確定申告の郵送方法2024/必要書類や書き方・郵送期限・不備を解説
確定申告も電子申告が進みスマホやネットが増えてきましたが、これらが苦手な人には、確定申告を郵送するやり方があります。
■この記事で学べること
【1】確定申告書類を郵送するときの必要書類
【2】確定申告の郵送の期限と期間はいつからいつまで、早めに郵送できる?
【3】郵送での封筒の書き方や宛先、封筒のサイズ、郵送方法・やり方
【4】確定申告の郵送で不備があった場合
【5】医療費控除・住宅ローン控除・マイナンバーの郵送について
2024年(令和6年)、郵送での確定申告について必要書類の郵送方法や書き方などを解説します。
この記事のもくじ
確定申告、郵送の際の必要書類
確定申告を郵送でしても必要書類は変わりません。主な書類を確認しましょう。
◆確定申告の主な必要書類
例えば以下のようなものが必要になります。基本的には持ち込みのときと同じです。
違う点などがあるとすれば返信用封筒などの同封です。
- 給与所得がある、公的年金等の雑所得がある、退職所得がある
給与所得の源泉徴収票、公的年金の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票それぞれ原本です。 - 保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、寄付金控除、
保険会社からの控除証明書、社会保険料控除証明書、確定拠出年金の控除証明書、寄付した団体からの受領書など - 医療費控除
医療費の明細書 - 配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除
親族関係書類及び送金関係書類
細かい規定の話になってきて非常に細かいので下記の国税庁のサイトを参考にしてください。
確定申告の郵送はいつからいつまで?期限と期間
確定申告はいつからいつまで?郵送の期間と期限
確定申告の期限は毎年2/16~3/15までです。土日にかかる場合は翌日の月曜日になります。
2024年(令和6年)は上記のカレンダーにあるように2月16日(金)から3月15日(金)になります。
郵便局の窓口は17時までです。なお、3/15にポストに投函しても当日の消印が必ず押されるかは分かりませんから気をつけてください。
なお、すべての郵便局が対応しているわけではありませんが、時間外の窓口ならゆうゆう窓口を探してみてください。
時間外の対応をしています。
日本郵政 郵便局・ATMを探す ※左記リンクの下にあるゆうゆう窓口のチェックをして検索。
郵送は2/16以前の早めにすることができる?
郵送で確定申告する人は、必要書類などが整えば早めに提出できないか考える人もいるでしょう。
それでは実際に早めに提出(2/16以前)に提出するとどうなるのかというと次のようになっています。
所得税法基本通達120-2(2月15日以前に提出された確定申告書の受理)
その年分の確定申告書がその年の翌年2月15日以前に提出された場合には、当該申告書は通則法第17条第2項(期限内申告)に規定する期限内申告書に該当するものとする。
税法上はこのように早めに提出しても期限内に申告したものとして取り扱うとされています。
還付申告は2/16~3/15期間に拘らないで提出可能
納税ではなく税金を還付してもらう確定申告の手続きを還付申告といいます。
還付申告の場合には2/16以前でも関係なく、年が明けてから(1/1以降)提出可能です。
これは提出するはじまりのことですが、還付申告の場合には提出期限も3/15に縛られていません。具体的には過去5年間まで還付申告が可能です。
確定申告の郵送(郵送方法・郵送先・宛名の書き方・封筒サイズ)
郵送期限といつの消印有効か?
確定申告の書類の郵送は、「到達主義」ではなく「発信主義」にもとづきます。
そのため当日消印有効です。2023年3月15日の消印があれば大丈夫です。
勘違いしないでほしいのは、先ほどもお話ししたように3/15が期限とした場合、この日のうちにポストに投函すればいいわけではないことです。
ギリギリはおすすめしませんので余裕を持って郵送してください。
確定申告の郵送方法/簡易書留、レターパック、普通郵便
確定申告書の書類は、「信書」になります。信書とは特定の受取人に対して差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書と郵便法などに規定されているものです。
確定申告書を郵送する場合は、「信書」に該当しますから「郵便物」(第一種郵便物)または「信書便物」で郵送します。
小難しい書き方をしましたが、定形外郵便などで普通に郵送すればOKです。
普通郵便やレターパックで構いませんが、確定申告の時期は税務署も大量の書類があるので紛失がないとも言えません。
心配であれば書留にしておくといいでしょう。
筆者が過去に税務署に電話で照会したときには、個人的な経験上と前置きされましたが、税務署宛の郵便で確定申告書在中と書いてあれば紛失はあまりないのではとの回答でした。
電話対応された方もあまり紛失は聞いたことはないとは言っていました。
個人宅への郵送ではないので誤配はあまりないのかもしれませんが、もろもろ考慮して判断してください。
なお、信書を送るのは「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」以外のものにしてください。
宅急便で信書を送るのも駄目です。それぞれ下記のサイトも参考にしてください。
確定申告での封筒の書き方と郵送先の宛名、封筒のサイズ・大きさ
封筒ですが、確定申告書が入る定形外(角形2号くらい)のもので充分です。郵送先は住所地の税務署です。下記から確認してください。
封筒の所轄の税務署の住所を記載、宛名は「○○○税務署 御中」です。また「所得税 確定申告書在中」と記載しておきましょう。
裏面に自分の住所氏名を記入します。
確定申告を郵送する際、控えと返信用封筒(及び切手代)はどうする?
