iDeCo(個人型確定拠出年金)の手数料が安い金融機関、比較と選び方3選
個人型の確定拠出年金(iDeCo(イデコ)の契約をする際、重要なのは2つの手数料です(口座管理手数料、運用商品にかかる手数料)。
■この記事で学べること
【1】iDeCoの手数料の種類と内容
【2】手数料が安い・無料の金融機関の一覧
【3】運用でも手数料が安いものを選ぶ
【4】金融機関の比較の前に必要なことと
【5】お得な金融機関の選び方3選
個人型の確定拠出年金(iDeCo)イデコの手数料について比較をしつつ、安い運営管理機関(金融機関)一覧を見ていきましょう。
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この記事のもくじ
iDeCo(個人型確定拠出年金)に必要な2つの手数料の種類
iDeCo(個人型確定拠出年金)では自分で契約する運営管理機関(金融機関)を比較して選ばなければなりません。
その際に支払う手数料がポイントです。
ちなみに企業型の確定拠出年金では、通常は勤務先が口座開設や維持にかかる手数料を負担します。企業型に加入者はこの点は気にしないで大丈夫です。
転退職やiDeCoに加入するときに注意してください。
iDeCoに加入するとかかる口座管理とiDeCoの資産運用商品である投資信託に手数料がかかります。
まずは個人型の確定拠出年金(iDeCo(イデコ)に必要な手数料についてみておきましょう。
口座の開設・管理に必要な事務手数料
普通に銀行や証券会社などに口座開設、またその維持のために手数料は取られませんが、iDeCoではそれが必要です。
これがiDeCoにおける金融機関(運営管理機関といいます)選びの最初のポイントです。
契約する金融機関は後から変更できますが、手間もコストもかかるためデメリットしかありませんから、しっかりチェックしてください。
加入時・移換時の手数料
国民年金基金連合会に一時金 2,829円(税込)この金額は共通。
口座管理手数料
加入者(掛金拠出者)の場合
- 国民年金基金連合会に月々105円(税込)この金額は共通
- 事務委託先金融機関に月々66円(税込)この金額は共通
- 金融機関(運営管理機関)に月々0円~500円弱程度 この金額が各社バラバラ
毎月171円(上記の105円+66円)は必ずコストがかかります。
中央の運営管理機関に支払う分が各社異なります。この部分コストが割安な手数料のところをみるのが、比較のポイントの一つです。
給付事務手数料
将来年金を受け取る際に、事務委託先金融機関に給付の都度440円(税込)かかりますがこの金額は共通です。
給付について気をつけておきたいのが給付の都度上記の金額が必要であることです。
年金での分割受取りを選択して、細かく分割して受取りを選択をするとそのたびにコストが必要です。
つまり加入時に一時金で2,829円、月々171円(105円+66円)+α(←ここが金融機関の手数料)、給付時にその都度440円必要なわけです(すべて税込)。
このように事務手数料が高い安いで比較するのは、毎月金融機関に支払う口座管理手数料です。
この手数料は各社ごとに違います。条件つきで0円のところから大よそ500円弱程度の金額です。これを大したことではないと思うなら大間違いです。
運用商品にかかる手数料
手数料の2つ目は投資商品にかかる手数料です。
販売時や解約時、あるいは運用を専門家に任せますので、運用中などにずっとコストがかかります。
この部分は後半に解説しますので、まずは口座の維持等にかかる手数料について続けてみていきましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の手数料が安いと有利なわけと最安値(無料)
確定拠出年金の手数料が安いと損をしない理由
確定拠出年金は、自分で年金試算を運用してその運用成果によって将来の年金受給額が増えも減りもします。
どのように運用するかという問題もありますが、あまり運用商品の変動幅が大きいタイプでの運用を嫌う人は元本確保型を中心に運用するケースがあります。
具体的には定期預金や保険商品が中心になります。
