住宅ローンの返済負担率(返済比率)は意外と低い!理想の負担率と計算方法
住宅ローンは年収に応じた返済負担率(返済比率)を超えないことが必要です。また審査がOKでも借入可能額と無理なく返済できる金額は違います。
■この記事で学べること
【1】住宅ローンの返済負担率(返済比率)とは?年収別審査の目安
【2】返済負担率の平均値は?
【3】返済負担率の平均と計算方法、シミュレーション例
【4】返済負担率(返済比率)の理想と安全な目安
【5】返済負担率は手取りで計算する
無理なく安心できる理想の住宅ローンの返済負担率(返済比率)を考えてみましょう。
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この記事のもくじ
住宅ローンの返済負担率(返済比率)、年収別の審査の目安とは?
返済負担率(返済比率)とは?
住宅ローンの返済負担率とは、その人の年収おいて年間の返済額がどの程度占めているかの割合をいいます。
家計において年間での住宅ローンの返済が占める割合ですから、これが高ければ住宅ローンの負担が大きいということになります。
返済負担率が高ければ家計負担も重くなり、返済を続けていくのが難しくなります。
そのため年収などからこの比率を審査する基準を設けているわけです。
住宅ローンの返済負担率(返済比率)の年収別の審査の目安
返済負担率は年収別によって審査される目安は異なります。25%、30%、35%などよく見る負担率です。
また実際の住宅ローンで利用されている負担率の平均がどのくらいか気になる人もいるでしょう。年収別の審査の目安となる返済負担率をチェックしてみましょう。
フラット35
フラット35の場合の年収による返済負担率は次のようになります。
【フラット35の年収別総返済負担率】
年収 | 400万未満 | 400万以上 |
基準 | 30%以下 | 35%以下 |
民間の金融機関
民間の金融機関の場合、銀行によって統一した返済負担率があるわけではありません。
ざっくりしたイメージですが、改定前のフラット35のようにもう少し細分化されています。
そして負担率は年収が高くなればフラット35よりも一般的に緩めです。
下限の年収などは例えば300万円などで設定しているケースは銀行ごとにあり、年収が低いと逆に返済負担率が厳しくなっていきます。
返済負担率(返済比率)の平均値(フラット35、民間金融機関)
実際に現場でどのくらいの割合の人が、どのような返済負担率で住宅ローンを利用しているのかみていきましょう。
住宅ローンの返済負担率の平均
総返済負担率ごとの利用状況は以下のとおりです。
- 30%以上:13.9%
- 30%未満:28.2%
- 25%未満:23.3%
- 20%未満:19.2%
- 15%未満:10.9%
- 10%未満:4.5%
出典:住宅金融支援機構 2021年度フラット35利用者調査より
過去からの推移を見ると総返済負担率25%以上の割合が増加して平均値が上昇しています。
フラット35という全期間固定のローンを選択する人ですから、堅実な住宅ローンを選んでいることが伺えます。続けて民間住宅ローンについてみていきます。
返済負担率(返済比率)の計算方法、シミュレーション例
住宅ローンの返済負担率の計算方法(計算式)、そしてそのシミュレーションを例に具体的にイメージしていきましょう。
(例)フラット35 年収400万円 返済負担率(返済比率)35%
400万円×35%=140万円が年間返済額の上限の目安です。12ヶ月で割ると140万円÷12ヶ月=約11万6666円になります。これが毎月返済額の目安です。
後は自分の年収と返済負担率を目安にするとどのくらいの借入が可能が見えてきます。
理想の住宅ローンの返済負担率(返済比率)の目安は20%、25%、30%、40%?
借入可能額≠返済可能額を知る
当メディアの中で借入可能額≠返済可能額であることはいくつかの記事の中で指摘してきました。
年収が高い方が返済負担率が高いのは当然です。長い間低金利が続いていますが、低金利の弊害があるとすれば住宅ローンで借りすぎる可能性があることでしょう。
低金利に加えて返済期間を長くとればより多く借入できるからです。
理想の住宅ローンの返済負担率(返済比率)
返済負担率が低いに越したことはありませんが目安としては25%です。30%までいくとぎりぎりどうかというところです。
理想を言えば20%にできるだけ近づけて欲しいというのが本音です。
どのくらいの期間、いくら借りるかによっても違うのは当然ですが、社会人になってから定年まで同じ職場で働くという時代ではありません。
負担が増えそうな税金や社会保険に加えて、住宅ローンまで不透明なのはリスクが高すぎます。
審査の基準となる年収に応じた返済負担率はそれはそれです。
物価高の影響は住宅価格にも及んでいます。収入が上がっていないと自然と返済負担率が上がってしまいます。
なかなか難しいところがありますが、融資を受けられる金額を確認しつつ、無理なく長期に渡って返済できる金額をしっかり押えてください。
借入可能額や返済負担率など住宅ローンは手取りで考える
この記事内でも年収という言葉を使いました。
返済負担率を審査されるときにも年収を基準に考えるのでいいのですが、具体的に個別のシミュレーションに入るときは手取りベースで試算してください。
- 給与所得者(会社員・公務員)
年収-(所得税・住民税+社会保険料)
- 自営業
年収-必要経費-(所得税・住民税+社会保険料)
給与所得者なら源泉徴収票をみれば住民税以外は記載されています。住民税は別の書類か給与明細などから計算します。
自営業者の場合は確定申告書の写し、住民税は納税通知書などで確認可能です。
年収で計算しても実際に手元にある現金は税金や社会保険料が引かれた手取りの金額しかありません。
年収をベースに住宅ローンの返済シミュレーションをすると後で計算が狂ってきます。
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まとめ
住宅ローンの返済負担率(返済比率)は意外と低い!理想の負担率と計算方法、についていかがでしたか。
住宅購入の際の第一歩は予算決めです。その入口が返済負担率(返済比率)です。負担率は住宅ローンの目安としてなるべく低く押えることを考えてください。
住宅ローンの返済後には、老後資金が必要です。そのためには無理のない住宅ローンの利用が欠かせないのです。