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小規模宅地等の特例が2018年に改正!?相続の節税効果大の80%減額の要件

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相続における小規模宅地等の特例とは?80%減額できる要件

小規模宅地等の特例とは?

(出所:国税庁 2016年分までの相続税の申告状況について 相続財産の金額の構成比の推移)

この表の相続財産の金額の構成をみると以前よりも下がってきているものの土地・建物といった不動産が40%ほどを占めています。

不動産と言ってもマイホームから自営業などをしている店舗兼自宅、賃貸経営をしているマンションやアパート、駐車場など内容はさまざまです。

この記事のテーマである小規模宅地等の特例という制度があるのにはきちんと意味があるのです。続けてみていきましょう。

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは要件を満たす場合に相続財産となっている不動産の財産評価を50%あるいは80%減額してくれる制度です。

例えば1億円の不動産が相続財産となっているケースなら、相続時の評価額を2,000万円ということにしてくれるわけです。

不動産が相続財産にあるとき、その特徴として現金化しにくい、分けにくいということがあります。

亡くなった人(配偶者や親、兄弟姉妹など)と一緒に住んでいた家や長年自営業を営んできた店舗兼自宅などの場合、相続税がかかるようだと原則として現金を用意しなければなりません。

相続税が支払えないために長年住んできたマイホームを手放したり、経営してきた事業を地元で続けられなくなっては相続するのが本末転倒になってしまいます。

そのようなケースで相続人を救済してくれる制度が小規模宅地等の特例です。

多くの人が相続税がかからない理由に相続税の配偶者控除の特例や基礎控除があること、そしてこの「小規模宅地等の特例」があることが非常に大きいのです。

小規模宅地等の特例の適用要件のポイント

この制度を適用する要件のポイントは次のとおりです。

  • 相続する人(相続人)は誰か
  • どのような土地か(自宅、店舗、アパート経営など)、及び面積
  • 同居や別居、その他相続する人の不動産の所有など
  • 申告期限まで保有・居住・事業を継続などを満たすか

これらによって財産を減額できる割合や上限となる免責が変わってきます。土地の性質や同居や別居なども関係していきます。具体的にこれらの数字をみていきましょう。

主なパターン別小規模宅地等の特例の適用要件

①自宅の土地(特定居住用宅地)

  • 土地の評価 80%減
  • 上限面積  330㎡

マイホームの場合には、その他誰が相続する人か、さらに同居か別居かの要件があります

  • 配偶者                  要件なし
  • 同居親族                 申告期限まで保有して居住する
  • 上記がいない場合の持ち家なしの別居親族  申告期限まで保有

②事務所や店舗などの土地

  • 土地の評価 80%減
  • 上限面積  400㎡

事務所や店舗の場合、事業を継承する相続人が申告期限まで保有して事業を継続する必要があります。

③アパートやマンション、駐車場などの土地

  • 土地の評価 80%減
  • 上限面積  330㎡

アパートやマンション、駐車場経営などの場合、事業を継承する相続人が申告期限まで保有して事業を継続する必要があります。

小規模宅地等の特例の家なき子特例とは?

小規模宅地等の特例の家なき子特例とは?

要件のマイホームのところで配偶者や同居親族がいない場合に最後の人には別居でも要件がありました。

  • 亡くなった人(被相続人)が一人暮らしで、配偶者または相続開始の直前にその家に住んでいた親族がいない
  • 相続税の申告期限までその不動産を保有
  • マイホームに居住した事がない、つまりその不動産を相続した親族が相続開始前3年以内に自分か配偶者所有の家に住んでいたことがない(日本国内)

これらが具体的な要件ですが、ポイントは一番最後です。相続開始前(3年以内)に相続した人かその配偶者所有の家に住んでいないことです。

「家なき子特例」と呼ばれるのはそのためです。

例えば相続人が子供場合、社会にでて結婚していれば別居していることも多いでしょう。夫婦いずれか所有の持ち家に住んだことがあると制度が利用できません。

ポイントは「所有」ではなく「居住」要件になっていることです。

不動産の税金ではよくありますが、所有していること、居住していること両方もしくは別々に要件がつくことがあります。

この場合は住んでいるか(居住)ということです。

小規模宅地等の特例、改正予定の内容(2018年4月予定)

小規模宅地等の特例、改正予定の内容(2018年4月)

2017年12月15日に2018年の税制改正大綱が出されました。この中に小規模宅地等の特例の改正について触れられています。続けてみていきましょう。

小規模宅地等の特例の改正予定の内容

まずは相続における小規模宅地等の特例について税金の計算をすることについて記載された見直しについて確認します(税制改正大綱より改定予定の内容を抜粋)。

①持ち家に居住していない者について対象者の範囲から以下のものが除外されます。

  •  相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族またはその者と特別の関係にある法人が所有する国内にある家に居住したことがある者
  •  相続開始時に住んでいた家を過去に所有していたことがある者

