1. TOP
  2. 払う(税金・年末調整、確定申告)
  3. 【雑損控除】確定申告での計算方法と必要書類!雑損控除のポイント5選

【雑損控除】確定申告での計算方法と必要書類!雑損控除のポイント5選

Pocket

雑損控除とは?

雑損控除とは?

最初に雑損控除の基礎知識について確認していきましょう。

雑損控除とは?

雑損控除は、自分の資産(自宅や家財、車など)に火災や地震、その他自然災害・盗難等で損害を受けた際に適用することのできる所得控除の一つです。

所得控除は生命保険料控除や医療費控除などが該当しますが、位置づけはこれらと同様になりますが、雑損控除が優先して適用されます。

会社員の人などは年末調整で手続きできませんので、確定申告で雑損控除の手続きが必要です。

雑損控除が適用されるための要件について、対象資産や損害の原因は次のようになります。まずはこれを覚えてください。

対象になる資産

損害を受けた資産の所有者が次のいずれか。

  • 本人(納税者)
  • 本人と同一生計の配偶者やその他の親族でその年の総所得金額等が38万円以下の者。
  • 棚卸資産若しくは事業用固定資産等または生活に通常必要でない資産に該当しない資産

一般的には建物(及び車庫などの付属施設)や家財、自動車などが主なものになります。

その他親族で所得金額38万円以下というのは、その人の扶養の範囲に入っている人です。

仮に所得が38万円を超えているなら、その人が(親族等)、自分で雑損控除を適用するということになります。

ちなみに生活に通常必要でない資産というのは、例えば不動産関係だと別荘などの娯楽や保養の要素があるものが該当します。趣味という点ではゴルフ会員権も同様です。

他にも家財に関連するものは貴金属や書画、骨董など1個又は1組の価額が30万円超のものなどをいいますので、雑損控除には含まれません。

対象となる損害の原因

資産に損害があればすべて雑損控除の対象になるわけではありません。具体的には次の原因によるものが対象です。

  • 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  • 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  • 害虫などの生物による異常な災害
  • 盗難
  • 横領

このように見ると火災保険や地震保険で対象となる自然災害や事故(火災・ガス爆発)、盗難などが対象になっていると覚えておくといいでしょう。

盗難の他に横領も対象になる点もポイントですが、詐欺や恐喝では雑損控除の適用は不可です。

雑損控除と災害減免法は選択適用

所得が1,000万円以下の人が資産に損害を受けた場合、雑損控除の他に「災害減免法」という選択肢があります。

災害等によって住宅などに損害があり、その損害額(保険金などにより補てんされる金額を除く)が時価の2分の1以上の場合に適用されます。

具体的な軽減額は次の表のようになります。

(災害減免法)所得金額の合計額 軽減又は免除される所得税の額

所得金額の合計額 軽減又は免除される所得税の額
500万円以下 所得税の額の全額
500万円を超750万円以下 所得税の額の2分の1
750万円を超1000万円以下 所得税の額の4分の1

※災害減免法では盗難や横領は対象になりません。

  • その人の所得の金額
  • 所得は1,000万円以下かどうか
  • 損害の原因と損害額(時価の50%以上か否か)
  • 両方条件を満たしている場合、有利な方を選択

確定申告のときには雑損控除と災害減免法のどちらを選ぶかは上記の流れで考えていくといいでしょう。

雑損控除の計算方法と繰越、必要書類、証明書は?

雑損控除の計算方法と繰越、必要な書類・証明書

次に雑損控除の計算方法と必要書類・添付書類等について確認していきましょう。

雑損控除の計算方法

雑損控除は次の計算式を使います。この2つのうちいずれか多い方の金額を雑損控除に利用します。

  1. (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
  2. (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

※ 差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などにより補てんされる金額

差引損失額はこのように損害の金額に保険(火災保険・地震保険等)でプラスになる分は差引して計算します。

※ 災害関連支出の金額とは、災害により損害のでた住宅などの取壊しや除去するための支出金額などをいいます。

ちょっと計算関係は分かりにくいかもしれませんが、被害があった資産の時価(マイナス)から受け取った保険金などの金額(プラス)を差し引きします。

この金額が所得の10%超、あるいは災害関連の支出が5万円を超えれば対象となるようなイメージだと考えてください。

雑損控除の計算例と書き方

雑損控除の書き方と申告書の書き方については国税庁のサイトがわかりやすいのでここを参考にしてください。

国税庁 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

所属税の計算の流れの雑損控除の部分になります。

雑損控除の損失の繰越

例えば損失額が大きくてその年の所得金額から引ききれない場合、翌年以後も繰り越して所得金額から控除できます。但し3年間が限度です(東日本大震災では5年に延長されました)。

