【完全保存版】ペット保険(犬・猫)おすすめの選び方・比較12のチェック
ペット保険を選べる・比較する際、商品内容の違いが複雑で一般の人にはわかりにくい状態です。安さだけで選ぶと失敗しかねません。
■この記事で学べること
【1】ペット保険を取り扱う保険会社(損害保険・少額短期保険)
【2】保険各社ごとにペット保険がかなり異なる理由
【3】失敗しないペット保険(犬・猫・その他)おすすめの選び方・比較チェック12
犬や猫、その他の動物でペット保険のおすすめの比較・選び方について、2006年の保険業法改正前後からペット保険の動向をみているファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
- 1 ペット保険を取り扱う保険会社
- 2 保険各社でペット保険が異なる理由
- 3 失敗しないペット保険(犬・猫・その他)おすすめの選び方・比較チェック12選
- 4 まとめ
- 5 関連記事
ペット保険を取り扱う保険会社
ペット保険を取り扱う会社は、現在16社ほどあります。大きく分けると損害保険会社と少額短期保険業者に分かれます。
いずれも保険会社ですが、少額短期保険はミニ保険とも言われており、損害保険会社よりも設立要件は損害保険会社よりも容易です。
細かい違いは色々ありますが、契約者の観点からは契約者保護の仕組みが異なります。
損害保険は損害保険契約者保護機構により、所定の保護がされます。
これに対して少額短期保険は一定の供託金を積み増す仕組みにで、これで契約者を保護するかたちになっています。
また名称のとおり契約できる金額が少額で短期、預かった掛金の運用方法も預金や国債などに制限することで経営の安定化を図っています。
一概にどちらがいいとも言えませんが、規模は損害保険の方が大きく、参入のしやすさでいうと少額短期保険です。
この後ペット保険取り扱いの全社を取り上げますが、少額短期保険でも大手が参入しているところもあります。
また2019年4月よりペット&ファミリーが少額短期保険から損害保険になりました。
ペット保険を取り扱う保険会社は、アクサダイレクトやau損保、SBIいきいき少額短期保険などのように、他の保険を取り扱っている会社もありますが、その多くがペット保険専業です。
なお、自社でペット保険を取り扱っているところだけ取り上げています。
なお、アフラックペット少額短期保険のように本格展開を中止したところや新規募集を停止しているところも掲載しています。
各保険会社の掲載は順不同です。筆者が執筆時点で把握できている16社を掲載します(2024年9月1日時点)。
ペット保険を取り扱う損害保険会社
①アイペット損害保険株式会社 どうぶつ健保
②アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクトのペット保険
③アニコム損害保険株式会社 うちの子
④au損害保険株式会社 ペットの保険
⑤ペット&ファミリー損害保険株式会社 げんきナンバーワン
⑥あいおいニッセイ同和損保 ワンにゃんdeきゅん
ペット保険を取り扱う少額短期保険業者
①イーペット少額短期保険株式会社 e-ペット70・50
②SBIいきいき少額短期保険株式会社 SBIいきいき少短のペット保険
③FPC株式会社 フリーペットほけん
④SBIプリズム少額短期保険株式会社 プリズムコール
⑤日本ペット少額短期保険株式会社 いぬとねこの保険
⑥ペッツファースト少額短期保険株式会社 ほっとサポート
⑦アフラックペット少額短期保険株式会社 アフラックペット少額短期保険
⑧ペットメディカルサポート株式会社 PS保険
⑨楽天少額短期保険株式会社 スーパーペット保険
⑩チューリッヒ少額短期保険株式会社 犬のがん保険
⑪つばき少額短期保険 つばきのペット保険
保険各社でペット保険が異なる理由
最近は自由化しているからペット保険も各社でそれなりに違っても、だいたい似たようなものだろうというのは間違いです。
