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住宅ローン借り換えの条件と手数料(費用)の6つの注意点

住宅ローン借り換えの条件と手数料(費用)の6つの注意点
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住宅ローンの見直し方法の一つが「借り換え」です。借り換えには手数料や保証料など費用もかかるので注意しなければなりません。

■この記事で学べること

【1】住宅ローンの借り換え手順

【2】銀行で借り換えするための条件・目安

【3】借り換えに必要な手数料などの費用と金利

【4】住宅ローンの借り換えの必要書類

【5】住宅ローン借り換えの注意点

住宅ローンの借り換えをテーマにファイナンシャルプランナーが解説します。

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住宅ローンの借り換えとは?その条件と目安

住宅ローンの借り換えとは?その条件と目安

借り換えとは?

住宅ローンの借り換えとは、いまの住宅ローンを一旦完済して、条件の良い新しい住宅ローンに乗り換えることを言います。

借入れ当時は良い住宅ローンだったとしても、長い返済期間の間には金利が引上げられたり引き下げられます。

返済中より条件の良い住宅ローンに、あるいは変動金利型の住宅ローンで金利引き上げリスクを避けるために、新たなローンに乗り換えるのが借り換えです。

同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできるの?

同じ銀行で住宅ローンの借り換えはできないのが原則です。

借り換えはいまのローンを一旦完済するかたちになるので、銀行からしたら完済してくれたらそれで終わりです。

わざわざ手間ひま掛けて(また審査などして)銀行のビジネス上、相手にとって条件の良い(銀行は条件が悪くなる)ものに乗り換えさせる理由がありません。

但し金利には3タイプあります。

どのタイプの住宅ローンを利用していて次にどのタイプの住宅ローンに借り換えするかによって、同じ銀行で借り換えができるかどうかも変わります。

  1. 変動金利型
  2. 一定期間固定金利型
  3. 全期間固定金利型

違うタイプの住宅ローンだと可能なこともありますが、銀行によっても対応が異なります。

同じ銀行で借り換えはできないけれど、金利の交渉をしてみるなどの方法はあるでしょう。

その人と銀行との関係もあるでしょうから、状況によっては交渉に応じることもあるでしょう。

基本的に多くの銀行で積極的に声がけすることではないことは認識しておきましょう。

住宅ローンの借り換え条件と目安

住宅ローンの借り換えを考えている人は、変動金利型や一定期間固定金利型などで金利が変わるタイミングや借り換えの明確な基準がないと、なかなか借り換えしていいのか判断に困ることも多いでしょう。

  • 金利差1%以上
  • 住宅ローンの残りの期間10年以上
  • 住宅ローン残1,000万円以上

この条件がよく言われていた時期がありますが、いまはこの条件は必ずしも借り換えの目安にはなりません。

かつてないほどの低金利が続いていることや住宅ローンも自由化における競争の結果、条件が良い住宅ローンが出てきているためです。

実際に借り換えを行うと新しいローンの金利が安ければ有利ですが、手数料や保証料など費用がかかります。

単純な話これらの費用を支払ってもそれ以上に得なら住宅ローンの借り換えをする価値があるということです。

借り換え前後における金利差の目安として0.5%程度を一つ目安と考えておくといいでしょう。

0.3%くらいの金利差でも諸費用の差額でプラスになることもありえます。

問題はその収支です。審査や書類を整える手間ひまをかけて数万円程度の収支ならやらない方がよいという判断になります。

いまの住宅ローンの条件次第ですが、各銀行で借り換えのためのシミュレーションツールを公開しているので使ってみるといいでしょう。

【参考】

住宅金融支援機構 借り換えシミュレーション
一般社団法人全国銀行協会 ローン借り換えシミュレーション

各銀行で似たようなシミュレーションツールを用意しているので使ってみてください。

住宅ローンを借り換えする手順

住宅ローンを借り換えする手順

実際に住宅ローンの借り換えは、次の手順で行います。

  1. 借り換えをするべきかの検討
  2. 住宅ローンの借り換えのための仮審査申し込み(借り換え先の銀行)
  3. 仮審査が通過後、本審査申し込み(借り換え先の銀行)
  4. 本審査の通過後、現在返済している金融機関は一括返済の申し込み(現在の借入先の銀行)
  5. 借入中の銀行へ一括返済の申し出をする
  6. 借り換え先の銀行に、借り換えの本申し込み
  7. 借り換えの実行