また所得控除は14種類ありますが、その中でも雑損控除は他の所得控除より先に控除するルールです。

雑損控除で控除しきれずに繰越する場合、確定申告書の第4表の損失の申告書が必要になります。

税務署に持ち込みならそこで教えてくれますし、郵送やe-taxなどの場合には自分で作成が必要です。

雑損控除の必要書類・添付書類(領収書等)

確定申告の雑損控除に必要な書類を確認しておきましょう。

確定申告書などの基本的な書類がある前提で雑損控除に必要なものを挙げておきます。

  • 災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収書
  • その災害を証明する書類(罹災証明、盗難届など)

確定申告と年末調整、雑損控除

確定申告と年末調整、雑損控除

雑損控除を適用する為には、確定申告が必須になります。会社員や公務員など普段は年末調整で納税や還付が済んでいる人も同様です。

医療費控除や住宅ローン控除(初年度)などと同様です。雑損控除以外に他にどのような控除が利用できるかも合せてチェックしてください。

間違えやすい雑損控除の対象とは?

間違えやすい雑損控除の対象

雑損控除の対象か否かについてもう少し捕捉しておきます。原則は最初解説した内容の損害原因です。

シロアリ

対象となる損害の原因の3番目に「害虫などの生物による異常な災害」というものがありました。実はここにシロアリの駆除費用が入ります。

国税庁 シロアリの駆除費用

車やバイクの盗難、車上荒らし、車庫

自動車やバイクなども対象になりますが、判断基準は「通常の社会生活を営むのに必要とされる資産」であるかということです。

国税不服審判所の裁決事例集には、オートバイ(400c.c.)の盗難になる損失控除の対象にならないとした事例があります。

内容をみると購入から盗難までの間でほとんど使用されていないことなどから否認されたようです。実態に合わせて判断されると考えておいてください。

通常利用する生活に必要な資産なら、車両盗難や車上荒らしなどによる修理費なども雑損控除の対象です。

車両そのものと違いますが、車庫やカーポートでも強風や大雪、雹、地震などで損害があった場合、雑損控除の計算で所定の金額になればこちらも含まれます。

家財・現金盗難

家財などの場合は冒頭に解説したように1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・書画、骨董などは対象になりません。

現金なども対象になりますが、盗難の場合には警察の届出がどうなっているかが重要です。何が、どれだけ、盗難にあったのかきちんと届け出ておきましょう。届出なども必要です。

住民税の雑損控除での取扱い

住民税の雑損控除での取扱い

雑損控除については、住民税にも影響します。所得税と同じような計算で税金を計算しますが、税率などが所得税とは違うのでその部分で差異はあります。

所得税の確定申告で雑損控除を行うと、税務署から地域の行政にデータがまわるのでこちらで何かするということはありません。それが反映されたかたちで住民税が計算されます。

雑損控除の期限

雑損控除の期限

わざわざ雑損控除をするということは、還付申告(お金が戻される)ということでしょう。還付申告の提出期限は5年間まで遡って行うことが可能です。

国税庁 災害等にあったとき 申告などの期限の延長・納税の猶予

原則はその年の所得に関する所得控除は翌年の確定申告でやるようにしてください。東日本大震災などのときなどは申告期限に関しても特例措置などが出されました。

そのような場合は国や地域の行政から出される情報をみて対応してください。

まとめ

【雑損控除】確定申告での計算方法と必要書類!雑損控除のポイント5選、についていかがでしたか。

雑損控除の利用を考えるということは、何かの被害を受けたということでもあります。

特に地震災害の場合、地震保険では必ずしも被害額の全額が補償されるわけではありません。頻繁にあることではないので忘れがちですが、雑損控除のような税制措置を忘れずに利用してください。

関連記事

Pocket

\ SNSでシェアしよう! /

お金の専門家FPが運営するお金、保険、投資の情報メディア|マイライフマネーオンラインの注目記事を受け取ろう

【雑損控除】確定申告での計算方法と必要書類!雑損控除のポイント5選

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

お金の専門家FPが運営するお金、保険、投資の情報メディア|マイライフマネーオンラインの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし
平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。FP歴20年。



・個人のお金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて損害保険ガイドを務め、約14年に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は550本以上。

現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
”ファイナンシャルプランナーに相談するには、、、”
http://ファイナンシャルプランナー相談.com

この人が書いた記事  記事一覧

  • 資産運用・投資で初心者のよくある失敗と初心者向けおすすめの3つの方法

  • ネット生命保険・医療保険のおすすめの比較方法とメリット・デメリット

  • 付加年金/知らないと損する年金上乗せ制度のデメリットと付加保険料とは?

  • iDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)の4つのポイントとは?