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持病保険(引受基準緩和型保険)の契約前に知っておきたい4選

持病保険・既往症保険/引受基準緩和型保険の契約前に知っておきたい5選
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持病保険・既往症保険など持病があっても入れる生命保険・医療保険などを「引受基準緩和型保険」といいます。持病があっても入りやすい一方、注意点もあります。

■この記事で学べること

【1】持病があっても入れる保険とは?

【2】引受基準緩和型保険と無選択型保険の経緯と違い

【3】メリット・デメリット

【4】主な告知内容とは?うつやがんでも加入できる?

【5】最近の引受基準緩和型(限定告知型)の保険の動きと加入前に知っておくたい5選

損をしないための持病保険・既往症保険(引受基準緩和型保険)のホントのところをファイナンシャルプランナーが解説します。

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持病保険・既往症保険、いわゆる引受基準緩和型の保険とは?

持病保険(既往症保険)、いわゆる引受基準緩和型の保険とは?

持病保険・既往症保険とは?

持病保険あるいは既往症保険などと言っていますが、名称にあるように持病のある人でも入りやすい保険のことをいいます。

正式には「引受基準緩和型保険」あるいは「限定告知型保険」といいます。

生命保険会社は契約者を保険契約を結んで契約を「引受」します。

この健康上の「基準」が「緩和」または「限定」されている保険ということです。

生命保険は、人の体にかかる保険ですから、その契約の引受けにあたり健康状態は何より重要です。

生命保険はその健康状態によって、契約の引受には段階があります。

  • 普通に引き受ける
  • 条件付きで引き受ける
  • 契約を引受けない(謝絶)

一般的にはこの3段階です。条件付きというのは所定の年数、所定の部位の病気と保障しない、あるいは減額するなどのことです。

*生保会社によって2番目の条件付きを細かくつけない会社がでてきています(つまり引き受ける)。

ビックデータなどの活用で以前と比べて引き受け状況も変わりつつあります。

引受基準緩和型の保険では健康上の状態などの基準を緩くして、生命保険に加入しやすくしているのです。

その分生命保険会社からすると、保険契約を引き受けるリスクは健康な人に比べて高くなります。

持病があっても加入しやすいのですが、いいことばかりではありません。

引受基準緩和型の保険の種類(生命保険、医療保険など)

持病のある人に対応する引受基準緩和型の保険ですが、生命保険はもちろんいくつかの種類の保険で対応しています。

  • 死亡保障:定期保険、終身保険
  • 医療保障:医療保険

引受基準緩和型保険は、死亡保障や医療保険が中心です。

最近はがんになった人でも条件つきで加入できるタイプも少しでています。

生保各社の医療保険もメインとなる保障があって、それをベースに女性をターゲットにした保障内容にしたものやこの記事のテーマにある引受基準緩和型の保険をプランに持っています。

持病保険のメリット・デメリット

持病保険のメリットは、病歴があっても加入しやすいこと、この1点です。

気になるのはデメリットや注意点でしょうが、続けてデメリットをみていきましょう。

  • 通常の生命保険、医療保険などよりも掛金が高く設定されている。
  • 初年度は保障が半分など全額は支払いにならないことがある
  • 引受基準緩和型の保険であっても、契約前からの病気については支払の対象外
  • 掛捨てタイプでない場合でも収支が合わないことがある。

このように注意点は色々あります。特に持病そのもの(つまり保険契約前からの病気)は対象になっていません。

言われてみれば当たり前のことですが、この点は本当に勘違いしている人が多いので注意してください。

これがOKになるようなら保険の仕組みが成り立ちません。

特に死亡保障での終身タイプは解約返戻金があり掛け捨てではありませんが、死亡時に受け取る保険金より掛金が多くなることもあります。

掛金が終身払いの場合などが該当しますが、場合によっては長生きするほど収支が悪くなることもあります。

高齢になってから加入すると尚更です。

これでは本末転倒なので多少なりともお金が戻るタイプでは、受け取る保険金と支払う掛金の差額を自分で計算してみてください。

引受基準緩和型保険と無選択型保険の違い

引受基準緩和型保険と無選択型保険の違い

持病がある人でも入れる保険は、「引受基準緩和型の保険(限定告知型)」以外に過去「無選択型保険」というものがあります。

もともと持病のある人向けの保険は、無選択型保険からはじまりましたが今は引受基準緩和型の保険が中心です。

生命保険会社は、保険に加入しようとする人の健康状態に応じて、契約する人を「選択」しています。健康状態の悪い人ばかりではビジネスにならないからです。

無選択型保険というのは、文字通りこの選択をしないことです。

持病のある人も加入しやすいというよりは、加入できてしまう保険です。

この保険の加入における必要書類には告知書がありません。告知書がないから、病気を告知しないので加入できるというわけです。

シンプルに限定告知と無選択型保険の違いは次のとおりです。

  • 引受基準緩和型の保険:持病があっても通常の保険よりも基準が緩く加入しやすい
  • 無選択型の保険   :持病があっても加入できる保険

無選択型は一時払いなどが中心で医療保険などは引受基準緩和型保険が一般的です。

持病保険の主な告知内容とは?うつやがんでも加入できる?

持病保険の主な告知内容とは?うつやがんでも加入できる?

