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【犬・猫】ペット保険が必要か不要かの基本的な考え方・判断基準4選

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ペット保険は犬や猫、うさぎ・ハムスターなどの小動物などの医療費に備える方法の一つです。預貯金でもカバーできためペット保険は必要か、不要かはよく議論されます。

■この記事で学べること

【1】ペット保険が必要、必要でない各意見

【2】犬や猫、うさぎなどペットの医療費に備える方法の基本的な考え方

【3】ペット保険は必要か必要でないかの判断基準4選

ペット保険が必要かどうかの観点だけに的を絞ってファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。

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犬や猫にペット保険が必要、不要それぞれの意見

犬や猫にペット保険が必要、不要それぞれの意見

ペット保険は主に犬や猫を対象にしていますが、一部の保険会社でうさぎやハムスターなどの小動物、鳥類、爬虫類などを取り扱っています。

こうしたペットの医療費への備えには次の方法があります。

  • 預貯金
  • ペット保険(+預貯金)

ペット保険(+預貯金)を書いた理由は後で説明しますが、まずはペット保険がなぜ必要なのか、なぜ不要とするかの根拠を確認してみましょう。

なお、この記事ではペット保険の選び方などには一切言及しませんので、ペットの医療費にどう備えるかを考える参考にしてください。

ペット保険の選び方については関連記事を参考にしてください。

ペット保険は必要だとする話

最初にペット保険が必要だとする話の根拠を確認していきましょう。

  • 健康保険などの公的保険制度がないため、全額自費となる
  • ペットの医療も高額化していて、さらに平均寿命も延びている

ペットの医療費は人の場合と違って、公的な医療保険制度がありません。

人の医療費は、現役世代などであれば原則、3割負担になります。

またそれでも一定以上の医療費がかかった際には高額療養費制度で負担が軽減されます。

さらに会社員の人であれば傷病手当金があるので、要件を満たせば1年6ヶ月は収入(正確には標準報酬月額)の2/3が支給されます。

人に民間の医療保険が必要ないとする意見の根拠の一つですが、ペットにはこれらの制度は一切ありません。

医療費の全額が自由診療で飼い主さんの負担です。

またペットの平均寿命の延びていることや医療技術も進歩していて高額化してきていることなどもよく言われることです。

例えばCT検査や内視鏡などほとんど人間と変わらないような設備や技術での高い医療ペットも受けることができます。

そのぶん医療費が高くなるのです。

ペット保険は不要とする話

次にペット保険は必要ない(不要)とする根拠です。

  • ペット保険を使うことがなければ掛け捨てになるだけで損
  • 保険はお金の使い道が限定されるし、必ず保険が支払われるわけではない

おおよそこんなところではないかと考えます。

掛け捨てなのでもったいない、病気になったのに保険がでない、病気で保険を使ったら更新できなかったなどがあるようです。

ペット保険は必要、あるいは不要いずれの意見ももっともらしい話です。

犬や猫、うさぎなどペット医療費の基本的な考え方

犬や猫、うさぎなどペット医療費の基本的な考え方

ペット保険が必要かについての両方を意見を踏まえて、ペットの医療費・保険について基本的な考え方を整理します。

特に何かを擁護したり、推奨する意図はありませんので客観的にみてください。

「掛け捨て」の保険の誤解

保険というのは万が一(病気やケガ、事故、災害など)のときに負うリスクに対しての経済的な損失に備えるためのものです。

リスクの大小はありますが、どの保険でも同じです。そのため安い掛金(保険料)で大きな保障を得ようとする場合、掛け捨てになるのは当然のことです。

掛け捨てという言葉のイメージが悪いためでしょう。

例えば交通事故で人を死亡させてしまったり、火災で自宅が全焼した場合に保険金は数百~数千万円、億単位になることもあります。

自然災害は最近増えているものの、これらはそんなに頻繁に発生することではありません。

しかし掛け捨てだから損という声はあまり聞きません。

リスクに対してなるべく安いコストで備えようとするなら、掛け捨てなのは当たり前のことでペット保険も同様です。

必ずしもペット保険と預貯金いずれか一方の〇×選択ではない

ペット保険は必要かという話になると、「ペット保険は必要だ」「ペット保険は必要ない」の二者択一の話しになっていることが少なくありません。

しかしペット保険の補償の特性を考えると必ずしもそうではありません。

ペット保険は、負担した医療費の一定割合を負担するものが主流ですから、保険に加入しても自己負担もでてきます。

ペット保険の多くは50%あるいは70%の負担割合です。

一部90%や100%などの高い補償があるものの多くは50%と70%の2つのプランです。

つまり50%なら残りの50%、70%なら残りの30%が自費になります。はじめにペット保険(+預貯金)と書いたのはそういう意味です。

どのくらいの割合にするかは予算も含めて個々の判断ですが、ペット保険に加入しても保険と預貯金は多くのケースで車の両輪なのです。

ペット保険に限らず保険で元はとれない理由

ペット保険が必要ない理由の中で掛け捨てだからもったいないという話の他に、元を取れるか計算しているものをよく見かけます。

例えばペット保険の掛金(保険料)が、仮に全期間平均でならすと毎月4,000円、1年間で48,000円、ペットの寿命を15年とすると720,000円だとします。

これだけあれば医療費の補填ができるのではなどというような計算です。

また元をとるには●回利用しなければならないというような話です。

こうしたことは誰もが考えることでしょうが、保険の加入者全員が元が取れるということはありません。

これはペット保険に限った話ではありません。

保険は相互扶助の考え方で成り立っており、加入者が皆でお金を出し合って病気や事故で困った人がでた場合にそのお金で助ける仕組みです。

加入者全員の元が取れる状態では制度が成り立ちません。

収支の計算をする気持ちは分かりますが、元を取れるかだけで必要性を判断するのは正しくありません。

それからもう一つ。保険で「元」を取りたいですか?

