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青色申告特別控除が65万円→55万円に改正(2020年)、要件のまとめ3選

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青色申告特別控除の改正の背景

青色申告特別控除の改正の背景・理由

青色申告はよりきちんとした記帳・帳簿の備付を前提にして、確定申告・課税をするために導入されています。

事業をする上で正しい会計の知識は経営をする上で欠かせないものです。どんぶり勘定的な日々の会計や記帳ではなく、経営上・税務上も会計帳簿などはきちんとしてもらうというのが制度の根幹です。

少し手間はかかりますがその分、青色申告特別控除(65万円・10万円)などの特典があるのです。この改正はこれに加えて「電子申告納税を普及・定着させる」ための改正であると考えられます。

詳細はこの後解説しますが、e-Taxなどの利用などが明確にされている以上、今後電子申告納税を一層普及させていくものと予想されます。

青色申告特別控除65万円から55万円への引下げ改正の要件3選

青色申告特別控除65万円から55万円への引下げ改正の要件・条件

青色申告特別控除(額)の控除額の引下げ改定について確認していきましょう。

そもそも青色申告特別控除が分からないという人は記事の中断以降にある青色申告特別控除とは?の項目から先に目を通してください。

青色申告には2種類あって、65万円の控除額と10万円の控除額があります。改正がでているのは65万円の部分です。

2017年(平成29年)12月に発表された平成30年の税制改正大綱(今後税制をこうしていくという案のようなもの)に青色申告特別控除の改正について記載がでています。

まずはこの税制改正大綱にある改正内容を列挙します。

※平成30年度税制改正において法案が成立しましたので改正は確定しました。

青色申告特別控除

 

① 取引を正規の簿記の原則に従って記録している者に係る青色申告特別控除の控除額を55万円(現行:65万円)に引き下げる。

 

② 上記①にかかわらず、上記①の取引を正規の簿記の原則に従って記録している者であって、次に掲げる要件のいずれかを満たすものに係る青色申告特別控除の控除額を65万円とする。

 

イ その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律に定めるところにより電磁的記録の備付け及び保存を行っていること。

 

ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表及び損益計算書等の提出を、その提出期限までに電子情報処理組織(e-Tax)を使用して行うこと。

 

出所:平成30年 税制改正大綱 より該当部分を抜粋

つまり現在65万円使える青色申告特別控除額を55万円(10万円引き下げ)に改正、但しe-Taxなどを使って各種帳簿の備え付けや保存、提出などをするなら65万円でいいよという内容です。

平成30年度 税制改正大綱 財務省

改正内容と要件、電子申告の推進

65万円の青色申告特別控除額を維持するためには、e-Taxなどで帳簿等備え付けや保存が必要です。

2020年の開始時点でその承認を受けて以内場合の取扱いですが同年中に間に合えば改正案ではOKになっています。

平成 32 年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳の備付けを開始する日に、これらの帳簿の電磁的記録による備付け及び保存に係る承認を受けていない場合において、同年中の日であってその承認を受けてこれらの帳簿の電磁的記録による備付けを開始する日から同年12月31日までの間におけるこれらの帳簿の電磁的記録による備付け及び保存を行っているときは、同年分の65 万円の青色申告特別控除の適用における要件を満たすこととする等の所要の措置を講ずる

 

出所:平成30年 税制改正大綱より抜粋

ごちゃごちゃ書いてありますが簡単に言うと、はじまった年(2020年)段階で承認を受けていなくても12/31までにこの体制を整えることができるなら、要件を満たしているとするということです。

青色申告特別控除の改正はいつから?

税制改正の法案が可決されれば、2020年(平成32年)以後の所得税及び2021年分以後の個人住民税から適用されます。

確定申告としては2021年に行う分より対象ということです。ちなみにこれは基礎控除や給与所得控除、公的年金等控除の改正と同じ時期です。

所得が増えることと所得税・住民税及び健康保険の関係

青色申告特別控除が65万円から55万円になったとしても、支払う税金が単純に10万円増えるというわけではありません。

ざっくりしたイメージですが、10万円(65万-55万)×税率(所得税・住民税)です。仮に税率が10%なら1万円ずつです。しかしこれに加えて所得があがると健康保険料も上がるのでこちらの負担もでてきます。

基礎控除改正も含めた全体の動き

全体の動きとしてはそもそもも基礎控除を38万円から48万円に変えようとしています。メディアの報道だと個人事業主などは減税などと言っていますが、青色申告特別控除のことも考慮するとそう単純ではないのです。

