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【地震保険】建物や家財の査定・鑑定方法のポイント8選

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地震保険は火災保険では、建物や家財に損害があったときの査定・鑑定基準やその方法が異なります。

■この記事で学べること

【1】地震保険の査定・鑑定基準は4区分

【2】建物と家財で異なる査定・鑑定基準

【3】共済やマンションの査定

【4】地震保険の査定のポイント8選

【5】損害鑑定(査定)を受ける前後で覚えておくこと

地震保険はその独自性から、査定の基準や方法が火災保険などとは基本的なところが違います。

もしも地震災害で被災したときに役に立つ、地震保険の査定のポイント8選を覚えておきましょう。

※火事や台風・水害など他の自然災害、火災保険にかかる査定方法はこの記事の内容とは別です。下記の関連記事をご参照ください。

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この記事のもくじ

地震保険の査定・鑑定方法は4区分

地震保険の査定・鑑定方法は4区分(2016年12月以前は3区分)

地震保険は、火災保険と一緒に加入しますが、保険金の支払いの基本的な考え方や査定・鑑定方法は全く異なります。

最近の火災保険は契約金額を上限に原則、「実際の損害」を支払います。

しかし地震保険では「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分しかありません。また一部損の基準に満たない損害であれば保険金が支払われることはありません。

※2016年12月31日までの、改定前は「全損」「半損」「一部損」の3区分。

これは火災保険が保険金で被害にあった建物や家財の再築したり、再購入する目的であるのに対して、地震保険は被災後の生活再建をすることが目的であるためです。

地震保険の支払い基準は2017年1月から4区分

2017年1月1日の保険始期の契約より、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に細分化されています。

地震保険の保険金の認定基準や実際の支払い割合の改定の詳細は以下の通りです。

地震保険の査定基準・査定方法(2016年12月末まで)

地震保険の査定基準・査定方法(2017年1月から)


表をみると随分と複雑に感じるかもしれません。

大ざっぱな覚え方ですが、建物の場合には主要構造部(柱、外壁、屋根、梁など)の3%以上の損害で一部損、家財は時価の10%以上の損害があれば一部損です。

つまり最低限これらをクリアしていれば、保険金は何らかのかたちで支払われます。

破損や亀裂の数や大きさなどによって認定方法は違いますが、最低限上記の基準を頭に入れておきましょう。

最近の地震保険の損害鑑定の動向

地震災害はもちろんですが台風などによる強風や水害も同じように広い地域に大きな被害をもたらします。

これらの自然災害では広い知識の人が被災し単純に数が多いため、損害鑑定・査定に時間がかかってしまうことがあります。

以前より地震災害は全国的に多発していましたが、さらにここ5-6年は規模の大きな地震災害が多発しています。

損害鑑定については損保各社などは下記の取り組みなどをはじめて迅速な保険金の支払いに取組んでいます。

  • RPA(ロボティクスオートメーション)によるWEB事故受付および登録業務の自動化の推進
  • ビデオチャットを活用した損害調査の実施(遠隔地から査定が可能)
  • ドローンの活用(損害状況の把握など)
  • OB・OGの人材活用(データベース登録して災害発生時に災害対策室で就労・支援などする制度)など

※損害保険各社で統一されたものではありません。取り組み例として理解してください。

良くも悪くも単純に地震による損壊の損害鑑定は、現場も慣れてきているようです。

地震保険の査定は建物と家財で異なる!査定は厳しい?甘い?

地震保険の査定は建物と家財で異なる!査定は厳しい?甘い?

