ドラレコ特約付きの任意の自動車保険はお得?
大手損保を中心にドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)を付帯した自動車保険が広がっています。通常のドラレコと違い運転診断や事故の際のサポート機能が付いています。
■この記事で学べる
【1】ドライブレコーダー特約付きの任意の自動車保険とは?
【2】ドラレコ特約付きの自動車保険を発売している損保
【3】ドラレコ特約で保険料が割引?
【4】メリット・デメリットからみる必要性
事故の際などに役に立つドライブレコーダーですが、大手損保のドラレコ特約の有用性などについてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
ドライブレコーダー特約付きの任意の自動車保険とは?
主に大手損保4社が提供しており、有償貸与で所定のドライブレコーダー(ドラレコ)をつけることで、運転のサポートや運転診断、事故のサポートなどを行ってくれます。
事故発生の際に前後何秒かの映像を契約先の損保に自動転送したり、ドラレコを通じて損保の事故担当者と話す機能や事故の映像からAIが過失割合を自動判定する機能などを持たせているものもあります。
運転データなども収集するため、保険会社によって運転スコアで任意の自動車保険の保険料割引を適用するケースもあります。
ドラレコ特約を大手損保が次々と商品化されている背景
あおり運転の社会問題化・厳罰化などがありましたが、AIなどを含めた技術的な進歩の活用がでてきたことが大きな影響といえるでしょう。
ドラレコ特約の保険料はいくら?
損保によって、またフロントカメラだけかリアカメラの有無などによって違いがありますが、ドラレコ保険の利用は月々650円~850円くらいです。
年間でまとめて支払うと1万円弱くらいの金額でドラレコが貸与されます。
ドラレコ特約付きの自動車保険を発売している損害保険会社
大手損保4社とお話したように任意の自動車保険でドラレコ特約を付帯できるのは次の4社です。
東京海上日動 「ドライブエージェントパーソナル」
損保ジャパン 「DRIVING!(ドライビング)」
三井住友海上 「見守るクルマの保険(ドラレコ型)」
あいおいニッセイ同和 「タフ・見守るクルマの保険プラス(ドラレコ型)」
日新火災 ドライビングサポート24プラス
この記事執筆時点で他にドラレコ特約を付帯できる損保は確認できていませんが、ソニー損保が独自のデバイスによる走行診断で保険料が割引になる自動車保険を発売しています。
ソニー損保 「GOOD DRIVE」
なお、ソニー損保はドラレコ映像を事故解決に活用する取り組みをしており、大手損保のように有償貸与ではありませんが、優待価格で購入できるドラレコを案内しています。 参考:ソニー損保
自動車保険はドラレコ特約でどのくらい保険料が割引になる?
任意の自動車保険のドラレコ特約の中には、運転スコアが良好だと割引を適用するケースがあります。
適用している自動車保険について具体的な内容を確認してみましょう。
- 損保ジャパン 「DRIVING!(ドライビング)」 運転スコア80点以上の場合に翌年の保険料が5%割引(走行特性割引)
- あいおいニッセイ同和 「タフ・見守るクルマの保険(ドラレコ型)」 運転スコア80点以上で8%、60~79%で4%継続後の保険料が割引(運転特性割引)
ドラレコではありませんが、ソニー損保の「GOOD DRIVE」では運転スコアで最大30%保険料がキャッシュバックされます。
ドラレコ特約のメリット・デメリットからみる必要性
ドラレコ特約のメリット
- 事故の際に直接保険会社に通報したり、話が繋がる、事故の映像が送られる。過失割合の自動判定なども。
- 運転診断サポートや運転診断などもあるので高齢者は免許取り立てで慣れていない、ペーパードライバーなどに向いている
- 事故や不具合が生じたときも交換可能
自動車事故のトラブルでよくあるのが相手との言い分が違うこと。ドラレコの映像からAIが過失割合を自動判定するものもでています。
映像記録だけなら普通のドラレコでも取得できますが、映像の送信も自動で行うので手間がかかりません。
自動車の事故はほとんどの人が慣れていませんし、状況によっては気持ちに余裕がありません。
事故場所の住所や事故状況を正確に伝えることなども必要がなくなることも大きなメリットです。
高齢者の事故がニュースになることが増えていますが、高齢の親や免許を取得したばかりの子の運転が心配な人も多いでしょう。
ドラレコ特約だと運転サポート機能があるものは、事故の多い場所の近づくと警告したりするものもあります。
運転診断などのレポートなどが送られてくるので、客観的な視点から高齢者の親に運転の危険性を伝えたり、免許の返納を説得したりする材料にもなります。
ドラレコ特約加入のデメリット・注意点
任意の自動車保険にドラレコ特約を付帯する際のデメリットや注意点は次のものがあります。
- ドラレコは有償貸与なのでお金がかかる
- 運転スコアについては、誰でも保険料が安くなるわけではない
- 走行記録や各種データを収集されることに抵抗にある人には向かない
年間で1万円程度のコストが必要なこと、それを数年利用することを考えれば一般のドラレコでもそれなりに高機能のドラレコを使うことができます。
損保から提供されるドラレコは機能が違うので一概に言えませんが、すでにドラレコを付けている人がそれを外してまでつけるケースはそれほど多くないでしょう。
運転に自信があると思っても本当に運転スコアが良好になるかどうかは分かりません。
メリット・デメリットからみるドラレコ特約の必要性
月々1,000円弱くらいのコストで得られる対価をどう考えるかというところがポイントです。
高齢の親の運転が心配で免許返納させたいということであれば、高い対価ではないかもしれません。
自動運転機能がついている最新の車であれば、ドラレコ特約の運転サポートも機能がまったく同じではありませんが必要性が減るでしょう。
一方で、ドラレコ特約なら壊れたときも対応してもらえます。
通常のドラレコなら自分で買い替えしなくてはなりません。機能を考えれば長期的にはお得といえます。
各社の自動車保険のドラレコ特約は、似ている部分はあるものの提供されるサービス内容は同じではありません。
事前によく比較・確認することが必要です。
その際定期的に各社の比較をしてください。筆者も職業柄、これらの情報をみていますが、各社ドラレコ特約の機能をどんどん増やしています。
以前見た情報を鵜呑みにすると古い情報の可能性もあります。
まとめ
ドラレコ特約付きの任意の自動車保険はお得?、についていかがでしたか。
任意の自動車保険も万が一のときの事故対応はもちろんですが、提供されるサービスやその内容は変わりつつあります。
技術の進歩が大きいのですが、事故を減らすための運転サポートや運転診断などはその一つです。
あおり運転などよりも事故のときの言い分の食い違いによるトラブルはよほど面倒です。
損保のドラレコ特約にするかどうかは別にして、一般の者も含めてドラレコの購入は検討しておくといいでしょう。
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