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死後離婚/相続や遺族年金、子供の権利は?死後離婚のメリット・デメリット

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死後離婚とは何?

死後離婚とは?

最初に死後離婚について、そして現在どのくらい届出が出されているか統計を確認します。

死後離婚とは?

死後離婚とは、夫と死別した後に義理の両親や兄弟姉妹など配偶者側の親族との関係を解消することをいいます。死後離婚という言葉は造語です。

離婚という言葉を使っているので分かりにくいところがありますが、通常配偶者が死亡するとそれで婚姻関係は終わります。相手がいなくなっているため離婚することはできません。

色々な理由で例えば死後同じお墓に入りたくない、あるいは配偶者側の親族との関係を解消する意思表示ということです。亡くなった配偶者と離婚するというものとは違います。

なおこの記事では、夫の死亡後に妻が死後離婚するという前提で記事を書きます。夫が妻の死後に死後離婚するケースはそのつもりで読み進めてください。

死後離婚の状況

配偶者の親族との姻族関係を解消するには、「姻族関係終了届」を提出します。

法務省の戸籍統計によると2016年度の姻族関係終了届の件数は4,032件です。2015年度は2,783件ですから約1.45倍、10年前(2007年度)からみると2.2倍まで増えています。

出所:総務省の統計より筆者グラフ作成

姻族関係終了届を提出している年齢層まではわかりませんが、家族と親族の関係やあり方、お墓など昔のように画一的なものとはあきらからに変わってきています。

死後離婚のメリット・デメリット

死後離婚のメリット・デメリット

次に死後離婚で考えられるメリット・デメリットを挙げてみます。実際に死後離婚しようと思っても不利益などが多いようならためらうケースも多いでしょう。

メリット

  • 夫の親族関係(義理の両親や兄弟姉妹など)との関係の解消(解消したい場合)
  • 夫の配偶者としての権利関係に大きな変更はない

メリットという表現が正しいかは別にして死後離婚を考えるケースの一番はこれでしょう。

いびられた義理の両親の介護に関わりたくない、姑や小姑と同じお墓に入りたくない、夫と同じお墓に入りたくない、理由は色々あるでしょう。

もっとも義父や義母への扶養義務や介護などになると、必ず発生するものでもありません。また単純に死後は自分の親のお墓に入りたいという考えの人もいるでしょう。

いずれにしてもこうした親族との関係解消というのが一番です。配偶者の権利関係についてはこの後詳細を説明します。

デメリット

  • 子供を巻き込んで親族関係が壊れる可能性
  • 人によってはマイナスイメージを持たれる可能性

妻が夫の親族側との関係を絶つということですから、親族関係が悪くなることはあるでしょう。ここに子供を巻き込む可能性があること、子供の年齢によってはよく理解されない可能性もあるでしょう。

また死後離婚というもののよく分からない人も多いので、わざわざ親族関係を絶つことによくないイメージを持つ人もいます。

相続権や遺族年金などは死後離婚で影響がある?

死後離婚で相続や遺族年金はどうなる?

夫の他界した後に妻が死後離婚した際、相続権は失われることはありません。相続放棄となるのではなどと考える人もいるでしょうが、それは関係ありません。

同様に遺族年金などについても元々その要件を満たしているのであればこちらも受給することは可能です。

冒頭にお話したように死後「離婚」というので、配偶者との離婚を連想しますが、実際には離婚をしているわけではありません。

お金の事なのでその後の生活なども含めて気になるところでしょうが、相続や遺族年金を受け取る権利に大きな影響はないと考えてください。

死後離婚で子供と自分の戸籍や名字はどうなる?子供に不利益は?

死後離婚で子供も戸籍や名字は?

死後離婚を考える際に気になることの一つが子供のことでしょう。死後離婚の手続きについてはこの後で解説しますが、まずは妻が死後離婚の手続きをした後に子供にどう影響があるかみておきましょう。

死後離婚は所定の書類(婚姻関係終了届)を妻が提出することで行います。この書類はあくまで妻が自分のためにだすものですから、子供の戸籍や姓・名字にまで影響はありません。

その意味では子供と義父母などとの血縁関係は変わらないため、完全に夫側の親族と関係性を絶つことは難しいところです。

子供については死後離婚する前のままということなら、そんなに気にする必要もないともいえます。後は子供の気持ちや死後離婚に関する理解の部分というところでしょう。

死後離婚を何のためにするのか、をじっくり考えて進めるようにしてください。

死後離婚の手続き

死後離婚の手続き方法

親族関係解消の手続きとして「婚姻関係終了届」を提出します。さらに婚姻によって姓の変わった人が、配偶者との死別後に婚姻前の姓に戻すことを希望する場合には、「復氏届」も提出します。

具体的な要件はそれぞれ次のようになります。

死後離婚のための姻族関係終了届の手続き

書類の提出先 届出人の本籍地・所在地いずれかの市区町村役場
届出人 配偶者と死別した人
効力発生日 届出をした日
持参するもの 姻族関係終了届、印鑑、死亡の事実のわかる戸(除)籍謄本

死後離婚後の旧姓に戻すための復氏届

書類の提出先 届出人の本籍地・所在地いずれかの市区町村役場
届出人 配偶者と死別した人
効力発生日 届出をした日
持参するもの 復氏届、印鑑、戸籍謄本

なお、婚姻関係終了届、復氏届ともに提出先の窓口に用紙があります。ちなみに婚姻関係終了届は、死亡者の親族が手続きをすることはできません。

死後離婚されたら、、

死後離婚されてたら

夫と死別した後、死後離婚する妻という前提で記事を書きましたが、された側の人もいますのでこちらについても書いておきます。

死後離婚は婚姻関係終了届を提出するだけです。名字も戻すなら復氏届も提出します。いわゆる夫婦間の一般的な離婚届のように夫婦それぞれが署名する書類ではありません。

妻の意思で行うことなので残念ながら死後離婚された側からするとどうしようもありません。

まとめ

死後離婚/相続や遺族年金、子供の権利は?死後離婚のメリット・デメリット、についていかがでしたか。

死後離婚についてやる決断をしたのであれば、全体としてそんなに大きな影響はないというのは一つの結論です。

もっとも人間関係が一番ややっこしいので、絶つべき関係として手続きするのか、死後離婚の手続きをすることで関係が絶ってしまうのかも改めて考えてみてください。

実際に死後離婚をするならもろもろのことを熟慮して決めるようにしてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴20年。



・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約14年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は550本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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