地震保険は「建物」もしくは「家財」を目的に加入します。それぞれ別個のものですからそもそも地震保険での査定方法が全く違います。

なお地震保険の場合は原則として損害確認があります。現地に行って直接損害状況を見るということです。

例外的に被害の大きい地域について航空写真を使って鑑定したり、2016年の熊本地震からは一部自己申告方式も実施されています。

建物の査定・鑑定基準と方法

建物は主要構造部(基礎、柱、外壁、屋根、梁、軸組みなど)がそれぞれどのくらいの比率で損害を受けているかで査定します。

そのため建物の主要構造部に大きな被害はなく、単に門塀だけが壊れた、ガラスが割れただけなどの場合には保険金の支払い対象にはなりません。

建物の主要構造部の損害ではなく、基準を満たさないからです。

実際に建物の周囲や内部を目視で細かくみていきます。鑑定人はチェックシートにしたがって建物全体をチェックしていきます。

これは一戸建てでもマンションでも同じです。

一戸建てでも木造や2×4、鉄骨、コンクリートさまざまありますが、基本的な考え方は同じです。

建物の主要構造部の損害が全体に対してどのくらいの割合であるかをみて鑑定をします。

筆者自身も地震保険の建物や家財の損害鑑定に何度か立ち会ったことがあります。

全損あるいは半損認定されるくらいの被害がある場合はともかく、数が多い一部損については損害に気づきにくいというのが率直なところです。

建物の場合、決まった基準はありますが、ここで数字を並べても細かいマニュアルのようなものなので分かりにくいだけだと思います。

家財にも同じことが言えますが、まずは保険会社に連絡して損害保険鑑定人に見てもらうことが必須です。

家財の査定・鑑定基準と方法

家財の場合には、損害があった個別の価格や購入年月などは考慮されません。

家財は5~6種類くらいの大きな分類にわけ、さらに品目ごとにわけます。それぞれの代表品目に損害があったかどうかだけをみて、ポイントを積算して査定します。

具体的な大分類は、主に以下のようになっています。

  • 食器陶器類
  • 電気器具類
  • 家具類
  • その他身の回り品
  • 衣類寝具類     など

これらの分類はそれぞれ代表品目というかたちで細分化されています。例えば電機器具類であれば、品目は以下のようになっています。

  • 電子レンジ・オーブン
  • ステレオ
  • パソコン
  • テレビ
  • エアコン
  • 洗濯機
  • 掃除機
  • 冷蔵庫  など

それぞれの代表品目に損害があったかどうかでチェックしていきます。

また各品目ごとに積算ポイントが決まっています。

例えば電機器具類は2.5%ですから、パソコンとテレビ、電子レンジの損害があれば2.5%×3=7.5%です。

これを積算していって最低でも10%以上になれば一部損というように査定されるわけです。そのため高価な洋食器が10枚割れても1枚割れても変わらないのです。

ざっくりしたイメージですが、積算ポイントの高い家具や電気器具類のものが4~5点損傷があると一部損にかかりやすいと覚えておくといいでしょう。

必ずしも家財が粉々になっていなければいけないわけでもありません。

地震保険の査定は厳しい?甘い?

