50代からの老後資金準備!いまからでも間に合う貯め方・増やし方
50代になると60歳以降の老後資金や生活を具体的に意識するようになります。いまや保有している資産や家族構成、ライフスタイルも本当に多様です。
■この記事で学べること
【1】老後資金の考え方
【2】50代の老後資金準備で最初にすべきこと
【3】いまからでも間に合う50代の老後資金を作るための貯め方・増やし方
人生100年次時代の老後資金の準備について、いまからでもすべきことできることについて解説します。
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この記事のもくじ
老後資金の考え方
老後資金については色々な計算方法など情報が色々でていますが、シンプルにお伝えすると以下のとおりです。
■老後資金の考え方
{老後の収入(資産含む)-支出}×老後期間
働いているうちは収入があるでしょうし、年金生活になれば年金額が収入ということになります。
わかりやすいように簡単に収入と書きましたが、貯金などの資産も含めてプラスになるお金と生活に必要な支出(マイナス)を差し引いて老後の期間で計算します。
資産は現預金はもちろん投資している金融商品、積立型の保険なども含めて考えていきましょう。
老後を65歳からとして仮に100歳まで考えるなら35年です。
70歳まで働くことができれば収入の上乗せができますし、勤労収入があるだけ家計も楽です。
難しい計算や方法でやるとやりたくなくなるでしょうから、まずはシンプルに考えてください。
50代の老後資金準備で最初にすべきこと
老後資金の基本的な考え方を押さえた上で、その準備の前に最初にすべきことをお話します。
老後資金準備を考える前に最初にすべきことは「現状の把握」です。
お金の貯め方などのテクニカルなことをする前に、いまどのような状態にあるかしっかり確認しなければなりません。
- 現在の家計収支(収入と支出を把握して家計管理できているか)
- 子供がいる場合は教育費がいつまで、いくらかかるか
- 住宅ローンの返済があるなら、あといくらいつまで返済するのか
- 定年まで何年あるか
- 定年後に仕事を続けるか
- 退職金があるならいくらくらい見込めるか
- 老後の年金はいくらくらいになりそうか ねんきんネット 日本年金機構
色々ありそうですが、該当しない項目は無視してください。例えば現在毎月の収支が赤字だとします。
原因が分かっていて子どもの教育費の負担が重くあと4年で子ども2人が学校を卒業、それ以降は何とかなるというのであれば問題ありません。
家計の収支が把握できておらず、どんぶり勘定で何となくやりくりしていて赤字というなら問題です。
長年どんぶり勘定でやってきたことが、リタイヤ後にいきなりきちんとできるようにはなりません。
現役時代から家計管理を行う習慣を少しずつ続けて改善してください。
ちなみに収入の多い少ないは関係ありません。
50代だとかなり収入の高い人もいるでしょうが、こうした人で家計管理がザルになっている人の方がリタイヤ後の家計は危険です。
そんなに使っていないつもりでも生活レベルをうまく調整できないからです。
お金を使っている意識がないだけある意味質が悪いので、お金の収支をしっかり把握するようにしてください。
その他退職金や年金の具体的な金額などが分かるように確認しておきましょう。「現状を」「数字で」確認することがポイントです。
いまからでも間に合う50代の老後資金を作るための貯め方・増やし方
50代から老後資金を作るための準備とその貯め方・増やし方について具体的にみていきましょう。
はじめて統計調査を見て頂きます。老後の生活費の収入源(3つまでの複数回答)についてどのように考えているかというと次のとおりです。
- 就業による収入 48.1%
- 公的年金 68.8%
- 企業年金、個人年金、保険金 35.9%
- 金融資産の取り崩し 27.1%
- 利子配当所得 9.1%
- 不動産所得 4.0%
- 子どもなどからの援助 1.7%
- 国や市町村からの公的援助 6.0%
- その他 6.7%
出典:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2022年調査結果
上位4つが中心です。利子配当所得が4位ですが、2022年頃まで2~3%台でしたが、2021年頃から上昇しています。
資産形成を意識している人が増えていることが背景を考えられます。
最も高い割合が公的年金ですが、一旦受給をはじめたら死亡するまで支払われるというのが大きなポイントです。
これらを踏まえて具体的な方法をみていきましょう。
家計管理
最初にお話したことですが、家計管理ができていない人はまずはここをしっかりやってください。
退職金がかなりある人が、そんなに使ったつもりがないのに急激に目減りしてしまうのはよくあることです。
リタイヤ後は現役時代とは同じようにはいかないところもあります。使うところと使わないところを明確にしておきましょう。
貯蓄がたくさんあっても家計の支出がザルのままでは意味がありません。
細かく家計簿をつけましょうという話ではなく、収入を支出をある程度把握しておくことが大切です。
貯めどきがあるなら見逃さない