例えば都市銀行の定期預金金利はこの記事の執筆時点(いまはリライト時点)で0.002%程度です。
仮に試算が100万円あっても、この金利の状態で確定拠出年金の金融機関に支払う事務手数料を支払うとマイナスです。
元本変動型の商品でも効率的に運用をしていくなら、さまざまな手数料は割安であるものを中心に考えていくべきです。
たった数百円の違いでも、毎月、毎年支払い続ければ30年も確定拠出年金に加入すれば数万円~10万円近い手数料を支払います。
口座管理手数料は60歳以降も続きますから、たかが数百円を馬鹿にすることができないのが分かるでしょう。
実際に毎月1万円の掛金を支払ってもそこからこれらのコストが差し引かれます。コストが安い方が殖やしやすいのです。
個人型の確定拠出年金(iDeCo)の2つの手数料
確定拠出年金の手数料は先ほど解説したように大きく分けて2つあります。
- 運営管理機関(金融機関等)に支払う口座管理手数料
- 投資信託の運用管理費用(信託報酬)等
ここでは口座管理手数料の話を中心にしていますが、この手数料の最安値は無料(ゼロ)です。
運営管理機関によっては条件付で無料です。つまり最安値は171円/月です。
なお、運用管理費用(信託報酬ともいう)については後で解説します。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の事務手数料が安い、無料の金融機関の比較
大前提として加入時2,777円に毎月171円(105円+66円)が必ずかかります。プラス金融機関に支払う下記の口座管理手数料が必要です。
ポイントは手数料が安いこと、そして良い運用商品の品揃えがあることです。
金融機関に支払う手数料が安くても、運用商品の手数料が高いようでは本末転倒ですので注意してください。
口座管理手数料が無料(条件付含む)のところを中心に紹介します。2017年1月にiDeCoが拡充したときからかなり増えました。
SBI証券
SBI証券はプランを問わず手数料無料です。
楽天証券
2016年9月に新たに確定拠出年金マーケットに参入しました。当初条件つきで手数料無料でしたが、条件なしで口座管理手数料が無料になりました。
イオン銀行
2017年7月3日よりサービス提供開始。口座管理手数料は無料です。イオン銀行の店舗網も利用しています。
マネックス証券
2017年9月30日よりサービス提供開始。口座管理手数料は無料。運用商品は21本で提供しています。
第一生命
2023年10月から運営管理手数料をゼロにしています。
日本生命
2023年10月から運営管理手数料をゼロで対応しています。
住友生命
2024年4月から運営管理手数料を無料を開始
大和証券
参入当初条件がありましたが、現在条件なく加入時及び口座管理手数料が無料。
野村證券
野村證券の場合も条件つきで金融機関手数料が無料でしたが、現在では条件関係なく無料になっています。
SMBC日興證券
運営管理手数料はゼロで対応しています。
松井証券
松井証券も条件なしで金融機関の手数料は無料です。
さわかみ投信
2022年4月より運営管理手数料が無料です。
りそな銀行
当初期間限定で運営管理機関手数料が2年間0円でしたが、現在は条件なく無料です。
三井住友銀行
標準コースは手数料がかかりますが、みらいプロジェクトコースは手数料無料です。
auカブコム証券
iDeCoの対象投信の保有残高に応じてau IDを持っている人はau WALLETポイントが貯まります。
auアセットマネジメント
auの通信契約があるとポイントが多く貯まります。iDeCoの運営管理機関手数料は無料。
ソニー銀行
iDeCo残高か掛金累計が50万円以上で運営管理手数料が無料になります。
みずほ銀行
iDeCo残高か掛金累計が50万円以上で運営管理手数料が無料になります。
有料の金融機関の手数料の目安
運営管理手数料が安いところだと月々430円(171円込)くらいです。
高いところは600円弱程度(171円込み)です。
運営管理手数料は無料のところがかなり増えました。できれば金融機関の手数料は無料で、最低限の171円で考えましょう。
個人型確定拠出年金の手数料は、投資信託の運用管理費用(信託報酬)も重要
