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人身傷害保険(補償)/自動車保険 に必要なケガの補償とは?

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人身傷害保険とは?


人身傷害保険とは、人身傷害保険、人身傷害補償、人身傷害補償保険など各損保や共済によって、多少言い回しが異なります。

この記事では人身傷害保険と記載して進めます。

人身傷害保険は主に契約者している車に乗っている人のケガについて実際の損害を補償します。

実際の損害ということは、単に医療費だけではなく、休業損害や慰謝料なども対象になるケースがあります。

事故の相手方がいる場合には、次の点もポイントです。

相手方との過失割合に関わらず、示談を待たずに自分の自動車保険の人身傷害保険からケガの補償を実損(実際の損害)で受けることができます(←重要)。

人身傷害保険の加入率

人身傷害保険の加入率は、2015年度末で68%です(出所:損害保険料率算出機構)。

以前はこの後で説明する搭乗者傷害保険の統計だけでしたが、最近の状況も繁栄して人身傷害保険の統計もだされるようになりました。

人身傷害保険の発売っていつから?

もともと自動車保険のケガの補償は搭乗者傷害保険でした。人身傷害保険は、1998年に東京海上(現東京海上日動)が、損保業界ではじめて開発・発売した保険です。

実はこの前年の1997年、今では当たり前になった通信販売のリスク細分型の自動車保険をアメリカンホームが始めた年です。

これから自動車保険はリスク細分型で、価格競争が激しくなると言われたときに、それに逆行する戦略で補償を手厚く、掛金の高い保険を発売したわけです。

その代表的な補償が人身傷害保険です。今では通販を含めた各損保や共済でも人身傷害保険は当たり前の補償になっています。

人身傷害保険の補償の範囲

各損保とも人身傷害保険の補償範囲を2パターン作っているのが一般的です。

  • 契約している車に乗っているときの、事故によるケガを補償
  • 契約車両に乗っているときだけでなく、他の自動車や歩行中や自転車搭乗中の自動車事故によるケガを補償

契約している車に乗っているときだけであれば、その分保険料(掛金)は安くなります。

人身傷害保険の対象となる人の範囲


単に契約している人が自動車事故でケガをすれば、人身傷害保険の対象になります。補償範囲で見たように車外での自動車事故は、誰が対象になるのか決まっています。

実は本人だけでなく以下の人まで補償範囲に含まれます。

  • 本人(記名保険者)
  • 配偶者
  • 同居の親族
  • 別居の未婚の子(婚姻したことがない)

つまり自分の子供や高齢の親などで、歩行中や自転車で車に轢かれたなどの事故も車外の補償を付帯していると対象になります。

加害者が逃げた、支払を拒否しているなどの場合、自分の人身傷害保険から補償することができるのです。

実は一部の損保でさらに人身傷害保険の補償を拡大しているケースもあります。

続けてみていきましょう。

一部の人身傷害保険だけにある交通乗用具事故の特約とは?


人身傷害保険に交通乗用具事故の特約が付帯できるケースが一部にあります。イメージとしては交通事故傷害保険の補償範囲に近いものです。

交通事故傷害保険は、交通乗用具に搭乗している間の事故などを補償します。

この交通乗用具というのが意外と範囲が広く、自動車、バイク、自転車、航空機、船舶、電車などでの事故によるケガまで補償されます。

先ほど車外の補償が人身傷害保険についていれば、自転車に乗っているときの自動車事故もOKと言いました。これはあくまで対自動車との事故です。

交通乗用具がついていると、例えば自転車単独で転倒した際のケガまで実費で補償します。以前は色々な損保で取り扱っていました。

自動車保険でそこまで補償されることが分からない人だと、保険金の不払いにつながる恐れもあることから止めたところが多いのです。

自転車の事故に限りませんが、こうしたことによるケガが心配なら同居の家族まで対象ですから検討してみるといいでしょう。

自動車保険に人身傷害保険は必要?


