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【P2P保険】保険金をわりかん・保険料後払いの仕組みの保険とは?

【P2P保険】保険金をわりかん・保険料後払いの仕組みの保険とは?
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P2P保険(ピアツーピア)という仕組みが異なる保険が登場しています。日本ではわりかん保険という名称でも浸透し始めているようです。

■この記事で学べること

【1】P2P保険とは?わりかん保険の仕組み

【2】日本のP2P保険の取り扱い先(ジャストインケースなど)

【3】既存の保険とP2P保険との違い

【4】割り勘するP2P保険のメリット・デメリット

【5】わりかん保険の継続販売と今後の可能性

日本でもはじまったP2P保険(わりかん保険)についてファイナンシャルプランナーが解説します。

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P2P保険(ピアツーピア)とは?わりかん保険の仕組み

P2P保険(ピアツーピア)とは?わりかん保険のその仕組み

P2P保険とは?

P2P(ピアツーピア)とは、「Peer to Peer」の略です。

もともと言葉として通信ネットワークなどで使われている言葉のようですが、これが保険などでも使われるようになりP2P保険と呼ばれています。

本来保険の仕組みは加入者の助け合いによって成り立っている制度です。

P2P保険は、同じリスクに対する保険(例えばがんなど)に興味がある人の集団の参加者が、みなで掛金(保険料)を支払います。

保険事故(例えばがんになったなど)の際、保険金の支払いがどのくらいあったかによって後から保険料が決まり、参加者みなでそのリスクを分担(シェア)する仕組みです。

理論上は契約者に保険金の支払いが発生しなければ、加入者の保険料はゼロになります。

P2P保険であるわりかん保険の仕組み

日本のP2P保険である「わりかん保険」では、次のように保険料を徴収します。

保険料は月の契約者全体の保険事故の際の支払い保険金の合計金額を計算、その時点での契約者数で割った金額に一定の管理費を上乗せした金額を保険料として後払いする仕組みです。

つまり従来のがん保険の場合、Aという人ががん保険に加入しようとしたら、Aの性別や年齢、健康状態などで保険料を決めていました。

P2P保険では、事故があって支払った保険金に所定の管理費を乗せて、それを参加している加入者で後払いでシェアするのです。

わりかん保険は保険料の内訳の透明性が高く合理的

一般的に通常の保険の掛金である保険料は「純保険料」と「付加保険料」で構成されています。

それぞれの違いは下記のとおりです。

  • 純保険料:将来の保険金の支払いに備えて財源としている部分
  • 付加保険料:保険会社の人件費や、広告宣伝費など事業運営に係わる部分

ところがこれらの保険料の詳細や内訳はほとんどオープンになっていないため、外からはブラックボックスです。

ネット生保であるライフネット生命が以前に純保険料を開示したときは業界が大騒ぎになりました。

ちなみに同社はいままでの内訳を開示しています。

これに対してP2P保険はリスクと保険料の負担が分かりやすいため、支払う保険料の内訳などの透明性が高いのも特徴です。

実際に契約者には、通知が届き保険料がいくらだったのか(ゼロならゼロ)分かるようになっています。

また保険金の支払いが発生したときには、このような支払いがあり保険料がいくらという通知が届きます。

自分が病気になっていなくても、支払う保険料がこのように使われたということが見えやすくなっているのです。

P2P保険・わりかん保険の取り扱い先

日本初のP2P保険はジャストインケースが取り扱い

わりかん保険の取り扱い先

日本初のP2P保険・わりかん保険は株式会社ジャストインケースという少額短期保険業者が取り扱いしています。

保障そのものはがん保険で、ここにP2P保険の仕組みを取り入れているのです。

加入年齢は20~74歳、癌になったときにがん診断給付金80万円が支払われます(上皮内がん含む)。

わりかん保険 株式会社ジャストインケース

政府の規制緩和の枠組みである「サンドボックス制度」を使って、実証実験が2021年1月末まで行われましたが継続販売するかたちになりました。

他にもFrich(フリッチ)株式会社という企業がP2Pプラットフォームの提供・運営をしています。

この仕組みにアイアル少額短期保険とジャパン少額短期保険がのるかたちで規制のサンドボックス制度での実証実験が行われています。

2020年4月から1年間の予定でしたが、さらに1年間延長されています。

アイアル少額短期保険はスポーツ傷害保険、ジャパン少額短期保険は返品送料保険です。

Frich、日本初となるP2P保険プラットフォームサービスについて規制のサンドボックス制度において初となる特例措置つきでの認定を取得

わりかん保険の保険料の状況

わりかん保険は発売から多少期間が経過して保険金の支払いなどが発生しています。

保険金の支払いも発生したため、保険料の負担額の推移公開されています。下記のリンクのわりかん がん保険の特長のところに過去の保険料推移をクリックするところがあります。

どの年齢層でも保険料ゼロの月も結構でています。

わりかん がん保険 保険料推移

  • 20〜39歳:わりかん がん保険の上限保険料550円 わりかん がん保険保険料期待値253円  
  • 40〜54歳:わりかん がん保険の上限保険料990円 わりかん がん保険保険料期待値544円
  • 55〜74歳:わりかん がん保険の上限保険料3190円 わりかん がん保険保険料期待値2670円

