【株の損益通算】損益通算や繰越控除のやり方とポイント3選
株の損益通算は、1年間の利益と損失を相殺して定申告で手続きします。損失が残る場合には繰越控除も可能ですがやり方が分からない人も多いでしょう。
■この記事で学べること
【1】損益通算のやり方と確定申告
【2】株の損益通算と繰越控除
【3】損益通算と繰越控除のポイント3選
株式投資の損益通算と損がでた場合の繰り越し控除のやり方についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
株の損益通算・繰越控除のやり方と確定申告
株式投資をする際、「一般口座」と「特定口座(簡易申告口座、源泉徴収口座)」の3つがあります。
損益通算と繰越控除をする際の手順のイメージは次のとおりです。
3つの口座の損益通算の判断のフロー
出典:国税庁
株式投資では、株の譲渡(売却)による譲渡益と配当金からの配当益があります。
それぞれ所得税(および復興特別所得税)・住民税を合わせて20.315%の税金がかかります。
ちなみに配当金についての税金は源泉徴収されるため、これだけなら確定申告は不要です。
しかし配当金も譲渡益とともに損益通算の対象のなので、利益と損失の計算にはこれを含めて考える必要があります。
一般口座や簡易申告口座の人はは毎年確定申告しているでしょうから、株の損益通算や繰越控除の使用については源泉徴収口座の人でしょう。
株の損益通算の確定申告のやり方
損益通算を適用する場合には、確定申告が必要になります。
- e-taxによるネットやスマホ
- 手書きの確定申告書類作成(直接提出・郵送)
大きく分けるとこの2つのやり方になります。
コロナ禍でもあるのと電子申告が推進されているので、e-taxを前提で考えた方がおすすめです。
損益通算は投資を続ける以上、どうしても関わってくるので確定申告に慣れるようにしましょう。
下記のリンクや関連記事を参考にしてください。
参考 国税庁 令和4年分確定申告特集 株式を売却した方へ
株の損益通算と繰越控除
出典:国税庁
株の損益通算と繰越控除
上場株式などの損益通算とは、その年の1/1から12/31までの株の譲渡による損益を合算(つまり相殺)して計算することです。
それによって儲けがでるなら課税されるので納税が必要です。
逆に損がでた場合は確定申告することで、損益通算によって最大3年間の繰越控除を受けることができます。
損益通算と繰越控除は上場株式はもちろん投資信託やFXなどでも適用することができます。
但し、繰越控除は同じ税金の種類の金融商品の同士でしか適用できません。
例えば株式投資(譲渡所得)とFX(雑所得)は税金の種類がことなるため株式とFX間の繰越控除は利用することができないのです。
損益通算は利益と損失の相殺ですが、翌年以降に繰り越した損失が残っている場合、3年間その残った損失を利益と相殺することができるということです。
損益通算は株だけではない
この記事では株式の損益通算や繰越控除についての記事なのでそれ以外には触れませんが、他の所得の損失でも損益通算できるものがあります。
上場株式の売買は譲渡所得に該当します。
実際に損益通算が可能な所得は次の4つですので、知識として覚えておいてください。。
- 不動産所得
- 事業所得
- 山林所得
- 譲渡所得
参考 国税庁 損益通算
株の損益通算と繰越控除のポイント3選
損失の繰越控除は確定申告を失念すると適用できない
株の損失による繰越損失は、毎年確定申告をしなければなりません。
例えば、1年目に損失が出て確定申告しても、2年目、3年目も繰越控除を使いたいなら毎年申告が求められるのです。
確定申告を1回行えば、その後は必要ないというものではないので注意しましょう。
株式投資の売買ルールを決めておく
株式や投資信託などは、いくらで購入できるかはなかなか難しい判断ですが、売却するときは、それ以上に難しい判断です。
上昇時にはもっと上がる(かも)、下落時にはもっと下がる(かも)と、心理的にも色々難しいところです。
例えば、株による損がでていて塩漬け状態になっている銘柄があるとします。
長期保有ならそのまま損があっても気にせず保有するというのもありですが、別の銘柄で利益がでたときに選択肢がでてきます。
- 別銘柄で利益が上がったら利益の範囲で、損失銘柄を一部売却
- 別銘柄で利益が上がったら利益を超えて、損失銘柄を全部売却(残りは繰越控除)
何が正しいわけではありませんが、手持ちの資金も含めてどのような選択をするかの判断が必要です。
日頃からこうしようというものの方向性を決めておくと、実際にその判断がきたときに迷いが少なくなります。
株式や投資信託の損失なのに損益通算できないことも
株式や投資信託の売却により、損失がでたにも関わらず損益通算や繰越控除が使えないことがあります。
具体的にはNISA関連での売買です。
- 一般NISA
- つみたてNISA
- ジュニアNISA(2023年で終了予定)
これらは株式投資や投資信託による損失であっても、損益通算や繰越控除が使えません。
知らずに損益通算できるつもりで売却することのないようにしてください。
まとめ
確定申告そのものや株式投資がらみでの確定申告の経験のある人には、まだしもはじめての人に確定申告は結構ハードルが高いでしょう。
損益通算と譲渡損失の3年間の繰越控除があることで、課税を調整することができます。
仕組みとポイント、そして確定申告に慣れることで、株式投資の税金を上手く調整してください。
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