【iDeCo・個人型確定拠出年金】金融機関の比較の前に重要な1つのこと
個人型の確定拠出年金(iDeCo)では、取扱い金融機関(運営管理機関)を自分で比較・検討して選び、契約しなければなりません。
iDeCoでは金融機関の比較やランキング、おすすめなどを見る前にしなければならない重要なことが1つあります。
■この記事で学べること
【1】iDeCoの金融機関の比較の前に重要なたった1つのこと
【2】iDeCoの取扱い金融機関(運営管理機関)とは?
【3】金融機関選びや比較(ランキングやおすすめの見方)でお得になるポイント
【4】iDeCoの金融機関は変更できる?
【5】iDeCoの金融機関(運営管理機関)が経営破たん・倒産したら?
iDeCoの契約前に最初にしておくべき重要なこと、金融機関の比較のポイントや変更、破たん時の手続きなどを解説します。
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この記事のもくじ
個人型確定拠出年金(iDeCo)の金融機関の比較の前に重要なたった1つのこと
iDeCoで金融機関比較の前に重要なたった1つのこととは?
はじめにこの記事のタイトルの結論である金融機関のおすすめや比較(ランキングなど)の前に「iDeCo」で重要なことをお話します。
それは「自分の投資スタンス、つまりどのような方向性の資産運用をするか、どう資産配分を行うか」決めてから金融機関の比較を行うということです。
投資知識の少ない人にはいきなり無理!と言われそうですが、iDeCoを活用すためにはとても重要なことなのです。
なぜなら金融機関と個人型確定拠出年金(iDeCo)の契約をしたら、運用できる商品がその段階で決まってしまうからです。
iDeCoを取り扱う金融機関(銀行や証券会社、保険会社)は事務手数料や商品構成、さらに運用手数料はそれぞれ違います。
例えば先進国の株式投資信託を運用商品に組み入れたいと考えたとします。
しかし契約した金融機関では、こうした商品で良い商品がない、あるいは投資コスト(信託報酬)高いものしかなければ自分の考えている運用が効率的にできません。
契約できる金融機関は一つだけですから最初が肝心です。
どのように資産を配分して運用するかよく考えてください。
百歩譲って投資スタンスが決まっていない場合には、後々柔軟に対応できそうな金融機関を選択しておくことも方法の一つです。
最近は手数料の安い金融機関も増えていますが、先に比較から入ると失敗する可能性が高くなります。
まずは投資の方向性を決めてください。そうでなければ目的地を確認せずに飛行機のチケットを買うようなものです。
続けてiDeCoの金融機関の比較方法や金融機関を変更することなど実務的なことについて解説します。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の取扱い金融機関(運営管理機関)とは?
iDeCoでは契約する金融機関のことを運営管理機関と呼びます。iDeCoの運営・管理を行います(この記事では金融機関と記載します)。
企業型の確定拠出年金では、勤務先がまとめて契約するので加入者自身は金融機関の比較などの必要はありません。
しかし個人型の確定拠出年金(iDeCo)では、自分でこれらの金融機関の中から自分に合うところを選んで契約しなければなりません。
金融機関(運営管理機関)にはどんなところがある?
金融機関と呼ばれるようなところは、確定拠出年金の取扱いをしています。具体的には次のようなところです。
- 銀行(都銀、地銀など)
- 信託銀行
- 信用金庫
- 労働金庫
- 証券会社
- 保険会社(生保・損保)
- 確定拠出年金取扱いの専門会社 など
このように銀行系・証券系・保険系、専業の会社などが取扱いをしています。
金融機関なら個人型の確定拠出年金(iDeCo)を取り扱っている?