引受基準緩和型の保険の主な告知内容

持病保険、いわゆる引受基準緩和型の保険は告知書に記入する内容が簡素なものになっています。

生命保険会社によって告知内容は3~5つ程度ですのでここに該当しなければ持病があっても保険に加入できることになります。

多少違いはあるものの、主な告知事項は次のとおりです。

  • 最近3か月以内に医師から入院・手術・検査などをすすめられたか
  • 過去2年以内(1年の場合もある)に病気や怪我で入院や手術があるか
  • 過去5年以内ににがんまたは上皮内新生物(他の病名も入っている)などで入院や手術があるか

通常の生命保険や医療保険などのように細かい内容を告知書に記載する必要がないので記入も楽です。

高齢の人ならなおさらでしょう。いずれにしてもシンプルな告知内容なので比較的分かりやすいのも特徴です。

特に違いがでるのが真ん中の過去●年以内に病気や怪我で入院や手術があるかという項目です。

病歴のある人からすると、1年違うのはかなりの差になるためです。

引受基準緩和型の保険はうつ病やがんでも加入できる?

うつ病などの精神疾患やがんになったことがあると、生命保険の死亡保障や医療保険などは非常に加入しにくくなります。

もちろん他の病気でも同じことは言えますががんの場合、一般的な生命保険・医療保険だと告知書の質問事項に過去にがんになったことがあるかどうか記載する箇所があります。

がんになったことがあれば当然ここで引っかかってくるので加入が難しくなるのです。

最近はがんになった人でも加入できる保険が一部発売されています。

持病保険こと引受基準緩和型の保険は前の項目でお話したように告知事項がシンプルです。

うつ病やがんでも告知事項にかからなければ加入できることになります。

最近の引受基準緩和型(限定告知型)の保険の動き

最近の引受基準緩和型(限定告知型)の保険の動き

もともと持病のある人を対象にしている生命保険や医療保険ですから、ところどころに制限がついています。加入して1年目は保障が全額でないなどはその一つです。

いくつかの生命保険会社が初年度でも保障が減額されない引受基準緩和型の保険を発売しています。

商品改定や新商品などの場合は尚更です。

また死亡保障は終身タイプが主流ですが、掛け捨てで一定期間後に保障が終わる定期タイプも販売しているケースがあります。

掛け捨ては嫌だという人もいますが、自分の死亡後にお金を遺したい人がいる場合、掛け捨てで期間が決まっているタイプの方が効率がいいこともあります。

持病がある人はその確率が健康な人より高いですし、子どもが社会人なるまでの間だけでも保障が必要という人には向いています。

契約する前に知っておきたい4選

契約する前に知っておきたい5選

ここまで解説したように引受基準緩和型・限定告知型の保険には色々な注意点があります。

それを踏まえてそれでも加入したいという人は、その前にもう一度次のことを確認してください。

何のために加入するのか?

改めて何のために引受基準緩和型の保険に加入するのか明確にしてください。持病や既往症があると確かに漠然と不安ではあるでしょう。

だからと言って不安が漠然としたまま保険に加入するのはよくありません。

またこれは持病にある人に限った話でもありません。子供にお葬式代を遺したいならいくら必要なのかも考えてみましょう。

最近は家族葬も多いので以前ほど葬儀にお金がかかるわけではありません。

医療費が心配なら公的な保険制度でどこまで保障されて、自分の負担はどのくらいなのか、不足するならどのくらいになるのか数字で見える化してください。

漠然とした不安を明確にすることが大切です。

普通の生命保険や医療保険には本当に加入できないか確認

持病があることですぐに持病のある人の保険だけを考える人がいますが、普通の生命保険や医療保険に本当に加入できないのか確認するのが先です。

何らかの数値が高いとか、薬を飲んでいるとか、治療をしているなどあるでしょう。

告知書ではなく病院に行って保険会社の診査を受けることで一般の保険に加入できる可能性があります。

保険契約は、普通に契約、条件付きで契約、契約お断り(謝絶)の段階があるといいました。

条件付きなどの場合、一定期間は保障が削減されたり、所定の箇所の病気を保障しない(一定の期間が過ぎれば普通の人と同じになる)、あるいは割増で掛金を支払うなどです。

条件がついても加入できれば、引受基準緩和型の保険よりもずっとお得です。

病院に行って診査を受けたり、細かい書類を書いたり面倒が多いかもしれませんが、損をしないようにしっかり進めてください。

保障と掛金の収支は見合っているか

引受基準緩和型の保険に加入する人は必ず自分で支払う毎月の掛金と得られる保障の収支を電卓を叩いて計算してください。

例えば引受基準緩和型の終身保険です。掛け捨てではないため掛金は高くなりがちです。

終身に渡って保障があるのは魅力でしょうが、ある期間から掛金の総額が死亡保険金を上回ることがあります。

そうすると皮肉な話ですが、長生きするほど損をすることになります。

医療保険の場合などでは、10-15年くらい加入するとそれなりの金額が貯蓄できます。

そうするとその金額で医療費への対応に充当できるという計算もできます。

どんな人なら引受基準緩和型の保険は合うのか?

  • 預貯金などがないので死亡保障や医療費保障の手当がしにくい
  • 家族にいくらかお金を遺す必要のある人
  • 相続対策などで単純な保障の必要とは別の目的がある人

持病があるからこそ心配になるのはよく分かります。これくらいの掛金なら払えるから、持病があっても加入できるなら引受基準緩和型の保険でも入りたいというのはあるでしょう。

冷静に収支を計算して本当に必要かどうか冷静に考えてください。その上で加入するならそれはありだと考えます。

まとめ

持病保険(引受基準緩和型保険)の契約前に知っておきたい5選、についていかがでしたか。

平均寿命が延びて高齢者が増えると、大なり小なり何らかの持病・既往症を抱えて生活する人は増えてきます。

どの保険でもリスクの高い人ほど保険の必要性をよく認識していますから、加入を考えるのは当然のことだとも言えます。

持病のある人が保険に加入できても、保険金や給付金の支払い対象にならないこともあります。高い掛金を支払って支払い対象外でも目も当てられません。

引受基準緩和型の保険も必要であればうまく利用すればいいですが、対象になるならないや数字に落としてじっくり検討してください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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