借り換えの比較に必要な手数料(費用)と金利

借り換えの比較に必要な手数料(費用)と金利

住宅ローンの借り換えには手数料や保証料が必要です。

結構な金額になりますから、借り換えをすることで収支が合うかをチェックしなければなりません。

借り換えにかかる諸々の費用の項目は、最初にローンを借りたときの手数料あるいは諸費用とそんなに大きく変わるものではありません。

借り換えの場合には、すでに物件に設定されている抵当権を移す必要があるので(今の銀行→借り換え先の銀行)、抵当権抹消費用がはじめのときとは異なります。

借り換えにかかる主な手数料・費用

住宅ローンの借り換えに必要な主な手数料や費用についてみていきましょう。

■事務手数料

住宅ローン借り換えの契約の際に必要な手数料。ネット銀行だと安いものが多く借入金額の2.1%程度、大手都銀だと31,500円程度。

■保証料

住宅ローンを利用するときに必要費用で、概ね金利に+0.2%位が上乗せされている。

一括前払いの方法だと50万円~150万円程度、ネット銀行は、保証料が無料が多い代わりに事務手数料が高めに設定。

■印紙税

契約書に貼る印紙費用で、1,000万円以上5,000万円以下場合に2万円。

■抵当権抹消費用

先ほどの借り換えの際に必要な抵当権を抹消するための費用で1~2万円程度。

■抵当権設定費用:登録免許税

抵当権は抹消の費用だけでなく、設定する場合には税金が必要で借入額の0.4%

■抵当権設定費用:司法書士報酬

物件の登記申請について司法書士に依頼する報酬、5万円~10万円程度。

このように住宅ローンの借り換えにはそれなりの手数料や費用が必要です。

借り換えに必要な書類とは?

借り換えに必要な書類とは?

住宅ローンの借り換えに必要な書類は、最初の手順にあった段階ごとにそれぞれ求められる書類があります。

借り換えの審査申し込み時点で必要な書類

■本人確認書類

健康保険証、運転免許証等

■収入の審査にかかる書類(直近の1年分)

  • 住民税の課税証明書
  • 住民税課税決定通知書
  • 給与所得の源泉徴収票
  • 確定申告書の控え
  • 所得税の納税証明書

■いまの住宅ローン等にかかる書類

  • 返済予定表
  • 返済用口座の通帳(口座引き落しで返済中の場合)
  • 給与・賞与明細(給与 (賞与 )天引きで返済中の場合)

※他の住宅ローンがある場合、その他ローンがある場合にもそれぞれのローンについて上記の書類

※自営業者、会社役員の場合、給与明細などに代えて、確定申告書の控え、所得税の納税証明書、法人の決算報告書、法人税の納税証明書、法人事業税の納税証明書が必要。

銀行の求めに応じた年数分(例えば2年など)

■物件の審査にかかる書類

  • 重要事項説明書物件に関する書類
  • 不動産登記簿謄本(土地)、(全部事項証明書)
  • 不動産登記簿謄本(建物)、(全部事項証明書)

契約時に必要な書類

本人確認書類(顔写真つき)、実印、印鑑登録証明書(発行後1ヶ月以内)、住民票の写し(発行後1ヶ月以内のもの)、収入印紙、登記識別情報通知(不動産登記済権利証)

