生命保険会社の付帯サービス(セカンドオピニオン等)の比較と選び方
生命保険会社の保険契約に付帯サービス(セカンドオピニオンサービス・健康相談サービスなど)があることが一般的になっています。
実はこの保険の付帯サービスは意外と使えるのです。
■この記事で学べること
【1】生命保険の付帯サービスとは?
【2】セカンドオピニオンと保険適用の可否
【3】生命保険の付帯サービスの比較一覧と選び方、考え方
生命保険や医療保険、がん保険などの付帯サービスについて主なサービス内容、比較や選び方、考え方についてファイナンシャルプランナーが解説します。
この記事のもくじ
生命保険の付帯サービス(セカンドオピニオンサービス・健康相談等)とは?
生命保険会社の付帯サービスとは?
生命保険や医療保険、がん保険などの保険契約の付帯サービスとは、保険の保障とは別に無料もしくは優待価格等で提供されるサービスです。
主なものに「24時間健康相談サービス」や「セカンドオピニオンサービス」などがあります。
対応するのは医師や看護師等医療関連の資格を持つ方です。
夜間に子どもが急に具合が悪くなってどうしたらいいか分からない、病気になって主治医から説明されている治療でいいのか不安などのときにこうしたサービスを受けることができます。
病気になって命は助かったけれども、いまは治療だけでなくその後の生活の質、つまりQOL(Quality of Life)も重視されています。
そうしたことも踏まえて保険の付帯サービスを充実させる動きに拍車がかかっています。
実際には生命保険会社が付帯サービスを直接提供しているのではなく、こうした付帯サービスを提供する企業と契約して保険契約者に無料(もしくは優待価格)で提供しています。
病気の予防のフォロー、医療機関の紹介、治療のサポート、重症化の改善など病気になる前からなった後のフォローまでサポートしています。
保険の付帯サービスを受けることができる人とは?
生命保険契約のこうした付帯サービスは、その内容によって受けることのできるサービスが異なります。
必ずしも保険契約者本人だけがサービスを受けられるというわけではありません。
具体的には次の2つに分けて考えてください。
- 生命契約の被保険者(※保険の対象者のこと、契約者ではありません)
- 被保険者の同居の家族
24時間健康相談については家族までサービス提供されるのが一般的です。
夜間に幼児や高齢の親の具合が悪くなった時など相談することができます。
逆にセカンドオピニオンサービスについては被保険者本人のみです。
無料サービスの場合はそのすべてを家族まで対象にするのは難しいでしょうが、「どこまで」「誰が」利用できるか覚えておくといいでしょう。
生命保険の付帯サービスで提供される主な内容
次に保険の付帯サービスで主に提供されるものをみていきましょう。
- 24時間健康相談
- セカンドオピニオンサービス
- 専門医紹介(紹介状あるいは専門医の手配)
- メンタルヘルス
- 癌に関連する相談
- 介護相談
- 人間ドック優待 など
がんや糖尿病など一部の疾病に特化したサービスなどを提供しているケースもあり、付帯サービス内容は年々多様化しています。
なかには「がんの治験情報提供サービス」をはじめたところもあります。
単に「治療に関すること」だけでなく「重症化を改善すること」
以前からこの付帯サービスを提供している保険会社でもずっと同じではなく、サービス内容を拡充させています。
また各社サービス内容が一律ではありません。
- サービス提供会社が同じでも保険会社が違うと付帯サービスも異なる
- 生命保険会社が一緒でも商品によって付帯サービスが異なることがある
商品によって異なるというのは、例えばがん保険ならがんになったときのサービスを多くしているなどです。
保険会社が同じなら大きくは違わないでしょうが覚えておきましょう。
また付帯サービスの内容も各社どんどん追加・変更されている点も注意してください。
新型コロナウィルスの相談も
新型コロナウィルスにかかったかなと思った際に行政で窓口を設けていますが、もちろんこの付帯サービスの利用も可能です。
なかにはオンライン診療などを提供するケースもあるので確認してみましょう。
もしものときには利用してみてください。肝心なときにサービスがあるのを思い出せないを活用することができません。
セカンドオピニオンは保険適用がきかない?
ここで保険会社の付帯サービスとは別に、セカンドオピニオンそのものについても少し触れておきたいと思います。
セカンドオピニオンに保険は適用されない?