ほとんどの金融機関で確定拠出年金の取扱いが可能ですが、すべての金融機関がiDeCoの取扱いをしているわけでもありません。
また取扱いをしているケースでも、力の入れ具合がかなり違います。
さらに事務手数料や取り扱う商品構成、運用手数料などはまったく違いますから、どこで加入しても一緒という考えは捨ててください。
金融機関選びや比較方法(ランキングやおすすめの見方)
金融機関を選んだり、比較したりする際のポイントをいくつか確認してみましょう。
- 口座管理手数料が安いか(毎月かかるため)
- 運用商品の構成が自分の運用スタンスにあっているか(商品構成や内容が重要)
- 投資信託で運用する時にかかるコストが安いか(信託報酬)
- コールセンターやWEBサービスの使い勝手
個人型の確定拠出年金(iDeCo)の受付をしている金融機関の比較のポイントは、このようなところです。個別に確認します。
口座管理料が安いか(運営管理機関の事務手数料)
普通に銀行や証券会社、保険会社で口座開設してもお金はかかりません。
個人型の確定拠出年金(iDeCo)は、金融機関で口座を開設するとき、利用中、年金受取時に手数料がかかります。具体的には次のとおりです。
- 加入時 口座開設時 2,829円
- 開設中 運営管理手数料 月々171円(105円+66円)+α
- 受取時 給付事務手数料 受給の都度440円
特に比較が必要なのは、真ん中の運営管理手数料です。どの金融機関でも月々171円は必ずかかります。
但し異なるのは+αのところです。
この+αの部分が金融機関自体が受取る手数料部分ですので、金額が一律ではないのです。
条件なしで0円から一定条件下で0円、もしくは500円弱かかるところまであります。
たかが数百円ですが、毎月ずっとかかることを考えるとと銀行金利を考えたら重要なポイントです。
仮に運用商品をすべて定期預金にしたら、殖すどころか減ってしまうのは分かるでしょう。
元本確保型商品を運用の中心に考えている人はよく覚えておいてください。
運用商品の構成
各金融機関によって、運用する商品の内容や数が違います。数については改正などもあり上限が35本になります。大きく分けると、以下の2つになります。
- 元本確保型商品(預金、保険)
- 元本変動型商品(各種投資信託)
ある程度年金資産を殖やそうとするなら、元本変動型が中心になります。
株式型・債券型・これらの国内・国外、またはこれらのバランス型など実にさまざまです。
数はあった方がいいのは確かですが、自分の運用スタイルにあったものがあるかどうかをみてください。
運用商品にかかる費用「信託報酬(運用管理費用)」
単純に資産を殖そうと考えるなら、投資信託を使うのが現実的です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の投資信託では、運用中に必要な信託報酬(運用管理費用ともいいます)が重要です。
これは運用中に掛かるコストです。投資信託はプロが集められたお金をまとめて運用します。
専門家に何かを頼めばお金がかかるのでその費用と考えてください。
他にも投資信託の商品によっては換金時に「信託財産留保額(解約手数料みたいなもの)」が必要なケースがあります。
確定拠出年金には、信託報酬が確定拠出年金の外で一般に投資信託を購入するよりも安いものがあるのです。
高いものだと1.5%を超えるものもあります。積み上がっていく資産にかかるものですから資産運用上は非常に大事なことです。
コールセンターやWEBサービスの使い勝手
個人型確定拠出年金(iDeCo)の資料を金融機関から取り寄せると、整理されていて見やすいものと、そうでもないものがあることに気づきます。
積極的な金融機関はWEBに情報を出していますから、こういうところも見ておきましょう。
コールセンターの対応も含めて比較の絶対条件ではありませんが必要なところです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の金融機関は変更できるのか?
iDeCoをはじめたけど金融機関選びに失敗したので変更できなかという人もいます。
個人型確定拠出年金(iDeCo)で一度契約した金融機関は、後から変えることは可能です。具体的にみていきましょう。
iDeCoの金融機関の変更手続き
iDeCoの加入先を変更する場合、新しく契約する金融機関(運営管理機関)から「運営管理機関変更届」を取り付けます。
手続き自体は難しいものではありません。しかしデメリットが多いのです。
iDeCo金融機関を変更するデメリット
金融機関の変更はできますが、デメリットの方が多いので注意してください。
変更をすることで、現在の金融機関で運用している投資商品を現金化します。
つまりこのとき運用資産が値下がりしていれば、資産が減る可能性があります。
また変更による資産を移すよりなどが発生するため、すべての変更手続き完了までに約2~3ヶ月程度必要になります。
当然その間は資産運用が止まります。こうしたことがあるので、金融機関の変更は頻繁にすることではありません。
面倒でも最初の段階でよく調べて、おすすめやランキングなどを見て比較検討した上で金融機関を選んでください。
だからこそiDeCoでは最初の金融機関の比較と選択が重要で、その前に行う自分の投資スタンスの方向性を考えることがとても大切なのです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の金融機関(運営管理機関)が経営破たん・倒産したら?
金融機関で契約というと、銀行や証券会社、生命保険会社の経営破たんや倒産を考える人もいるでしょう。その場合の取扱いを確認しましょう。
金融機関(運営管理機関)が経営破たん・倒産したときの取扱い
確定拠出年金制度で金融機関(運営管理機関)経営が破綻したり倒産した場合、加入者ごとの年金資産は信託財産として分別管理して保護されています。
その意味ではある程度安心して大丈夫です。
金融機関の経営破たん時の銀行預金や保険商品などの注意点
その他で知っておきたいのが、金融機関が経営破たんした場合、預金や保険商品は預金保険機構・生命保険契約者保護機構の取扱いと同じになることです。
つまり預金なら元本1,000万円とその利息、生命保険なら責任準備金の90%です。
つまり確定拠出年金の外で契約するものと扱いが同じです。
定期預金中心の運用で十分だという人は、確定拠出年金の外で預金している銀行と同じ金融機関にはしないという選択も覚えておいてください。
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まとめ
投資スタンスを事前に決めるといいましたが、そのためには少し投資の勉強をしたりすることも必要になります。
企業型の確定拠出年金では、会社が金融機関と契約してくれます。
自分の投資スタンスにあっているならいいのですが、そうでない場合は好きなところを選ぶことができません。
個人型確定拠出年金(iDeCo)では、自分であれこれしなければならない手間はありますが、自由に好きなところを選ぶことができます。
日々の節約も大切ですが、この入り口を間違えるとそんな節約した分が吹き飛んでしまうこともあるので、慌てずにじっくり確認して進めてください。