出典:株式会社ジャストインケースのHPより

保険料が発生した2つの年齢層は、これが上限額です。

加入者がさらに増えれば一定程度の保険金の支払いがでて、また保険料もいくらくらいになるか見えてくるでしょう。

既存の保険とP2P保険との違い

既存の保険とP2P保険との違い

P2P保険と既存の保険の違いがいま一つ分かりにくいと思いますので、項目別に比べてみましょう。

  P2P保険

(わりかん保険)

既存の保険
保険期間 1年ごとに更新 終身・10年や所定の年齢など多様
保険料 保険金の支払いに応じて加入者全員で後払い 原則、加入時取り決めた保険料を先払い
保険料の決まり方 加入者で一律 性別や年齢、健康状態などで異なる
保険料の透明性 高い 一般的に低い
保障 シンプル 手厚いものやシンプルなものなど多様

一般的な保険では加入者の属性(年齢や性別、健康状態、職業など)によって保険料が変わりそれは先払いします。

保険会社は支払われた掛金である保険料はそのまま寝かせることはしないので運用します。

想定していたよりも死亡者や病気になる人が少なければ、その部分の多くは保険会社の利益などになります。

P2P保険は加入者全員が同じ金額の保険料を支払います。

極端な話、保険金の支払いがまったくなければ保険料はゼロになる理屈です。

違う見かたをすれば保険金の支払いが多くなれば、加入者が負担する保険料が増えます。

加入者が増えるほど保険料は安くなりますが、このように既存の保険会社の商品とは根本的なところから違うのです。

わりかん保険、P2P保険のメリット・デメリット

わりかん保険、P2P保険のメリット・デメリット

実際にP2P保険であるわりかん保険にどのようなメリットとデメリットがあるかみてみましょう。

メリット

  • インシュアテックによる新たな保険制度の実現で割安な保険料。加入者が増えるほど保険料はお得。
  • 保険料の内訳などについて透明性が高く合理的
  • 加入者の保険請求がなかったり、少ない場合には後払いのより安い保険料で保障が受けられる。
  • 助け合いの見える化

デメリット

  • 既存の保険会社と比べると手厚い保障やサービスではない。
  • 高年齢層(75歳以上)が対象外。また既加入者も終身保障はない。
  • 一時金の金額などは選べない

同じリスクに興味がある良好な集団が集まれば集まるほど、保険料の面で有利になっていくでしょう。

わりかん保険のデメリットというよりは、少額短期保険であるが故に保険金額の制限にかかる部分はどうしてもでてきます(終身保障がないなど)。

加入対象となっている年齢層の人が、取り合えずがん保険に加入するなら保険料は安いです。

メリットの最後に助け合いの見える化とありますが、2020年12月28日の記者会見で代表の畑氏が、この部分を検証できたことは意義があったと話していました。

同社のHPを見るとがんの罹患者に対して、契約者からの応援メッセージが多数掲載されています。

自分の支払った保険料がどのように使われているかの見える化ということと、助け合いの根幹を考えると意義のある取り組みだと考えます。

P2P保険・わりかん保険の継続販売決定の見込みと今後の可能性

P2P保険・わりかん保険の継続販売決定の見込みと今後の可能性

P2P保険の今後についてはジャストインケースのわりかん がん保険がどうなるかという部分が大きいでしょう。

ジャストインケースは少額短期保険であるため(加入期間や契約金額に制限がある)、第三分野の保険であるがんの保障は80万円が限度です。

海外ではP2P保険はもっと進んでいるようですが、公的医療保険があり、医療分野の保険の加入率の高い日本でどこまで普及するかは未知数です。

もともと医療保険やがん保険などについては不要論などもあります(公的保険があること、預貯金などの資産でカバーできる可能性があるため)。

一方でP2P保険については、既存の保険会社や金融機関なども興味を示しています。

このわりかん保険についてはパートナー企業として、下記の企業が名を連ねています(順不同)。

  • アドバンスクリエイト
  • SBI 日本少額短期保険
  • クラウドワークス
  • 新生銀行
  • チューリッヒ少額短期保険
  • ディー・エヌ・エー
  • 日本生命保険
  • LINE Financial など

P2P保険のユーザーニーズの有無や今後の可能性へについて関心の高さが伺えます。シンプルに安く、気軽に小口の保険に加入したいという人向きです。

手厚く保障がほしい、色々付帯サービスがあるとよいという人向けの保険ではありません。

すでにお話したように実証実験期間である1年を待たずに、今後の継続販売される見込みとなっています。

万人に受ける保険は大手の保険会社などが取り扱うとして、そうでないニーズを拾い上げる意味で継続販売がほぼ決まったことは保険業界にとって大きなことだと思います。

まとめ

【P2P保険】保険金をわりかん・保険料後払いの仕組みの保険とは?、についていかがでしたか。

日本におけてP2P保険の可能性を探る動きが具体的にでてきました。またスマホで気軽に安く加入できる保険も増えてきました。

P2P保険にどのくらいニーズがあるのか、どのくらい伸びていくかが今後の日本の保険マーケットの可能性を見ることにもなるでしょう。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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