健康保険が適用されるのは「診察・治療」です。
セカンドオピニオンは、「診療」ではなく「相談」となるため保険適用されないため、有料で負担する部分があるときは全額自己負担となります。
治療に関して主治医と同じ資料をベースに、別の医師の診断・意見を伺うのがいわゆるセカンドオピニオンになります。
別の医療機関で改めて検査や診察をするのであれば普通に保険適用となります。
この違いは覚えておくといいでしょう。
セカンドオピニオンを自分でする場合のフロー
一般的にセカンドオピニオンを自分で探す場合の流れな次のようになります。
- セカンドオピニオンが依頼できる医療機関を探す
- 主治医にセカンドオピニオンを受ける旨を話して、紹介状と検査結果を依頼
- セカンドオピニオンを実施、今後の治療について主治医と相談
こうして書くと簡単そうですが、自分でセカンドオピニオンを手配するのはエネルギーをかなり使います。
治療中の体調にもよるでしょうが、そうした意味でも自分の加入している生命保険にセカンドオピニオンサービスがあればこうした負担は軽減されます。
健康相談・セカンドオピニオンサービスはどこで受けられる?
生命保険の付帯サービスの話をしていますが、実は保険契約以外でもこうしたサービスを受けられることがあります。
生命保険会社の保険契約
最初にここまで話をしている生命保険の契約にサービスが付帯しているケースです。
健康相談やセカンドオピニオンサービスは最近は生命保険(医療保険やがん保険等も含む)契約に付帯させるケースが増えています。
これまでこうしたサービスを提供してこなかった保険会社もこうしたサービスの提供をはじめるところが増えています。
自分が所属する職場や団体
こうした付帯サービスは外部によるものですので、必ずしも保険契約だけに付いているものではありません。
勤務先などの団体の組合などがこうしたサービス提供会社と契約を結んでいるケースもあるので、お勤めの人などはこうしたところも調べてください。
生命保険の付帯サービスの比較と選び方、考え方
この付帯サービスありきで、保険選びをする人は実際には少ないでしょう。
場合によっては詳細の案内がないケースもありますし、自分が健康なときには気にしないことも多いからです。
健康相談サービスとセカンドオピニオンサービスはたいてい付帯
生命保険の付帯サービスはどこの会社のものでも健康相談とセカンドオピニオンサービスは付帯しています。
筆者は過去にこの付帯サービスを提供している会社の施設を過去数回見学したことがあります。
お話を聞くと利用が圧倒的に多いのが、24時間健康相談とセカンドオピニオンサービスだそうです。
特に小さな子どもがいる人は健康相談の利用が多いとのことです。いずれも利用者の評判はよいそうです。
診断書を書いてくれるか、医師の手配をしてくれるか?
その他できれば重視しておきたいのが、セカンドオピニオンサービスの「先」があるかということです。
セカンドオピニオンのところでも解説しましたが、あくまでもセカンドオピニオンは相談で主治医以外の医師に同じデータをもって意見を聞いたりするものです。
仮に主治医以外の医師や医療機関にて治療したいということであれば紹介状が必要で、付帯サービスの一環で紹介状を書いて貰えればこんなに楽なことはありません。
さらに今は紹介状を書くだけでなく医師の手配まで付帯サービスに入っているケースもあります。
ここまで対応して貰えれば治療中にはかなりの負担軽減です。
他にも色々なサービスがありますが、保険契約の際によくチェックしてください。
数回施設見学した上での感じたこと、考え方
先ほどもお話したように筆者はこうした施設を数回見学して色々お聞きしました。
生命保険の加入を勧めるつもりはありませんが、サービス自体はかなり使えます。
健康相談サービスも小さな子どもはもちろん高齢の親などがいれば急に体調が悪くなることもあるでしょう。
セカンドオピニオンや医療機関の紹介などはその病気の専門家や権威のドクターなどとネットワークを組んでいるのでいいところを紹介してくれます。
家族に病人でもいないと自分が健康ならほとんど気にしないサービスでしょうが、保険に加入する予定なら保障や掛金だけでなく、こうしたところにも目を向けてください。
最後はお金の問題になるのは事実ですが、その前にきちんとした治療先や治療方法を見つけることが先です。
例えば東京近郊は医療機関に恵まれていますが、医療に地域格差があるのは事実です。
こうした地域の人ほど自力で医療機関を探すのに労力がかかります。実は保険に付帯サービスがあるのに知らない人も多いでしょうから、この機会にぜひ確認してください。
まとめ
生命保険会社の付帯サービス(セカンドオピニオン等)の比較と選び方、についていかがでしたか。
こうした付帯サービスのコールセンターやセカンドオピニオンサービスの相談窓口などはたいてい東京にあります(東京以外に進出しているところも一部有り)。
施設見学した際に遠隔地の方の対応について質問をした一例を挙げてくれました。
九州からの相談を電話で受けてセカンドオピニオンを電話で専門の北海道の医師が対応、その後の治療を関西の専門医で対応したことがあると言われていました。
正直個人でセカンドオピニオンを探してここまでするのは難しいでしょう。
平均寿命が延びるほど医療にかかる相談のお世話になることも増えるでしょう。
保険選びの別な視点の一つとして検討してみてください。
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*保険会社によって付帯サービスの内容や有料・無料の範囲、追加や変更などもあるので契約先の保険会社に確認してください。