【ゴルフ会員権と相続】相続税評価と相続後の売却・放棄の注意点
ゴルフ会員権は相続財産に該当するため、相続をした場合には相続税評価をする必要があります。実は売却したくてもができずにゴルフ会員権を持ち続けている人もいます。
今の高齢者は現役時代にゴルフ会員権を購入していた世代で、相続にともない子の世代に相続される可能性もあるのです。
■この記事で学べること
【1】ゴルフ会員権の相続税評価の方法
【2】ゴルフ会員権相続後の売却
【3】ゴルフ会員権の相続と放棄
ゴルフ会員権と相続財産・相続税評価についてご紹介します。
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この記事のもくじ
ゴルフ会員権の相続税評価の方法
相続税(贈与税含む)の計算するときのゴルフ会員権の相続税評価額の方法は取引相場の有無によって2つに分けられます。
なお、会員権の購入において株式の所有が必要なく、かつ譲渡できない会員権で返還を受けることができる預託金等もなく、ゴルフ場でプレーするだけのものは評価しないこととなっています。
※預託金等とは一般的にゴルフ場より会員権を購入した際に預けるお金をいいます。一定の期間の経過後にゴルフ場側より返還請求することができます。
取引相場のあるゴルフ会員権
- 課税時期の取引価格×70%相当額
※課税時期は相続又は遺贈の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日
取引価格に含まれない預託金等があるときは、次の金額との合計額
課税時期において直ちに返還を受けられる預託金等
ゴルフクラブの規約などに基づいて、課税時期において返還を受けることができる金額
課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けられる預託金等
ゴルフクラブの規約などに基づいて、返還を受けることができる金額の課税時期から返還を受けることができる日までの期間に応じた基準年利率による複利現価額
※期間が1年未満であるとき、またはその期間に1年未満の端数があるときは1年
取引相場のないゴルフ会員権
- ①株主でなければゴルフクラブの会員となれない会員権
財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式価額の相当額
- ②株主であり、かつ、預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
株式と預託金等を分けて、それぞれ次の金額との合計額で評価。
株式の価額:①に掲げる方法を適用して計算した金額
預託金等 :①または②の方法を適用して計算した金額
- ③預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
①または②に掲げる方法を適用して計算した金額で評価
財産評価基本通達4-4、211
ゴルフ会員権の評価がゼロ
ゴルフ場が経営破綻して、プレーができない、会員権の売買も不可の場合は、ゴルフ会員権の相続税評価はゼロです。
ゴルフ場が経営破たんしてもプレーができる場合がありますが、そのような場合でも預託金等の返還は未定なことも珍しくありません。
こうしたケースは預託金がないものとしてゴルフ会員権の相続税評価をします(後で返還される預託金があるなら修正申告)。
また同じゴルフ会員権でも複数の取引相場がある場合は、それらのうち一番安い相場で評価することができますのでうまく活用しましょう。
ゴルフ会員権相続後の売却
ゴルフ会員権を相続したものの、自分がゴルフをするならそのまま名義書換などをしてプレーすればいいでしょうが、ゴルフをしないのであれば売却という選択もあります。
ゴルフ会員権の相続と売却
保有しているだけで何もなければそのままでもいいのでしょうが、ゴルフ会員権を保有していることでコストがかかるようなら売却を検討した方がいいでしょう。
一般的にはゴルフ会員権の業者を通じて売却を検討します。下記のことなどをチェックしてみましょう。
- ゴルフ会員権相続後の手続きなど
- ゴルフ会員権証券などの有無
- 会員権を保有するゴルフ場に名義書換の有無や年会費の優遇など
会員権の売却にあたってまずはこれらのことを会員先のゴルフクラブに確認しましょう。
複数のゴルフクラブのときはゴルフ場によって対応等が異なりますので注意してください。
ゴルフ会員権を相続しただけではその会員としての権利が保障されているわけではありません。ゴルフ会員権の名義書換の手続きなどが必要です。
名義書換についても費用がかかり、新たに所有する相続人が名義書換料を支払います。
名義書換料はゴルフ場によって違います。
ゴルフ会員権の売却と相続税、所得税
ゴルフ会員権の税金は相続した際の相続税と売却した際の所得税の2つがあります。
相続税についてはこの記事のテーマですのですでにお話したように、市場で取引相場がある場合は通常取引相場の70%に相当する額が相続税評価額となります。
所得税はゴルフ会員権の売却によって利益がでた場合には課税対象となります。
<ゴルフ会員権の売却益の計算>
- 売却益=売却収益ー(取得費用+売却費用)
取得費用とは、名義書換料や年会費、各種手数料などをいいます。
ゴルフ会員権の相続と放棄
ゴルフ会員権を相続する場合、相続して会員として利用する、預託金の返還をして退会あるいは売却などが考えられます。
ゴルフ会員権だけ相続放棄とうわけにはいきませんが、相続人が複数いるなら遺産分割協議での話し合いとなります。
会員権を相続することで負担になるようなら、誰も欲しがりません。使う人がいなければ基本的には売却を前提に考えるということになるでしょう。
まとめ
ゴルフ会員権は年会費なども必要なため、ゴルフをしない人や会員権を持っていてもそこでプレーすることがないなら売却という選択になるでしょう。
バブル期には投機的な取引もありましたが、ゴルフ人口も減っているので多くの人が買い求めるという状況でもありません。
本当に好きな人はゴルフ会員権を保有していてもいいでしょうが、そうでないければ相続が発生する前に売却してしまう方が面倒は少ないと考えます
相続人になる可能性がある人がゴルフをするかなどを考慮して、可能ならば早めに財産の整理をしておくといいでしょう。
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