【薬剤治療保険】新たに発売された薬の保険のメリット・デメリットとは?
「薬剤治療保険」という新たな切り口の保険が発売されています。医療技術や医療そのものの変化、病気になったときに困ることが変わってきたことなど色々な背景があります。
■この記事で学べること
【1】薬剤治療保険とは?
【2】メリット・デメリット
【3】薬剤治療保険の活用の仕方とポイント
薬剤治療保険についての基本的な知識と活用のポイントについてファイナンシャルプランナーがお話します。
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この記事のもくじ
薬剤治療保険とは?
早速薬剤治療保険についてみていきましょう。
薬剤治療保険とは?
薬剤治療保険とは、これまでの医療保険(入院、手術、通院など)ではカバーしきれない薬剤治療を保障する保険です。
正式名称を「薬剤治療保険(無解約返戻金型)」といいます。
対象となる病気で投薬を受けた際、月に5万円・10万円といった給付金が最長60回・120回支払われる保険です。
入院や通院などの有無に縛られることはありません。
薬剤治療保険というように投薬について保険からの給付金が発生します。
従来の生命保険や医療保険は入院を中心としたものでしたが、昨今こうした状況から在宅療養などへシフトしつつあります。
- 昔 病気=入院を中心とした治療 病気が死亡に繋がるケースが多かった
- 今 病気=入院だけでなく在宅療養、長期に渡る治療、病気が必ずしも即死亡に繋がるわけではない。原因の多くは生活習慣病
このような状況からこれまでの単なる死亡保障、医療保障、年金や介護の保障をいう図式が大きく変わっています。
長引く低金利で生命保険でお金を貯めるという方法も間口が狭くなっています。
生命保険業界はここ何年かの中で、「就業不能保険」「認知症保険」「長寿保険(トンチン保険)」など新しい分野が次々に投入しています。
「健康増進型保険」に相次いで乗り出す生命保険会社が増えていますが同様の動きです。
生命保険業界などでは以前よりいわれていることですが入院日数は年々減少傾向です。
単純に医療費よりも治療が長引いたことで収入が減少するケースがあります。
またこれらは在宅療養や通院治療などが中心になり従来の保険では対象にならなかったり、充分にカバーされない領域をみるものです。
現在の病気の原因の多くは生活習慣病にかかるものです。おくすり保険ではこのような生活習慣病の重症化を予防することを考えています。
薬剤治療保険の取り扱い生保、対象にしている病気
取り扱いの生命保険
おくすり保険の取り扱いは現状はメディケア生命(住友生命グループ)です。今後各生保が追随してくるかは未定です。
おくすり保険で対象にしている病気
この保険で対象にしている病気は次の病気です。
- がんの薬剤治療
- 心疾患の薬剤治療
- 脳血管疾患の薬剤治療
- 動脈・静脈疾患の薬剤治療
- 腎疾患の薬剤治療
- 肝疾患の薬剤治療
- 膵(すい)疾患の薬剤治療
- 糖尿病の薬剤治療
- 脂質異常症の薬剤治療
すべての病気についての投薬が対象になっているわけではありません。
年間の死亡者数の原因の上位の病気や生活習慣病にかかるものが中心です。
薬剤治療保険のメリット・デメリット
次に「薬剤治療保険」のメリット・デメリットについてチェックしていきましょう。
メリット
- 対象の薬は1400種類、後から新薬などがでても条件を満たせば対象
- 対象となる病気・薬剤であれば入通院・手術・在宅医療等の要件は問わない
- 支払い対象の薬剤をWEB上で検索できるので確認・請求がシンプル
新たな治療方法などができると古い保険では対処しにくくなることがあります。終身医療保険などでは何十年も先に病気になるとあり得ることです。
新しい薬も条件を満たせば対象になるので従来の保険よりは対処はしやすいだろうと考えます。
デメリット
- 対象となる病気は9疾病のみ
- 9疾病で投薬を受けても対象にならない薬剤がある
デメリットというよりは加入する際の注意点に近いのですが、特に9疾病で対象にならない薬があることには注意してください。
後は保険ですからプランと年齢によって掛金の負担が変わります。年齢ごとの掛金をみたときに、人によっては負担が厳しいかなと感じる人もいるでしょう。
薬剤治療保険の活用の仕方とポイント
生活習慣病についてその発祥や重症化を予防することは大きな課題です。
これは国を挙げての動きですが、生活習慣病が重症化すると命に係わる状況になりかねません。
死亡してしまえばある意味簡単ですがそうでもないため、健康寿命が短くなったり要介護状態になることで社会保障の負担が大きくなる悪循環を生みます。
そこに切り込んできた保険ということです。
活用の仕方
医療費などをカバーする保険の中心ではありません。対象も9つの病気であることから、プラスアルファとすべきものと考えます。
新薬にも対応することから保険料が安い年齢で加入する、退職金などで一括して支払うなども方法です。
対象となる9つの病気でも対象とならない薬剤がありますが、この保険では病気を完全に治すこと(根治)や重症化を予防するための薬剤を対象にしています。
そのため症状が軽度であったり、これらのことを目的としていない薬は対象になりません。
ここをしっか理解でてきているかがポイントになるでしょう。
病気になった際、完治せずに5年、10年などと長期に渡って治療を続けることになるケースもありますし、完全に治っても再発することもあります。
通院治療が中心になるとどうしても薬がポイントになるので、治療が長期間になるとお金の負担がボディーブローのように効いてくるのです。
その意味では薬剤の治療という新たな視点で切り込んできた保険です。
保険市場に広がるか?
おくすり保険が今後多くの人に認知されるかの一つは、他社の動向や商品の必要性についての理解が関係すると考えます。
他社が入ってくると掛金を安くしたり、既存の商品よりも良い内容の保険にしてくるのでよりより商品になっていきます。
薬剤を中心にした全く同じタイプか異なるタイプかはともかく他の生保の動きもポイントになるでしょう。
実際に就業不能保険を単体の保険として発売したのは、ライフネット生命保険が最初です。その後アフラック社が取り扱いをはじめたことで広がりをみせました。
似たような動きになるかは全く分かりませんが、このような動きがでてきていることを覚えておきましょう。
薬という切り口を考えると病気になる可能性の高い年齢層の人や家族が、長く投薬の治療をしていた経験のある人には刺さる商品だと考えます。
まとめ
【おくすり保険】新たに発売された薬の保険のメリット・デメリットとは?、についていかがでしたか。
おくすり保険はまだはじまったばかりですが、「医療」「社会環境」などの変化は民間の生命保険にも大きな影響を与えます。
こうしてかなりの速度で変化していく中で柔軟に対応することが求められます。
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