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【生前贈与機能付き保険】生命保険で生前贈与するメリット・デメリット

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生前贈与と相続の基礎と知らないと損するポイント

生前贈与と相続の基礎と知らないと損するポイント

贈与税の基礎控除と生前贈与

贈与税には110万円の基礎控除があるため、年間110万円までは税金がかからずに贈与することができます。

この範囲の中で少しずつ子ども(あるいは孫など)に財産を贈与していくと、財産そのものを減らすことができるため相続税の対策にもなるのです。

このときによくある間違いが定期贈与とみなされないようにすることです(贈与する総合計金額があらかじめ決まっていて、毎年定額に分割する意図で贈与すること)。

贈与は財産を渡す人(贈与者)と貰う人(受贈者)の双方の意志と同意が必要です。毎月同じ金額を何年も贈与していると定期贈与とみなされる可能性が否定できません。

口約束でも可能ですが、きちんと贈与契約書を作成して、贈与する時期や金額は変更した方がいいでしょう。

110万円までなら税金がかからないから大丈夫というものではないのです。

生命保険と相続対策

生命保険は以前から相続と相性が良いといわれています。その理由の一つが生命保険の非課税枠があることです。

500万円×法定相続人の数が非課税となります。生命保険料を支払うことで財産を減らすことができて、死亡保険金を受け取るときには非課税枠が使えるのです。

妻と子ども2人が法定相続人であれば、500万円×3人=1,500万円まで非課税になります。相続対策をするのであればこれを使わない手はありません。

生前贈与と相続税の調査の状況

国税庁の調査によると相続税の調査の状況の統計の中に贈与税の統計があります。

  • 実施調査件数 3,809件  申告漏れ非違件数 3,565件
  • 申告漏れ課税価格(実施調査一件当たり) 497万円
  • 追徴税額(実施調査一件当たり) 148万円

このように税務調査が入るとかなり高い割合(93.5%)で不備を指摘されています。つまりほとんど贈与にかかる要件を満たしていないのです。

申告漏れも1件当たり約500万円、追徴税額も約150万円と無視できない金額です。

生前贈与を検討するなら、しかるべき要件はしっかり抑えておかなければなりません。こうした状況を踏まえて比較的利用しやすいのが生前贈与機能付き保険というわけです。

国税庁 平成29事務年度における相続税の調査の状況について 

生前贈与機能付き保険とは?

生前贈与機能付き保険とは?

生前贈与機能付き保険とは?

生前贈与機能付き保険は掛金を一時払いで支払いをして、その後生存給付金(生存中に給付金毎年が支払われる)が支払われるタイプの生命保険です。

この生存給付金の受取人を変更できる仕組みなっており、給付金は基礎控除110万円の範囲内で設定します。

生前贈与について非課税枠や定期贈与とみなされないために、贈与契約書の作成などは結構面倒くさいというのは事実です。

そこで生前贈与についての方法の一つとして注目されているのが、この生存給付金付きの生命保険です。

生命保険には500万円×法定相続人の数の非課税枠があるのはお話したとおりです。

さらに年1回支払われる生存給付金を指定した人に支払う機能がある生命保険は、この生存給付金を生前贈与に利用することができます。

掛金(保険料)を一時払いしますが、仮に毎年100万円の生存給付金が支払いになるなら10年で1,000万円贈与することが可能です。

死亡すれば残りは死亡保険金として支払いとなります。

すべての生保で取り扱っているわけでなく、「生前贈与機能付き保険」というのも生存給付金がついていて生前贈与に使える生命保険の総称的な呼び名で商品名ではありません。

外貨建てになっているものも多く、生存給付金が付いている終身タイプの保険などのことだと考えてください(一部養老タイプもあります)。

生前贈与機能付きの保険は定期贈与にならない?

生命保険を利用していたところで、定期贈与に該当して否認されてしまえば現金も生命保険も同じではないかという疑問はあるでしょう。

国税庁 保険料負担者(保険契約者)以外の者が受け取る生存給付金の課税上の取扱いについて

細かいので興味のある人以外は読まなくても構いませんが、国税庁のサイトに以下のことについて記載があります。

  • 契約者が生存給付金受取人を変更できるため、生存給付金の受取りは確定していない
  • 被保険者(保険の対象者)が死亡した場合、契約は消滅して生存給付金ではなく死亡保険受取人に死亡保険金が支払われる
  • これらの理由から定期贈与に該当しない

このような解釈のため現状は特に気にしなくてよいと考えます。

生前贈与機能付き保険のメリット・デメリット

贈与契約書を毎年作成するより簡単にできそうというのはイメージできたでしょうが、どんなことにでも都合のいいことばかりではありません。

メリット・デメリットについても確認していきましょう。

メリット

  • 一般的な生前贈与と比較して手間が少ない
  • 死亡した場合には死亡保険金を受け取ることができる

デメリット

  • 外貨建てや変額保険などを使うため投資リスクや元本割れの可能性
  • 途中で解約するとペナルティの支払いもあり、早期解約ほど不利

生前贈与機能付き保険に加入する場合には、最後まで続ける前提で利用することが大切です。早期解約ほどペナルティ(解約控除といいます)が高くなります。

やがてくる相続を考えて生前贈与を検討する場合、贈与するつもりでいたが、その後事情が変わってお金が必要になるというのはよくあることです。

先のことはどんどん変わりますし、自分の気持ちも変わっていきます。そんなことを言い出したらきりがありませんが、ある程度は財産に余裕をみて制度の活用を考えましょう。

生前贈与機能付き保険の主な取扱い先

生前贈与機能付き保険の主な取扱い先

 

生前贈与機能付き保険の主な取扱い生保をご紹介します。

プレミアシーブプレミアストーリー2 第一フロンティア生命

まごころの贈り物 太陽生命

夢のプレゼント 日本生命

プレシャスギフト 未来のバトン ニッセイ・ウェルス生存給付金付終身保険 ニッセイ・ウエルス生命

※募集代理店によって商品名が違います。

やさしさ、つなぐ 三井住友海上プライマリー生命保険

生前贈与機能付き保険の活用のポイント

生前贈与機能付き保険の活用のポイント

相続対策を考えるなら生命保険の活用は一度検討してみてください。理由はすでにお話したように生命保険の非課税枠があるためです。

また死亡保険金を受け取れる場合には、相続財産を現金(死亡保険金)という分割しやすい資産に変えられることもポイントです。

相続の納税対策、分割対策などすべきことはいくつかあるでしょうが、必要な対策に焦点を合わせて生命保険を利用を考えてみるといいでしょう。

あくまで一つの選択肢です。どうしても現金と良い悪いだけで比べてしまいがちですがいずれも一長一短あります。

生命保険にも生前贈与に使うことのできる商品があるということと、何が自分にあっているかをよく考えて方向性を決めていきましょう。

いずれか一つにしなければならないわけではありませんから、いくつかの方法を併用するということもあると考えてください。

まとめ

【生前贈与機能付き保険】生命保険で生前贈与するメリット・デメリット、についていかがでしたか。

生命保険で生前贈与機能がついているということにピンとこない人もいるでしょう。

時代背景に合わせたさまざまな生命保険が発売されています。人によって合う合わないがあるでしょうから、よく説明を聞いて自分に向いているか判断してください。

また生前贈与を考えるくらいなら遺言の作成や家族信託など一つの方法だけにとらわれずに複数の対策併用することも考えていきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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