終身医療保険の払込方法~60歳払込と終身払いはどっちがお得?
医療保険の主流は終身医療保険ですが、掛金(保険料)の払込期間を終身払いか短期払い(有期払い)にするかで掛金(保険料)負担は変わります。
■この記事で学べること
【1】終身医療保険の払込方法・払込期間は複数ある
【2】医療保険の払込期間、終身払いのポイント
【3】払込期間、有期払い(60歳払込、65歳払込など)のポイント
【4】医療保険の払込方法を変更すると目先の保険料を変えることができる。
【5】終身医療保険を加入する際の払込方法(終身払・有期払い(60歳払込など)の考え方
終身医療保険の払込方法について終身払いと短期払い(60歳・65歳払込など)とのお得度についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
終身医療保険は保障が終身でも払込方法・払込期間は複数ある
終身医療保険の保険料払込方法・払込期間は大きく2つに分けることができます。具体的には次の2つです。
- 終身払い
- 有期払い(短期払いともいう、以下有期払い)
終身払いは保障が終身ついているのと同じように、保険料の支払いも生きている限り、契約の続く限り終身支払続けるというものです。
これに対して有期払いは、例えば保険料の払込期間を「60歳払込」や「65歳払込」などというように保障される期間(終身)より短期に指定した期間で掛金(保険料)の支払いします。
保険会社によって選べる払込期間はさまざまです。
必ずしも60歳払込、65歳払込だけではありません。例えば70歳でも75歳までの払込にすることも可能です。
しかし有期払いにするなら、なるべき現役のうちに保険料の支払いを終えておきたいでしょう。
そのため60歳あるいは65歳などという期間がよくでてくるわけです。
それでは次に終身医療保険の保険料の払込を終身払いあるいは有期払いにしたときのポイントなどについてみていきましょう。
医療保険の払込期間、終身払いのメリット・デメリット
最初に終身医療保険の保険料を終身払いにするときのポイントをみていきましょう。
メリット
- 月々の保険料が安い
- 有期払いより保険の見直しがしやすい
デメリット
- 保険料の支払い終身続くため、老後の家計負担が増える
- 長生きした場合、保険料負担が増える
終身払いは単純に保険料の払込期間が長く取れますから、月々の保険料負担は軽減することができます。
そもそも保険の見直し自体は終身タイプの医療保険よりも一定期間で満期になる(10年とか。○歳までなど)定期タイプの医療保険の方がより向いています。
終身タイプの医療保険の中で比較した場合には、終身払いを選択している方が見直しはしやすくなります。
医療保険の払込期間、有期払い(60・65歳払込など)のメリット・デメリット
こちらも同じようにメリットとデメリットに分けて考えてみましょう。念のためですが、60歳までなどの有期払い(短期払い)にしても終身医療保険であれば保障は終身ついています。
メリット
- 老後の収入が減少する前に、保険料の支払いを終えることができる。
- 総支払い保険料は終身払いよりも割安
デメリット
- 将来の保険料を前払いして払い終えるため、その前に解約すると損
- 毎月の保険料は終身払いに比べて高くなる
- 別な保険に乗り換えるときに不利
増税や社会保険料負担、そして収入が右肩上がりでの確実な上昇が見込めない中、早いうちに支払いを終えることができるのはメリットです。
一方で、保険料の支払い期間を短くしているためどうしても月々の保険料は終身払いと比較すると割高になります。
また後からもっと内容の優れた医療保険がでてきて、乗換える場合などは先の掛金を多く支払っているため不利になります。
有期払い(短期払い)で保険会社が経営破たんしたらどうなる?
