【キャンセル費用保険】旅行・宿泊・イベントのキャンセル補償のポイント
海外・国内旅行やツアー、イベントなどで突発的な事故や病気、アクシデントによるキャンセルの可能は排除できません。旅行や航空券、宿泊料などキャンセル費用を補償する「キャンセル保険」が注目されています。
■この記事で学べること
【1】キャンセル保険とは?
【2】主な商品、取り扱い保険会社
【3】申し込みから保険金受取りの流れ
【4】キャンセル保険の注意点・ポイント
【5】キャンセル保険の比較方法・おすすめの選び方
キャンセル保険の特徴から注意点、比較方法、おすすめの選び方をファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
キャンセル保険とは?
キャンセル保険とは?
国内や海外の旅行先で病気になったり、ケガをした際の旅行保険などによる備えの必要性は以前からあります。
しかし出発直前に病気になったり事故に遭うなど、旅行中止によるキャンセル費用もこれからの時代ではリスクです。
このキャンセル費用を補償するのが「キャンセル保険」です。
単に旅行キャンセルだけでなく、主に次のようなキャンセルを対象にします。
- 国内旅行(個人、ツアー)キャンセル
- 海外旅行(個人、ツアー)キャンセル
- 修学旅行キャンセル
- 航空券(飛行機代)キャンセル
- ホテルの宿泊キャンセル
- コンサートなどのイベントキャンセル など
保険商品によって何のキャンセル費用を補償するか異なりますが、これらのキャンセル費用の全部または一部をカバーします。
キャンセル保険は損害保険会社や少額短期保険の一部の会社が取り扱いをしています。
直接保険会社に申し込み可能なケースもありますが、特定の旅行会社や予約サイト、あるいは旅行会社の店舗などの提携先を経由して販売していることが多いです。
キャンセル保険の保険料の目安
保険料はその保険商品や補償内容によって異なりますが、旅行費用や航空運賃、宿泊料金、イベントのチケット料などの10%弱くらいまで(おおむね2~7%程度)が多いです。
キャンセル保険の主なキャンセル事由
キャンセル保険は、保険ですからキャンセルさえすれば補償されるわけではありません。
例えば次の事由でキャンセルしたときに補償されます。
【キャンセル保険で補償されるキャンセル事由の例】
- 本人や同行者の死亡、入院など
- 搭乗予定の交通機関の2時間以上の遅延または運休・欠航など
- 参加予定のイベントの中止または延期
- 勤務先の業務命令による宿泊を伴う出張
- 新型コロナウイルスを含む指定感染症等にかかったことによる宿泊療養、自宅療養など
- 濃厚接触者となり健康状態の報告を求められた場合
- PCR検査結果待ちの場合
- ペットの犬猫の死亡など
- 災害対策基本法に基づく避難指示
- 裁判への出廷
- パスポートの紛失・盗難等 など
※補償内容は保険商品によって異なるため、加入時に補償内容やキャンセル要件などの確認を必ずしてください。
主なキャンセル保険の商品と取り扱いの保険会社
キャンセル保険の取り扱いをしている少額短期保険および損害保険会社は次のとおりです(順不同)。
表の上から3社までが少額短期保険、4社目以降は損害保険会社です。
下から2番目は損保各社とありますが、海外旅行保険の特約での補償なので付帯できるところとできないところがあります。
最後のクレジットカードのキャンセルプロテクションも同様に付帯していないものもあります。
【主なキャンセル保険の例(順不同)】
商品名 | 取り扱い保険会社 | キャンセル分野 |
チケットガード Peachチケットガード トリップキャンセル 宿泊キャンセル保険 | AWPチケットガード少額短期保険 | イベント 航空券 国内・海外旅行 宿泊 |
Travelキャンセル保険 | Mysurance株式会社 | 国内旅行・ツアー 国内修学旅行 国内宿泊・航空券 |
サービス組み込み用 キャンセル保険 | スマートプラス少額短期保険 | イベントなど事業者向 |
旅のキャンセル保険 | Chubb(チャブ)損害保険 | 企画旅行等 航空券等 宿泊 レンタカー |
ANAのキャンセル保険 そらもよう | 東京海上日動 | 航空券 |
キャンセル費用補償 | 三井住友海上 | 国内旅行 海外旅行 |
海外旅行保険 旅行変更費用補償特約 | 損保各社 海外旅行保険に特約付帯 | 海外旅行 |
クレジットカード付帯 キャンセルプロテクション | クレジットカード会社 | 国内・海外旅行 航空券等 イベント |
申し込みから保険金受取までの流れ
【キャンセル保険の一般的な申し込みから保険金受取りまでの流れ】
- 旅行・宿泊・航空券・イベントなどを予約して料金を支払う
- 所定の期間内(予約後●日以内、出発●日前など)にキャンセル保険に申し込み