ここまで個人型の確定拠出年金(iDeCo)の事務手数料を特に無料のところを中心にみてきました。
しかし実際にはここが安いだけでは損を少なくできません。
年金資産を殖やしていくことを考えると、商品の変動幅の大きい商品である投資信託の利用が必要です(いわゆる元本変動型商品)。
投資信託には、専門家に任せて運用してもらうため、こちらは運用にかかる費用が費用です。
特に重要なのが、運用している期間ずっとコストを支払う「運用管理費用(信託報酬)」です。
※もともと信託報酬と呼んでいたのですが、言葉が難しいとのことで運用管理費用と呼ぶようになっています。
確定拠出年金では、一般に投資信託を購入するよりもこの費用が割安な商品がラインナップされていることがあります。
安いものなら0.2%以下のものもあります。高いものだと2%近くになるものもあります。
複雑な運用をしていくほど、手間がかかるためこのコストは高くなりがちです。
運用資産にかかるものですので、この費用が高いものを選ぶと事務手数料が安くても差額が吹き飛んでしまいます。
口座開設・維持に必要な事務手数料と投資信託の運用にかかる運用管理費用(信託報酬)どちらも重要ですが、どちらも物凄く安いということはありません。
どちらかを選ぶということになれば、元本変動型商品で運用を考えている人は運用管理費用(信託報酬)が安いものを選ぶ方が損をせず有利です。
もちろん良い運用ができていることも重要です。
後発参入で金融機関の手数料を無料にしているところは、総じて運用管理費用(信託報酬)を安く設定しているところが多いようです。
運営管理機関(金融機関)の比較・選択の前にすること
運用する商品は各運営管理機関のHPや資料を取り寄せると掲載されています(2018年5月から改正で最終的に上限35本)。
そのため最初にすべきはどのようなスタンスで運用をしていくかです。
理由は自分の希望にあった運用商品があるところを選ばないと、希望通りの運用ができないからです。
仙台にいくのに東海道新幹線には乗りません。
運用スタンスを決めないで運用をはじめると、仙台行くのに東海道新幹線に乗っていたなんてことがありえるわけです。
もちろん乗り換える(運営管理機関を変更する)ことはできますが、無駄なコストや手間が増えるだけなので、最初にきちんとやっておく方が損がありません。
個人型確定拠出年金の運営管理機関の選び方3選
- 口座開設・維持に必要な事務手数料
- 投資信託の運用にかかる運用管理費用(信託報酬)
- 金融機関(運営管理機関)の商品構成及び自分の運用方針を決めてから契約すること
繰り返しになりますが、これらの費用が安いもの、方針にあった商品構成があることが優先です。
運用管理費用(信託報酬)については、運用方針を決めないと商品を選べないので投資が初めての人はここから少しだけ勉強が必要です。
各運営機関ともコールセンターがありますので、分からないことがあれば電話して聞いてみてください。よく教えてくれますよ。
決められなければ後々柔軟に商品変更ができる運営管理機関を選ぶのも方法です。
金融機関の変更は後からでもできますが、また口座開設手数料(2,777円)が必要なのと時間がかかるのでその間は運用がストップします。
面倒かもしれませんが最初にしっかり金融機関を比較して契約してください。
まとめ
iDeCo(個人型確定拠出年金)の手数料が安い金融機関、比較と選び方3選、ついていかがでしたか。
単純に事務手数料だけではなく、投資信託商品の運用管理費用(信託報酬)も気にして比較することがポイントです。
そのために自分がどのように運用していくつもりか、先々運用方針が変わったときに柔軟に対応できそうかなどのことをベースに考えてみてください。
iDeCoの契約で金融機関の比較・選択は最初の壁です。ここを適当にやると後で却って面倒な手間とお金がかかります。
iDeCoは自分の将来の年金資産を殖やす有効な方法です。ちょっとした節約よりずっと効果的ですから、しっかり情報収集して比較してください。
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