【団信特約はつける・つけない?】住宅ローン団信特約の必要性の基準
住宅ローンの団信には特約があり、がん団信や三大疾病団信など複数あります。一方で団信特約をつけるかつけないかで迷っている人も多いでしょう。
■この記事で学べること
【1】住宅ローン団信特約をつける・つけないの基準
【2】住宅ローン団信特約の種類と特約保険料
【3】団信特約は一般の保険の代わりになる?
住宅ローンの三大疾病やがんなど団信特約について必要・不要の基準や考え方についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
住宅ローン団信特約をつける・つけないの判断基準
結論
【結論】各特約の給付要件を理解して予算が許すなら、団信特約はあり
団体信用生命保険(以下、団信)は、もしものときに住宅ローンを保険金で返済してもらえる保険です。団信そのものは死亡や高度障害が対象です。
高額な住宅ローンを返済する上で団信そのものは必要と考えてください。
これに加えて団信特約をつけるとなるとさらに上乗せ金利等が必要なケースが多いため躊躇する人も多いでしょう。
解説に入る前にまずは団信特約のメリット・デメリットをみておきましょう。
団信特約のメリット
- 死亡・高度障害以外の長期の治療にも対応できるケースがある
- ある程度高い年齢まで返済する人は病気になるリスクが高いので必要性が上がる
- 医療技術の進歩で死亡以外の長期治療、在宅療養のリスクに対応できる
- 要件に該当すれば死亡や高度障害でなくても住宅ローンの返済がゼロになる
団信特約のデメリット
- 給付対象となるには所定の条件がある(通常の保険より範囲が狭いことも)
- 特約保険料が上乗せされる
- 途中解約できない
デメリットで注意してほしいのは、通常の保険と比べて保険の適用要件が狭いことがあることです。
例えば団信の三大疾病保障特約です。
急性心筋梗塞や脳卒中の場合、60日の労働制限などがついています(他にもある)。
通常の医療保険などの三大疾病保障の特約などは、こうした制限を緩和しているものが増えています。
下記の関連記事に以前の三大疾病保障と現在の給付要件の違いなどを細かく書いているので参考にしてください。
住宅ローン団信特約をつけた方がいい人、つけない方がいい人
次に該当するような人は一般的に住宅ローンの団信特約の必要性が高く、付帯することを検討した方がよいということになります。
- 住宅ローンの完済年齢が高く、返済中に病気になるリスクが高い人
- 持病を持っていて住宅ローンを利用する人
- 住宅ローンの返済を一人で行い、病気になると返済がすぐに滞る可能性が高い人
- がんや三大疾病、八大疾病、就業不能、失業、自然災害などに対するリスクに不安がある人
逆にこれらに該当しない、考え方にそぐわないという人は、団信特約を無理につけない方がいい必要性の低い人です。
はじめに解説したように保険である以上、給付要件があり病気になったら何でも住宅ローンが免除されるわけではありません。
適用条件などをよく確認して予算と相談しながら方向性を決めてください。
なお、現在通常のがん保険や三大疾病保障保険(特約)に加入している場合、重複する部分はあるものの保障内容や期間が異なる点には注意してください。
これについてはこの記事の最後に解説します。
団信特約の主な種類と特約保険料
団信の特約というとがん保障特約や三大疾病保障特約(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし団信の特約の保障は、現在ではさまざまな保障があります。
団信特約の主な種類
【団信特約の主な保障】
- がん保障特約
- 三大疾病保障特約(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)
- 八大疾病保障特約など(がん、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)
- 全疾病保障特約(就業不能)
- 介護保障特約
- 失業保障特約
- 自然災害保障特約 など
八大疾病保障だけでなく、最近は11大疾病保障なども最近は発売されており、金融機関によって違いがあります。
また勤務先企業の倒産や解雇など非自発的失業や台風や地震など自然災害に対応する保障もでています。
団信特約の保障範囲はかなり広がっているのです。
団信特約の保険料の目安
団信の特約の保険料はその多くが、住宅ローンの金利にさらに上乗せ金利を支払うことが一般的です(保険料を外枠で支払うケースもある)。
保険料は金融機関や保障内容などによって異なりますが、住宅ローンの金利に0.1%~0.5%くらいの上乗せ金利と考えてください。
なかには上乗せ金利をなしの無料で団信の特約を提供する金融機関もあります。
これはこれでありがたいですが、保険の適用要件はしっかりチェックするようにしておきましょう。
団信特約は一般の保険の代わりになる?
団信の特約を考えるときにすでに加入している保険がある場合、その保険で対応できると考えがちです。
特に団信のがん保障特約、三大疾病特約などは尚更です。
しかし重複する部分がある一方、両者は主旨がそもそも異なるのです。
- 団信の特約:住宅ローンの返済支援
- 通常の保険:医療費などへの備え
どちらも家計の助けになりますが、このように本来の目的が違います。
団信の特約の場合、支払い要件に該当すれば所定の期間住宅ローンの返済が免除されたり、その時点での住宅ローンがゼロになります。
医療保険やがん保険、三大疾病保障保険(保険)で一時金を支払うケースはありますが、住宅ローンがゼロになるほどの金額は支払われません。
また住宅ローンの団信の特約は、返済が終われば保障もなくなります。
仮に35歳から65歳まで住宅ローンの返済をするなら、65歳で保障はなくなります。
通常の保険で終身タイプの保険(終身医療保険、終身がん保険など)であれば、保障は一生涯続きます。
似ているようですが、主旨が異なるのでそこが分かった上で使い分けるなり、保障を見直すなりしてください。
まとめ
住宅ローンの返済は長期に渡ります。
その間、世の中の状況は住宅を購入したときと大きく変わっていくこともありえます。
例えばいまは医療技術も進んでいるので病気になることがすぐに死亡に繋がらないケースも少なくありません。
がんの生存率も上がっています。治療を続けながら住宅ローンの返済を続けるということも考えられるのです。
2010年以前くらいに比べると自然災害はいまほど多くありませんでしたし、コロナ禍のような状況で勤務先が倒産したり、失業するなど誰も考えられなかったことでしょう。
住宅購入を余裕たっぷりで利用する人は少ないので、上乗せ金利分をどうするか悩ましいところです。
はじめにお話したように保険の適用要件をよくチェック・理解して予算に問題がないなら前向きに考えてみてください。
その上で団信の特約はつけないという選択はもちろんありです。
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