交通事故での弁護士費用特約(自動車保険)の使い方と必要性!
交通事故で加害者ではなく被害者になったときに、意外と役に立つのが自動車保険の弁護士費用特約です。
■この記事で学べること
【1】自動車保険の弁護士費用特約とは?
【2】補償内容と対象家族の範囲、保険料
【3】注意したい重複契約
【4】日常事故まで弁護士費用特約で補償!?
【5】弁護士費用特約と自動車保険の翌年の等級
【6】弁護士費用特約の使い方と必要性
交通事故の被害者になったときに利用する自動車保険の弁護士費用特約の絶対知っておきたい使い方と必要性について解説します。
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この記事のもくじ
自動車保険の弁護士費用特約とは?
弁護士費用特約とは?
自動車保険の弁護士費用特約とは、交通事故の被害者になって相手とトラブルが起きたときに弁護士に委任する費用などを補償する特約です。
この記事では、「弁護士費用特約」と記載しますが、損害保険会社によって「弁護士特約」あるいは「弁護士費用等補償特約」などということもあります。
基本的には同じ内容の特約と考えてください。
交通事故の被害者になったときと何度か記載しましたが、加害者になったときには対象にならないのかと考えた人も多いでしょう。
明確に加害者(もしくは自分に多少なりとも過失(自分の落ち度)がある)である場合、損害保険会社が相手と示談交渉に当たります。
仮に相手が弁護士を立ててきても、すぐにこちらも弁護士対応するわけではありません。
必要に応じて弁護士対応になりますが、その場合はこの特約の有無に関係はありません。
被害者のときに弁護士費用特約が適用になるのは、実務的には自分の過失がゼロ(もしくはゼロ主張)の場合です。
相手に対して損害賠償する責任がないことになるので、自分が契約している損害保険会社が示談交渉に立てません。
自分は過失ゼロだと主張しても、相手がそれと異なる主張をしてきた場合、弁護士費用特約を利用することになるというわけです。
自動車保険の弁護士費用特約の補償内容(保険金の種類 保険金の限度額)
ここから弁護士費用特約の補償内容について確認していきましょう。
弁護士費用等
弁護士等の着手金・報酬、訴訟費用、仲裁・和解・調停の費用など:1事故につき1名あたり 300万円限度
法律相談・書類作成費用
弁護士・司法書士への法律相談の費用、書類作成の費用など:1事故につき1名あたり 10万円限度
実際に弁護士などへ委任を行う際には、損害保険会社の承認が必要です。自分の知っているあるいはお願いしたい弁護士さんがいればその人に対応してもらうことも可能です。
補償の対象となる家族の範囲
この特約の補償の対象となるのは、契約者のみではありません。具体的には記名被保険者(保険の対象となる人)とその家族などです。
ざっくりした表現ですが、自分と配偶者、同居の親、子ども、兄弟などが対象になります。
- 記名被保険者
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者または配偶者の同居の親族
- 記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子
自動車保険の弁護士費用特約の保険料(費用)
弁護士費用特約は、特約ですから別途保険料(費用・掛金のこと)を支払って補償をつけることになります。
弁護士費用特約のコストは年間3,000円くらいです。
月250円くらいですので、細かく節約したい人以外はそんなに気にする費用ではないでしょう。
しかしこの特約ができたときは、年間1,500円くらいでしたので当初よりは収支が悪くなっているようです。
弁護士費用特約を使うと自動車保険の等級は?
自動車保険は交通事故などで保険を使うと翌年の等級(自動車保険の割引率のランク)が3等級ダウンするのが原則です。
しかし自動車保険には、3等級ダウン事故の他に1等級ダウン事故、ノーカウント事故の扱いになるものがあります。
弁護士費用特約のみの利用はノーカウント事故扱いになります。
この特約のみの利用で翌年の掛金が高くなることはありません。
バイクの自動車保険での弁護士費用特約
自動車だけでなくバイクに乗っている人の場合でも自動車保険をバイクで契約してそこに弁護士費用特約を付帯することがあります。
基本的な考え方や補償内容はここまでお話しした内容と変わりません。
バイクも複数台あって契約が重複するときなどの扱いも同様です。
なお、自動車の保険契約に弁護士費用特約がついていれば、バイクの契約に付帯するとやはり重複する扱いになります。
バイクの分も自動車の契約で補償することができます。
重複に注意したい自動車保険の弁護士費用特約
自動車保険では弁護士費用特約が重複することがある
家族単位での自動車の保有台数は、地域によっては1人1台とケースもあるでしょう。
それぞれの自動車に自動車保険がつくことになりますが、弁護士費用特約もそれぞれ付帯することが可能です。
また特に気にせずにそれぞれの自動車に弁護士費用特約を付帯するケースもあるでしょう。
弁護士費用特約が重複するとどうなる?
