証券総合口座のMRF(マネーリザーブファンド)は元本割れする?
証券会社で証券総合口座で使うことが多いのが、MRF(マネーリザーブファンド)です。MRFは投資信託ですから、元本保証ではありません。
■この記事で学べること
【1】MRFは元本割れすることがある?
【2】MRFとは?
【3】利回りと金利
【4】使い方と預り金の自動スイープサービス
【5】MRFの相続税評価額
証券総合口座などを利用するなら知っておきたいMRF(マネーリザーブファンド)についてファイナンシャルプランナーが解説します。
※こちらにご登録頂くと「Mylife Money Online」の記事だけでは読めないお得なお金の情報を定期的にお届けいたします。
この記事のもくじ
MRFは元本割れすることがある?
【結論】
MRFは追加型の公社債投資信託に該当するため、普通預金のように元本は保証されていません。但が、安定運用を行うため元本割れのリスクは低くなっています。
理由は信用度の高い(安全性が高い)、国内外の公社債などに限定して投資しているからです。
ちなみにMRFとよく引き合いに出されるのがMMFですが、こちらは過去に元本割れしたことがあります。
当時かなり話題になりました。
必要以上に神経質になることはないでしょうが、元本保証された商品でない以上、元本割れの可能性を否定するのはおかしな話です。
万が一くらいでも可能性はあると考えておきましょう。
投資などの経験のない人は投資リスクの有無だけを見ることが多いので勘違いしがちです。
個別銘柄の株式投資などでいう元本割れのリスクとは、リスクの大きさは違うと考えてください。
このあたりは最低限の投資の勉強と投資についての慣れも必要です。
MRF(マネーリザーブファンド)とは?
MRFとは「Money Reserve Fund」の略称で、安全性の高い公社債などで運用されている投資信託のことです(株式などでは運用されません)。
1円以上1円単位で購入することができ、すぐに解約も可能です(入出金の際に手数料は不要)。
証券会社のATMやメガバンクやゆうちょ銀行などの他の口座を経由しての入出金も可能です。
いまはコンビニなどからも入出金することができます。
証券総合口座に入金した資金や株式などを売却した場合の資金はMRFで運用されます。
また毎日決算を行うため、その実績に応じて収益が分配されます(分配金)。
逆に株式などの購入をする際にはMRFを売却して、その買付資金に充当されます。
つまり証券口座に資金をプールしているお金をMRFで運用していて、買い付けしたり売却した場合に、ここからお金を出したり入れたりするわけです。
記事の冒頭に銀行の普通預金のイメージで言われるというのはそのためです。
利回りと金利はどのくらい?
マネーリザーブファンドの金利はどのくらいかというと、ご存知のようにゼロ金利、マイナス金利の状態なので低いままです。
現在は運用会社によって異なりますので下記を参考にしてください。
年のためお断りしておきますが、MRFの金利も必ずしも各社一律ではありません。
みずほ証券と三菱UFJモルガンスタンレー証券は他社の商品も含めて複数取り扱いがあります。大手証券などは下記のとおりです。
見ていただくと分かりますが、銀行の預金金利と五十歩百歩です。
多少条件がよいケースがありますが、目の色を変えるほどの利回りの違いではありません。
ちなみにネット証券などでは、MRFの取り扱いをやめているところもあります。
MRF(マネーリザーブファンド)の使い方、預り金自動スイープサービス
MRFの使い方
証券会社によって証券総合口座の内容などは異なりますが、MRFも使えるところだと証券総合口座に入金した資金でMRFを自動的に買い付けます。
その点から考えるMRFの使い方は、先々投資する資金を一時的に待機させておくことです。
投資や株式銘柄の取引の都度、別な銀行などから証券総合口座のある証券会社に入金するわけにはいきません。
実務的には投資資金の一時的な預け先として考えておくといいでしょう。
預り金の自動スイープサービス
最近はインターネット証券を中心にMRFを使わない仕組みも導入されています。
それが「預り金の自動スイープサービス」です。
預り金の自動入出金(スイープ)サービスとは、証券会社と提携している銀行の間での資金移動サービスのことです。
自動で資金が移動されるため、口座を利用する本人が自分で資金移動する必要がありません。
一般的に振込手数料もかかりませんし、証券口座への残高反映も即時です。
このように必ずしもMRFを利用しなければならないわけでもなくなっています。
MRFの相続税評価額の計算方法
直接お金を貯める、預けるということとは違いますが、参考までにMRFにお金がある状態で死亡した際の相続税評価額の計算方法について触れておきます。
MRFなどの課税時期において解約請求などを行ったとした場合、証券会社などから支払いを受けることができる価額により評価します。
具体的な相続税評価額の評価方法は、次のようになります。
MRFの相続税評価額=1口あたりの基準金額×口数×再投資されていない未収分配金×未収分配金に対する源泉所得税
ゼロ金利・マイナス金利の現在は未収分配金はほとんどないと考えてください。
そうするとそれに対しての源泉所得税もほとんどありません。
いまのところは口数が相続税評価額に近いかたちになるとイメージしていいでしょう(将来金利が上昇した場合はまた状況が変わります)。
もちろん実際に相続税評価額を計算する際には、上記の計算式に当てはめて計算してください。
まとめ
MRFの口座開設が可能な証券総合口座なら普通に利用するかたちになることがほとんどですから、ある程度内容を理解できれば後はそのまま使うだけです。
使い方のところでも解説しましたが、投資資金の一時的な預け先の意味合いだと考えてください。そんなに難しく考える必要はありません。
※こちらにご登録頂くと「Mylife Money Online」の記事だけでは読めないお得なお金の情報を定期的にお届けいたします。