人身傷害保険の必要性についてですが、最初に人身傷害保険とは?のところでお話したことを思い出してください。

「相手方との過失割合に関わらず、示談を待たずに自分の自動車保険の人身傷害保険からケガの補償を実損(実際の損害)で受けることができる」

事故の相手方(加害者)がいる場合でも、過失割合(どっちがどれだけ悪いかの割合)でもめることは珍しくありません。

実際相手と揉めると、示談完了まで数年かかっても決して大げさではありません。人身傷害保険があればそれを先に自分の自動車保険から支払えるわけです。

具体的には病院への医療費、休業損害、慰謝料などです。

契約している車の損害は、やはり相手と揉めて示談が長引く場合、車両保険をつけておけば示談を待たずに自分の車両保険から修理代をカバーできます。

人身傷害保険はこれの人身事故バージョンだと考えてください。

人身傷害保険の保険金額(契約金額)の目安や平均は?


人身傷害保険の保険金額(契約金額)は、たいてい下限が3,000万円~上は無制限まであります。3,000万円、5,000万円、7,000万円、10,000万円、無制限などのパターンが多いでしょう。

人身傷害保険は実際の損害をカバーするので、この契約している金額が補償の上限になります。

一般的には年齢が若い人ほど、死亡や後遺障害などの逸失利益が高くなるので、契約金額は高くなります。

当たり前ですが、金額を上げていけば、保険料(掛金)も高くなります。

目安としては3,000万円~5,000万円くらいでの契約が多いようです。ケガをして入通院あるいは手術までのものなら、これぐらいまであれば十分でしょう。

繰り返しますが、人身傷害保険はあくまで実際の損害を補償するので、実害がなければそれ以上の支払はありません。

年齢や収入などによりますが、死亡や重度の後遺障害がでたときに、契約金額が低いと不足する可能性があると考えておいてください。

本来相手から受け取る賠償も含めて、示談が完了する前に受け取ることができるものですが、金額の設定が低いとこの機能を活かせないことがありえるということです。

自動車保険での人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いと重複

以前は、搭乗者傷害保険が自動車保険のケガの補償の中心でしたが、現在では各社人身傷害保険に軸を移しています。具体的な違いは次のとおりです。

人身傷害保険と搭乗者傷害保険の違いとは?

  • 人身傷害保険  契約金額を上限に実際の損害を補償(治療費、休業損害、精神的な損害、死亡や後遺障害が残った場合の逸失利益(事故によって失った将来得られたはずの利益))
  • 搭乗者傷害保険 死亡・後遺障害、入通院などの金額(治療費等)を契約で決めた金額を定額で補償

人身傷害保険は実際の損害を支払う(実損)ので、例えば契約金額を人身傷害保険5,000万円などで契約します。

搭乗者傷害保険は定額での支払です。死亡1,000万円 入院10,000円 通院5,000円などで決めます。これは日額払いといいますが、入通院はについて最近は一時金を支払うだけのものがほとんどです。

人身傷害保険と搭乗者傷害保険が重複したら?

自動車保険の契約で人身傷害保険と搭乗者傷害保険が重複しても、別なものと考えて問題ありません。

そもそも1つの自動車保険で人身傷害保険と搭乗者傷害保険が重複して契約できるので特に気にしなくて大丈夫です。

掛金を多く支払って補償を厚くするか安さを優先するかです。

人身傷害保険が実際の損害をみるのでこれで実際の損害の負担がなくなり、プラスで搭乗者傷害保険がでてくると考えておくといいでしょう。

実際には以前ほど搭乗者傷害保険の入通院の補償を手厚く付帯できるようになっていません。

重複に関して補足しておくと、人身傷害保険は事故の相手方からの損害賠償金と別に受け取ることはできません。

実際の損害をカバーするので、示談前に先行して人身傷害保険から保険金などを受け取ることは可能ですが、相手からもらう分も含んでいます。

実務的には損害保険会社が先行して支払っているので、後で損害賠償金と回収するかたちになります。

計算に差額が生じればその分は別途受け取ることができるケースもあります。

バイクに人身傷害保険は必要?