例えば昔からある自動車保険や火災保険も自由化しているので各社同じ商品ではありません。
しかし業界団体である損害保険料率算出機構が、会員各社からのデータなどを元に保険料率の検証を毎年行っており改定の必要があれば金融庁に届出をします。
またその料率(参考純率といいます)は各社に開示されています。
自由化されているので各保険会社はこの料率を使う義務はないのですが、基準になるものは示されています。
しかし保険会社が取り扱うペット保険は歴史が浅くこうしたものはありません。完全に各社ごとなのです。
この後解説しますが、例えばペットの平均寿命は犬は14.62歳、猫は15.79歳です(一般社団法人ペットフード協会 2023年全国犬猫飼育実態調査)。
しかし新規のペット保険の加入可能年齢は早いところだと7~8歳まで、遅くても11~12歳と5年ほど開きがあります。
ペットの平均寿命を考慮すると5年近く違うのは結構な差です。
これは一例に過ぎませんが、ペット保険の選び方や比較をする際にはこうした違いがあることは頭に入れておいてください。
失敗しないペット保険(犬・猫・その他)おすすめの選び方・比較チェック12選
ペット保険を比較する際のポイントは条件を極力合わせて比べることです。ペット保険ランキングなどをみる際も同じです。
しかしすでにお話したように結構内容が違うことが多いので、必要な項目を一つずつチェックしていく方が失敗が少なくなります。
安い保険に加入したい気持ちは誰にでもあるでしょうが、単に安いペット保険というだけで選ぶと後で後悔します。
それでは12のチェック項目とその解説に進みましょう。
1→12の順番どおりに項目をチェックして比較、その上でペット保険を選んでいってください。
1.ペットの種類は?(犬・猫・その他)
ペット保険が対象にしている動物はそのほとんどが犬か猫です。
うさぎやフェレット、ハムスターなどの小動物や鳥類・爬虫類などはほとんどの会社が取り扱っていません。
また猫は種類による違いはありませんが、犬の場合は小型犬・中型犬・大型犬(会社によってはさらに特大犬)に分かれます。
まずはペットの種類を改めて確認しましょう。
- 犬(小型犬・中型犬・大型犬(特大犬))
- 猫
- それ以外のうさぎやハムスターなどの小動物・鳥類・爬虫類
ペットの種類が犬猫以外の場合、ペット保険の加入先がこの段階でかなり限定されます。
犬猫以外の取扱いがあるのは、アニコム損保、アイペット損保、日本アニマル俱楽部少額短期保険です。
ペット保険はネット契約することができますが、ペットショップなどの代理店でも加入することが可能です。
対面販売の場合、犬猫以外の加入対象となる動物を拡大しているケースがあります。ネット加入だけで判断せずに確認するようにしてください。
2.ペットの年齢とペット保険の加入可能年齢は何歳か?
ペット保険における契約の引受けリスクはアルファベットの「J(ジェイ)」の字のカーブであると認識してください。
つまり生後間もない段階ではリスクが高く、成長するにつれ一度安定します。
その後高齢になるに従って再びリスクが上昇していきます。
チェック項目はペット保険各社の「新規」での加入可能年齢です。「継続」「更新」ではなく「新規」です。
早いところだと7~8歳、遅いところで11~12歳程度で新規の引受けをしません。
犬や猫でも10歳を超えてくると年齢上の縛りで加入先が限定されてくると考えてください。
例えばペットを飼い始めて保険には加入しないという選択をしたとします。
7歳くらいまでに一度、10歳くらいまでにもう一度ペット保険の加入は検討してみてください。
その上でペット保険は必要ないという判断はありです。
人と同じように保険はいつでも誰でも好きなときに加入できるわけではないので、加入できるうちに検討だけはしてみましょう。
ここまでの2項目で犬猫以外のペット、また犬猫でも高齢なペットは加入先がある程度は加入できる先が絞られてくるはずです。
3.新規加入で待期期間はどのくらいあるか?
