自賠責保険の値下げ改定(2021年4月)と改定後の新料金表~返金される?
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)が2021年(令和3年)4月から値下げ改定されました(自賠責共済含む)。2年連続での値下げ改定です。
■この記事で学べること
【1】自賠責保険の平均値下げ改定率
【2】自賠責保険の新料金表(2021年4月1日~)
【3】値下げによって返金される?
2021年4月からの自賠責保険の新料金(新保険料)を中心に改定内容についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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自賠責保険が値下げ改定される背景と平均値下げ改定率(2021)
自賠責保険は2017年にも9年ぶりに値下げ改定されているため、この2017年~2021年の4年ほどの間に合計3回引き下げられたことになります。
2年連続での値下げ改定となった自賠責保険ですが、はじめにその背景と平均改定率をみていきましょう。
自賠責保険の値下げ改定の背景
自賠責保険が2年連続で値下げとなった背景には次のようなものがあります。
- 先進安全技術の普及促進等による交通事故の減少
- 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛等による滞留資金への影響
最も大きいのが自動運転関連の先進安全技術の普及による交通事故の減少です。
また自賠責保険はノーロス・ノープロフィットの原則(利潤や損失が生じない)により滞留資金(過去の契約分の収支の差額や利息)も保険料に反映されます。
これらの要因により2020年4月の料率改定時の見込みより自賠責保険の収支が改善、また滞留資金が増加することが見込まれることが要因です。
自賠責保険の平均値下げ改定率
2021年4月1日の値下げ改定より自賠責保険の基準料率が「平均6.7%」引き下げられます。
※全車種平均ですので、車種や保険期間などによって改定幅は異なります。
ちなみに自家用乗用車の場合、ここ数年は次のように自賠責保険料が推移しています。
【参考】自家用乗用車 保険期間24ヵ月(本土)の場合のこの数年の保険料推移
- 2013年4月改定時 :27,840円
- 2017年4月改定時:25,830円
- 2020年4月改定時:21,550円
- 2021年4月改定時:20,010円
2013年の改定では自賠責保険料が引き上げられましたが、それ以降の改定では値下げとなっています。自家用乗用車の場合、24ヵ月で約2万円ですからかなり安くなりました。
2021年4月1日改定後の自賠責保険の新料金表
それではここから値下げ改定される2021年4月以降の自賠責保険料を主な車種別にみていきましょう。
掲載している保険料は本土用ですので離島地域は別になります。
掲載保険料の出所は、損害保険料率算出機構の公表している自賠責保険の基準保険料表を元に筆者が本土用の一部車種を抜粋して作成したものです。
なお、改定前の自賠責保険の料率は関連記事をご覧ください。自賠責保険料は損保各社共通です。
自家用乗用車・自賠責保険料金表(本土用 2021年4月1日以降)
自家用乗用自動車 | |
37ヶ月 | 27,770円 |
36ヶ月 | 27,180円 |
25ヶ月 | 20,610円 |
24ヶ月 | 20,010円 |
13ヶ月 | 13,310円 |
12ヶ月 | 12,700円 |
軽自動車(検査対象車)・自賠責保険料金表(本土用 2021年4月1日以降)
軽自動車(検査対象車) | |
37ヶ月 | 27,330円 |
36ヶ月 | 26,760円 |
25ヶ月 | 20,310円 |
24ヶ月 | 19,730円 |
13ヶ月 | 13,150円 |
12ヶ月 | 12,550円 |
バイク/原付・自賠責保険料金表(本土用 2021年4月1日以降)
バイク・小型二輪車(250cc超)
バイク(250cc超) | |
37ヶ月 | 11,390円 |
36ヶ月 | 11,230円 |
25ヶ月 | 9,440円 |
24ヶ月 | 9,270円 |
13ヶ月 | 7,440円 |
12ヶ月 | 7,270円 |
バイク(125cc超250cc以下)
バイク(125cc超250cc以下) | |
60ヶ月 | 16,220円 |
48ヶ月 | 14,110円 |
36ヶ月 | 11,960円 |
24ヶ月 | 9,770円 |
12ヶ月 | 7,540円 |
原付バイク等(125cc以下)
原付バイク等(125cc以下) | |
60ヶ月 | 13,980円 |
48ヶ月 | 12,300円 |
36ヶ月 | 10,590円 |
24ヶ月 | 8,850円 |
12ヶ月 | 7,070円 |
自家用小型貨物・自賠責保険料金表(本土用 2021年4月1日以降)
自家用小型貨物 | |
25ヶ月 | 23,870円 |
24ヶ月 | 23,150円 |
13ヶ月 | 15,020円 |
12ヶ月 | 14,280円 |
自家用普通貨物・自賠責保険料金表(本土用 2021年4月1日以降)
自家用普通貨物2トン超
自家用普通貨物 ( 2トン超) | |
25ヶ月 | 37,980円 |
24ヶ月 | 36,710円 |
13ヶ月 | 22,430円 |
12ヶ月 | 21,130円 |
自家用普通貨物2トン以下
自家用普通貨物(2トン以下) | |
25ヶ月 | 33,840円 |
24ヶ月 | 32,730円 |
13ヶ月 | 20,250円 |
12ヶ月 | 19,120円 |
自賠責保険の値下げされた分は返金される?
自賠責保険の値下げによってすでに支払った保険料は返金されることはありません。
自賠責保険だけでなく、任意の自動車保険や火災保険、傷害保険などでもすべての保険は保険契約の始まったとき(保険始期)を基準に保険料や規定が決まっています。
そのため自賠責保険料は改定される前のルールで決められているものはその時点のものが正しい保険料です。
自賠責保険が値下げ改定されても返金されないのです。
自賠責保険が値下げ改定が続いていますが、仮にその都度返金をする仕組みにすると、逆に値上げ改定された場合でも後から差額を請求することになります。
実際に値上げや値下げ改定するたびに差額を請求したり、返金したりしていたら、事務が複雑になりすぎて制度が機能しません。
どの時点の制度に基づいて曖昧になるので、契約した保険始期(保険のはじまったとき)のルールや保険料が基準になるのです。
まとめ
自賠責保険の値下げ改定(2021年4月)と改定後の新料金表~返金される?、についていかがでしたか。
ちなみに任意の自動車保険も2021年1月から一部損保で改定しているところがあります。
契約内容によって保険料アップおよびダウンとなるでしょうが、若干引き下げのイメージのようです。
先進安全技術の恩恵はしばらく続くでしょうから、自賠責保険料については朗報と言っていいでしょう。
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