掛け捨ての生命保険(定期保険)の特徴とは?
生命保険には掛け捨ての保険と積み立ての保険があります。代表的な保険が定期保険ですが、一定の期間だけ必要な保障を掛け捨てで保障します。
■この記事で学べること
【1】生命保険の掛け捨てとは?
【2】掛け捨ての生命保険と共済はどっちが得?
【3】生命保険は掛け捨てでいいは本当か?
掛け捨て保険を上手に使って無理のない生命保険の加入を考えてみましょう。
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この記事のもくじ
生命保険の掛け捨てとはどんな保険?
生命保険の掛け捨てとは?
保険の種類はいくつもありますので、生命保険の掛け捨てと言っても必ずしも保険商品の種類は一つだけではありません。
掛け捨てタイプの生命保険は、
- 保険の掛け捨てとは満期返戻金がない、
- 解約返戻金がないなど貯蓄性のない
保障性の保険のことをいいます。
もともと生命保険は保障を買うものですが、ここに貯蓄性を持たせた保険もでてきて保障を買いながらお金も貯まるということもあり人気になりました。
掛け捨てタイプの保険が駄目なわけではありませんし、その分積み立てタイプの保険よりも保険料は割高です。
なお、積み立てタイプの保険もお金が戻ってくると言っても、元本割れすることもあるので注意してください。
ここでは、
- 満期になっても満期保険金がない
- 解約してもお金が戻ってこない
- 契約期間中に祝い金のような支払いがない
という保険料(掛金)が全く戻ってこないものを掛け捨ての保険としてお話します。いくつか代表的な商品をみてみましょう。
定期保険
期間が定まっている(定期)保険です。決まった期間が終了すれば保障もそれで終わります。
一部契約期間中に解約すると解約返戻金がでてくるものがありますが、基本は掛け捨ての保険です。この定められた保険期間には2つのタイプがあります。
- 保険期間すべてを最初からカバーしているタイプ:全期型
- 一定期間(例えば10年)後は同じ期間を自動的更新していくタイプ:更新型
全期型は例えば80歳まであるいは40年間というように全ての契約期間を年や期間で決めて契約するためその期間中保険料(掛金)は変わりません。
更新型は10年間など更新期間を決めて更新可能年齢まで(80歳など)自動更新していきます。
更新の都度そのときの年齢で保険料(掛金)を再計算しますので更新の都度保険料はアップします。
保険料(掛金)だけでみれば、更新型は最初は安いが全期型と比べると同じ期間保険を付帯するならトータルの負担は大きくなります。
全期型はこの逆に最初は更新型より高いが、保険料(掛金)はずっと一定です。
収入保障保険
現在生命保険各社が死亡保障の主流の商品としている保険です。こちらも掛け捨ての生命保険になります。
例えば保障は月20万円などと決めると12カ月で240万円です。仮に30年加入する前提だと240万円×30年間で最大で7,200万円の保障になります。
加入後10年経過すると240万円×20年間ですから4,800万円となります。
死亡保障は年数の経過とともに平均寿命までの期間が少なくなるので、生活費は減っていきますし、子供の独立などもあり必要保障額は減少していくのが一般的です。
そのため収入保障保険のように保障が時間の経過とともに減少していく方が合理的というわけです。
なお、万が一のときには先ほどの例では年金として月20万円(×残りの期間)をもらうこともできますし、年金ではなく一時金として受け取ることも可能です。
一時金受取りの場合には、年金受取りよりも受取り総額は少なくなります。
掛け捨ての医療保険
生命保険の話をしましたが、医療保険についても掛け捨て、積み立てタイプそれぞれ死亡保障の場合と考え方は同じです。
医療保険の場合、積み立てタイプは一定期間生存したときなどに祝い金を出すようなタイプが多いので、保険料(掛金)が殖えて戻るというものではありません。
医療保険の場合には生命保険と違って、掛け捨てでも期間の定まった定期保険タイプよりは、保障がずっと続く終身タイプの掛け捨てが主流です。
もちろん定期保険タイプの医療保険もあります。
掛け捨ての生命保険の特徴は保険料(掛金)の安さ
掛け捨ての生命保険の魅力は保険料(掛金)が割安なことです。特に今のように予定利率が低い状況で積み立てタイプの保険は不利です。
生命保険は長期間契約が続くものですから、低い利率で長期間固定することになるからです。
掛け捨ての生命保険はもったいない、と考える人は多いでしょう。但し加入する時期を間違えるとお金を殖やしにくくなります。
掛け捨て・積み立ていずれの生命保険も良し悪しがあると言いました。
少なくても積み立ての生命保険に加入するときは、トータルでいくら支払って、いくら戻ってくるのかを自分で計算しましょう。
積み立てといっても支払った保険料より少なくなって戻ってくるケースもあるからです。
掛け捨ての生命保険を利用するときは、生命保険でもしもの保障に備えることと、お金を貯めて・殖やすことを分けて考えなければなりません。
生命保険でお金を貯めないのであれば、違う方法でお金を貯めて殖やすことを考えてください。
備えることと、ごちゃまぜにすると生命保険に加入する本質が見えなくなります。
掛け捨て生命保険と共済(県民共済・JA共済・こくみん共済coop(全労済))はどっちが得?
