投資信託の解約手数料と信託財産留保額!解約のタイミングと税金・消費税
投資信託の解約では解約手数料や信託財産留保額などがかかることがあります。そのため解約のタイミングを考えなければなりません。
■この記事で学べること
【1】投資信託の解約手数料と信託財産留保額とは?
【2】解約するタイミングと基準価格の関係
【3】投資信託の解約に関する税金と消費税について
この記事ではこの3点をポイントに投資信託の解約とそこにかかる解約手数料や信託財産留保額というコストについて解説します。
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この記事のもくじ
投資信託の解約手数料と信託財産留保額
投資信託を解約、つまり換金する際にはコストがかかることがあります。
それが解約手数料や信託財産留保額ですが、これらはそれぞれ別なものです。
いずれも投資信託を解約するときに必ずかかるものではありません。投資信託の商品によると考えてください。
どのくらいのコストがかかるかは投資信託の目論見書(要は説明書)などに書いてあります。
できれば投資信託を購入するときに、他の手数料と一緒に確認しておきましょう。
解約手数料
その名のとおり解約時にかかる手数料のことです。一部この解約手数料のかかる投資信託もありますが、かからないものがほとんどです。
信託財産留保額とは
専門用語でわかりにくいでしょうが、信託財産留保額とは投資信託を途中で解約・売却の際にかかるコストと考えてください。
信託財産留保額が取られる理由
投資信託は多くの人からお金を集めてそれを大きな資産にして運用しています。
運用する側からみれば資金が安定的にないとその投資信託の維持・運用も安定しません。
そのため投資信託を途中で売却したり解約したりするときには、解約する人にもコストを負担してもらいます。
同じ投資信託を保有している人たちに残すペナルティ的な意味合いのものが信託財産留保額です。
実際にはこのコストを直接支払うのではなく解約時に差し引かれます。
信託財産留保額もある投資信託とない投資信託があります。
信託財産留保額は何%?不要な投資信託もある!?
販売手数料や信託報酬などと同様に信託財産留保額も開示されています。投資信託の購入時にあるかないかをチェックしてください。
投資信託の種類によって異なりますが、0.1%~0.5%程度のコストがかかります。
信託報酬などと同様ですが低いにこしたことはありません。
他にもその投資信託の資金の出入りの状況等をみて、信託財産留保額を廃止することもあります。
コストがかからないのはいいことですが、これは廃止してもその投資信託のいまの状況からみて問題ないと判断したためです。
ETFと信託財産留保額
ETFの場合は信託財産留保額はかかりません。個別株式のようにタイムリーな売買が可能ですが、同様に売却時に売買手数料が必要です。
投資信託とETFの売却にはこうした違いがあります。
投資信託に解約するタイミングで基準価額に関係する?
基準価額の決まるタイミング
投資信託を解約・売却で換金する際、基準価額がいくらに決まるかによって手元に入るお金が決まります。
個別の株式のようにタイムリーに売買するものではなく、投資信託の基準価額が決まるのは1日1回です。
国内外の株式や債券などに投資するので日々基準価額は変動します。その投資信託によって基準価額が決まるタイミングは違うので統一されているわけではありません。
一般的に国内の株式や債券などに投資するものはその日のうちに(夜間)基準価額が決まります。
翌日取引履歴などに反映されたり、新聞などにも投資信託の基準価額が掲載されます。
海外の株式や債券などに投資するものについては、現地の市場が動いている時差や為替レートの関係もあり、基準価額が決まるのは翌営業日中(夜間)になります。
どのようなときが投資信託を解約するタイミング?
色々なケースがあるでしょうが、いくつかのケースが考えれます。例えば次のようなときです。
- 基準価額が目標の金額に到達した
- 運用で決めていたバランスが崩れてリバランスする(元のバランスに戻す)
- 投資信託の運用成績が悪い、資金流出が続いて投資する価値がないと判断した場合
運用成績が良かったあるいは著しく悪い(他と比べて)というのは分かりやすいでしょう。
ちなみに悪いというのは市場全体が良くないときは(リーマンショックなどの大暴落など)全体が悪いので仕方がありません。
悪いというのは他と比較して個別に悪いということです。
投資の資産配分のバランス、例えば国内株式20%、国内債券80%で決めていたが、上昇や下落などで株式50%、債券50%になれば当初にバランスに戻す必要があります。
これがリバランスです。投資信託を解約するタイミングにも色々あるということを覚えておきましょう。
解約すると資金が入金されるタイミングはいつ?
投資信託を解約・売却した場合、その気になることの一つはいつ自分の口座に入金されるかということでしょう。
証券会社や投資信託の商品によって異なる点はまず考慮してください。
基準価額のところでもお話したように基準価額が決まるタイミングも違うためです。
おおよそ注文日(解約を依頼して確定した日、約定日という)から4~6営業日程度と考えてください。
営業日ですから土日祭日が入ればもっと伸びますし、また解約するタイミングも関係します。
同じ日に解約しても午前中と夕方ではいつそれが確定するかは変わります。夕方などだと翌日扱いになるのでそこからの営業日で数えます。
投資信託を解約したときの税金の取扱いと消費税
投資信託を解約したときの税金
投資信託の解約時の税金は株式投資信託と公社債投資信託で違います。
株式投資信託とは、約款上で株式の組入をすることができる投資信託、公社債投資信託は株式を一切組み入れることなく公社債のみで運用する投資信託です。
株式投資信託
解約・売却して換金したときの税金の取扱いは譲渡所得として20.315%(所得税15.315%、住民税5%)がかかります。
後は通常の株式売買などと同じようにどの口座を開いているかによって確定申告の要不要などが変わります。
- 特定口座 源泉徴収あり 確定申告が不要
- 特定口座 源泉徴収なし 確定申告が必要(証券会社などが年間取引報告書で損益計算)
- 一般口座 確定申告が必要(自分で損益を計算)
公社債投資信託
公社債投資信託の税金の取扱いは譲渡所得として20.315%(所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収され原則として確定申告不要です。
解約時の解約手数料と信託財産留保額の消費税
信託財産留保額は厳密な話をすると手数料とは違うものです。
そのため信託財産留保額には消費税はかかりません。逆に解約手数料には消費税がかかります。
まとめ
投資信託選びの基準の一つにコストがどのくらいかかるかというものがあります。
販売手数料、信託報酬、信託財産留保額など投資信託にはいくつかのコストが購入から売却まで必要です。
解約や売却の換金時にそのタイミングや税金の取扱いは気になるところでしょうが、情報は開示されていますので事前にどのような投資信託かよくチェックしてください。
投資信託の手数料や各種コストは引下げやゼロの動きが進んでいますが、確認は忘れないようにしましょう。
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