バイクや原付などに乗る人は、人身傷害保険の必要性について考えるケースが車以上に多いはずです。

理由は簡単でバイクなどの2輪には転倒があるからです。実際に搭乗者傷害保険、人身傷害保険いずれもバイクや原付に付帯すると保険料(掛金)はかなり跳ね上がります。

その分リスクも高いので、必要性は高いとも言えます。それを考えるとバイクにもあった方がいいと考えます。もちろん予算次第です。

交通事故傷害保険(自動車保険ではなく、傷害保険)などを別途付帯することなども検討するといいでしょう。

自動車が2台以上ある場合、人身傷害保険の補償の重複に注意


住んでいる地域によっては、車が2台以上ある人もいるでしょう。人身傷害保険の補償はそれぞれの車ごとに必要ですから、その意味では重複はありです。

但し、車外の自動車事故の補償や交通乗用具事故の特約などは、複数の車があってもそのうちの1台につけておけばOKです。もう一台は、契約車両のみの補償にします。

なお1台の車を人身傷害保険の車外の交通事故の補償をしているからといって、もう1台の車の人身傷害保険を無しにしないでください。

本人や家族が所有する車は他人の車と取扱いが違います。複数の車で自動車保険に加入している人は、こうしたことを考えておくといいでしょう。

事故で人身傷害保険を使ったら、翌年の保険料は等級ダウンして下がる?


自動車保険では、事故で保険金の支払があると、翌年は等級ダウン(割引率が下がる)するため、保険料(掛金)に影響します。

自動車保険のノンフリート等級(割引割増制度)は、事故の際に次の3つのパターンで保険料に影響します。

  • 3等級ダウン事故
  • 1等級ダウン事故
  • ノーカウント事故

実は、人身傷害保険のみから保険金を支払った場合、ノーカウント事故の扱いになります。つまり翌年の等級は下がらずに上がります。

この保険だけの利用なら、事故で保険を使っても割引に影響しないのです。

通院と後遺障害、慰謝料と人身傷害保険の計算方法や考え方


通院

交通事故でケガをした場合、通院で1日いくらでるのか、通院日額はいくらか、対象日数の期間や限度額、計算などを気にする人もいるようです。

人身傷害は実際の損害を支払うものなので、1日あたりの実際の通院費用を支払うものではありません。慰謝料の計算の考え方はこの後お話します。

後遺障害

後遺障害が出てくるケースでは、逸失利益、後遺障害による慰謝料(精神的損害のこと)、 将来の介護費、その他の損害などが対象です。

なお、入通院などの治療費や後遺障害、休業損害、この後でてくる慰謝料などの税金の取扱いですが、課税はされません。

慰謝料

慰謝料の計算の基本は自賠責保険などを基準に考えておくといいでしょう。実際には自賠責保険と各損保の任意保険の基準の計算もまったく同じではありません。

損保のHPなどで人身傷害保険のところをみると、弊社独自の基準で~などと書かれています。これは各社必ずしも一律ではないからです。

通院などは自賠責保険の基準では1日あたり4,200円で日数などで計算します。治療期間の総日数と実治療日数の2倍を比較して、少ないほうの日数が慰謝料の対象日数とします。

後遺障害の場合は、第何級の後遺障害となるかによって変わってきます。

まとめ

人身傷害保険とは?についていかがでしたか。自動車保険というと相手への対人賠償、対物賠償を中心で傷害の補償をそんなに気にしていない人も多いでしょう。

車同士の事故では、追突でもした、されたなら過失割合100:0などはありますが、そうでなければ双方に過失がでてきます。

当然揉めるケースもあるので、自分や同乗者がケガをすればなるべく負担が少なくなるようなプランも考えておきましょう。

最悪の場合、自分の自動車保険(人身傷害保険等)で何とかなるようにしておくというのも一つの考え方です。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴18年。


・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約13年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は400本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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