60歳からの新NISAの5つのポイント
新NISA制度がよく話題になりますが、60歳(あるいは65歳)から新NISAをはじめて大丈夫か迷う人も多いでしょう。元本割れの恐れもあるので躊躇する人もいます。
■この記事で学べること
【1】60歳(65歳)から新NISAを始めて大丈夫か?
【2】60歳からの新NISAの5つのポイント
【3】60代の新NISAの始め方
60歳・65歳など60代から新NISAをはじめて大丈夫か、そのポイントと注意点についてファイナンシャルプランナーが解説します。
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この記事のもくじ
60歳からNISAをはじめて大丈夫か?
【結論】
60歳・65歳からの新NISA(つみたて投資枠)は、適切な運用ができるなら条件付きであり。
条件付きとしたのは、60代など高齢になるほど投資期間が短くなります。
損失が発生したときにそれをリカバーする時間が限定されてしまいます。
一方で、60代からでも資産運用をすることで資産寿命を延ばすことができます。
60歳から資産運用をはじめて20年で80歳です。
リスク資産の割合はあまり多くしない方いいのは確かですが決して難しい期間ではありません。
60歳からでも決して駄目ではありませんが、無理は禁物ですのでその前提で読み進めてください。。
60代からの新NISAの5つのポイント
60歳から新NISAをはじめるにあたり、適切な運用ができるなら条件付きでありと話しました。具体的に内容をみていきましょう。
ポイントは次の5点です。
- 長期での積立・分散投資を行う(新NISAのつみたて投資枠)
- リスクはほどほどに
- 少額で始めること
- 手数料等のコストの意識を持つ
- 丸投げにせず、少しずつでも資産運用の勉強をする
長期での積立・分散投資を行う(新NISAのつみたて投資枠)
投資の基本は年代を問わず、長期での積立・分散が基本です。
国内外の株式や債券など幅広い投資対象にリスク分散します。新NISA(積立投資枠)の投資対象商品は投資信託です。
株式投資で一銘柄購入するよりは投資対象の分散はある程度効いています。
また購入するタイミングも重要です。
ある時期にまとめて資金を投下して損失が発生するとリカバーしにくくなります。
毎月地道に積立投資することで、暴落時には平均購入単価が下がっていきます。
新NISAにはつみたて投資枠と成長投資枠がありますが、60歳からの初心者はつみたて投資枠を前提に検討してください。
リスクはほどほどに
投資初心者の人にありがちなのが、価格変動リスクのない預金と比べることです。
投資信託で運用する場合、一般的に債券よりも株式の方がリスクが高くなります。
また同じ債券や株式でも国内のものより海外資産の方が為替リスクもあるのでリスクが高くなります。
投資信託のかなりの種類や数があるので、同じではありません。
様々な資産を投資対象にするものなどの場合、少し債券の比率を高くするなどリスクは無理をしない程度にしてください。
どこの金融機関でも資産運用について、その人のリスク診断ツールなどもあるのでいくつかやってみて参考にしましょう。
また60歳代でも前半と後半の人では運用期間が違います。
高齢になるほど運用期間が短くなるので、一般的にはリスクの少ない運用を検討してください。
少額ではじめること
新NISAのつみたて投資枠なら少額ではと思うからしれませんが、年間120万円までつみたて投資枠の利用が可能です。
この枠をフルに利用して数年経過すれば、300万円、500万円などあっという間です。
例えば預金が1,500万円あるからこれをそのまま新NISA等の資産運用でと考える人がいますがやめてください。
投入する金額が大きいということは、その分大きく増える可能性もありますが、市場が暴落したときに精神的に耐えられないと思います。
全く未経験の社員に会社の命運に関わる取引をいきなり任せたりしません。
資産運用も同じです。
欲を出さずに、無理をせず精神的なストレスにならない範囲で金額を決めてください。
経験を積んで少し資産運用についてわかってきた、リスク耐性が上がったなら多少増やしてもいいと思いますがほどほどにしておきましょう。
手数料等のコストの意識を持つ
投資信託等は専門家に運用を任せる分、手数料がかかります。
特に注意が必要なのは、運用期間中にずっとコストがかかる運用管理費用(信託報酬ともいいます)です。
最近はこの手数料関係は下落傾向ですが、新NISA(つみたて投資枠)では、基本的にこれが安いものが選定されるルールです。
ですからそんなにこの点で神経質になる必要はありませんが、安いものなら0.1%切るものから2%弱程度かかるものまで様々です。
投資信託のタイプによってコストが高いものもあり、それが決して駄目なわけではありませんが、初心者はこのコストが安いものを中心に検討してください。
丸投げにせず、少しずつでも資産運用の勉強をする
最後に一番大切なことです。売り手などにお任せ・丸投げにしないことです。多少自分でも資産運用の勉強をしてください。
これができないなら、60歳からの新NISAでの資産運用はやめるべきです。
「難しい」「分からない」「忙しい」「自分には無理」
言いたいことはよく分かります。
しかし別にプロになれとか、FPなど関連する資格を取りましょうなどと言っているわけではありません。
あなたなりに資産運用の勉強が必要なのです。
例えばスポーツする、将棋をする、ゲームをするなどいずれもはじめてならルールを学びます。
知らなければ勝てません。
またこれまで経験がないほど体調が悪ければ、ネットで調べたり、病院に行くはずです。
資産運用もあなたの大切な資産に関わる重要なことです。自分で調べる、学ぶ、詳しい人の意見を聞くなどしてください。
第三者に丸投げで人任せにしない。
新NISA関連の本を2~3冊読んでみたり、動画をみる、セミナーに参加するなど自分なりに学んでください。
資産運用においても基本的な知識や経験を積まないと、リスク耐性が上がらないため不利になります。
60代の新NISAの始め方
60代の新NISAの始め方
新NISA(積立投資枠)をはじめるには、金融機関でNISA専用口座の開設が必要になります。
金融機関によって取り扱っている投資信託の内容や数は異なります。
60代の人にはつ積立投資でコツコツはじめてくださいといいました。
少し話が矛盾しますが、将来的に慣れてきたら個別の株式の取引にも挑戦したい人は証券会社で口座開設を考えてください。
銀行では個別の株式の取引ができないからです。
特にそうした予定のないという人は気にしなくて構いませんが、NISA口座は1人一口座のみです。
複数の金融機関に持つことはできません。
また年1回だけ他の金融機関にNISA口座を変えることができますが、手間がかかるだけですので面倒でもはじめにしっかり選んでおきましょう。
60歳からはiDeCoと新NISAどっち?
時折聞かれる質問に60歳からはiDeCo(個人型の確定拠出年金)と新NISAのどっちがいいか聞かれることがあります。
65歳の方はiDeCoの加入年齢を超えているので新NISA一択です。
60歳の方で条件を満たしていれば65歳までiDeCoに加入可能です。
収入があってiDeCoの掛金の全額を所得控除にして節税したい人、資金的に余裕があるならiDeCoもありです。
70歳からは受取開始になるので、資産運用期間があまり長く取れませんからリスクをどのくらい取るかはよく検討してください。
まとめ
平均寿命が延びていくとともに生活費や高齢による医療費や介護費用なども掛かる可能性が増えてきます。
そのため資産寿命の延伸も欠かせません。
60歳以降は無理は禁物ですが、解説した5つのポイントを意識して可能な範囲で新NISAの利用を検討してください。
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