- 加入したキャンセル保険に該当する事由でキャンセル発生
- 予約先にキャンセル料金の支払い
- 保険金請求書やキャンセル料の領収書など必要書類を提出
- 保険金の支払い
保険の加入から、キャンセルの発生、保険金の支払いまでは一般的にこのようなフローになります。
キャンセル保険の注意点・ポイント
キャンセル保険の加入や保険金の支払いには要件があります。加入前にしっかり確認しておきましょう。
特に注意したいのは次の3つです。
- 保険に加入可能な期間
- キャンセル事由と補償割合
- 加入方法
それぞれ個別にみていきましょう。
保険に加入可能な期間
キャンセル保険はいつでも加入したいときに加入できるわけではありません。
海外旅行保険などのように空港のカウンターで出発日に加入というわけにはいかないのです。
保険によって加入できる期間が定められています。
例えば次のようなタイミングです。
- 予約後1~2週間程度以内
- 出発の1~2週間程度前まで
このように保険によって所定の要件があり、この2つの要件がそれぞれ決められていることもあるので注意が必要です。
キャンセル事由と補償割合
はじめにお話したようにキャンセル保険は、保険商品ごとにキャンセル事由が異なります。
本人や同行者の死亡や所定の入院などある程度共通した内容のものもありますが、各社一律というわけではありません。
また補償割合も必ずしも旅行代金などの全額がカバーされるわけではありません。
100%補償されるキャンセル事由もあれば、50%や30%などとキャンセル内容によっては補償割合が変わることもあります。
「補償されるキャンセル事由」および「補償割合」は必ずチェックしておきましょう。
加入方法
キャンセル保険に加入しようと思ったときに、海外旅行保険などのように比較サイトがあったりするなど、思ったよりネットで情報が見つけにくいはずです。
取り扱い保険会社のところでも書きましたが、保険会社が直接ネットで販売しているだけでなく、提携先での予約などに限定しているケースも多いためです。
つまり保険会社が提携している、
- 旅行サイト
- 旅行会社WEBサイト
- 旅行会社等の店舗
- 所定の航空会社 など
これらの特定のところで予約したものでないとキャンセル保険に加入できないケースも多いのです。
クレジットカードのキャンセルプロテクションの場合、利用代金などをそのクレジットカードで決済するなど「利用条件」が付帯していることがあるので覚えておきましょう。
キャンセル保険の比較方法・おすすめの選び方
キャンセル保険の加入の前にチェックしておきたいポイントや比較方法、選び方をみておきましょう。
- キャンセルした場合の費用はいくらか
- 予約先のキャンセル条件を確認
- 不安や心配なキャンセル事由は何か
- 旅行や航空券、宿泊、イベント加入先にキャンセル保険はあるか
- クレジットカードにキャンセルプロテクション等はないか
- 他に直接保険会社で加入できるキャンセル保険でカバーできるか(海外旅行なら海外旅行保険も)
- 該当するキャンセル保険の補償内容と保険料を比較
キャンセル保険以前にキャンセルが発生した場合のコストがいくらになるか改めて確認しましょう。
予約して代金を支払っていればそれがコストですが、単価が高いほど、また家族で行く場合にはそこに数量が加わるので人数が多いほどリスクが高くなります。
その上でキャンセル条件があるので目を通しておきましょう。
例えばホテルなどの宿泊の場合、宿泊の1日前で代金の20%、当日80%、無連絡だと100%などありますが、予約先のキャンセル規程を確認しましょう。
その上でキャンセルになったら金額が大きいと思いますが、すべてのキャンセル事由が不安というわけではないでしょう。
いまだと新型コロナウィルスの感染や濃厚接触などが多いかもしれませんが、補償事由になっているのかなども見てください。
まずは申込した旅行会社など加入先の繋がりでキャンセル保険に加入できるものがあるかをチェックしてください。
その上で直接保険会社に申し込みすることができるキャンセル保険と補償内容や保険料を比較します。
海外旅行保険の特約を利用する場合には、特約の取り扱いの有無も確認した上で海外旅行保険の他の補償も含めて比較してください。
まとめ
withコロナの時代、旅行や各種のレジャーにはキャンセルリスクも考えておかなければなりません。
特にキャンセル保険に加入可能時期には注意してください。
予約代金や保険の内容によってはキャンセル保険の必要性が下がるケースもあるでしょう。
予約時にキャンセル保険の必要性や加入も一緒に検討するようにしてください。
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