例えば食べ放題のお店に行って元をとらないと!というのとは意味が違います。

  • 自動車保険:交通事故
  • 火災保険 :火災や自然災害
  • 生命保険 :死亡など
  • ペット保険:ペットの病気

他の保険も含めて書きましたが、保険の元が取れる状態(保険金が支払われる)になっているということは、上記の何らかのリスクが発生しているということです。

これらのことは元が取れる以前に本来あったら困ることばかりです。

掛け捨ての誤解のところでも書きましたが、保険は万が一のときに負うリスクに対しての経済的な損失に備えるためのものです。

上記の4つのうち交通事故や火災・自然災害、死亡リスクは、多くの人が預貯金でカバーできない大きなリスクがあるので掛け捨てでもったいないという議論がでないだけです。

ペット保険は必要か必要でないかの判断基準4選

ペット保険は必要か必要でないかの判断基準

最後にペット保険が必要か、必要ないかの考え方や判断基準についてみていきます。

ペット保険が必要か、不要かの判断基準

ペット保険の必要性については難しく考える必要はなく、以下のことを優先して検討事項に入れてください。

  • ペットの医療をカバーできるだけの預貯金がある
  • 毎月定期的な収入があって今後も預貯金を増していける

最初の1つあるいは上記2つのことを満たしているのであれば、必ずしもペット保険にこだわる必要はないと考えます。

ペット保険に限りませんが、お金のない人ほど保険に頼らなければならない場面は増えてきます。

掛け捨てにする分は貯めたらいいのではと考えるのであれば判断基準はこの2つです。

ゼロから預貯金を貯める場合、短期間には貯まらないのでこの点にも留意してください。

生損保問わずどの保険でも必要性があるかどうかは、万が一ことがおきたときに自分の経済力で対応できるリスクかどうかということです。

ペットの医療費は飼い主が元気なら預貯金で対応できる可能性がありますが、個々にお金の事情は違うでしょうからよく考えてみてください。

もちろん状況は変化していきます。収入が減るかもしれませんし、ペットの健康状態が変わることもありえますから、今の状況がずっと続くわけではないことも考慮してください。

敢えて付け足すならいくつかのペット保険で、24時間獣医師の相談サービスなどを提供しています。

予防に力を入れだしたのはペット保険も同じです。

具合の急変やしつけの相談など補償以外のプラスアルファの部分にも価値を感じる人はペット保険の検討の余地があると考えます。

ペット保険が不要なら考えておくこと、すること

ペット保険を利用しないならペットの医療費は将来かかるコストとして預貯金などをしておく必要があります。

並行してペットの場合も予防の観点を持つことは非常に大切です。

ペットの種類によってかかりやすい病気を知って注意する、室内なら誤飲に気をつけるなどです。

ペットの種類によってかかりやすい病気や事故もあるので、飼い主がそれを認識して気をつけることも必要です。

個人でできる予防対策には限度はあるでしょうがとても大切なことです。

またペット用の貯金は継続していくようにしてください。

同じ種類のペットによって体が強い、弱いなど個体差があります。

病弱で頻繁に病院にかかる場合、積立てた預貯金は減っていきます。継続して貯める観点も持っておきましょう。

それからアニコムが毎年家庭動物白書を出しています。

ペットにかかる年間の支出やかかりやすい病気、気をつけたい病気など統計があるので参考までに目を通しておいてください。

アニコム 家庭どうぶつ白書

ペット賠償責任特約は他の保険で代用できる

例えば犬が他人に噛みついたなどで、その第三者に対して損害賠償する保障がペット保険には特約などでついていることがあります。

大した掛金ではありませんが、自動車保険や火災保険、自転車保険などに特約でつける「個人賠償責任保険」でカバーすることができます。

すでについている可能性もありますので、ペット保険に付帯するよりもカバーする範囲は広いのでこちらを優先して考える方がいいでしょう。

ペット保険が必要なくなったらやめるという選択もある

ペット保険の必要・不要についていずれか一方の〇×選択ではないと言いました。

同じように一度加入したらずっと続ける、あるいはずっと加入しないとすることもありません。

ペットが先々病気になるかは誰にもわかりません。

ペットによってかかりやすい病気がありますから、どのようなものがあるか飼い主としてきちんと確認しておいてください。

また猫は種類に関係なく掛金が一律ですが、犬は小型犬・中型犬・大型犬で負担が変わってきます(年齢は別)。

犬や猫の場合、ペット保険で新規に加入する際の年齢制限は保険会社によって違いがあります。

病歴などはない前提ですが、早いところで7歳くらいまで、遅いところで一部例外を除くと12歳くらいまでが新規で加入できる年齢です。

そのため10歳を超えるくらいの年齢になると加入できても、選択肢が狭まってきいます。

こうしたことも考慮しながら柔軟に対応していくことも考えてください。

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まとめ

【犬・猫】ペット保険が必要か不要かの基本的な考え方4選、についていかがでしたか。

ペット保険も人の保険と同じように予防の観点にも力を入れだしています。

獣医師などが健康相談や予防などの相談やアドバイスを24時間受けるサービスをつけているところも増えてきました。

ペット保険の使い方も単に医療費をカバーするだけの使い方ではなくなってきています。

預貯金の少ない人は、まずはこれを増やすことも心がけて家計管理をしていきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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