簡単に解説すると先ほどの家なき子の要件を上手く利用していた人の穴を塞いだかたちです。

自分と配偶者の家に居住していないということであればと、法人などの所有に変えて住んでいる人がいたためこれができなくなりました。

②貸付事業用宅地の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業用に供されていた宅地等を除外

慌てて相続対策で貸付事業をはじめても駄目だということです。但し相続が開始される前から3年を超えて事業的規模で貸付事業をしているものは除かれます。

この部分については改正前から貸付事業にしている宅地は適用されないことになっている点もポイントです。

③介護施設に入所していて、住まなくなった家の宅地などについては住んでいたものとして小規模宅地等の特例を適用

要介護者が増える中で介護施設に入所するケースがあります。仮に子供と同居していても本人が介護施設に入ってしまったら要件を満たせなくなります。

こうした事情に対応したものです。

①についてはかなり厳しくなった印象です。逆に介護が必要で施設に入所したなどのケースでは介護者が増えていく現状に合わせたというところでしょう。

改正が実施されると2018年4月から適用

法案が国会を通過した場合、「2018年4月1日」からの相続等によって取得するものに改正内容が適用されます。

実際に税制改正の流れは2018年から閣議決定、法案提出、審議、成立、施行までの流れになります。現状はまだ確定していないものとして考えてください。

しかし家なき子特例で現状の抜け道を塞ぐ意図もありますし、ほぼこのまま実施される可能性が高いとでしょう。

小規模宅地等の特例が改正する前提で考えておくこと

2017年12月に発表された税制改正大綱では、小規模宅地等の特例だけでなく、所得税の基礎控除や給与所得控除、公的年金等控除などの改正にも触れられています。

法案が可決して実施が決まった場合、所得税はすぐ実施されるわけではありません。

しかしこの小規模宅地等の特例は法案の施行日が2018年4月1日以後に相続などで取得した土地が対象です。

つまりこの通り法案が可決、施行(改正)されたら即実施されます。現在の小規模宅地等の特例の要件をベースに相続対策を考えている人は見直しが必須です。

土地を貸付事業用に利用することを検討している人は改正までのスケジュールを考慮して動いておくことも検討しておきましょう。

続けて小規模宅地等の特例のよくある疑問について解説します。

小規模宅地等の特例は2つ併用できる?

小規模宅地等の特例は2つ併用できる?

自宅の分と事業用の分などは、小規模宅地等の特例の併用が可能です。この場合の計算式は以下の通りです。

(特定事業用宅地等)×200/400+(特定居住用宅地等)×200/330+(貸付事業用宅地等)≦200㎡

自宅(特定居住用宅地)と事務所や店舗(特定事業用宅地)を併用する場合、特例が適用される上限の面積はそれぞれの限度面積330㎡と400㎡を合せた面積になります。

330㎡+400㎡=730㎡(限度面積)

複数の不動産を所有している人は、小規模宅地等の特例の要件を満たすものはどれか、何をどう利用するのがいいのかシミュレーションしてみることが必要です。

小規模宅地等の特例は共有の場合にどうなるか?

小規模宅地等の特例は共有の場合にどうなるか?

小規模宅地等の特例において「共有」には2つの意味があります。例えば自宅が相続財産だとした場合、1つは自宅を共有して相続するケース、もう1つはもともと共有名義になっている

相続財産を相続するケースです。

  • 相続財産を共有して相続するのか、もともと共有されている不動産を相続するのか?
  • 土地及び建物の所有関係
  • それぞれの利用状況

共有の場合にはこれらを個別の事情に照らして考える必要があります。

小規模宅地の特例は期限後でも可能?

小規模宅地の特例は期限後でも可能?

小規模宅地等の特例は、相続税の申告期限が過ぎた後の申告(これを期限後申告といいます)でも必ずしも適用できないわけではありません。

相続税の申告期限までに遺産分割が完了しているかどうかなどがポイントになります。

まとめ

小規模宅地等の特例が2018年に改正!?相続の節税効果大の80%減額の要件、についていかがでしたか。

小規模宅地等の特例については、相続発生時に個別に状況が違います。適用要件を満たしているかなどについては税理士などに必ず相談するようにしてください。

小規模宅地等の特例があることで相続税に負担はかなり変わります。

マイホームがそこそこ土地の価格のするところにある、主な相続財産がマイホームくらい、二次相続(父親が他界して母親が亡くなったなど)で相続人が少ないなどの場合、かなり有効な制度です。

相続税というとお金持ちの話を考える人も多いでしょうが、相続税の基礎控除も下げられていますから意外と他人ごとではありません。

改正が実施されて要件から外れる可能性がある人は、相続について改めて対策が必要か考えてみましょう。

自分のケースでの状況をよく確認して小規模宅地等の特例をうまく活用してください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴20年。



・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約14年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は550本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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