自動車保険の型式別料率クラス制度とは?

自動車保険には型式別料率クラスという制度があり、自家用(普通・小型)乗用車はその型式ごとに掛金(保険料)が細分化されています。
■この記事で学べること
【1】自動車保険の型式別料率クラス制度とは?
【2】型式別料率クラスの2020年以降の改定内容
【3】型式別料率クラス検索の仕方、調べ方
制度改定された自動車保険の型式別料率クラスとは、そしてその改定内容についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
自動車保険の型式別料率クラス制度とは?
型式別料率クラス制度とは?
自動車保険の型式別料率クラス制度とは、その自動車ごとのリスクを1~9までの段階にクラス分けして保険料率を設定したものです。
料率クラスは自動車の「型式」ごとに決められています。
実際に各自動車ごとの性能や装備、形状、構造などによって自動車保険におけるリスクに差があります。
これを各型式ごとに掛金(保険料)に反映させています。
型式は車検証に記載されており、車検証の上から4段目、車台番号の下に書かれています。
洋服の品番のようなものをイメージしてください。ちなみに同じ自動車メーカー、同じ車種でも型式が異なることがあります。
型式別料率クラスは、補償内容に合わせて4区分
型式別料率クラスは、自動車保険の補償内容(対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、搭乗者傷害保険、車両保険)ごとに決められています。
この4つの補償それぞれに1から9までのいずれかの方識別クラスが割り振られています。
型式別料率クラスは1に近づくほど保険料率が低い車で、9に近づくほど高い車になります。
- 対人料率クラス(1~9クラス)
- 対物料率クラス(1~9クラス)
- 傷害料率クラス(1~9クラス)
- 車両料率クラス(1~9クラス)
※筆者作成
上記の図のようにイメージしてください。
上記の図のものが、対人・対物・傷害・車両の各補償にそれぞれ4つあると考えてください。
例えば、型式「NHP10」のトヨタのアクアなら2022年1月1日~2022年12月31日の型式別料率クラスは、「対人9、対物9、傷害9、車両7」です。
型式別料率クラスは毎年見直しされる
自動車保険の型式別料率クラスは固定されているわけではなく毎年見直しされます。
そのため自分が事故などで自動車保険の利用をしていなくても、同じ型式の自動車の料率クラスが変更されると掛金(保険料)が高くなることがあります(逆に安くなることもある)。
前年と変更がない時もありますし、例えば対人料率クラスが一つ下がって4→3クラスになったが、車両料率クラスが5→6クラスに上がるということもあります。
個々の自動車のリスクを反映させた制度なわけです。
一般的にはファミリータイプの自動車よりもスポーツカーや高級車などは型式別料率クラスが高くなりがちです。
前年事故などなく自動車保険を使ったわけではないのに、掛金が翌年高くなることがあります。
更新時の保険料が変わる要因はいくつかあります。
その一つが型式別料率クラスが変更された可能性があるのです。自動車保険の満期案内にはその旨記載が必ずあります。
型式別料率クラス制度の2020年1月の改定内容
自動車保険の型式別料率クラスがどのように変わるかというと大きな改正点は2つあります。
- 自家用普通乗用車・自家用小型乗用車で適用している型式別料率クラスの細分化(9→17クラス)
- 新たに自家用軽四乗用車(軽四乗用車)に型式別料率クラスを導入(3クラス)
なお、この改定に合わせて損保各社はそれぞれ独自に保険料率を変えたり、商品の仕様なども変えています。
これについては各社ごとのことなのでここでは割愛します。
それでは改定後の型式別料率クラスについて具体的にみていきましょう。
自家用普通・小型乗用車で適用している型式別料率クラスの細分化
対人料率クラス、対物料率クラス、傷害料率クラス、車両料率クラスと4つのカテゴリーで1~9クラスに分類されている型式別料率クラスが1~17クラスに細分化します。
この背景として先進安全自動車(ASV)の導入など、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)といった各種自動運転に関連する装備がある車も増えたことです
これによってこれまで以上に個別にリスク実態を反映させることに対応することが理由です。
現行の1~9クラスは新たな17クラスの奇数クラス(1、3、5、7、9、11、13、15、17クラス)に相当するかたちになります。
各クラス間の掛金(保険料)格差は、1.2倍から約1.1倍に変更、最も安い料率クラスと最も高い料率クラスの掛金(保険料)格差は約4.3倍で現行通りとなります。
もう一つの改定が上記の図にあるように軽四乗用車(自家用軽四輪乗用車)にもこの制度が導入されます。
新たに自家用軽四乗用車(軽自動車)に型式別料率クラスを導入
これまで自家用普通・小型乗用車にしか適用されてこなかった型式別料率クラスですが、この改定を持って軽四乗用車(正確には自家用軽四輪乗用車)にも適用されます。
但し、上記の図にあるように料率クラスの数は3クラスとなります。
どのような型式の軽四乗用車(自家用軽四輪乗用車)かによりますが、これまで一律だった掛金に反映されるので掛金が上がる、下がるがでてきます。
型式別料率クラス検索の仕方、調べ方
自分の自動車が型式別料率クラスで何クラスになっているか気になる人も多いでしょう。
最初に型式の確認が必要ですので、自分の車の型式を確認してください。
自動車保険の契約をしている場合の型式別料率クラスの確認
型式の確認方法ですが、契約している自動車保険証券あるいは自動車保険の満期案内、契約の際に出してもらった見積書や契約書をみると必ずどこかに記載があります。
自動車保険の満期案内であれば、前年の型式別料率クラスと当年の型式別料率クラスの両方の記載があります。
最新の型式別料率クラスが知りたい、自動車保険の契約がない場合
損害保険料率算出機構のサイトで最新の型式別料率クラスを確認できます。
損害保険料率算出機構 型式別料率クラス検索
繰り返しますが型式別料率は固定されていません。上がったり下がったりしますので忘れないようにしてください。
まとめ
自動車保険の型式別料率クラス制度とは?、についていかがでしたか。
単純に型式別料率クラスだけをみて、自動車選びをする人はいないでしょうが、どちらの車にしようか迷ったらこうしたことも参考にするといいでしょう。
特に軽四輪乗用車の場合、これまで型式別料率クラスが適用されていませんでした。
掛金(保険料)が安くなるケースはいいのですが、高くなるケースでは結構保険料アップすることも考えられます。
今後自動車保険は自動運転技術の導入とともに大きく変わっていく可能性があります。今後の自動車保険選びの参考にしてください。
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