ここである程度相殺される可能性もありますが、個別の改正だけでなく全体をみてください。

家計全体で家族のことも考えるなら前述の基礎控除だけでなく、給与所得控除及び公的年金等控除も改正も包括的に考えておきましょう。

青色申告特別控除と電子申告制度の今後

青色申告特別控除と電子申告制度

ここまで見てきたように国の方針としては電子申告を推進する方向でしょうから、確定申告を手書きで申告書で行うのではなく、e-Taxやこれに類する会計ソフト等で電子申告してくださいということでしょう。

青色申告も手書きで書類を作るのは結構手間ですが、会計ソフトなどを使うとそんなに面倒ではありません。

青色申告にできるということは、複式簿記も含めてそれなりに帳簿がきちんとできているということなので、より電子申告を推進してくるでしょう。

また2018年の確定申告ではできていませんが、現在パソコンなどからe-Taxや会計ソフトで確定申告するだけでなく、スマホで対応する動きが加速してくるでしょう。

ちなみにe-Taxの利用にはマイナンバーカードが必須になります。

現在スマホで申告書を作成、そのままネットで提出できるものはありません。動きはでているので2019年以降の確定申告あるいは青色申告特別控除の改正が実施される頃にはこの動きもはっきりしてくるでしょう。

確定申告の青色申告特別控除(65万円・10万円)とは?

確定申告の青色申告特別控除(65万円・10万円)とは?

青色申告特別控除とは?

青色申告特別控除とは、青色申告の特典の一つです。確定申告には青色申告と白色申告がありますが、特に何もしなければ白色申告です。

青色申告は事前の届出の上、複式簿記や青色申告決算書の作成など少し複雑な書類を作成するなどいくつか要件があります。

見方を変えればそれだけきちんとした会計処理で、確定申告をするともいえます。

複雑で面倒が増えることなど誰もしないので、青色申告をしている人にはいくつか特典が用意されています。その特典が、「青色申告特別控除」です。

具体的には、所得金額から最高65万円またはは10万円を控除することができます(10万円の方が要件が緩和)。

所得税での青色申告特別控除の計算式

少しざっくりした計算ですが、青色申告特別控除を使ってどこが計算上得なのかみていきましょう。

(収入-経費-青色申告特別控除(65万円)-所得控除)×税率=所得税の金額

実際の所得税の計算はもう少し他の要素を加味しますが、このようなイメージでいてください。

上記の計算式の65万円部分が55万円に引下げになるわけです(10万円の人は改正なし)。

実際に何かを買ったりして現金を支払ったわけではないのに、65万円を経費のように引けるのは大きいわけです。

青色申告をすることができる人

事業所得や不動産所得、山林所得のある個人や法人が対象です。個人の場合、もう少し柔らかい表現をすると個人事業主や大家業などの人が主に該当します。

65万円(改正後55万円)と10万円の青色申告特別控除の違い

65万円(改正後55万円)と10万円の青色申告特別控除の違い

青色申告特別控除(65万円)の適用要件

65万円の控除を受けるための要件は、以下のとおりです。

  1. 不動産所得または事業所得を事業として営んでいる(山林所得のみはNG)。
  2. これらの所得についての取引を複式簿記で記帳。
  3. この記帳で作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付。確定申告書を法定申告期限内に提出
  4. 現金主義ではなく、発生主義の取引にしている(現金の動きがなくても取引発生時点で帳簿に記載)

これが65万円控除を受ける主な要件です。ここに該当しなければ10万円の青色申告特別控除となります。

少なくても10万円の控除であれば、白色申告とそんなに差はありません。対象になる場合には青色申告をするつもりでいた方がメリットは大きいでしょう。

会計処理が複雑そうと思う人は、e-Tax、WEBでの作成(国税庁のサイトからでも可能)を使えば入力だけですのでそんなに難しくはありません。

メリットを考えると税理士などに依頼するのもありです。

青色申告特別控除(65万円)を使う手続き

そもそも青色申告を利用するには、「青色申告承認申請書」の提出が必要です。

細かい手続きや違いは下記の関連記事に詳細を入れていますので、こちらを参考にしてください。65万円使える方が税金を考えた上では有利です。

今後についてはe-Taxなどを利用できないと、税負担が重くなるということです。

まとめ

青色申告特別控除が65万円→55万円に改正(2020年)要件のまとめ3選、についていかがでしたか。

青色申告特別控除だけでなく、基礎控除や給与所得控除、公的年金等控除も改正されますが、2020年までまだ時間はあります。

記事中でも解説したように、基礎控除などの他の控除にも影響があることがポイント。収入の得る方法(自営業、会社員・公務員、パートなど)によって関係ある改正とない改正があります。

部分的な改正情報だけを見ずに自分と家族、家計全体に関係ある所得税の改正をみて対応してください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴20年。



・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約14年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は550本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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