地震保険の査定方法が、厳しいあるいは甘いと人によって意見が分かれることがあります。

地震保険は火災保険と異なり、4つの損害区分の中に当てはめるだけです。

最も損害が軽い一部損の基準を満たさなければ保険金の支払い対象にもなりません。

建物の場合には主要構造部の損害が必須のため、過去に地震で被災した人の中には地震保険の査定は厳しいと感じる人もいるでしょう。

一方、軽微な損害でかろうじて一部損の基準を満たした人は、これくらいで貰えるんだ、地震保険の査定が甘いと感じるかもしれません。

例えば、家財の損害の場合、高額なものが一点だけ破損するより、多くの種類の家財に被害がある方が認定が受けやすいのです。

これはその人の被害と査定の仕方の問題です。

自分のイメージしていたように保険金が支払われなければ査定が厳しいと感じるでしょうし、逆であればよかったという感想になるでしょう。

筆者も過去に何度も地震保険の査定・鑑定の現場に鑑定人さんと立ち会ったことはありますが、査定が厳しいと感じたことはありません。

むしろ素人が見るとボールペンで線を引いたような極細な亀裂もきちんと入れるのだなと思いました。

また建物と比較すると家財は認定されやすいのではないかと感じました。

これは査定方法の違いもあるでしょう。

基本的な考え方として軽微な損害は対象にならないということは頭に入れておいてください。

阪神淡路大震災や東日本大震災以降、幾度もの地震災害を経て、地震保険の査定・鑑定方法も変わっています。

地震保険の査定は厳しいのかと考える人は、この後に出てくる査定・鑑定についてのポイント8選一読して参考にしてください。

被害物の写真を撮って記録しておく

地震に限った話ではありませんが、損害があったものの写真や破損したものについてメモなどを取っておくといいでしょう。。

特に家財で使えないものはどんどん捨ててしまうと思います。

しかし記憶はどんどん薄れていきます。きちんと記録に残すようにしてください。

損害鑑定の際にもそうしたものがあった方が話がしやすいです。家財が倒れた際に壊れたなども分かるときにメモするなりしておきましょう。

できれば写真の方が他人が見たときにわかりやすいので、スマホで充分ですから写真で記録しておきましょう。

大したことはないと思っても損害認定してくれることもあります。こうしたことも含めて写真などの記録に残しておくことが大切です。

【被害があった建物や家財の写真の撮り方】

被害を受けた建物や家財の全体(建物の場合は建物の全景写真)と損傷箇所が確認できる接近した写真を撮っておくとスムーズです。

複数回の地震が発生したら査定基準はどうなる?

72時間以内に発生した2つ以上の地震等は、1回の地震等とみなされます。但し被災地域がまったく重複しない場合は扱いが別になります。

実務的には、最初の地震から被災した建物や家財を鑑定しにくるのは順番になります。

一度損害鑑定して保険金の支払いを受けた後、別の地震でさらに被害が大きくなった場合、最初の分は別に考えるということです。

共済の場合の地震の査定・鑑定は?

共済やマンションの場合の地震の査定・鑑定は?

最初に損害保険会社の地震保険と各共済(こくみん共済coop(全労済)や都道府県民共済、JA共済など)の火災共済にも地震の保障はありますが内容が違います。

そのため地震に関する査定・鑑定基準や方法も地震保険とは異なるものになっています。

多少共通しているのは、地震などによるあまり軽微な損害では共済金(保険金)が支払われないことです。

例えば、こくみん共済coop(全労済)の場合、新自然災害共済で大型タイプなら全壊・全焼で最高1,800万円の保障があります。

一部壊・一部焼は「損害額100万円超」が必要ですから、損保のポイント積算とは査定方法が違います。

これに満たない場合で損害額20万円以上100万円以下なら3~4.5万円の見舞金が支払われる仕組みです。

被災後に取得する必要な情報が損保と共済では違いますので注意しましょう。

マンションの地震保険での査定・鑑定方法は?

マンションの地震保険での査定・鑑定方法は?