ペット保険の引受けのリスクは「J」の字であると言いました。高齢になると制限があるように最初の加入時にも制限があります。
待機期間と言ってペット保険に加入できても保険金の支払いの対象にならない期間が設定されています。
短いところで30日くらいですが、長いと45日から60日くらいの制限があります。ペット保険に加入できても対象にならない期間がどのくらいかよくチェックしてください。
4.補償割合は何%か?
ペット保険の補償は入院や手術、通院などの医療についての補償が中心です。
しかしその多くが1日いくらというものではなく、負担する医療費に対して何%補償するかというものです。
その多くが「70%」「50%」のプランです。70%にすれば30%は自費になり、50%にすれば半分は自費ということになります。
会社によっては80%、90%、100%などというプランを作っているペット保険もあります。補償が高いだけ掛金も高くなります。
この補償割合をどうするか考えてください。
保険に加入していても自費で支払う部分もあるので、そもそもの加入するかどうかも含めてよく考える必要があります。
5.補償限度額と限度回数は?
ペット保険の補償は70%、50%などの割合で補償されるといいましたが、注意が必要なのは限度額や限度回数が決められていることです。
例えば70%のプランにしたら、ずっと70%は補償してくれて30%だけ自分で負担すればいいというわけではないのです。
- 保険期間1年あたりの限度額・回数
- 1つの疾病・事故に対する限度額
- 1回の入院・手術・通院に対する限度額
ペット保険の商品によって違いますが、上記のようにいくつか決められています。例えばペット保険は1年契約ですが、年間の限度額などが決まっています。
100万円くらいあれば多い方ですが、病気がちなペットだと回数や金額などが低いとこれを超えてしまいます。
細かいところで面倒でしょうが、どのくらいまで補償されるのか限度額や回数、その縛りの期間をチェックしてください。
6.更新するときの掛金(保険料)アップはなだらかか?
ペット保険を保険会社が取り扱いをはじめた当初は、更新できる年齢が設定されていました。
現在のペット保険の終身継続が可能なものが主流です。
但し、契約は1年ごとに更新するため掛金(保険料)が1年あるいは数年の頻度でアップします。
目先の掛金だけ比べて安いという理由だけで加入すると、後で負担が大きくなって経済的に支払うのが難しくなってしまいます。
他社に切り替えしようと考えても高齢になると、新規の加入年齢に制限があるのはすでにお話したとおりです。
ペットも年を取るので掛金がアップしていくのは仕方のないことです。
更新するときの掛金がアップするカーブがなだらかか、数年単位でしか変わらない、2-3回しか変わらない、10歳からは掛金一律などにしているところもあります。
逆に10歳まで保険料アップしないというケースもあります。大事なところなのでよく確認してください。
7.契約の更新に条件はつかないか?
ペット保険の主流は継続契約なら終身加入であるとお話しましたが例外があります。
新規ではなく既存の契約の更新であっても、病気などをして保険を使っていると更新に条件がついたり、更新できないことがあります。
これも意外と知られていない盲点です。分かって加入するのであればいいのですが、そうでないと後でストレスの元になります。
8.ペット保険の支払い対象外の項目をチェック
ペット保険も保険ですから、保険金を支払いに該当しないことが決められています。
各社共通しているものもあれば、A社ではダメだがB社ならOKみたいなこともあるのでよく確認してください。
例えば時間外の診療などについてはペット保険で対象にしているところとそうでないところがあります。
挙げたらキリがありませんが、どのペット保険でも「保険金をお支払いできない主な事由」などの記載は必ずあるので目を通してください。
予防に関するものなどある程度共通していることもあるものの重要なポイントです。分からないことがあれば照会して内容を確認してください。
9.適用できる割引はあるか?
