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【チケット寄付税制】チケットを払い戻さないと税制優遇の新制度が創設!

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※この制度は終了しています。

新型コロナウィルスによって、スポーツや文化・芸術イベントなどが中止になった際、チケットの払い戻しをしないことによって寄附金控除の対象となる制度が新たに創設されました。

あまり報道されていないので、知らない人も多いでしょうが、経済活動と新型コロナ対策を両立していく中でイベントの中止は避けられないこともあります。

【この記事の主な内容】

  1. チケット寄附税制とは?
  2. 税制優遇の対象となる具体的なイベント
  3. 申請の流れ
  4. チケット寄附税制の注意点

アフターコロナで知っておきたい中止のイベントチケットを払い戻さずに寄附することで、税優遇が受けられるチケット寄附税制について解説します。

チケット寄附税制とは?

チケット寄附税制とは?

新型コロナの影響で中止されたイベントのチケットを払い戻さずに寄附することで、寄附金控除が受けられるチケット寄附税制が創設されました。

制度の概要

「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律」が成立しました。

これによってスポーツや文化・芸術イベント、コンサートなどが中止等されてしまった場合、当該チケットの払戻しを受けないことで、そのチケット金額分を「寄附」と見なします。

この寄附分の金額について税制上の優遇を受けることができます。これがチケット寄附税制です。

制度の主旨は、税負担の軽減となる特例措置をすることにより、文化芸術・スポーツ活動への支援の動きを後押しするものです。

この制度ではすべてのイベントなどが対象になるわけではなく、中止などされた文化芸術・スポーツイベントのうち一定の要件を満たすものを文部科学大臣が指定します。

指定を受けたイベントの参加予定者が、チケット等の払戻しを受けずに当該イベントの主催者に寄附する場合、その払戻額について「所得控除」又は「税額控除」のいずれかを選択して税優遇を受けることができるわけです。

対象となるチケット金額には限度額があり、年間合計で20万円が上限です。

所得控除と税額控除の違いについては、下記の関連記事の2ページ目のはじめに図があるのでそれを参考にしてください。

一般的には所得税の最高税率(45%)が適用される人などを除いて、税額控除を適用した方が軽減される税額が大きくなると考えてください。

*実際にどちらが有利かは税務上の計算をするなり税理士等に相談するなりして判断してください。

制度はいつからいつまでのイベントが対象?

新型コロナに関連することなので期間限定の制度です。

対象イベントの詳細は改めてこの後解説しますが、2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までに開催された(開催する予定含む)イベントなどが対象です。

税制優遇の対象となる具体的なイベント

税制優遇の対象となる具体的なイベント

対象となるイベントの条件

対象となるイベント等は、次のすべての要件を満たすこと

  • 文化芸術又はスポーツに関するものであること
  • 2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までに開催されたまたは開催する予定であったもの
  • 不特定かつ多数の者を対象とするもの
  • 日本国内で開催された又は開催する予定であったもの
  • 新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止等されたもの
  • 中止等の場合、入場料金・参加料金等の対価の払戻しを行う規約等があるまたは現に払戻しを行っているもの

対象となるイベント

この制度についての情報は、文化庁のWEBサイトに情報が掲載されています。

大事なことは対象イベントの条件を満たしているすべてのイベントが自動的に対象となるわけではないということです。

文化庁やイベントの主催者のオフィシャルサイトを確認するようにしましょう。

適用対象となるイベント下記のとおりですが、適宜更新されていくでしょうから、最新の情報は必ずチェックしてください。

チケット税制申請の流れ

チケット寄附税制と申請の流れと申請に必要な書類

ここから具体的な申請な流れと必要な書類についてみておきましょう。

申請の流れ

チケットの払い戻しをしないと自動的にチケット税制が適用されるわけではありません。

一般的に税制の優遇を受ける場合、自動的に優遇されることはまずないので自分で何かしらの手続きが必要になります。チケット税制について適用する全体の流れは次のとおりです。

  1. 払い戻しを受けないイベントチケットがこの制度の対象であるか確認する
  2. イベントの主催者にチケットの払い戻しをしないことを連絡(制度対象のイベントなら具体的な方法は主催者のWEBサイト等で確認できます)
  3. 翌年に確定申告を行う

チケット寄附税制を利用する際の注意点

チケット寄附税制を利用する際の注意点

このチケット寄附税制に限った話ではありませんが、税制優遇をいうと「控除」される金額分の税金が安くなる、払い戻されるなどと考えている人がいます。

自分が本来支払っている税額(税金)以上に、控除されることはありません。

税制を優遇する「控除」制度は、例えば配偶者控除や生命保険料控除、確定拠出年金の掛金、住宅ローン控除、ふるさと納税を使っての寄附金控除などさまざまな種類があります。

仮に他の控除などですでに控除される分がなければ、今回のチケット税制を利用してもお得にならない人もいます。

特になるかどうかは人によるわけですが、前年の納税額や適用される他の各種控除を確認してこの制度を利用するか検討するといいでしょう。

参考 文化庁 チケットを払い戻さず「寄附」することにより,税優遇を受けられる制度

またすでにお話したように自動的に手続きされるわけでもありませんので、必要な手続きは自分で行ってください。

もちろんチケット税制を使わずに単純にチケットを払い戻してももらった方がいい人もいるでしょう。

自分の所得の状況などを考慮して総合的に判断してください。チケットの払い戻しを受けずに税制優遇を利用しつつ、イベント団体を支援するというのも考え方です。

まとめ

【チケット寄付税制】チケットを払い戻さないと税制優遇の新制度が創設!、についていかがでしたか。

この制度なかなか面白い制度ではあるのですが、広報の仕方が悪いのか、メディアがあまり報道しないからかあまり話題になっていません。

各種のイベントが好きでよく行く人や寄附というかたちで貢献したい人、その上で税制上有利になりそうなら選択肢の一つとして考えてみてください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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