マンションでは一戸建てと違い、一つの建物に複数の所有者・居住者がいます。

また専有部分と共用部分に分かれており、特に専有部分は各所有者が別々の損保で地震保険に加入しています。

マンション一棟で大きな損害があったら、専門の鑑定人が数人で鑑定しなければならないレベルです。

建物については共用部分で認定を受ければ専有部分についても同じ基準で支払いがでます。管理組合がどう動いているか確認しながら進めましょう。

地震保険の査定・鑑定方法に関するポイント8選

地震保険の査定・鑑定方法に関するポイント8選

地震保険における査定基準・査定方法における7つのツボについて注意点をまとめて列挙しておきます。

地震災害で被災すれば誰もが少しでも多く保険金を貰いたいと考えるでしょう。良くも悪くもこうした制度であることを理解して請求を進めてください。

①建物は主要構造部の損害をみる。

主要構造部(柱・外壁・基礎など)ではない門や塀、ガラスだけの破損などは対象になりません。

②家財は個々の価格は関係なく、品目ごとの損害だけをみて積算する。

家財の一部損は思ったよりは、基準にかかりやすいので見て貰いましょう。家財は片づける前・捨てる前に写真撮っておいた方が話は進めやすいでしょう。

③一部損の基準に満たなければ保険金はゼロ

火災保険と違い、一部損の基準に満たなければ、被害があっても保険金がゼロのことがあります。

④行政の被災者生活再建支援制度における「全壊」や「大規模半壊」などとは査定・鑑定の基準が違う。

被災者生活再建支援制度と根本的に査定基準が違います。

あっちの制度でこうなったから同じようにしろと言ってもまず無理です。まずは制度の違いを認識してください。

⑤共済の保障と地震保険とは査定基準が別

各種の共済(都道府県民共済、こくみん共済coop(全労済)、JA共済など)にも地震の保障がありますが、損保の地震保険とは制度が違います。

どちらが優れているというものではありませんが、どちらが自分のニーズに合うか確認して利用しましょう。

⑥大した被害でないと思っても一部損認定されることがあるので念のため見てもらう。

一部損の損害は壊滅的な被害というわけではありません。

特に建物は一部損なら普通に生活できてしまうレベルのものもあります。

大きな地震があったら念のためみてもらいましょう。大地震の後1年後に別な外装工事のために業者を呼んだら地震の被害が見つかったこともあります。

⑦よく説明を聞き、納得いかなければその場でサインしない。再鑑定を依頼する。

地震保険の鑑定結果は、原則その日その場ででます。

サインすれば直ぐに支払いに手続きに入りますが、どうにも納得がいかないようならすぐにサインする必要はありません。

実際に大地震の被害があれば、その日その日の生活で気持ちに余裕は持てないでしょう。

日頃から必要な情報を頭に入れておきましょう。被災後の情報収集もポイントです。

⑧地震保険がもらえる回数は決まっている?

地震で被災して次に気になることがあるとすれば、地震保険がもらえる回数でしょう。

もらえる回数の前に地震保険の支払いについて、複数回地震があったときの考え方のポイントを確認しましょう。

複数の地震があったときの支払い対象となるかの考え方

複数の地震が起きて、被害が発生した際の基本的な考え方については次の3点をしっかり覚えてください。

  • 全損認定された場合、地震保険の契約はその損害が発生したときに遡って終了(その後発生した地震等による損害は補償されない)
  • 72時間以内に発生した2回以上の地震等は一括して1回とみなす。
  • 地震等が発生した日の翌日から10日経過後に生じた損害は対象外

地震保険金をもらった後、また地震災害で損害が起きたら?

全損認定されたら契約はそれで終了、一部損の基準に届かなければそもそも保険金は支払われません。

この前提で考えると一部損認定を受けた後に、大半損の認定を受けることはありえます。

一部損認定を受けた後に修理などをしていない状態なら、一部損の状態にはすでになっていてその分は支払いを受けています。

大半損などの認定を受けることがあれば、先に支払われた分については差し引かれることになります。

一度損害鑑定されていれば記録は残っていますので、重複することはないということです。

地震保険の査定を受ける前後で覚えておくこと

地震保険の査定を受ける前後で覚えておくこと

火災保険では火事で全焼した場合などは個別の損害を細かくみていきます。これに対して地震保険は査定がかなり簡素化されています。

被災者の数が多いため、迅速に査定して保険金の支払いをスピーディにすすめるためです。

建物家財ともにその場で査定を終えて、金額の提示までされますので問題なければ署名して数日中に保険金が振り込まれます。

査定に納得いかない場合には再査定してもらうことも考えてください。

特に建物の場合、地震発生の初期段階はかなりバタバタしていますから、細かい亀裂などを目視で見落とすことも考えられるからです。

また自分では大した損害ではないと思っても一部損の査定を受けることもあります。

例えばボールペンで引いたくらいの細い亀裂でも積算していくと一部損の基準にかかることがあるからです。

一部損でも損害が軽いほうでしょうが、この場合普通に生活できてしまっているので査定の依頼を失念するケースもありますので注意してください。

実際筆者が損害鑑定に立ち会ったときも、えっ、これ地震の亀裂なのと思う建物の細かいひびがありました。

地震による破損か劣化によるものか素人ではわかりません。

素人目には建物の外観は特に何も感じない状況でしたが、一部損の認定を受けたケースはありました。

家財は粉々の壊れてしまったものは、査定前であれば捨てずに取っておくか写真を撮っておきましょう。日が経過すると忘れがちです。

ちなみに地震災害や自然災害があると、保険金を使えば無料で修理する(保険金がでるか分からない段階で)、申請を代行するなどの詐欺まがいのことも横行しています。

直接保険会社に連絡すれば済む話ですから気をつけてください。

まとめ

【地震保険】建物や家財の査定・鑑定方法のポイント8選、についていかがでしたか。

地震災害に遭ったらまずは保険会社へ連絡してください。加入先が分からないときは、日本損害保険協会で加入先の照会が可能です。

大きな災害があれば専用の特設サイトが作られます。

  • 各保険会社の連絡先
  • 加入損保が分からないときの照会先
  • 保険料の払込や保険契約の契約手続きに関する猶予措置
  • 損害保険に関する相談窓口

これらのことの照会や相談をすることができます。

大地震ほど被災者が多いので保険会社もパニック状態です。早目に連絡して来てもらいましょう。査定結果に納得いかなければ再査定できることも忘れないようにしてください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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