この項目は使えればというくらいでいいのですが、ペット保険には割引を適用しているケースがあります。主な次のような割引があります。
- インターネット割引(またはWEB割引)
- 多頭割引
- マイクロチップ割引
- 無事故割引
- 福祉割引 など
割引についてはここに書いた割引をほどんど適用しているペット保険もあれば、全く割引制度がないペット保険もあります。
またインターネット割引も初年度だけか毎年適用できるかなど違いがあります。なお、掛金については割引がなくても安いケースもあります。
割引率は数%程度のケースが多いですが、割引があるところを優先して比較せずに、割引制度が使えればいいくらいで比べてみましょう。
割引制度がなくても安いケースもあるので、そのつもりで該当する割引をみてください。
2022年(令和4年)6月1日よりペットのマイクロチップ装着義務化
マイクロチップについて情報を捕捉しておきます。2022年(令和4年)6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫はマイクロチップの装着が義務化されます。
これによってブリーダーやペットショップ等で購入した犬や猫はマイクロチップが装着されることになります。飼い主になったら自分の飼い主情報に変更する登録が必要です。
他にもマイクロチップが装着されていない犬や猫を譲ってもらった場合、あるいは拾った犬・猫に自身でマイクロチップ装着した場合は自分で飼い主の情報の登録が必要になります(これらの場合は努力義務)。
ペット保険の割引と直接関係ありませんが、犬や猫を飼う方には重要なことの一方で、いま一つ周知が進んでいないようなので事前によく確認してください。
10.保険金の請求方法
ペット保険の保険金請求は一度立て替え払いした後に、保険会社に請求して振込してもらうケースがほとんどです。
例外的に保険会社が提携している動物病院の窓口でそのまま保険金も一緒に精算できるものがあります(窓口精算)。
窓口精算をしているペット保険は、アニコム損保とアイペット損保の2社です。保険金請求も多くの人には手間がかかるものです。
かかりつけの動物病院で保険会社の窓口精算対応しているところがあるなら、比較するテーブルにのせておくといいでしょう。
ペット保険加入後の使い勝手をよくする方法の一つと考えてください。
11.その他サービスの有無
ここにきて何社かのペット保険会社が、24時間の獣医師による相談ダイヤルなどのサービスをはじめています。
人の医療保険などにもあるサービスですが、しつけや容体の急変などペットに何かあったときの相談窓口などのサービスが増えています。
必須ではないかもしれませんがあるとかなり使えますので、こうしたいくつかのサービスの有無なども確認してみましょう。
人と同じようにペットについても、治療だけでなく予防や健康の改善の観点を重視したサービスが増えています。
給付金を受取るよりも役に立つケースがあります。
12.掛金はいくらか?安ければいい?
多くの人が「掛金が安い」ことを条件のはじめに持ってきますが、ここまで挙げた条件をチェックした上で掛金がいくらかを比較してください。
ここは結構重要なところです。保険ですから補償がしっかりしているものは高くなりますし、安いものはそれなりになりがちです。
もちろん安いから駄目というものではありません。ここまで書いたことを確認して理解した上で決めてください。
ペット保険の事情は分かったが、予算を考えるとここまでというのは現実にはあるでしょう。またよく考えたが加入しないという選択もあるはずです。
掛金の安いところから探すと補償の違いなど見落とすことが多いので、掛金の比較は最後にした方が失敗は少なくなります。
ここまでのすべての項目にある内容が分かった上で、掛金の安いものを優先するのは一つの判断ですからありです。
まとめ
ペット保険の比較やランキング以前に確認しておきたいことは、そのペットのかかりやすい病気などを知っておくことです。
例えば猫なら尿路結石などです。もちろんペットによって病弱だったり、丈夫だったり個体差はあるでしょう。
そうした特徴も理解して飼い主として気をつけることができることは気をつけるということも大切なことです。
ペットも平均寿命が延び、医療も高額化してきています。ペット保険はあくまで選択肢の一つです。
ペット保険の現状と内容、注意点を理解して比較したり、ランキングのチェックをしてください。
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