個人の自動車保険契約の家族間で所有する自動車の保険契約に付帯している場合、1つの自動車保険契約に付帯していれば他の自動車での交通事故で適用することができます。
そのため重複契約させることは、余計な保険料を支払うことになります。
同じ保険会社で自動車保険に加入しているなら、最近はシステム上で重複契約のチェックができるので保険代理店などからその旨説明があるはずです。
そのため同じ保険会社での契約なら、全く知らずに弁護士必要特約が重複していることはそんなにありません。
自動車の廃車や家族構成の変化に注意
1台の自動車保険契約にのみ弁護士費用特約をつけているときの注意点があります。
具体的にはその車は廃車にしたり(自動車保険は解約)、子どもが結婚して別居、自動車保険はそのまま持って出た場合などです。
弁護士費用特約がついている契約に、これらの手続きが発生すると、いつの間にか弁護士費用特約が無くなってしまうので注意してください。
弁護士費用特約が使えないことがあるのはどんなとき?
弁護士費用特約も保険ですから、支払の対象にならないケースもあります。冒頭に説明しましたが、こちらが被害者側になっていることが前提です。
もっと具体的にいうと過失割合がこちらがゼロ、もしくはゼロ主張するようなケースです。
仮に相手の過失が90%こちらが10%だとします。
相手の落ち度があった割合が高いのですが、10%でもこちらに過失があれば保険会社は示談交渉に入ります。
すぐに弁護士費用特約を利用するということにはまずなりません。
弁護士をお願いする場合、保険会社の同意が必要となっているのでこうした場合にはまずそうなります。
交通事故の内容は具体的な事案によって自分の考え方もケースバイケースになるでしょうが、保険会社が間に入ってくるなら交渉は任せればいい話です。
交通事故以外の日常事故でも弁護士費用特約が使える!?
弁護士費用特約を日常生活の事故に広げる補償がある
弁護士費用特約とは交通事故の際の被害事故で適用されるものですが、バイクや原付などまでなら利用は可能です。
しかし交通事故以外の日常の生活の事故でも適用できるケースがあります。
弁護士費用特約の補償を交通事故か、日常の事故まで広げるかを選ぶかだけですが補償の拡充を選択できます。
日常事故まで補償を適用できるかは、自動車保険の商品内容によって違うので対応状況は各損保会社で違います。
主に以下のような区分があります。
下記のようにいくつかの区分にわけています(損保会社によって商品内容は異なります)。
- 自動車が原因の被害事故に対する損害賠償
- 自動車運転中の加害事故に対する対応、過失のない事故に対する対応
- 日常生活の被害事故
日常の理不尽な事故などに巻き込まれたときに弁護士費用を負担できることはメリットです。
なお、数年前から「弁護士費用保険」というものが少額短期保険から発売されていたりしますがこうしたものに近い補償です。
もともと自動車事故に限らず法律トラブルをみる保険です。
詳細は下記の関連記事にあるとおりですが、日常生活の事故やトラブル全般で被害事故、加害事故は問いません。
単純な補償範囲ならこちらの方がカバーされています。
被害者になったときのために、知っておきたい補償
交通事故や自転車の事故などの自衛の方法としては、被害者になったときに弁護士費用特約を付帯、また怪我ついて人身傷害保険を付けておくといいでしょう。
それそれ契約している車両以外の事故に補償範囲を広げることができます。
車両保険の付帯なども掛金は高いですが同じ考え方です。
自動車保険の弁護士費用特約の使い方と必要性
弁護士費用特約の使い方
必要最低限ということであれば、その家族間での自動車保険契約の1台に弁護士費用特約をつけておけば十分ですので、重複させる必要などはありません。
心配であれば日常生活の事故まで適用範囲を広げておきましょう。
この特約に限らず運転者年齢条件の設定なども家族間の変化(子ども結婚による別居、世帯離脱)の際には手続きが必要なことがあります。
保険証券や契約書類などにメモ書きなどを入れておくようにしましょう。多くの人が忘れることです。
弁護士費用特約の必要性は?いらない?
費用負担を考えると基本的にはついていてよい特約です。
自分が被害者になっても相手がきちんと対応してくれればこの特約は使うことはありません。
交通事故の相手は選ぶことはできません。
弁護士費用特約はいらないのではと考える人もいるでしょうが、事故でなるべく面倒を避けて選択肢を多く持っておきたいなら必要性は高いと考えます。
まとめ
交通事故での弁護士費用特約(自動車保険)の使い方と必要性!、についていかがでしたか。
家族や補償範囲及び費用などを考慮するとそんなにどうしようか悩む特約ではありません。
但し重複契約や適用できないケースなどは理解しておかないと肝心なときにストレスが溜まるのは他の補償と同じです。
自動車保険の補償も色々変わってきているので、こうしたことを踏まえて活用してください。
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