確定申告を郵送する場合、控えは必要・不要?
結論は返信用封筒はあってもなくてもいいですがあった方がよいです。
確定申告書の控えが必要なら切手を貼った返信用封筒に自分の宛先を書いて同封してください。
控えが必要ないなら返信用封筒も不要ということですが、提出した書類の確認の意味では返信用封筒を入れておいた方がいいでしょう。
書類に不備があったときに控えがないと分からないのと、自分の所得をすぐに確認できるのであった方がいいでしょう。
勘違いしている人がよくいますが、確定申告書控えは税務署に提出する確定申告書の「控え」ですので下書きではありません。
またフリクションなどの消せるボールペンなどで記入しないようにしてください。
消せるものに印は押されませんし不備になります。また確定申告書の控えにも返信用封筒を入れることで税務署の「受付印」が押されて返送されます。
ちなみにこれは確定申告書の記入内容がOKという意味ではなく、確定申告の書類を受け付けしたという意味の印です。
なお、郵送で確定申告書類を提出する場合、念のために提出書類のコピーはとっておきましょう。
郵便の不備や書類の紛失が絶対にないとはいいきれません。提出されていないと言われないようしてください。
返信用封筒(及び切手代)の有無
ここまで解説したように確定申告書の「控え」がいるかどうかで返信用封筒の有無も変わってきます。
納税の書類ですから控えは取っておくと所得の証明などになりますし、そのために返信用封筒も必要というのが一つの答えです。
税務署に出向く手間を考えれば返信用封筒の同封は大したことではないでしょう。
控えが必要なのは自分ですから、切手代も当然本人負担です。それでも不要だと考えるならそれはそれでありです。
郵送で確定申告、不備の連絡や期限が過ぎたら
郵送で確定申告をして不備などがあった場合、その後の扱いが気になりますね。
仮に不備があっても確定申告の期限である3/15に間に合うように提出していれば問題ありません。
内容に不備があれば税務署から連絡がきます。
訂正する必要があれば内容によって郵送なり、税務署に行く必要などもあるでしょうが、連絡がきた際に相談してください。
最初に期限内に提出していれば、不備で確定申告の期間を過ぎてもそれは別なことです。
確定申告を郵送、税務署への持ち込み問わず、そもそも期限が過ぎた場合、期限後申告になります。ペナルティがかかりますが、大丈夫なケースもあります。
期限後申告になるなら早急に確定申告書を提出してください。
住宅ローン控除の確定申告の郵送方法
住宅ローン控除を利用する場合、初年度のみ確定申告が必要です。
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を添付します。PDFファイルですが、15ページ(最後から2ページ前)に計算明細書の記載例があります。
医療費控除の確定申告の郵送方法
医療費控除を受ける場合、持ち込みと特に大きな違いはありません。
但し、医療費控除は領収書の提出が不要になっており、明細書を提出することになっています。
確定申告書に医療費明細書を一緒に郵送してください。下記の関連記事に書式のダウンロード先などもあります。
なお領収書の原本は一定期間保管が必要です。
マイナンバーの拒否は郵送の確定申告で可能?
2017年からマイナンバーの提出が法律上義務付けられています。
マイナンバーを保有する人は増えていますが、取得していない人もまだいるでしょう。
基本的な考え方としてマイナンバーの提出は、税務署が求めているというよりは法律で定められている義務です。
但し、現状は罰則はありません。
マイナンバーが無い状態で郵送しても不備にはならないかもしれませんが、後でお尋ねなどがくる可能性はあるでしょう。
直接税務署に書類を持ち込んでもマイナンバーの提出をしない人もいるでしょうからそれと変わりません。
なお前年マイナンバーを提出している人でも、毎年マイナンバーの提出が必要になります。
マイナンバーを記載しない場合などの考え方などは下記の関連記事に詳細があります。提出拒否の推奨はしませんが、下記の記事も参考にしてください。
確定申告の郵送での不備を減らすためにe-taxかパソコンを利用
郵送だと税務署で聞きながら確定申告書を書けないので、不備がでることもあるでしょう。
確定申告の郵送を検討している人は、スマホやネットが苦手な人が多いでしょうが、可能であればe-taxを使って申告書を作ってしまうのもありです。
e-taxはマイナンバーカードかID/パスワード方式のいずれかになります。
スマホやパソコンで作成だけしたいという人は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で可能です。
まとめ
会社員の人などは平日休みにくい、自営業の人も忙しくて平日税務署に行けないことは多いでしょう。
いざ自分で作成して郵送しようと思うと、分からないことが多いはずです。
政府は確定申告も年末調整も電子化を進めています。コロナ禍で税務署に行きたくないが、ネットが苦手という人は郵送による確定申告の書類提出も有効な方法です。
できれば確定申告書の控えは貰っておいた方がいいでしょう。
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