火災保険で水道管破裂や凍結、水濡れ事故による損害は補償される?
冬に水道管が破裂したり、凍結して水道管や水漏れ損害が発生することがあります。水道管の破裂や凍結に火災保険や火災共済がありますが注意点もあります。
■この記事で学べること
【1】火災保険の水道管修理費用保険金とは?
【2】火災保険の「破裂・爆発」補償と水道管破裂
【3】火災保険の水道管修理費用保険金の注意点
水道管破裂や凍結、そこからの水漏れ損害と火災保険との関係についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
凍結による水道管破裂をカバーする火災保険の補償
火災保険の水道管修理費用保険金
水道管凍結による破裂について他にカバーする補償はないかというと損害保険会社によってはあります。
それが「水道管修理費用保険金」というもので火災保険の費用保険金の1つです。
火災保険の補償には、「火災」「落雷」「風災・ひょう災・雪災」「盗難」などがありますが、これらのメインの補償を総称して「損害保険金」といいます。
このメインの補償に加えて「費用保険金」と呼ばれる補償があります。
事故や災害によって直接その損害をカバーする損害保険金に対して、付随してプラスアルファの費用を支払う補償でいくつか種類があります。
水道管修理費用保険金もその一つです。
*付帯の有無や名称は損害保険会社によって異なります。
この水道管修理費用保険金は、具体的にはその建物の専用の水道管が凍結などによって破損して、これを修理するときの費用を支払うものです。
一般的に水道管修理費用保険金は、1事故あたりの金額は10万円などの限度額が設けられており、これ限度額を上限に実費を支払うものです。
費用保険金として支払われますから、これを破裂した水道管の修理費用などに充てることができます。
気候変動が騒がれる状況で自然災害が多発していますが、例えば冬の季節に気温が低い状況が続くと水道管凍結による破裂事故なども想定しておく必要があるのです。
水道管修理費用保険金は、選び付けするというより商品によってはじめからついています。
こうした事故も想定されるようであれば検討してみるといいでしょう。
火災共済で水道管の破裂・凍結事故はカバーされる?
損害保険会社ではなく、各種の共済で火災共済に加入している人もいるでしょう。
共済の場合、保険ではないので保険金という言葉は使わずに共済金といいます。
また共済の場合、その共済ごとに水道管の破裂や凍結の保障の有無や内容は共済ごとに異なるので注意してください。
参考までにメジャーな火災共済である以下の2つには「水道管凍結修理費用共済金」が付帯しています。
- こくみん共済coop(全労済)「住まいる共済」
- JA共済 建物更生共済「むてきプラス」
火災保険の「破裂・爆発」の補償と水道管破裂
水道管の破裂や凍結の事故に対して「水道管破裂保険」というような保険商品があるわけではありません。
住まいに関連する事故やトラブルといえば火災保険や火災共済です。
これらの補償の中に水道管の破裂や凍結による事故を補償できるものがあるかどうかということなのです。
破裂・爆発の補償
水道管の破裂にかかる事故があった場合、勘違いしがちな火災保険の補償を確認しておきましょう。
一般的な火災保険には、「破裂・爆発」と呼ばれる補償が付いています。
この破裂・爆発による火災保険の補償は、いわゆる「ガス爆発」などを対象にした補償です。
そのため水道管破裂により発生した損害については、破裂・爆発による火災保険の補償では適用されません。
破裂という言葉が入っているので勘違いしがちですが、間違えないようにしてください。
一方で、火災保険には他に「水濡れ」という補償があります。損害保険会社によっては選択肢して付帯する補償です。
例えば、給排水設備の事故による損害や火事の際に消火のための放水による被害などはこの水濡れの補償でカバーすることになります。
例えば水道管の破裂や凍結で水が漏れたことによって事故が起こった場合には水濡れ事故の補償でカバーすることができるのです。
なお、事故発生の原因となった水道管などの給排水設備そのものの修理代などは補償されませんので注意が必要です。
損害賠償事故となった場合
水道管の損傷で水漏れ事故が起きた場合、損害を受けるのは必ずしも自分とは限りません。
マンションなどであれば階下の居住者に被害が及びます。
こちらが加害者になる場合、火災保険などに「個人賠償責任補償」などの特約で被害者に損害賠償をします。
火災保険水濡れの補償では相手に損害賠償できないので覚えておきましょう。
水道管修理費用保険金の注意点
水道管修理費用保険金に1事故10万円程度の限度額があることはすでにお話したとおりで大切なポイントです。
この他にもパッキング(配管などの接続部に取り付けられるゴム製部品)のみの損害は除外されていたり、火災保険の対象に建物が含まれていることが前提だったりします。
持ち家で火災保険に加入する人で建物部分に火災保険を付けない人はいないでしょうが、家財だけの契約などではこの補償は適用されません。
また分譲マンションなどのいわゆる区分所有建物の場合、専有部分の火災保険であれば共用部分の専用水道管も除外されています。
水濡れ事故が起きた場合に分譲マンションでは、事故発生の原因や発生場所によって「誰の保険の」「どの補償」が対象になるかが変わってきます。
そのようなケースでははじめに水濡れ事故の原因調査が必要です。
マンション管理組合や管理会社などを通じて対処するようにしてください。
水道管の凍結というのは、日常なかなか目が届きにくい箇所です。真冬になると気温が氷点下になる地域や雪の多い地域の人の方が、こうした事故に注意します。
むしろこうした地域でない人の方がこうした事故やトラブルに注意を払わないことも珍しくありません。
寒い冬の時期には水道管凍結による破裂事故もありえるものです。
住まいの専用水道管の状況などがどのようになっているか、火災保険でどこまで補償されるものなのかも含めてチェックしておきましょう。
まとめ
水道管の破裂や凍結、そこからの水漏れ事故などは意外と発生します。
水道管の凍結なども雪国などに限らず、気温がマイナスになるような日には都心部でもあり得る話です。
水道管に関連する補償のチェックも忘れれないようにしておきましょう。
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