住宅ローンの借入可能額!借入平均や目安、年収、計算方法を解説
住宅ローンを利用する際に最初に考えるのが借入可能額(借入限度額)です。
借入可能額といってもその限度額は、年収などによって目安となる金額や計算が変わります。
■この記事で学べること
【1】住宅ローンの借入可能額(借入限度額)の基本知識(平均や目安、年収、計算方法など)
【2】借入限度額のシュミレーション例
【3】住宅ローンの借入期間の最長と年齢の関係
住宅ローンの借入可能額についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
住宅ローン借入可能額の基礎知識
借入可能額の考え方
住宅ローンの借入可能額を考える際に、「無理のない返済可能額」を確認しなければなりません。
住宅ローンの完済年齢が公的年金受取り年齢を大きく超えていたりすると老後の生活資金に大きな影響があるからです。
借入可能額の前提に返済負担率(返済比率)があります。年収に対してどのくらいに割合まで住宅ローンの借入ができるかというものです。
例えばフラット35で年収400万円未満なら返済負担率は30%です。
返済負担率については別の記事で詳細を書いているので参考にしてください。
予算決めの第一歩は、借入可能額と返済可能額が異なることを理解することです。
住宅ローンの借入可能額の平均はいくら?
ここではフラット35の利用者データをみて、どのくらいの借入額で住宅ローンを利用しているのかみていきましょう。
借入額といっても戸建(注文・建売)とマンションでは異なりますし、新築・中古でも差がでます。
また地域性や本人の年収なども関係していますので一つの参考として借入額の平均値をみてください。
下記の住宅金融支援機構のフラット35の利用者調査を参考にしてみてください。
住宅ローンの最長の借入期間と年齢、借入可能額と職業
住宅ローンの最長の借入期間と年齢とは?
借入可能額だけでなく、実際には借入期間や年齢なども関係するのでこの部分を気にする人もいるでしょう。具体的にみていきます。
一般的には住宅ローン借入期間は最長35年です。また住宅ローンの借入申込から80歳までの期間が最長です。
親子リレーローンなどは除きますが、フラット35や財形住宅融資、他のローンもおおよそこの基準です。
仮にこの35年の借入期間と80歳までの年齢をフルに活かしてローンを利用するなら、年齢のリミットは45歳になります。
実務的に住宅ローンの妥当な借入期間と年齢は?
無理のない住宅ローンを組むには、本人の年齢がポイントです。
できれば年金受給がはじめる65歳までには完済できるようにしておきたいところです。
70歳あるいは80歳まで住宅ローンを組んでも退職金を充当する、繰上げ返済するなら問題ないと考える人もいるでしょう。
退職金を住宅ローン返済の当てにしていると老後の生活資金を食いつぶしますのでこれを当てにしたローンはやめておくべきです。
繰上げ返済については計画的にできるのであればいいでしょう。
但し仮に80歳までローンを利用して65歳までに終わらせるとなると15年短縮する必要があります。
収入面でその繰上げ返済の当てがある、計画的な繰上げ返済ができればまだいいのですが、そうでなければ無理のないプランを改めて考えてみてください。
借入可能額と職業(自営業、公務員、会社員、夫婦共働き)
住宅ローンの借入可能額は、年収や年齢が関係してきますが職業も関係してきます。
安定した年収が確保できるというのは、お金を貸す金融機関からすれば当然の話です。
公務員や大手企業などに勤めている会社員などはその点は有利です。
自営業の場合でも開業して日が浅いと色々ありますが、長く事業をしていて実績があればまた違います。
夫婦共働きの場合は、世帯年収でみますので、夫あるいは妻が単独で住宅ローンの借入をするのとは異なります。
夫婦で住宅ローンを利用する際、女性は出産などがあると収入の状況が大きく変わることがありますからライフプランをよく考えておくことが必要です。
無理のない住宅ローン借入可能額の計算方法、シミュレーション例
借入可能額は、無理のない住宅ローンの返済可能額と一致しません。
借入可能額>返済可能額となるのが一般的だからです。
住宅ローンは返済できればいいのではなく、毎年返済額を減らしつつ、貯蓄を積み上げていかなければなりません。
ここでは借入可能額の計算方法とシミュレーションをしてみましょう。
借入可能額のシミュレーションは色々なところが出していますが、どのように計算していくかを知っておくことは大切なことです。
住宅ローン借入可能額の計算方法
家計のやりくりの中で無理のない住宅ローンの借入可能額、言い換えれば予算決めする方法についてみていきましょう。
- 現在の年間家賃 + 現在の年間貯蓄額 + 住宅のための年間貯蓄額 = ①
- ① - 住宅ローン以外の年間住居費(※1) - 住宅購入後の年間貯蓄額 = ②(年間返済額の目安)
- ② ÷ 100万円あたりの年間返済額(※2)× 100万円 = ③(適正に返済できる住宅ローンの借入額の目安)
※1 住宅ローン以外の住居費とは、固定資産税、管理費・修繕積立金、火災保険料など
※2 100万円あたりの年間返済額は一覧表などから当てはめる(検索すれば探せます)
計算式だけ並べると分かりにくいかもしれませんが、家賃や貯蓄を足してローンに充当できる金額を計算します。
そこから購入後にかかる費用と貯蓄を差し引いたものが年間の住宅ローン返済額の目安です。
12ヶ月で割れば毎月の返済額の目安が分かります。
年間の返済額の目安から100万円あたりの年間返済額(ローン金利と返済期間で決まった数字になる)で割って計算した数字が身の丈にあった返済可能な借入可能額です。
借入可能額のシミュレーション例
住宅ローンの借入可能額の計算方法で実際にシミュレーションしてみましょう。
【前提条件】
新築マンション購入予定 全期間固定金利 借入期間30年 金利1.4%
現在の年間家賃/年間120万円 貯蓄額/年間96万円 住宅用の貯蓄/24万円
購入後の管理費・積立金、固定資産税・保険料等の年間コスト/年間55万円
購入後の貯蓄/年間54万円
これを前提に先ほどの計算方法に当てはめてシミュレーションしてみましょう。
- 120万円 + 96万円 + 24万円 = 240万円 ①
- 240万円(①) - 55万円 - 54万円 = 131万円 ②
- 131万円(②) ÷ 4万836円 × 100万円 = 約3207万円 ③ (適正に返済できる住宅ローンの借入額の目安)
※4万836円(借入期間30年、金利1.4%の場合の返済額)の場合の返済額
3207万円に頭金や援助して貰うことのできる金額を足せば購入できる物件が分かります。
自分でシミュレーションまでするかどうかはともかく、こうした基本的な考え方を理解しておくことで、無理のない返済可能な住宅ローンかの判断ができます。
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まとめ
返済負担率と同様、住宅ローンでの借入可能額の計算方法とシミュレーション、その目安について予算決めのフローを解説しました。
実際に試算などをしてもらう場合、購入後の貯蓄などを考慮しなかったり、返済期間を年齢に関係なく35年で計算すればこの記事の計算方法より借入可能額はずっと多くなるはずです。
こうした計算やシミュレーションは厳しめにする方が失敗の確率を減らせます。
住宅ローンを返済しつつ、貯蓄も増やしていく必要がることを、借入可能額を考える段階から意識してください。