独身や夫婦二人だけの人、子どもの教育費が片付いた人、その目処が現役時代に見えている人などは最後のお金の貯めどきを見逃さないようにしてください。
不動産収入や配当などでもない限り、働けなくなってからお金を貯めるのはなかなか困難です。
上記に該当する人はリタイヤするまでの期間は老後資金の最後の貯めどきです。
老後資金の準備としてそれが意識しているかどうかで大きく変わりますから貯められるときにしっかり貯めておきましょう。
働く期間を延ばす
60歳定年だったものが、再雇用などを含めて65歳に動いていますし今後も伸びる可能性があります。
就業収入があるというのは最も効果の大きな備えです。
現役のときよりも収入が下がる可能性もあるでしょうが、長く働くことを意識してください。
50代で貯蓄の少ない人はなおさらです。働きたい人、働かざるをえない人、働きたくない人、働けない人というように色々な状況・考えがあるでしょう。
できれば楽しく元気に働く方が、お金の面だけでなく心や体の健康にもいいことです。
公的年金の繰下げ受給
公的年金(国民年金、厚生年金)は原則65歳から受給します。
年金額を減らすことで(繰上げ受給)60歳から、年金額を増やすことで(繰下げ受給)最長75歳から受給をはじめることができます。
70歳まで繰下げをすると84%年金額が増額されます。
75歳は極端でも1カ月単位で繰下げ可能でその分年金額は増加します。
繰上げ受給、繰下げ受給はともに本人の任意ですが、繰上げ受給などで減額して前倒しで年金を貰い始めても後から変更はできません。
統計をみると多くの人が65歳から年金受給をしていますが、繰上げ受給をしている人は年々減っています。繰下げ受給をしている人もわずかです。
現在社会保障制度改革の中の議論に一つにこの繰下げ受給の期間を75歳まで延長するという議論がでています。
制度ができても繰下げ受給を75歳にするかは本人の任意ですが、制度が変わりつつあるので動向は追ってください。
この繰下げ受給をするには、それまでの生活が成り立たせることが前提です。
最初の働く期間を伸ばすというのはこの公的年金の繰下げ受給を選ぶことができるという選択肢を増やすことにも繋がるのです。
50代からでも積立投資をはじめる
老後資金の準備の話をすると、必ずでてくるのが「つみたて投資」です。
具体的には非課税制度がある「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「新しいNISA」です。
iDeCoなどは原則60歳までしか加入できないため、50代の人はどうするか迷うケースもあるようです。
そもそもいままで投資などしたことがないのに、50代からはじめて間に合うのかと不安な人も多いでしょう。
結論としては50代からでもつみたて投資ははじめるべきだと考えます。
50代からならまだある程度は投資期間を長くできること、投資の知識と経験を積めるからです。
公的年金のところで選択肢を増やすと言いましたがこれも同じです。
投資について知識と経験を多く持つことはお金を増やすことにつながります。
またリスク資産を持つことについて資産の価格が下落するリスクが気になるでしょうが、投資対象によって運用リスクにも大きく幅があります。
つみたて投資の意味を理解して具体的に検討することがはじめの一歩です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、現状は自営業、公務員、専業主婦(主夫)は加入できます。会社員は勤務先の企業年金の導入など有無より変わります。
現状は原則60歳までしか掛金を支払えませんから50代後半の人は躊躇するケースが多いでしょう。
加入できる期間が最長65歳になっているので、その人の状況にもよりますが検討してみましょう。
なお、自分で掛金を支払うiDeCoは、その全額が所得控除の対象です。
口座の維持にコストがかかるので注意が必要ですが、所得控除を使える枠が残っているならそれを活用するという意味もあります。
新しいNISA
2024年から新しいNISA制度に移行して、投資上限額が拡充、非課税期間が無期限化されます。
非課税期間が無期限化されることで、期限を気にせず使うことが可能です。
予算に限りがあれば50代の人なら、年齢や投資の意向など考え方にもよりますがNISAの方が合いやすいと考えます。
いずれにしてもリタイヤ後に投資経験を自分の武器にできるようにすることを意識してください。
その他(時間、健康、お金、人間関係・家族)
お金は使うためにあり、人生を安心して豊かに過ごすためのものです。
時間、健康、お金、人間関係・家族と人生の中でこれらのものが同時にすべて揃うことはなかなかありません。
無駄遣いは勧めませんが、有意義にお金を使う工夫は必要です。
老後資金が気になるでしょうが、お金だけでなく体や心、人間関係なども健康でなくてはなりません。
現役時代からこうしたことも少しずつ意識していきましょう。
まとめ
漠然と老後不安を煽る情報も多いですが、いまを楽しく過ごせないと老後も楽しくありません。
不安ばかりにフォーカスせずにできることを少しずつ始めて準備していきましょう。
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