掛け捨ての生命保険をお話するときに、質問が多いのが「共済」です。
共済といっても「都道府県民共済」、「JA共済」「こくみん共済coop(全労済)」など契約の引き受け主体や内容も様々です。
生命保険と共済を比較した場合、共済は生命保険に比べると保障は少なめです。
また年齢とともに(特に60歳以降)はだんだん保障が減っていきます。
共済は生命保険(あるいは損害保険)と保障の設計の部分では、加入者のニーズに合わせた保障のカスタマイズが苦手です。
決まったプランを販売するケースが多いのでそのニーズに合う人にはありです。
共済によっては保障を厚くできるプランもあります。
ある程度の保障が必要であれば生命保険の方が有利でしょうが、共済は割戻金などもあるので掛金の部分ではお得に感じる部分もあるでしょう。
将来の保障について年をとったら少なくていい、あるいはこの程度までは必要など、自分の保障に必要なものを考慮して検討してください。
高齢になると加入しにくくなるのは生命保険、共済ともに同じです。
掛け捨て生命保険に解約返戻金がある?
掛け捨ての生命保険といいながらも、僅かながら期間の途中で解約すると解約返戻金が戻ってくることがあります。
定期保険の全期型の場合、契約内容によっては期間の途中での解約に解約返戻金が発生することがあります。
契約時から少しずつ増えて保険期間の途中でピークを迎えて、保険契約の終了になるとゼロになるようなイメージです。
契約内容にもよりますから必ずしもということではありません。
掛け捨ての生命保険だと思っていて、お金が戻ってくるとちょっとうれしいですね。
もっとも必ずしも支払った分がすべて戻ってくるわけではありませんので、多少お金が戻るケースもあるという程度の認識でOKです。
生命保険は掛け捨てでいいは本当か?
「万が一に生命保険で備えること」「お金を貯めて殖やすこと」ここをどのように考えるかで使う生命保険も変わってきます。
予定利率が高い生命保険契約なら生命保険でお金を貯めることを考えていくのはありです(現在は予定利率が低い)。
お金と貯めて殖やすのは、金融商品も色々です。
自分で資産運用している人は、生命保険は掛け捨て、資産は自分で運用すると考える人が多いでしょう。
確定拠出年金、NISAなどを利用している人なら運用はそちらに集中する方が効率的に殖やせます。
個人の生命保険でそれなりに殖やしていこうとすると外貨建てのものに頼る必要がでてきているのが現状です。
その人ごとにでできること、したいことは違いますから、生命保険は掛け捨て、あるいは積み立てと言い切るものではないということを理解してください。
情報に振り回される必要はありません。
掛け捨ての生命保険の年末調整・確定申告、生命保険料控除
掛け捨ての生命保険も保険の種類によって一般の生命保険料控除、あるいは介護医療保険料控除などの対象になります。
保険料控除は保険料(掛金)がいくらかと、加入している生命保険の種類によって対象になるものが変わります。
ちなみに共済でも同様です。
対象になるものがあれば、年末調整あるいは確定申告で保険料控除の適用を受けてください。
まとめ
掛け捨ての生命保険も保険加入の選択肢の一つですから絶対ではありません。
昨今マイナス金利の影響で積み立ての生命保険はしばらく低迷することが予想されます。
これから新規加入するケースでは掛け捨ての生命保険を検討するケースが増えてくるでしょうから、是非参考にしてください。
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