早く支払いを終えるようにしても、契約先の保険会社が経営破たんしてしまったらどうなるのでしょう。生命保険契約は生命保険契約者保護機構によって保護されています。
正確には責任準備金の90%までは保護されます。ざっくり90%保護されるという覚え方でいいでしょう。
救済する保険会社が現われればそこが契約を引き継ぎ、現われなければ生命保険契約者保護機構が契約を引き継ぎます。
医療保険の払込方法を変更すると目先の保険料を変えることができる。
「終身払い」と「有期払い」は、保険料払込期間が違いますから、目先の掛金(保険料)もかなり変わります。
誰でも安い方が魅力的ですが、終身払いはずっと払い続けるから安いのです。
どちらがいい悪いではありませんが、単に目先の掛金が安くなるというだけでなく、老後もずっと支払い続けることができるかも考えましょう。
医療保険を終身で加入する際の終身払いか有期払い(60歳払込など)かの考え方
それでは終身医療保険の保険料の払込は、終身払いと有期払い(60歳、65歳払込など)のどちらがいいのでしょうか。
これは医療保険にいつまで頼るかで答えも変わってきます。いやいや終身医療保険なんだから終身頼るに決まっているだろうと思いますよね。
終身医療保険がいつまで必要か?
住宅に例えると有期払いは持ち家、終身払いは賃貸ということになります。
有期払いは住宅ローンのようなものですから、返済が終われば家は自分のもので一生住むことができます(一生保障がついてくる)。
対して終身払いは、賃貸のようにずっと家賃(保険料)を支払い続けなければなりません。その代わり好きなところに住むことができます(医療保険の切り替えがしやすい)。
ただし医療保険の乗り換えが気軽にできるのは、健康を維持できているときまでです。
保険はいつでも、誰でも、好きなときに加入できるものではありませんのでこの点は考慮する必要があります。
また一般的に年齢を重ねれば、保険料は見直しのたびに高くなります。
終身医療保険でも保障は色々変わっていく
保険というのはさまざまな要因で保障内容などはどんどん変わっていきます。さまざまな要因というのは、例えば医療技術の進歩、社会環境の変化、国の政策などです。
例えば何年も前から医療保険には「先進医療特約」を付帯するケースが増えていますが、第三分野の自由化がされたときには無かった保障です。
これは医療技術の進歩や環境の変化などによるものです。
他にも以前は入院が中心の医療でしたが、最近は入院期間が短くなり通院なども中心になりつつあります。
こうしたことは国の政策にも関係することです。
つまり終身医療保険は保障が終身ついていますが、10年、20年、30年と経過するうちに、その時代の医療技術や社会環境などに合わないものになっている可能性もあるのです。
このところ生命保険会社は、保険商品以外も予防や健康もキーワードにしています。
もっとも常に新しい保険を追いかけだしたらきりがないので、どこかで見切りをつけなければなりません。
終身医療保険は、終身払いと有期払い(60歳までなど)のどっち?
ある程度に頻度で保険の見直しも視野にいれるなら終身払いがいいでしょう。それなら定期医療がよいという意見もあるでしょうが、終身保険に頼る前提の場合です。
高齢になったら簡単に保険の乗り換えはできないので、どこかで線を引く必要はありますがまずはここを押さえてください。
逆に終身医療保障をカバーしつつ、保険料負担は収入のあるうちに終えておきたいというのであれば有期払い(60歳払込、65歳払込など)が合うでしょう。
しかし誰もが何歳まで生きるのか、どんな病気になるかは、その時でないとわかりません。終身医療保険に加入する以上は原則、医療保険と終身付き合うことになります。
単純な損得を考えるよりは、メンテナンス面の使い勝手などもよく考慮した方がいいでしょう。後は予算ということになります。
まとめ
終身医療保険の払込方法は60歳払込と終身払いはどっちがお得?、についていかがでしたか。
終身医療保険の保険料払込方法は、終身払いと有期払いのメリットとデメリットを理解して活用しましょう。
保険料の払込方法・払込期間が、終身払いがいいか?60歳(65歳)などの有期払いがいいか?はその後の使い勝手も含めて考えてください。
医療保険はいつでも、誰でも加入できるわけではありません。年を取るほど、金銭的・経済的な理由で加入のハードルが上がります。
そもそもの医療保険の必要性も含めて、人から勧められているときでも色々な角度から検討してみることが大切です。
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