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iDeCo(個人型確定拠出年金)が2022年からどう変わる?

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iDeCo(個人型確定拠出年金)の主な改正内容

iDeCo(個人型確定拠出年金)の主な改正内容2020年

iDeCo(個人型確定拠出年金)についての改正内容について具体的にみていきましょう。主な改正内容は次の通りです。

実際にはiDeCoだけでなく企業型確定拠出年金も改正されます。

確定拠出年金の改定内容の柱

  • すべての会社員がiDeCoに加入しやすくする
  • 確定拠出年金に加入できる年齢の引き上げ
  • 確定拠出年金の受給開始年齢を引き上げ

つまりiDeCoに加入できる対象者を広げ、さらに加入できる年齢や年金受給できる年齢の引き上げるということです。

平均寿命が延びている状況でこれまで公的年金中心だった老後資金のウエイトが企業年金やその他の私的年金、自助努力(就業収入、資産の取り崩しなど)に移りつつあります。

そうした流れの一つを考えていいでしょう。

加入年齢や受給年齢の引き上げについては、iDeCo(個人型確定拠出年金)だけでなく企業型確定拠出年金も関係することです。

続けて改正内容についてもう少し細かくみていきます。

すべての会社員がiDeCoの加入しやすく

2017年1月からの改正により、公務員や専業主婦(主夫)もiDeCoに加入できるようになりました。

但し、会社員の場合、勤務先の企業年金などの導入状況や取り決めなどによってiDeCoに加入できるかなどが決ります。

会社員の場合は、勤務先の企業年金の有無などでパターンが4つあります。

企業型DCに加入しており勤務先がマッチング拠出などを導入するとiDeCoには加入できない、企業型DC加入者はiDeCoへの加入に労使の合意が必要などのルールがあるため、加入者自身がiDeCoに加入するかを決められません。

2020年以降の改正によってこれを解消するものです。

確定拠出年金に加入できる年齢の引き上げ

現在、確定初出年金に加入できる年齢は次のように決まっています。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):原則60歳
  • 企業型確定拠出年金:原則65歳(規約の定めによる)

これについてiDeCoを65歳企業型DCについて70歳まで(企業ごとに異なる)に可能になります(2022年5月から)。

50歳後半になると加入して、掛金を支払える期間がどうしても短くなるため加入を躊躇する人もいました。

今回改正されると50代半ばくらいの人でも10年もしくはそれ以上の期間が確保できるようになります。

確定拠出年金の受給開始年齢を引き上げ

確定拠出年金の年金の受給開始は、現在原則60歳からで最長70歳まで伸ばすことが可能です。

この確定拠出年金の受給期間を60歳から最長75歳まで拡大するものです(2022年4月より)。

この記事のはじめに公的年金の繰下げ受給が最長75歳まで可能になる改正についてお話しましたが同様の動きです(この改正も決まっています)。

老後の生活が長くなりできるだけ働いて就業収入を増やす、さらに就業している間にも年金する、公的年金受給を後ろにずらすことで年金の受給額を増やすことができます。

そうしたことで資産の取り崩しも含めてこれまで以上に資産寿命を延ばすことができるようになります。

確定拠出年金の改定はいつから?

タイトルにあるようにこの改正の実施は2022年から見込まれています。改正内容によって改正月が異なります。

改正実施を見据えていまから自分の年金について、確定拠出年金をどう活用するか考えてください。

改正案から見えるiDeCoの課題と活用のポイント

改正案から見えるiDeCo(個人型確定拠出年金)課題と活用のポイント

例えば確定拠出年金の受給開始年齢を75歳まで伸ばせるようになった場合、現在(受給開始年齢は原則60~70歳)もそうですがあくまで本人の選択制です。

強制的にそうさせられるわけではありませんので勘違いしないようにしてください。

まだ未確定な部分も多いのですが、その上で今後の活用と改正のポイントについてお話しておきたいと思います。

マッチング拠出との兼ね合い

会社員の人の場合、企業型の確定拠出年金に加えてマッチング拠出かiDeCoを選択適用できるケースがあります。

企業型の掛金上限一杯(例えば月5.5万円)まで必ずしも掛金を支払うわけではありません。

その場合、限度額までの枠があまるためその範囲の中でマッチング拠出とiDeCoのいずれかを企業が選択することができるわけです。

このようなケースに該当している人について、マッチング拠出とのバランスをどう図るのかというのが一つ目のポイントです。

年金受給開始までの資産運用

確定拠出年金の運用対象には各種の投資信託から保険商品や預金まであります。

運用益が非課税であるこの制度を活かすには、高いリターンが期待できる商品で運用した方が非課税の恩恵をより受けやすくなります。

実際にそうするかどうかは別にして理屈としてはそうだということは知っておいてください。

積立投資では、換金するとき(年金受給時)に相場全体が急落などしていると資産が目減りする可能性があります。

それを避けるために年金受給開始時期が近づくにつれて、リスクの高い商品のウエイトを減らしているということがあります。

もう一つは現行の制度では原則60歳まで掛金を支払うので、最長70歳までの10年間様子をみるということがあります。

つまり10年あれば相場環境も変わっていきますから、タイミングの良い時を見計らって換金するということです。

今回も仮に75歳受給にするなら期間が後ろに伸びただけです。しかし高齢になると健康状態や資産状況はさまざまです。

突然自分や家族の体調が悪くなることもあるでしょう。

65歳あるいは70歳以降の生活が成り立たなければ、受給開始ということになるでしょう。

切羽詰まって予定していない確定拠出年金の受給をはじめると、そのときの運用環境に振り回されることになりかねません。

選択肢が増えることはいいことですが、自分の場合はどうかという個別の事情に当てはめて柔軟に対応することが必要になるでしょう。

まとめ

iDeCo(個人型確定拠出年金)が2022年からどう変わる?、についていかがでしたか。

実際にはiDeCoだけでなく、NISAや公的年金の繰り下げ受給も改正が予定されています。

これらのことも考慮して総合的にみて、iDeCo(個人型確定拠出年金)をどう活用するか自分なりに考えて実行してください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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