年末調整を自分でやることはできる?~ダブルワーク・副業の年末調整~
会社員の人でさらに副業・ダブルワークの人は年末調整がわからない人は珍しくありません。年末調整を自分でやりたい人、自分でできないか考えている人もいるでしょう。
■この記事で学べること
【1】年末調整を自分でやる方法はある?
【2】年末調整と確定申告の両方必要な場合、自分でできることは?
【3】ダブルワークや副業などの場合、年末調整はどうなる?
年末調整を自分でやる方法を調べている人やダブルワークの人の年末調整と確定申告について、知っておきたい基礎知識とポイントについて解説します。
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*この記事は年末調整する人で副業・ダブルワークしている人を前提にしています。
この記事のもくじ
年末調整を自分でやる方法はある?
年末調整を自分でやる方法があるかについて先に結論をお話しつつ詳細をみていきましょう。
年末調整は自分でやることはできない
年末調整は給与を支払っている会社が所得税を給与天引きして、従業員に代わってまとめて支払っている制度です。
年末調整を受けることのできる人は、会社などに勤めている給与所得者ですが、納税者本人が自分で年末調整をすることはできません。
まずはこれがこの記事のテーマの結論です。
納税については年末調整の他に確定申告がありますが、確定申告は自分で手続きすることになります。
なお、確定申告についてはこの後解説します。
年末調整の基礎知識と自分でできない理由
年末調整の基礎知識
会社員の人などは給与天引きで所得税が源泉徴収されています。
一般的にはこれでその年(1/1~12/31の1年間)の納税が完了しているのです。
しかしながら年の途中で新たに生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)、地震保険等に加入したり、結婚や出産などで扶養家族ができたりすることがあります。
そうするとこれらに対して「控除」が使えるケースでは、源泉徴収していた所得からさらに所定の金額を差し引くことができるのです。
簡単に言うとその分税金が安くなります。この税金の差額の再計算による精算が年末調整です。
年末調整を自分でできない理由
給与天引きしている勤務先企業では、これら従業員の個別の事情までは逐一詳細を把握することができません。
そのため払い過ぎた税金を改めて計算して払い過ぎた税金を再計算して精算しましょうというのが、「年末調整」の手続きなのです。
年末調整は、もともと勤務先企業が会社が給与天引きで源泉徴収していた所得税の精算手続きを従業員の代理でまとめて行う手続きです。
つまりもともと代理の手続きなので、自分で代理の手続きをするということ自体がないのです。
勤務先が代理手続きなら、自分でやる方法はあると考える人もいるでしょう。
もちろんありますが、その方法が「確定申告」です。
念のためですが、確定申告をすれば勤務先企業が年末調整しないかというと通常はそんなことはありません。
年末調整と確定申告の両方必要な場合
年末調整も確定申告も方法は違いますが、いずれも所得税を支払う仕組みであることに変わりありません。
確定申告は1年間(1/1~12/31)の所得に対して、自分で所得税を計算して後払いするかたちで納税します。
年末調整する人の場合、確定申告と両方必要な人がいますが、正確には次の3パターンがあります。
- 年末調整をしている上で、「確定申告をした方がいい人」
- 年末調整をしている上で、「確定申告をしなければならない人」
- 年末調整をしている上で、「確定申告をしなくていい人」
多くの会社員は年末調整している上で、確定申告をする必要がない人に該当するでしょう。
例えば住宅購入をして住宅ローン控除を受ける初年度は確定申告が必須です。
他にも医療費控除と受ける、災害で被災して雑損控除を受ける場合などは確定申告をした方がいい人になります。
年末調整を自分でやりたいと考えている人は、本業である勤務先からの給与の他に副業やダブルワーク、あるいはその他から別な所得がある人が多いでしょう。
年末調整は勤務先で行いますから、その上で必要があれば確定申告をしなければならない、あるいは確定申告をした方がいいということになります。
実際にはどのような収入を得ているかで対応方法が変わります。
ダブルワークや副業などの場合、年末調整はどうなる?
ダブルワークの場合の年末調整
働き方も色々変わってきており、ダブルワークや副業がOKな会社も出てきていますが、まだまだ禁止しているケースが多いでしょう。
しかし正社員とは違いパートあるいはアルバイトの場合、仕事を掛け持ちしていることが珍しくありません。
なかには正社員でも勤務先に内緒でバイトしているケースなどがあるかもしれません。
ダブルワーク・副業していて2カ所から給与を受けている人でも、年末調整は1つの勤務先で行います。
年末調整は払い過ぎた所得税を再計算して精算することと解説しました。
複数の勤務先企業で年末調整すると、各種控除などが重複して行われる可能性があるからです。
これではせっかく年末調整しているのに却って混乱を招きます。
そもそも2カ所から給与を受けていると確定申告が必要になります。
勘違いしないでほしいのですが、これは2カ所から「給与」を受けている場合の話です。
ダブルワークの一つが、会社からの給与でなく転売などで事業をしているなら原則として確定申告が必要です(要件はあります)。
ダブルワークで「どのような所得(給与所得、事業所得など)」を「いくら」受けているかですることは個別に違うと考えてください。
ダブルワークで年末調整したら勤務先にばれる?
確定申告する人は、住民税の支払いを普通徴収(納税通知書で自分で支払う方法。給与から天引きされるのは特別徴収)にした方がいいでしょう。
詳細は下記の関連記事を見てほしいのですが、できれば所轄の役所の住民税課などに事情を話してどういうことが可能か相談してください。
給与所得者の住民税は特別徴収するのが通常なので、一般論でいうと勤務先と相談してという話になるでしょう。
その地域の行政でこう対応しているという個別のケースもあるので、これは聞いてみないと分かりません。
勤務先の企業に住民税の知識がある人がいるとバレる可能性は高くなるでしょう。
まとめ
会社員の人は通常は年末調整で所得税の納税は済みますが、確定申告についても色々調べてみてください。
自分の納税にかかることですから、知っておくと役に立つことが多いはずです。
ダブルワーク・副業の人はできればこれらをはじめる前に所得税や住民税の取り扱いがどうなるか調べてからはじめるといいでしょう。
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