書類などは原本です。

手数料や費用がかかることもありますが、取り揃える書類のこのように多岐にわたります。

※具体的に借り換えに必要な書類は、借り換え先の銀行等に必ず確認してください。

住宅ローン借り換えで知っておくべき注意点・チェック事項

住宅ローン借り換えで知っておくべき注意点・チェック事項

借り換えの目的は明確にしておく

住宅ローンの借り換えをするのは、現在の住宅ローンよりも借り換え後の方が金利が低いからなのは当然のことです。

その先まで明確にしておくと、検討する際に軸がぶれません。

  • 総支払返済額を減らす
  • 毎月の返済額を減らす
  • 変動金利型などの金利上昇対策

この3つが多いと思いますが重複するケースもあるでしょう。

他には住宅ローンも色々なタイプが出てきているので、使い勝手がよくなっているなどのこともあるので、そこも何とかしたいということも考えられます。

まずは借り換えの目的について、何をどうしたいのか全体を俯瞰して整理してみてください。

金利だけでなく、借り換えの手数料・各種費用を比較する

いまより金利が低くなって返済が有利になっても、ここまで解説したように借り換えは色々と手数料とコストがかかります。

全体でどのくらいの費用がかかって、借り換えでどのくらい返済が変わるのか事前に吟味しましょう。

違う金利タイプに借り換えはメリット・デメリットを確認する

変動金利型や一定期間固定金利型、全期間固定金利型などそれぞれメリット・デメリットは異なります。

違う金利タイプに変更する際には、この部分をきちんと理解して借り換えしてください。

例えば全期間固定金利型から金利が安いから変動金利型にすると変動の方が金利は低いので返済は楽になります。

ただし、変動金利は金利の上昇リスクがあります。

逆に変動金利型から金利上昇を抑えたいから、固定金利型に借り換えると借り換えによって金利が上がります(固定の方が高いため)。

これによって将来の金利上昇リスクは避けられますが、借り換えして負担が変わらないあるいは多くなったということもありえるのです。

こうしたそれぞれの金利タイプの特徴をチェックしてください。

借り換え後の完済時の年齢は?

完済時に80歳未満であれば、一般的に住宅ローン上は問題がありません。しかし家計に問題がないかというと別の話です。

75歳を超えて住宅ローンが残っていたら返済できるか冷静に考えてみてください。

一定水準以上の収入が維持できていなければ、老後の生活が成り立ちません。

借り換え前が無理なローンであるとか返済を楽にしたいから返済期間を伸ばすなどしなければ、この部分の心配は無用のはずですが、人生後半のライフプランも考えてみましょう。

転職は借り換え前にしない、他のローンにも注意

借り換えも新規の場合と同様に審査があります。転職すると勤務年数や年収が変わってきます。

起業する意向があるなら、開業したばかりでは信用が全くないくらいに考えておいてください。

他にローンなどがあれば整理しておきましょう。

借り換えると団信も切り替えるので、健康状態も気にしておく

団信(団体信用生命保険、以下団信)は、病気や怪我の際に住宅ローンの返済をサポートするものですが、こちらも切り替わります(保険ですから健康状態も関係あります)。

ワイド団信という民間の生命保険会社でいう引き受けの健康状態の審査が緩いタイプもあります。

その分掛金に相当する負担は普通のものより大きくなります。

他にもこのところ団信の保障が拡大傾向で、就業不能状態や自然災害補償などまで対象が広がっているものもあります。

色々調べてみましょう。

こうした保障をつける際、上乗せ金利ゼロのケースがありますが、給付条件が細かいときもあるので無料に踊らされずに確認が必要です。

他にも財形住宅融資などの公的な住宅ローンへの借り換えはできませんので覚えておいてください。

まとめ

住宅ローン借り換えの条件と手数料(費用)の6つの注意点、についていかがでしたか。

住宅ローンは多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。金額が大きく期間が長いため、僅かな金利差が大きな違いを生みます。

将来の金利情勢などを見据えながら、住宅ローンの借り換えを積極的に活用しましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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