした点に注意してチェックしてください。
保証料
保証料は信用保証会社によって異なり、借り入れ時に一括で支払った場合、融資額×2%ちょっと必要になります。
また保証料は一括支払いだけでなく、住宅ローン金利に0.2%程度上乗せして払う方法もありますがいずれか選択できるケースが一般的です。
手数料
銀行(金融機関)に支払ういわゆる借り換えに伴う事務手続きにかかる手数料です。
メガバンクなどでは手数料が数万円くらいですが、ネット銀行では融資額×2.2%必要です。
ネット銀行の場合は保証料を無料にしていることがあるためです。
手数料と保証料について知っておきたいことは、手数料は保証料とは異なり支払った分については返金されません。
団体信用生命保険(団信)
住宅ローンを返済する本人が死亡などでローンの返済が不可能になった際、保険金で住宅ローンを相殺するための制度です。
民間の銀行は金利の中に団体信用生命保険料が含まれているので一般的に団信にかかる掛金は無料です。
但し近年団信の保障は多様化していて、死亡以外にがん、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)、八大疾病などで所定の状態になった際に住宅ローンが免除される上乗せ団信も広がっています。
なかには自然災害や失業などに対応した上乗せ団信もでています。
上乗せ団信は無料のこともありますが、住宅ローン金利に上乗せ金利を支払うのが一般的です。
その他諸費用
その他借り換えの際に必要な諸費用は次のとおりです。
印紙代、登録免許税、司法書士への報酬、火災保険・地震保険、フラット35の場合には物件検査手数料
その他の諸費用については金融機関ごとの違いはそんなに大きくありません。
税金などは銀行ごとに変わるものではないからです。保証料・手数料・団信保険料が借り換えの諸費用では比較のポイントです。
借り換えの際には借り換え後の金利及び諸費用も含めた実質的な負担がいくらか、そして借り換えすることによる金額との差額で判断しましょう。
まとめ
住宅ローンの諸費用/諸費用込みの目安はいくら?諸費用の比較ポイント、についていかがでしたか。
これだけの低金利ですから、また消費税上げなどを睨んで住宅購入を検討している人も多いでしょう。
実際に住宅ローンを利用することになる人がほとんどですが、そこに絡む諸費用も馬鹿になりません。
多くの人にとって人生でもっとも高い買い物ですから、それに付帯する諸費用もそれなりの金額になります。
家を購入することを決めたら、しっかり計画をたてて住宅購入の準備をはじめてください。
※こちらにご登録頂くと「Mylife Money Online」の記事だけでは読めないお得なお金の情報を定期的にお届けいたします。